fallout とある一人の転生者   作:文月蛇

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久々の更新です。これからも亀更新ですが、読んでいただければ幸いです。

いつも※※・・で文を分けていますが、少し多く出来てしまいました。




十二話 those!

前世の俺は日本の高校生だったと思う。母子家庭の一人息子で、母と二人暮しで、マンションで生活していた。父親は俺が赤ん坊の頃に亡くなったから顔も写真で見ることしか出来ない。だが、この世界で父親、ハーマン・ゴメスに出会い、父親の有り難みを知った。

 

ブライアン・ウィルクスはこのあとクエストで父の事を探して欲しいと俺達に言ってくる。そして俺達が見るのは、ジャイアントアントの死骸と戦って死んだ彼の父親。それを覚えていた俺はどうしようもなく彼に同情した。肉親は生まれた直後に死んでいるから彼の心の痛みは分からない。だが、亡くなったら、辛いという事は分かっているつもりだ。

 

「・・・ショットガン持ってくるべきだった」

 

「水平二連だと火力不足ね」

 

ウルトラスーパーマーケットからグレイディッチに行く道のりでブライアンは自分の住む町の事を話し始めた。町と言っても、人口はたった5人位なので町とは呼べない。つい最近になって科学者が近くの廃屋に住み込み始めたそうだ。ん?ブライアンを追いかけていたレイダーはどうしたって?そりゃ、レイダー共がやるみたいに鎖を腹に巻き付けて店の天井に引っかけておいた。吊っていた時は生きていたろうけど、今は知らない。多分、スカベンジャーのイヌにでも食われているんじゃないだろうか?

 

 

 

「ヤベェ!ビル走れ!」

 

「いつから奴ら火炎放射器体内に取り入れたんだ!?くそったれ」

 

入り口に近づいた時、男の声が聞こえ、入り口に銃を向ける。すると、入り口から出てきたのが、黒のコンバットアーマーを着て、タロン・カンパニーのロゴを入れた傭兵達が飛び出してきた。

 

「おうっと!こんなことしている場合じゃ・・・アチチチ!!!」

 

タロンの傭兵は俺達が銃を向けているのを宥めようとしたのだろう。だが、言おうとしたとき意味の分からない叫び声を挙げた。

 

「火が!ひ、火が!!あちちちち!」

 

燃えている尻を押さえて走る傭兵。これがギャグマンガなら笑い者だが、実際起こると大変なのだ。すると、一緒にいた傭兵は火を消そうとするがそんな簡単には消えなかった。

 

 

「あんたも手伝ってくれ」

 

「・・・え?」

 

「いいから!」

 

尻を押さえて逃げる傭兵。その隣にいた男はあろうことか俺に助けてきた。タロンの傭兵なのにである。

 

タロン・カンパニーとは無法者の傭兵集団のことである。ゲームでは、レイダーよりも質が悪い。整備したアサルトライフルや中国軍アサルトライフルを装備し、装備が良ければレーザーライフルやレーザーピストルを装備している。彼らの任務は金さえ積めば、何でもこなす。子供でも殺すという話もあり、非情な傭兵として忌み嫌われている。ゲームでは、メガトンの爆弾を解除したことで、タロンの傭兵がヒットマンとして主人公を殺しに掛かると言うのだ。

 

なのに、この二人の傭兵の内の一人は俺達の手を借りようとしている。明らかにイレギュラー。ゲームでは登場しないような人たちであった。

 

仕方ないので、pip-boyからウェイストランド人が着るような布を継ぎ合わせた物を取りだし、広げてバサバサ!と尻に叩きつけて消化する。

 

「くそぉ!尻が!」

 

厳つい顔だった傭兵の顔には大粒の涙が流れている。燃えた尻は着ていた戦闘服が溶けて皮膚にくっついていた。シャルは「移植が必要」と外科医らしき発言をした。

 

「おい、来やがった!」

 

頼んできた傭兵は持っていたレーザーピストルを入り口に向ける。そこには、放射能で肥大化したジャイアントアントが火を吹きながら、突撃してきたのだ。

 

「うお、汚物は消毒ってか?!」

 

「それ違う!」

 

何が違うのか、シャルに分かったのか?まあそれはいい。俺はホルスターに収まっている消音器付き10mmピストルを構えて引き金を引き、シャルはレーザーピストルを向けた。

 

三人による射撃によって、丁度射線上にあったアントの頭を撃ち抜いた。

 

グシャ!と気味の悪い音を出して絶命するアント。傭兵の男は腰にくっ付けていた地雷のスイッチを入れて、入り口にポイッと投げる。これでまた来たアントも吹っ飛ばせるだろう。

 

「さてっと・・・・なあ、タロンの傭兵さん。ここで何をしているんだ?」

 

俺は10mmピストルをタロンの傭兵達に向け、シャルもレーザーピストルを尻を大怪我した傭兵に突きつける。

 

「俺達にはこの荷物をマリーゴールド駅のDr.レスコっていう奴に届けなけりゃならん。それだけ」

 

「・・・・他に依頼されていたことは?」

 

「いいや、ない。」

 

傭兵は首を横にふる。後ろにいたブライアンは「そう言えば」と言ってシャルに話し掛けている。俺にも聞こえるように言って欲しいが、それは嫌なのだろう。

 

さっき、怒鳴りまくったから距離を置かれている。やっちまったかな?

