プロローグ集   作:曾羅

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モンスター娘のいる日常×ドラッグオンドラグーン
アンヘルがドラゴニュートに転生した後に転生したカイムの家にホームステイ
カイムは喋ろうと思えば喋れるけど喋らない
来留主家の隣に引っ越しミーアたちと日常を過ごすお話


アンヘルのいる日常

来留主 公人(くるすき みひと)の朝は早い。

朝早くに起床した後はケンタウロスのセントレアの朝駆けが終わるまでに浴場の準備を終わらせ、他の住人が起きる前に、朝食の準備をする。

そんな生活を続けていたら、すっかり体が早起きに対応してしまい最近では皆が起きる前から朝食の準備を終わらせられるようになった。

しかし、今日はいつもと違っていた。

 

「もう、この音なにぃ?」

 

普段は、寒いからと布団から出ようとしないラミアのミーアが珍しく起き、身体を引きずりながら文句をぶつくさと繰り返していた。

 

「朝駆けの時に見たがとなりに誰かが引っ越してくるようだぞ」

 

「にしても、随分と大きい音ねぇまるで引っ越しと一緒に改装まで一緒にしてるみたい」

 

すでに席につき野菜スティックを食べているセントレアがそう報告すると向かいに座っていたアラクネ、ラクネラ・アラクネラが予想を立てていると

 

――――ピンポーン

 

「あら、お客様でしょうか?」

 

「あぁ僕が出るよ」

 

チャイムに反応したのは人魚のメロウヌ・ローレライ。インターホンに近づこうとしたところを公人が止めると、そのままインターホンに出ると

 

「はい、来留主ですけど」

 

『あぁダーリン君?ちょっと伝えることがあるから今いい?ほかの皆も一緒だとなおいいんだけど』

 

「今日は皆起きていますよ」

 

『あら?珍しいわね』

 

「となりでものすごい騒音が起きてますからね…」

 

『あら、それはごめんなさいね』

 

そう締めくくるとインタホーンを切り、他種族間交流コーディネーターである墨須がまっすぐにリビングに入室し状況を確認すると

 

「朝食の途中だったの?ちょうどいいから私にも頂戴な、あ!目玉焼きには醤油ね!」

 

「はいはい…」

 

それから、朝食を食べ終わった墨須へと質問が始まる

 

「それで?墨須殿は何の御用事で?」

 

「実はね、皆気づいてるだろうけど今日からこの家の隣に引っ越ししてくる家族がいるんだけどね。それがホストファミリーなのよ。それでそのお知らせと紹介にね」

 

「だぁからあんなに煩いのね」

 

「そそ、引っ越しと一緒に彼女が住みやすいように改装もしてるからねぇ」

 

「しかし、それならば事前に教えてくれもよかったものを…」

 

おかげでミーアたちがうるさいぞ…

セントレアたちが文句を言うと珍しく墨須は申し訳なさそうにすると

 

「ごめんねぇ。実はそのホストファミリーにステイする娘からの要望なのよ。その方が面白いだろうって」

 

「全然面白くないよー!」

 

そう講義するのはハーピーのパピ。翼を上下に振って講義する様に墨須は微笑みながら謝罪する

 

「本当にごめんねぇ。基本的に素直な娘なんだけど、こういう事になるとちょっとワガママになるのよねぇ…本当にそれでこっちの仕事は増えて…本当に面倒なことに…」

 

後半からは完全に愚痴になっていたがどうやら件の他種族は問題児なようだ。

来留主家にステイしている者たちがそう予測していると

 

――――ピンポーン

 

「あら?どうやら来たようね」

 

「我は魂の導き手、汝この館なにようだ」

 

『…随分と個性的なやつのようだな』

 

突然のインターホン。それに反応したのはデュラハンのララであった。しかしいつものように中二病全開に話すので相手がたも混乱してるようだった。

 

「ちょ、ララ!えっと僕はホストファミリーの来留主公人って言います。となりに引っ越してきた人ですよね。入って来てもらっていいですよ。」

 

『…それでは失礼する』

 

それからリビングで入ってきたのは赤い服にドラゴンのような面をかぶった女性と大柄な男性だった。

 

「随分と大所帯なのだな」

 

「………」

 

「はぁい。待っててって言ったのに待ちきれなかったの?」

 

「どこかの誰かが人を待たせて朝餉を取って居ったのでな」

 

「…あぁ、私だってその気はなかったけどいざ目の前にするとねぇ」

 

「せっかくだからお二人も食べます?量なら十分にありますし」

 

「よいのか?ふむ……ならば頂こうか」

 

なにやら墨須の行動に怒っているのか口調が一段と低くなったところを察したのか公人は二人も朝食に誘うと、

少し考えたような動作をすると二人とも席へと近づいた。それを了承ととったのかパピは笑顔で二人を迎え入れた

 

「御主人のご飯は美味しいよ!」

 

「……」

 

「それは楽しみだな」

 

他種族の娘は楽しげな声でパピに答えたが、パピは自分の笑顔にも反応はしない男に気に入らないのか頬を膨らせながら抗議しようとするが

 

「すまんの。この男はいささか感情に乏しくての許してやってくれ」

 

「乏しい?」

 

「ようするに顔が固いのだ」

 

「なら、パピがほぐしてあげようか!」

 

