スノーフレーク   作:テオ_ドラ

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文章ではタキオンがどんな姿かわからん!
という方が多いと思うのでぜひ↑の表紙を見てください。
そこにいるキャストがタキオンです。
私の表現力では正確に描写するのは無理でした。


107.「ダーカーを喰らう」

「すまないな、助かった」

 

【巨躯】との戦いぶりに見たタキオンは

キャストらしくパーツを換装していた。

勇ましい獅子のようなヒュリオンボディと

肩アーマーのようになったヴァリアスアームは変わらない。

けれど足は少し装甲を減らして機動力をあげたメルダーレッグ、

ヘッドもまるでライオンのタテガミのようなセンガミヘッドになり

全体的な雰囲気は変わらないものの、

どこかワイルドな感じになっていた。

ヘッドゴーグルとワイルドマフラーは

いかにも凍土仕様とでもいうべきだろうか。

 

「タキオン、こんなところで何をしていたんだ?」

 

問いかけながらウェズは彼の肩を見る。

そこには深く刻まれた鋭い爪痕。

レシアにレスタで治療されながら

タキオンは深い息を吐く。

 

「研究機関から脱走したモノを追いかけている。

 油断してしまってこのザマだ」

 

ケーラが少し考えてからポツリと呟く。

 

「もしかして……虚構機関?」

 

けれどタキオンはそれには答えず、

探している目標の名前を告げた。

 

「――クローム・ドラゴン」

 

メディリスが首を傾げる。

 

「ドラゴン……

 龍族、なのかな?

 でもここはナベリウスだし……」

 

「いや、ドラゴンという名前がついているが、

 アムドゥスキアの龍族ではない。

 造龍……何故生まれたかは聞かないでくれないか」

 

スノーフレークの面々は顔を見合わせる。

 

「わかりました、詳しくは尋ねませんが……」

 

レシアは先ほどまで見ていた画像を呼び出す。

 

「そのクロームドラゴンというのは、

 もしかしてこれですか?」

 

「……先ほどまで私が戦っていた相手だな」

 

ウェズは立ち上がりスサノグレンを腰につける。

その姿は先ほどまで寒さに震えていた様子はなかった。

 

「どうせ手持ちぶたさだったんだ、手伝うぜ。

 それにタキオンには借りもあるからな」

 

その言葉にレシアも頷く。

メディリスもライフルを取り出していたが、

ケーラだけはまだ立ち上がらずに質問をする。

 

「待った。

 そのクロームドラゴンの特徴とか聞いておかないとね。

 さすがに予備知識なしでは危険じゃん?」

 

そこはさすが手慣れていた。

割と勢いだけでいきがちなウェズたちにとって

冷静になれる場所が自分の立ち位置だとケーラは考えていた。

 

「すまない、失念していたな」

 

タキオンは頷いて、考えながら言葉を続ける。

 

「アムドゥスキアの龍族より機動力が早く、

 手足が長いのでリーチは長い」

 

「速いのか……厄介だな」

 

「そして何より特徴的なのは……」

 

そこで一度言いよどみ、告げた。

 

「――ダーカーを喰らう」

 

タキオンの声か堅かった。

ダーカーを喰らう?

ダーカー因子はどのような生物にとっても有害だ。

理性を失わせまた存在自体を変質させる。

アークスたちはフォトンで浄化ができるが

それは決して喰らうというわけではない。

何故、そんなことがクロームドラゴンが可能なのか。

そして研究機関から逃げ出したということは、

「何らかの研究の成果、あるいは過程」。

タキオンは明言しなかったか、

虚構機関とは果たして何を研究しているのだろう。

 

「それと、もしクロームドラゴンで

 黄色い布を巻いた個体がいれば、できれば攻撃しないでほしい。

 それを私は探しているのだ」

 

「黄色い布……?

 ……わかった」

 

スノーフレークの面々は気を引き締めて、

キャンプシップから出たのだった。




最近更新が滞っていてすいません。
Ⅱの方が筆が乗ってしまって……
今回も短くて申し訳ない

一応スノーフレークオリジナルの設定として
クロームドラゴンのダーカーを喰らう能力は
「ルーサーが シオンの作り出したマトイを模倣しようとして その一環としてダーカーを喰らう能力の研究の成果として生まれた」ということにしました。
つまり「マトイ」を作りたいと考えつつも、
中々できなくて結局 テクニックの素質はあるけれど、ダーカーを喰らう能力のない3代目クラリスクレイスになっちゃったみたいな。

EP1.5表紙(作:タキオンさん)

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EP1表紙

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(作:リミさん)
RimiQwiさんのページはこちら
http://www.pixiv.net/member.php?id=10995711

登場人物紹介はこちら
http://novel.syosetu.org/61702/1.html

ファンタシースターオンライン2、通称「PSO2」を舞台にしたオリジナルの話です。
本来のストーリーモードの主人公とは違った視点で、
PSO2の世界を冒険していくという内容となります。
EP1が終わり、EP1.5は EP2との間の時間軸となります。

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