カメ子 レ級   作:灯火011

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「戦艦レ級(カメコ)」

大火力をすべて捨て去り、その身体能力を艦娘撮影に全力で使う彼女。

新たな艦娘と、出会い交流を行うようです。


13 第六回 海上撮影会

カシャンカシャンカシャンカシャン

 

横須賀鎮守府海域に、フィルム一眼レフの音が響いていく。

大和艦隊の進軍を撮影する、青葉の一眼レフカメラの音である。

 

「いやぁ!みなさま絵になりますねぇ!

 特に大和さんと武蔵さん!横顔が最高です!」

 

青葉は、そんなことを言いながらカメラを構え、次々と写真を撮影していく。

その顔は、とっても良い笑顔だ。

 

「青葉、そろそろ戦艦レ級と菊月が会敵している場所の近くです。

 撮影も良いですが、そろそろ警戒を厳としてください」

 

大和はそんな青葉を見ながら、鋭い口調で命令を飛ばす。

青葉はそれを受け、カメラのフィルムを変えながら

 

「了解です!戦艦レ級の写真、間違いなく撮影します!」

 

青葉は更に良い笑顔で答えるのであった。

実際のところ、青葉の身体能力は実際かなり高い。

砲撃飛び交う最前線で「被弾無し」で帰ってくるのだ。

しかもしっかりと「最前線の艦娘」の写真を撮影している。

戦闘能力を「写真撮影」に全力で使用する艦娘、それが青葉である。

 

(そう言う事じゃないんだけど・・・。

 青葉の写真好きにも困ったものね。本来の身体能力は、戦艦にも劣らないくらいなのに)

 

大和は、喜々としてフィルムを変え、カメラを構えなおす青葉を見ながら

一人ため息をついていくのであった。

 

「おい大和よ。島風を目視確認だ。

 同時に、菊月とレ級らしき物体を確認。どうする、砲撃するか?」

 

武蔵の声にハッとして、前を見る大和。

その目の先には、先行偵察を命じていた島風が波間に佇み

その更に先には、戦艦レ級と菊月が2隻で海の上に立っていた。

 

「武蔵、一航戦、雪風、あと島風。あのレ級は深海棲艦ではありますが、

 命令書にあった戦艦レ級の可能性が大きいですから、こちらからの砲撃は厳禁です。

 ただし、いつでも発砲、発艦できる体制は整えておいてください」

 

「「「「「了解」」」」」

 

大和は隷下の艦隊に指示を下しつつ、島風と合流しながら、更に足を進めてレ級に近づいていく。

そして、完全に視認距離に来た所で、とんでもない光景が、大和艦隊の目に飛び込んできたのである。

 

菊月と戦艦レ級が争ってはいたのだが・・・・

方や真っ赤な顔をして、大声で何かを叫びながらレ級からタブレットを奪おうと、やっきになっている菊月に

方やニヤァリと良い笑みを浮かべて、菊月にタブレットを奪われまいとしている戦艦レ級の姿であった。

 

その姿を確認した大和艦隊は、呆気にとられ、気が抜けてしまっていた。

そして思わず武蔵が、大和に話しかけていた。

 

「大和よ、あれをどう見る?」

 

話しかける武蔵の顔は、苦笑というか、なんとも言えない表情をしていた。

 

「私に聞かれても困るんですが・・・・。

 えぇと、友好的なレ級、発見ということで、いいのではないでしょうか・・・・」

 

そう答える大和の顔も、同じように苦笑のような、なんとも言えない表情であった。

ふと、大和が艦隊を確認すると、他の艦娘達も、まったく同じような表情で固まっていた。

 

なにせ、戦艦レ級には何度も苦渋をなめさせられているのである。

航空戦、砲撃戦、雷撃戦、どれも高水準で、かつ高錬度で襲い掛かってくる敵だ。

何度も大破させられ、何度も仲間が沈められた悪魔の様な深海の船、「戦艦レ級」。

 

そんな敵が、カメラとタブレットを持ちながら、駆逐艦の菊月と

なにやら楽しそうにじゃれあっている姿を見てしまったのだ。

状況整理が追いつかず、固まってしまうのは仕方がないことだ。

 

