fallout とある一人の転生者   作:文月蛇

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二話 転生

 

 

 

トクン・・・トクン・・・・・

 

最初は電車の音かと思った。しかし、耳を済ませると、血液の循環だと分かる。つまりは心臓の鼓動。俺の心臓?最初はそう思う。しかし、聞こえてくる方向は俺の真上。辺りを見回してみても、血管が浮き出た袋の中にいるのだろうと分かる。外の光が此方に僅かに来ている。

 

俺は誘拐されたのか?

 

だけど悪趣味な袋の中に押し込められている感覚はある。もしかして、ここって胎内?

 

俺は赤ん坊ってこと?

 

「破水したぞ!急いでオペ室に!」

 

「先生お願いします!息子と妻を!」

 

おうおう、どうやら生まれる寸前らしいな。オペ室とか言うことは医療は発展しているのか。普通、こんな高校生から赤ちゃんに戻ったらパニクる筈なのだが、それが全くない。

 

これって転生?

 

まさかね!

 

すると、押し出されるように引っ張られる。

 

「ん~~~!!!!はぁ・・はぁ・・はぁ・・んん~~~!!」

 

もうすぐ産まれんじゃん。やべえ、頭を捕まれ引っ張り出される。

 

「んぎゃあ!んぎゃあ!」

 

俺の体であろう喉が震え、赤ん坊の鳴き声が聞こえる。

 

「おお、元気な赤ん坊だ。椿、見るといい。元気な赤ん坊だ」

 

すると、黒髪の女性に抱かれた。瞳は蒼く髪は黒。日本人っぽい顔つきで日本人の名前なのでやっぱり日本人かな。瞳は青いけど・・。目鼻立ちがくっきりし、誰の目から見ても美人に見えた。確実にこの人がお母さんだろう。

 

「この子が私の・・・息子なのね!」

 

「ああ、名前はどうするんだい?」

 

俺の名前はどうなるんだい?一世一代の大行事!果たしてどうなる!

 

「この子の名前は・・・ユウキ。英語で勇気よ」

 

いい名前じゃないか。漢字は何なのか分からないが・・・・。

 

疑問に思っていると、お母さんの顔が苦痛に染まり、近くにあった機械から警報が鳴り出す。

 

「ジェ、ジェームズ・・・」

 

「椿、・・しっかりしろ。ジョナス来てくれ、彼女の息子を外へ」

 

眼鏡を掛けた黒人の看護師っぽい人が俺を抱える。

 

「よしよし、もう大丈夫だよ」

 

ジョナスと呼ばれた看護師は俺を抱え、オペ室を出た。その時俺は、ジョナスの着ている服を見て驚いた。

 

白衣に青い革製のスーツ。おいおい、これは一体何の冗談だ!?

 

「よしよし、お母さんは大丈夫でちゅからね」

 

ジョナス!気持ち悪い!変に赤ちゃん言葉使うなぁ!!

 

そうして俺はfallout3の世界に生を成したのだ。

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

2077年。1950年代のアメリカ全盛期の人々が考えていた未来。核軍拡を推し進めていたアメリカ率いる資本主義陣営と中国率いる共産主義陣営が衝突。世界中が核ミサイルを放ち、世界中が放射能に汚染された。

 

アメリカではこうした全面核戦争から逃れるため、全米に核シャルターを築き始めた。

 

巨大複合企業「vault-tec」

 

軍需の一端も請け負う彼らは全米に核シェルターを築き始めた。ワシントンD.C近郊に位置する核シェルター「vault101」もその内の一つ。

 

核の炎が世界中を埋め尽くしたとき、vault101の扉は永遠に閉じられた。

 

 

 

 

 

 

 

 




主人公誕生編。

薄っぺらい文章だなと言わないでください。一人称で書くのも久々ではないけど、のびのびと駄文をひけらかしたいでして・・・・

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