ガーリーエアフォース PMCエースの機動   作:セルユニゾン

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聞こえるかね? 読者諸君。セルユニゾンは今回、多くの読者を敵に回した。気を付けたまえよ。

それと今回は遅れて悪かったとセルユニゾンからの謝罪もかねてバトラ恋人挿絵付きだ。出来の方だが……元々は女性専用アプリのカスタムキャストだ。それを無理して男性を作ったから察してやってくれ。


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作戦63 KOMATSU COMBAT No Justice

無事にパクファを回収出来た後に徹夜でパクファのスライスの問題を検索した八代通一同。

 

MS社のメンバーはベルクト以外のパクファの内容には信頼関係の維持を理由に触れず、ベルクトにも今回の件に限ってのみ本社側から報告義務を特例で解除した。

 

そして大まかに括れば一般兵でもあるバトラはと言うと、パクファのお目付け役を押し付けらていた。

と言うのも、連れ戻した一件からパクファがバトラに懐いたからなのだが、周りの談では、年の離れた兄に寄り付く妹、甘い兄に甘える妹と言う物である。それでもバトラは現金な所があるのか懐かれると色々と世話を焼いてしまい、周りの人間も面白がる。(一部はバトラ恋人合戦の賭けに負けない為の工作のつもり)

 

教えた物をピックアップすると、

 

瓶全般を使った人の頭の殴り方。(一升瓶での叩き合いが勃発した為に衛生科から苦情が来た後に平謝りからみんなでめちゃくちゃ掃除した)

 

殺人料理の作り方。(無駄に苦い奴と無駄に塩分高い奴と無駄にカロリー高い奴。MS社の社員が1名ほど衛生科に連れて行かれた。みんなで平謝りした)

 

一般的な日本の家庭料理。(肉じゃがでジャガイモの皮を剥ぐ際にパクファがジャガイモを一刀両断した事で前途多難な工程になる事を全員が覚悟した)

 

日本の方言。(沖縄弁を教えようとしたが周りに却下されて九州弁を教えようとしたらパクファから京都弁を希望されたので京都に住んでいた経験のあるMS社の社員を捕まえて講習させた)

 

トンカツにつけるなら、青じそドレッシングがジャスティス、おでんはダシも良いが卵は味噌がジャスティス。(小松基地の食堂がガチの戦場に変わった為に衛生科が全力で止めた)

 

壊した物の直し方。(電子機器以外なら割と瞬間接着剤でどうにかなる)

 

などである。

余談だが、これらは全て鳴谷慧が学校などで目を離しざるを得ない間に教え込んだ事である。無論ながらロシアのバーバチカに帰ったら文句を言われる事は間違い無しであるが、バトラの脳内議会ではその文句は鳴谷慧に向く事になっている。

 

そんなこんなで今日は鳴谷慧が基地内にスクランブル待機要員として滞在しているので、教習(変態化改修)を取りやめたバトラはパクファを連れて六番格納庫に来ていた。

 

ここには普段であれば、小松基地所属の機体が収まっている場所なのだろうが、未だに対してザイ戦闘で少なからず出てしまった損害を未だに回復していないのか家主不在の格納庫だ。

 

此処にはモンゴルから持ち帰った千年前のF-15Jのスクラップが置かれている。

これをバトラが研究所に持ち込まないのか興味本位で八代通に聞いた際に何処の研究所もリソースが無いと一蹴されたと言われた事で恐らくだが近い内にデカイ仕事が来るだろうとバトラは予見しているが、今の目の前を歩くエプロンドレスのフレンチベージュの少女の相手だと意識を切り替えて、格納庫の中へと入ると視界にはパーツ取り用のドナーにもなれないスクラップが転がっていた。

 

「スクラップしかないぞ?」

 

そんな場所についたバトラが後ろのパクファに話し掛ける。

 