「あー、、皆さん。とりあえずですが、このまま進軍し

 あのタブレットをもっている2隻に接触を図ります。

 安全が確保できるまでは、レ級に照準を向け続けてください」

 

大和は固まっている艦隊に指示を飛ばし、進軍していく。

その指示にようやく反応した隷下の艦隊も、大和に続き進軍を続ける。

 

そして、じゃれあっていた菊月と戦艦レ級は、

進軍する大和艦隊の姿に気がついたのか、視線を大和艦隊に向ける。

戦艦レ級の鋭い目が、大和艦隊を射抜く。

 

(くっ・・・戦艦レ級、その目は本物ですね。すさまじいプレッシャーです)

 

大和はレ級の視線に、体がこわばっていた。

隷下の艦隊も同じように、緊張が高まる。

 

(戦艦レ級、どう、でてくるんでしょうか)

 

大和は砲撃に備えながら、レ級の行動を観察していく。

すると、戦艦レ級と菊月は、大和艦隊から視線を外し、何やら話を始めていた。

 

(?とりあえず、攻撃はしてこないようですね)

 

大和艦隊はその光景を注意深く確認しつつ、更に接近していく。

お互いの顔がわかるところまで近づいた時、

あろうことか、戦艦レ級が右手を上げ、大和艦隊に向け、叫んだのである。

 

『ヨウ!オ前ラ私ニアイニキタンダッテナ!

 敵意ハナイカラ、ユックリハナソウゼ!』

 

左手にはタブレットが握られ、その顔はニッコニコのいい笑顔だったという。

それをみた大和達は驚きのあまり、7隻全員で、大声を上げてしまうのであった。

 

「「「「「「レ級が・・・しゃべったあああああ!?」」」」」」

 

『ヒッ・・・・!?ヤメテ、オオゴエハ、ビックリスルカラ、ヤメテ!』

 

そしてその声に、ビクゥっとする戦艦レ級の姿である。

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鎮守府正面海域。提督達の育成の場で

2隻の船が、タブレットを引っ張り合いながらじゃれあっていた。

 

「戦艦レ級。私は別に艦隊の人気物になりたいわけではない・・・・!

 お前の写真の腕が気にいったからもう少し、撮影して貰おうと思っただけでな!」

 

『イヤイヤ、コノ写真ハ皆ニミテモラウベキダッテ!

 菊月ゼッタイカワイイモノォ!モッタイナイカラ!ネ?ネ!?』

 

前回の撮影会で、写真を撮りまくった戦艦レ級と、写真を撮られまくった駆逐艦菊月である。

レ級が、「出来がすごいいから他の艦娘にも見せるね!」と言ったところ

菊月が全力で「いやそれむりだから、やめて、お願い、ねぇ、聞いてる?やめて!」

と断ったことが事の発端である。

 

「ぬぅぅぅ・・・・なんなのさ、いったい。」

 

菊月はタブレットの奪取に失敗し、赤い顔のまま、俯き呟いていた。

 

カシャカシャカシャカシャ

 

その菊月の姿に、戦艦レ級のカメラのシャッター音が容赦なく響き

菊月の恥ずかしがる姿がカメラに記録されていく。

 

『グフフ、菊月ノ、レアナ顔ゲット。赤イ顔モカワイイネェ』

 

菊月は、ハッとして顔を上げるが時すでに遅し。

戦艦レ級が、良い笑顔をしながらカメラを構えていた。

 

「おまっ、おまっ、おまえぇ!」

 

『菊月ガ、カワイイノガワルイ』

 

更に赤い顔で、口をパクパクさせながらうろたえる菊月。

更にその顔を容赦なく撮影していく戦艦レ級。

傍から見れば、混沌の極みである。

 

そして、戦艦レ級が、追撃とばかりに赤い顔の菊月を撮影しようとしたときである。

 

ファインダーの中の菊月の背中に、7隻の艦娘らしき姿が映ったのである。

戦艦レ級は、ファインダーから目を外し、その方向に視線を送る。

菊月もそんなレ級に釣られるように、自身の後方へと視線を向ける。

 

すると、菊月からは見慣れた艦隊である、横須賀鎮守府第1艦隊、通称大和艦隊と

重巡洋艦青葉が進軍してきていた。

 

『大和と、武蔵、加賀、赤城、雪風、島風、アト・・・青葉?

