そして良いところが中々にない主人公……。
今回は物語の進捗悪いので
またすぐに更新するかもいやしないかも。
【挿絵表示】
表紙を描いてくれたRimiQwiさんのページはこちら
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登場人物紹介はこちら
http://novel.syosetu.org/61702/1.html
ファンタシースターオンライン2、通称「PSO2」を舞台にしたオリジナルの話です。
本来のストーリーモードの主人公とは違った視点で、
PSO2の世界を冒険していくという内容となります。
気軽に感想とか要望を書いてくれると作者喜びます
二人のアークスと別れてから周囲を探索していた
スノーフレークだったが……
「なんという嵐だ……」
風が強くなってくる。
砂嵐は酷くなり視界が悪くなってきた。
さすがのこの嵐の中では機甲種も動けないのか
ぱったりと姿を見せなくなった。
「くっそ……調査どころじゃないぞ……」
「どこか風避けになる場所を探しましょう」
一番華奢なレシアが飛ばされそうになるのを
キャストのライガンが支える。
ウェズとメディリスは
そのライガンの影に隠れつつ歩いていた。
メディリスは重たいライフルを背負っているせいか
中々に歩くのが辛そうだった。
風きり音がまるで泣いてるように聞こえ、
ただただ不気味……
「ぅぅ……こんなのじゃ、調査どころじゃないね」
トゥリアもアークス本部と話をしていたみたいだが、
『……そろそろ日が暮れる。
悪天候が収まったら帰還して。
……調査は一度打ち切り』
結果として今回のクエストは中止となった。
さすがにこの嵐の中ではキャンプシップも近づけず、
テレパイプを設置するわけにもいかなかった。
後は嵐が収まるのを待つだけだが……
「……ん？」
ウェズは何か視界の隅に動いたのに気付く。
「なんだ、今のは」
機甲種ではない。
勿論、ダーカーでもない。
しかし惑星リリーパには生命体はいないと聞いてる。
ウェズが今ちらっと物陰に見えたのは、
５０センチくらいの小さな存在。
砂色の体毛の真ん丸としたモノで、
動きからして生き物っぽい。
何か甲高い鳴き声をあげていたような気がする。
勿論この砂嵐の中だ、
聞き間違いかもしれないが……
「気にはなるな……」
特に何も意識せずに、
その生き物が隠れた物陰へ歩く。
「ウェズさん、ダメ！」
それが行けなかった。
慌ててメディリスが飛び出して
ウェズの体を引っ張る。
けれど遅かった。
「なんだこれは！」
つむじ風のように風が巻いてくる。
いや、これは……
「竜巻！？」
そう、惑星リリーパの砂漠では、
場所によっては局地的に強烈な竜巻が発生する。
見晴らしがよければ
事前に避けることはできるのだが、
今回は間が悪かった。
嵐の中で発生したために
レンジャーのメディリスも気付かなかったのだ。
「ウェズ、メディリス！」
「マスター！」
巻き込まれなかった２人の叫び声が響く。
「くっそ……なんとか出れるか……」
ウェズは竜巻から出ようとするが、
「ダメ！ 流れに逆らうと危険だから！」
それをメディリスが全身で抱きしめて止める。
「ここの竜巻は普通のと違うみたい！
下手に動くと体が切り裂かれる！
だからじっとして！」
彼女も惑星リリーパは初めてのはずだが、
さずかはレンジャーといったところか、
周囲の自然環境に対する感覚は
人一倍優れているようである。
ウェズは彼女の言葉に素直に従う。
数秒だったのか、はたまた数分だったのか。
しばらくすると嵐が突如として止む。
リリーパは天候変化が激しく、
こういったことも珍しくないのだ。
「二人とも！ 無事ですか！？」
なんとか物陰で嵐をやり過ごしていた
レシアがすぐに飛び出す。
後ろから続いて出てきたライガンは唸り
「どういうことだ……」
周囲を見回す。
――ウェズとメディリスの姿は忽然と消えていた。