バトラがパクファを連れて来たのは、こう言う興味が強い人間を軟禁や下手な事をすると逆に問題が起きると説得するも、それを一蹴したロシア人達は未パクファを人形や機械の様に扱い、問題を起こさない予防装置としてロシア人がパクファに麻酔を投与して事でパクファが暴走、小松基地の電子装置がハッキングを受けてしまった。

 

もう少しで一大事だったが、割とこんな事を受けるMS社が育成したシステムエンジニア達が電子的にも物理的にも行ったハッキング対策で大事にがならず、同時に色覚ステルスで逃げたパクファもMS社が事前に持ち込んでいたサーモゴーグルやサーモスコープで直ぐに見つかった。

 

この一件でバトラの意見具申に渋々ながら頷いたロシア人にパクファの御守りを押し付けられたバトラはある程度の自由を貰って、パクファを連れている。

 

「で? なんでここにいる?」

 

そして、この場所にエメラルドグリーンに髪を輝かせるファントムと片宮姉妹の2人が先客として此処に来ていた。

 

「ファントムが気になるからと」「私はその付き添いです。オーパーツが気になったのもありますが」

 

MS社の3人の話し声に気付いたファントムの髪から輝きが失せるといい所に来ましたと告げて、パクファを呼び寄せる。それにバトラが通訳は要るかと聞くと、ファントムの口から日本語訛りのロシア語で要らないと返って来る。

 

ファントムの口からロシア語が飛び出た事に驚いた瞬間に片宮姉妹の両手がバトラの両肩を叩く。

それに振り返ると、いい笑顔なのだが、どこか笑っていない雰囲気の2人が視界に映る。

 

「俺が何かした……か?」

 

「何を怯えているんですか?」「別に脅そうとか考えてませんよ」

 

そう言う話す姉妹の2人だが、バトラ自身はそれを信用できない。と言うかこうなった2人の危険性に対しては肌を濡らす冷や汗と悪感が裏切った事は無い。

こうなった時は逃走するバトラなのだが、今回はパクファの事もあって逃げる訳にはいかない。そしてこんな状況だからこそ姉妹は動いたとも言えるだろう。

 

「パクファさんを後ろに乗せて、楽しかったでしょうね」

 

「背中に抱き着かれて、さぞいい気分でしたでしょうね」

 

あ、これは嫉妬してますね。

 

バトラの脳内議会は全会一致でこの答えを出した。のだが、その対応策は何処からも何も出なかった。

 

こう言う場合の対処は慣れていないし、これが敵性の人間であったならば、殴るか蹴るか沈めるか墜とすか殺すか潰すかのどれかで解決してきたバトラにとっては対処のマニュアルもノウハウも無い。

 

そんなバトラに弁明を要求されたバトラは正直に吐く道を選んだ。

 

「何というか……持っている姉に嫉妬や羨望をする妹に見えてな。つい……」

 

妹分を2人も持っているバトラ、そして前世の一般人時代はこう言った妹系キャラに対しては滅法弱かった事もあってかついつい手を焼いてしまうし、出来る事なら協力してあげたい。だが、それだと2人は納得しない。

 

詰め寄られたバトラが徐々に摺り足で後退を続ける。これではいずれは八方塞がりだと思っていたバトラの肩にファントムの手が置かれた事でバトラが振り返った瞬間。

 

「は」

 

バトラは、目の前が薄暗くなり、その中心に薄緑の何かがある不思議な空間を見た事で発した言葉の直後に側頭部に突き刺さるファントムの踵により床に倒れる。

 

「まったく……やっぱり、甘えたり、遠慮げだったりする子が……」

 

どうやらパクファを含んだ何かの話し合いが終わった様だが、バトラに対する用事は終わっておらず、そのタイミングでバトラの妹っぽいキャラだからと言う理由を聞いた事で回し蹴りで放った踵でバトラ沈めるたファントムは誰にも聞こえない声で文句を垂れ流す。

 

そんなファントムの文句が聞こえないパクファは倒れたバトラの頭をチョンチョンと叩くが、その程度で起こるはずもなく、片宮姉妹は下着を見られる事を厭わずに回し蹴りを喰らわしたファントムに若干な戦慄を覚えていた。