 スゴイ艦隊ダナァ。ウーン、流石ニアノ艦隊相手ニシタクナイシ

 ソロソロ撤退シヨウカナァ』

 

戦艦レ級は、大和艦隊を睨みながら呟いていた。

それを聞いた菊月は、レ級の方を向きながら、話しかける

 

「いや、その必要はないぞ。

 おそらくあの艦隊の目的は、戦艦レ級。貴様を発見することだ」

 

菊月の言葉に、思わず固まる戦艦レ級。

固まる戦艦レ級を横目に見つつ、菊月は更に言葉を続けていた。

 

「戦艦レ級、実は貴様には大本営から

 <交流を図れ>という命令が来ているんだ。

 最初は誰も信じなかったのだが、

 佐世保の金剛艦隊と映っている写真が同封されていたものでな。」

 

『エ、本当?』

 

と呟き、菊月を見る戦艦レ級。その顔は、呆気にとられていた。

 

「あぁ、本当だ。ついでに、どうせ知ることだから教えておくが、

 命令書はおそらく、全鎮守府に回っているぞ」

 

レ級の脳裏に浮かぶのは、金剛艦隊と撮った集合写真。

あの時、実は艦娘側のカメラでも、集合写真を1枚撮影していたのである。

「良い写真が撮れマーシタ!レ級!またどこかで会いまショー!」

右手を振りながら、いい笑顔で去っていく金剛の姿が、脳裏に浮かんでいた。

 

(オ?オ?エート。ン?ナンデダ?イヤイヤ、大本営ッテ。

 アレカ、モシカシテ、金剛トトッタ写真、アレカ!

 ッテイウカ、金剛カ!金剛ガ原因カ!)

 

思いだすと共に、戦艦レ級はハッっとして大和艦隊の方をみる。

 

(トイウコトハ、アイテニ敵意ハナイ、ハズ。

 ソレジャア、声ヲカケテミヨウカナァ・・・?)

 

戦艦レ級は、そう思うと、タブレットを左手に持ち、右手を高く上げた。

そして、その右手を左右に振りながら、大声で叫んだのである。

 

『ヨウ!オ前ラ私ニアイニキタンダッテナ!

 敵意ハナイカラ、ユックリハナソウゼ!』

 

すると、艦娘は驚いたのか、驚愕の表情のまま固まり、直後

 

「「「「「「レ級が・・・しゃべったあああああ!?」」」」」」

 

『ヒッ・・・・!?ヤメテ、オオゴエハ、ビックリスルカラ、ヤメテ!』

 

艦娘達の大声に、思わずビクゥとなってしまう、戦艦レ級であった。

 

「戦艦レ級、案外、ビビリなのだな・・・」

 

その隣で、ぼそりと囁く菊月。

レ級が赤い顔のまま、ハッとして菊月の顔をみると

菊月は「いいものを見た」と言わんばかりに

ニヤニヤと、良い笑顔を浮かべていた。

 

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横須賀鎮守府、正面海域のとある場所。

 

そこに、横須賀鎮守府の最大戦力が揃っていた。

大和、武蔵、赤城、加賀、雪風、島風、青葉、そして菊月。

基本性能も、錬度も極限の彼女らは、深海棲艦の最深部すらも攻略できる能力を備えている。

 

さて、そんな彼女らがなぜか鎮守府正面海域に集結していた。

というのも、輪のように布陣している艦隊の中心には、

「戦艦レ級」という、最悪とも行っていい深海棲艦が存在しているのだ。

 

一見すると「8隻の艦娘が、1隻の深海棲艦を叩いてる」のだが

実際の状況は全く違う。8隻が、深海棲艦のタブレットを見ながら談笑していたのだ。

 

「はぁー・・・ため息が出るほど美しく撮りますねぇ。

 青葉、自信をなくしちゃいます・・・。」

 

カメラが好きな艦娘は少し落ち込みながらため息をつき

 

「武蔵、武蔵!私の写真もありますよ!

 ・・わぁ!この砲撃シーンなんか、かっこいいです!わぁ!

 あっ。武蔵、あなたのもありますよ!」

 

「ふむ・・・おお!これは良い!