「その心遣いだけで十分だ。それに下手にちょっかいを出すと後悔するぞ。そもそも今回の引っ越しについてもこ奴が原因だしな」

 

「あらそれは気になるわね」

 

パピからの提案をのらりくらりとかわしていた他種族がこぼした発言にラクネラが素早く飛びつくと

 

「他種族間交流法が制定されてから3年。長いようだが浸透するには時間がかかるのだ」

 

「つまりはあなたたちは問題を起こしたってわけ?」

 

「いや、我ではなくこやつ、カイムが起こしたのよ。我の姿に少し言いがかりをつけてきたやからを病院送りにしてしまってな」

 

基本的にステイしている他種族が原因でもホストファミリーが問題を起こした場合は従来の法律が適用される。

よって、ホストファミリーが起こした事件により引っ越すなどほとんどありえないことだ

 

「珍しいことですね。本来はそういうことを行っても政府が揉み消すと聞きましたが」

 

「揉み消すんじゃなくて平和的な話し合いね!」

 

なにやら怪しいことを言うメロに対して慌ててフォローを入れる墨須だが周りはそんなこと一切を無視している

 

「さすがに病院送りの人数が10人を超えれば生活もしにくくなるというものよ」

 

「「「「「…10人!?」」」」」

 

この平和な時代で二桁を超えると町にも住みにくくなるだろう

それから話を切り上げ朝食を食べ終わると本題に入る

 

「さて、改めて自己紹介をしよう。今日から隣に越してきた者だ。種族はドラゴニュート。名前は…悪いが言えん、ドラゴンと呼んでくれ。ホストファミリーはこの男カイム・カールレオンだ」

 

「私はミーア。ラミアだよ」

 

「パピはハーピーのパピだよ!」

 

「ケンタウロスのセントレアだ。よろしく頼む」

 

「スーだよ」

 

「メロウヌ・ローレライと申します。見ての通り人魚でございます」

 

「アラクネのラクネラ・アラクネラよぉ」

 

「我はデュラハン…魂の導き手にして死の刈り取る人…」

 

「あぁ……彼女の名前はララって言うます。僕の名前は来留主公人。この子たちのホストファミリーをしてます」

 

「…話には聞いていたが実際に見てみると壮観だな。それに聞いたこともない種族も混ざっているようだ」

 

今まで静かに食事をとっていたスライムのスーであったが、自己紹介を始めたことで一緒に自己紹介もしたが、そもそもスーは新種の他種族であり本来の登録もされていないので、

情報を受け取っていないのか二人は僅かに驚いたが

 

「ハハハ…彼女についてはどうか大事にしないでください。何か問題があれば墨須さんに擦り付ければいいので」

 

「ではそうするとしようか」

 

「待って…あなたたち…私の仕事を増やさないで頂戴。そもそもダーリン君の家は他種族をたくさん受け入れてるからんね。イレギュラーだってあるのよ」

 

「…まぁ、ここまでたくさんの子たちを受け入れる家もいないそうですしね。たしかに珍しいかも」

 

他種族を受け入れるには様々な条件と環境が必要だ。そのため4人でもかなり多い扱いがされるが来留主家では7人もの他種族を受け入れている。

彼らや彼らたちがよく行くスーパーからみれば慣れた光景ではあるがそれ以外の者たちにとっては異様ともいえる光景だ

 

「けど名前が言えないってなんか理由でもあるの?」

 

至極当然の疑問をミーアがぶつけるがそれに答えたのは本人ではなくセントレアだった

 

「別に珍しいものではないぞ。そもそも名前を教えるというのは種族によっては婚姻に近いものだと考える種族も多いと聞く」

 

「ああ…そんな感じよ。彼女は他の試験は問題なく突破したけど本名だけは教えてくれなくてね。私も知らないのよ」

 

「墨須さんが知らないということはよっぽどのことなんですね」

 

カイムから引っ越しの挨拶の粗品を受け取っていた公人が感想を述べると、他種族の娘が静かに、しかしはっきりと宣言した

 

「そのようなものだ。我の名前をしっているのはカイムだけで十分だ」

 

「あら。見た目によらず随分とラブラブなのね」

 

「別に気にせぬがあまりちょっかいをかけてきたらおぬしも病院送りになってしまうぞ。カイムはあまり我慢が得意ではないからな」

 

そう静かに笑ってカイムと公人たちの交流は幕が閉じた。

未だに改装を続けている家に戻る途中でドラゴニュートの娘、アンヘルは仮面の下で微笑みながら言った。

 

「この世界は随分と平和だな。このような世界ならば賢者も生まれてくることを願うかもしれんな」

 

それは彼女がホストファミリーである男を背に乗せ空を駆けていた時に呟いた人の心理の突いた発言にたいする逆説でもあった。

カイムとアンヘルはこれから先、平和でありながらも退屈しなさそうな未来を微笑みながら楽しみに待っていた。




この作品は連載になる可能性は低いです。
何故かって?
カイム王子が日常を過ごす姿を想像できないからさ!

ちなみに、DOD2からの転生を考えているので新宿の母は現れていません。
ニーアのようなバッドエンドはおきません

DODは設定上二次小説は難しいけれど私は待ち続けます。
これを読んだみなさん!
あなたが思い浮かべる王子たちをぜひとも文字や絵に変えて世に発表しましょう。
どんな作品でも私は待っていますよ!

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