 

何故なら、下着を見せても構わないと言う意志をファントムから感じ取ったからだ。貴方の為なら全てを見せてもいいとも取れるし、深くまで考えれば、それだけの献身が出来るとも取れる意志表示。なのだが、それにバトラが気付けない。

制裁もあるだろうが、それを真正面から見せられないファントムと言う構造が出てきいるからなのだが。

 

もう少し彼女は素直になるべきだろう。無論ながらそれでバトラを墜とせるとは限らないが。

それでも、今よりは一歩踏み込んだ関係にはなれるかもしれない。

 

「取り敢えずは」「起こしましょうか」

 

パクファが突っつくだけでは反応しないバトラの背中を2人が同時に踏みつけるとバトラが絶叫を上げながら海老反りになると痛いを連呼しながら格納庫の中を転げ回る。

 

「お前ら! ヒールで踏むな!! 変格持ってるけど、変態じゃねーよ!!」

 

変格、MS社が独自に設けている資格で変態的技能を持つ者に与えられる物で正式名称は変態資格である。しかも、これは試験で手に入れる物では無く、勤務態度次第でいつの間にやら付くと言う奴で上層部の愉悦の為につけらるが、資格獲得理由を聞けば全員が頷くだけ性質が悪い。

 

これを持っている奴は変態だと言われるが、ヒールで踏まれて喜ぶ様な奴が持っている事は無い。変態的性格では無く、変態的技能に付けられる近くだからだ。

 

バトラの抗議に対して、片宮姉妹の2人はフンと拗ねた様にそっぽを向く。2人からすればパクファに構ってばかりだったバトラに対するお仕置きも兼ねていた。

 

バトラもパクファが関わった事で拗ねている事は理解出来るのだが、やはり性格的についな部分が多分に含まれているのでどうしようも無い。

 

それは片宮姉妹は重々承知の上だが、やはり乙女心的にはやはり理解は出来ても納得は出来ない。自分だけを見て欲しいと言うのが恋する乙女心と言うものか、無論それは口には出さない。無粋とかそう言う物ではなく、バトラは指揮官だ。

 

誰かだけを見ると言う事は誰かを贔屓にすると言う事だ。ベルクトは新人だが、ベルクトから誘ったり大きな問題がない限りはバトラは単独で訓練するが、やはり訓練風景を見るのはベルクトの方が多い、パクファを外様故に気に掛ける事は理解しているし納得する。が、やはりと言う部分も多いのが片宮姉妹の想いだ。

 

「ん? パクファ?」

 

パクファに袖を引かれて振り返ったバトラにパクファは現地で使われるネイティブなロシア語で時間だと告げるとバトラはベルクトへの見舞いの時間だと気付くと大急ぎでパクファを連れてベルクトの居る施設へと向かう。

 

パクファ自身も数少ないベルクトとの交流の時間であるが故にこの時間を楽しみにしていた。それを見送ったファントムは手持ち無沙汰の片宮姉妹を呼び寄せる。

 

「少し……いえ、なんでもありません」

 

ファントムらしからぬ行動に不信感を抱きつつも片宮姉妹は格納庫の戸締りをしっかりとして出て行く。

閉まる直前に入り込んだ小松の冬風がF-15Jのスクラップを撫でた。




おいセルユニゾン。何故に格好がメイド服?

セルユニゾン「誠意」

……本音は?

セルユニゾン「男物の服っぽい奴がコート以外無かった為」

要望があれば?

セルユニゾン「ちゃんとした服の奴もあげます」

そうか。で、エスコン7は?

セルユニゾン「スクラップクイーンと王女は脱出させたから、敵さんの物資パチリに行こうってとこまでは行った」

叔父様は?

セルユニゾン「Suー47のQAAMでなんとか……」

バーディゴ問題は?

セルユニゾン「オートパイロットっていいね」

バトラから無言のQAAMによりセルユニゾン撃墜

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