 大和との同時砲撃をよくぞここまで捉えたな戦艦レ級

 賛辞に値するぞ!」

 

日本最大級の戦艦は大興奮して手がつけられない。

 

『イヤァ、褒メラレタ物ジャイナイヨ。

 結局ハ被写体ガ最高ダカラ、綺麗ニトレルンダ!』

 

戦艦レ級は、そういいつつ談笑する艦娘の姿をにっこにこしながら見ていた。

 

「戦艦レ級、私と、赤城さんの写真はないんですか?」

 

「あ!あったらぜひ見せてください!

 大和と武蔵さんばかりで、ずるいと思ったいたんですよ」

 

『オォ、加賀ト赤城ダナ!アルヨ!チョットマッテネ』

 

そう言うと、タブレットから「航空部隊」というフォルダを表示させ

1枚1枚写真をめくっていく。

 

そこには、発艦のために弓を構えていく赤城の姿、

残心が美しい加賀の姿、

敵の航空機の攻撃を避け、反撃とばかりに弓を弾く赤城と加賀の姿など

数多くの空母機動艦隊の写真が収められていた。

 

それを見た加賀と赤城は目をキラキラさせながら興奮気味に話していた。

 

「わぁあ!綺麗!加賀さん加賀さん、これなんか一緒に映っていますよ! 

 タイミングばっちりです!戦艦レ級。ありがとうございます」

 

特に、赤城は少し飛び跳ね、喜びを表している。

 

「流石にこれは・・・。気分が高揚しますね」

 

加賀も、判りにくくはあるが、少し笑顔になっていた。

 

『イヤァ、ソコマデ喜ンデクレルト、撮ッタカイガアルナァ」

 

レ級はそんな2人を見ると、少し照れながら、呟やく。

撮影した物を、本人に見せて喜ばれると、その嬉しさは、筆舌に尽くしがたい物である。

 

『ソウソウ、雪風ト島風ノ写真モアルヨ!』

 

そして、次から次へとタブレットに表示されていく写真に、

魅入られていく大和艦隊と青葉と菊月であった。

 

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「そういえば、レ級、いくつか質問よろしいですか?」

 

写真に見入っていた大和であったが

任務の事を思い出し、戦艦レ級に話しかけていた。

 

『ドウシタ、大和。深海ノ情報以外ナラ、ナンデモ聞イテイイヨ」

 

話しかけられたレ級は、にこにこ顔でかえしていた。

それを聞いた大和は、改めてレ級を正面に据え、話し始めた。

 

「深海の情報は気になりますが、それよりもあなたのことです。

 艦娘を攻撃したり、沈めたり、そのようなことはしないのですか?」

 

大和の顔は真面目で、その声も静かでありながら、少し緊張を含んでいた。

レ級は首をひねりながら、少し考えたのち、口を開き

 

『ンー。私ハ別ニ沈メタコトナイナァ。沈メタイトモオモッテナイシ。

 カメラヲ手ニ入レル前モ、命令デ大破撤退サセルグライダッタシ。

 ソレヨリモ今ハ、コノ一眼レフデ写真ヲ撮ルコトガ大切カナ!』

 

一眼レフを見せびらかしながら、レ級は、大和に言い放った。

戦艦レ級の表情は、曇りのない笑顔で、大和達が思わず見惚れるほどである。

 

「そう、ですか。わかりました。戦艦レ級。写真が好きというあなたの言葉、信じましょう」

 

大和は戦艦レ級の表情を見て、普通であれば、深海の船を信じることのない彼女ではあるが、

戦艦レ級の裏表のない言葉に、その引き込まれるような笑顔にウソは無いと判断したのである。

大和以下、隷下の艦娘も同様なようで、大和の言葉にうなずいていた。

 

『ソウダ、大和、一ツタノマレテモラッテモイイカ?』

 

そんな艦娘を見ながら、戦艦レ級は大和に話しかけていた。

大和は、首をかしげながら、レ級に答える。

 

「なんでしょうか?私たちも、艦娘の情報は渡せませんが

 それ以外で出来る事なら何でもいいですよ」

 

『イヤ、ソコマデ大シタモンジャナイ。』

 

レ級は少し真面目な顔で、大和に向き合うと

 

『コノ艦隊ト、私デ、集合写真トッテクレナイカ?記念トイウカ、ウン、記念ダナ!』

 

笑顔で大和に言い放った。それを受けた大和は

 

「そうですね、記念、ということで1枚。写真に入らせていただきましょう。

 皆さんも、いいですよね?」

 

レ級と同じような笑顔で、答えるのであった。

 

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「以上、戦艦レ級との接触の全容です」

 

横須賀鎮守府の提督室で、提督と大和が対峙していた。

 

「なお、戦艦レ級の装備は、自分でタンカーから奪ったもの、との証言が取れました。

 確実に、私達を襲ったレ級と、今回のカメラのレ級は、同一の船です。」

 

「そうか、判った。

 それにしても、あの時のレ級が、今じゃ写真家とはなぁ・・・・」

 

提督は、はぁ、とため息をつきながら、大和の報告を整理していく。

 

要点をまとめていけば

・戦艦レ級は友好的。ただし、深海側の船であることは違いない

・戦闘行為はしない。写真を撮るために艦娘に近づいている。

・装備は過去横須賀より奪われたカメラそのものである。

・戦艦レ級の撮影する写真はどれも魅力的

というところである。

 

「それにしても、コノ写真を戦艦レ級が撮影したとは、ねぇ。

 美しく撮れてるじゃないか」

 

呟く提督の手元には、

「凛とした横顔が美しい、大和が砲撃をするシーン」の写真が握られていた。

ポスターにも出来るような見事な構図に加え、敵を見据えながら叫ぶ様

そして、砲撃の爆風で少しだけ髪が流れ、色気も醸し出している。

 

「えぇ、私もそれを見たときは、自分の写真とはいえ、思わず

 見惚れてしまいましたから。戦艦レ級の写真は、見事なものです。」

 

大和はその写真を見つつ、少し顔を赤くしながら提督に話していた。

 

 

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大和達と鎮守府正面海域で別れた戦艦レ級は、

自身の拠点へと戻り、カメラのメンテナンスを行っていた。

珍しく、飛行場姫もその隣に座り、同じようにカメラのメンテナンスを行っている。

 

『レ級、今日ノ撮影ハドウダッタノカシラ』

 

「とンでもない事にナってます。姫様。

 私ガ、なにやら友好的なレ級というコトニなっているみたいデす」

 

飛行場姫とレ級、2隻がカメラとタブレットをいじくりながら

会話する様はシュールである。

 

『ホゥ、ソレデ大和達ト集合写真ヲトッテキテイタワケカ』

 

「お恥ずカしながら。テンションあがってしマいまして・・・・」

 

レ級は、姫の言葉に小さくなりながら呟いていた。

脳裏に浮かぶのは、以前同じように艦娘と撮影をし、

処罰を受けそうになった時のことである。

 

(もしかして、また解体騒ぎになるのかなぁ)

 

と、レ級が小さくなりつつ考えていると

 

『何、小サクナルコトハナイ。貴様ノ写真ハ有用ダ。

 コノ集合写真ダッテ、精鋭ノ菊月ガ横須賀ニ移転シテイルトイウ

 貴重ナジョウホウデモアルノダ。気ニスルコトハナイワヨ』

 

レ級は、その言葉に顔を上げ、飛行場姫を見る。

飛行場姫は、そんなレ級を見ながら、

 

『レ級、前ニモイッタガ、オ前ハ好キナヨウニ写真ヲトレ。

 行動ニ制限ハナイ。私ガ保障シテヤロウ。

 ナニヨリ、ソノ写真ヲ待ッテイル姫モイルノダ。遠慮セズニ撮ッテシマエ。

 モシ、鎮守府ニ潜リ込メルヨウナ機会ガアレバ、遠慮セズニ行ケ」

 

穏やかな笑みを浮かべて言葉をかけていた。

 

「おぉー。寛大デすね姫様。判りまシた。

 好きなように撮らせていただキます!」

 

レ級は、にっこにこの顔で飛行場姫に言葉を返していた。

 

その手元のタブレットには、

「戦艦レ級をセンターに、大和・武蔵・一航戦・雪風・島風・青葉そして菊月が

 いい笑顔をしながら映る集合写真」が写されていた。

 




妄想滾りました。

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