 

「ブライアン君のお父さんはDr.レスコっていう人物を隣に建てた小屋に住まわせている。そこに行けばいいって」

 

シャルはそう言うと、尻を火傷した傭兵に近づく。背嚢に入った消毒液と軟膏を塗ろうとしているらしい。

 

「彼女は医者か?」

 

「ああ、vaultで最高の外科医さ」

 

vaultの中ではそこまでの事故は起きない。大きな外傷もなく、手術するのは何かの病に掛かったときなどだ。ウェイストランドでは弾の摘出ができる奴が名医と呼ばれているが、ならばシャルは神の手を持つ外科医と呼ばれても遜色無いだろう。

 

傭兵はvaultで思い出したのか、ハッ!と目を見開いた。

 

「そう言えば、バニスター基地でジャブスコ司令官がvaultの二人組を殺すよう命じていたな。・・・・お前らだったか」

 

そう言いつつも、目には戦う気力がないのだろう。銃を突きつけているにも関わらず、ポケットから戦前のタバコを取り出して吸い始めた。

 

「俺らの任務じゃないからな、手は出さないさ。それにしても何をやったら、俺達みたいな傭兵に狙われるんだ?」

 

「ユウキが核爆弾を解体した」

 

唐突にシャルが言うと、その傭兵はブハッ!と吹いた。

 

「おいおい、マジかよ。あのthree dogがラジオでメガトンの爆弾を解体したって言っていたのはお前らだったのか」

 

あ、そう言えばそんなのあったっけ・・・。

 

核戦争から200年後の今でも放送しているラジオ局がある。一つは謎の放送局のエンクレイヴ・ラジオ。そしてもう一つが人気のあるGaracxy news radioと呼ばれる放送局。three dogがDJを勤める放送局でウェイストランドの出来事を伝えている。

 

ゲームではメガトンの爆弾を解除すると、解除したことをニュース

で報道する。しかし、俺は保安官しか伝えていない。それなら誰かが解体を見ていたか、保安官の口が滑ったのだろう。どちらにせよ、アトム教会には睨まれそうである。

 

「テンペニーとMr.バーグは爆発しなかったことに大層腹を立てたらしいな。ジャブスコ司令も腕利きの隊員に命令を下しているよ・・・・確か、“やつらの頭をおもちゃにしてやるから、ここに並べろ!”だったかな?」

 

めっちゃ怒ってるやん。

 

こうなるなら、解体しなけりゃよかった。だが、彼はどうなのか?目の前にいる傭兵はキャップには目がないはずだ。

 

「あんたは?」

 

「・・・・・それが俺と弟のビルはタロンに入りたてでさ。そんな新米に重要な仕事を任せるわけがない。そうだろ?」

 

口調や物腰といい、タロンの傭兵と何処か違うと思っていたが、どうやら入り立ての新米らしいのだ。尻を火傷したのはビルという男で色白なヒスパニック。対して俺の目の前にいる男、名前をウェインというらしく、容姿は色黒のヒスパニック。腹違いの兄弟らしく、俺と似ている。元はビッグタウンで生活していたが、持ち前の射撃能力を生かして傭兵家業を始めたそうだ。幾つかの仕事を経て、キャップをもっと稼ぎたくなり、タロンの門を叩いたのだ。だが、彼のような男に勤まる筈がない。彼ら兄弟と一緒にいたもう一人のタロンの傭兵とは折り合いが悪く、そのためか先程全身をアントに焼かれて生涯を閉じたそうだ。場数を踏んでいても、越えてはいけない一線を知っているからか、タロンの傭兵のように残虐行為は行わず、他のメンバーからは反感を買い続けていたそうだ。

 

「もう、こんな仕事やめてやらぁ!あんな子供を撃ち殺すなんて正気の沙汰じゃない。」

 

尻のビル・・・もとより怪我しているビルは座れないため、瓦礫の上に横になっている。シャルがなけなしのスティム・パック(有料)と診断(有料)を行って、尻には新しいズボンを履いている状態だ。彼は任務で他の傭兵が子供を撃ち殺したのを見たことがあり、その時から彼はタロンを辞めたがっていた。

 

「ああ、もうこんな傭兵稼業はおしまいだ。奴らのアーマー着ているだけで吐き気がする。俺達はこれを届けるつもりだが、もう用済みだ」

 

ウェインは背嚢に収まっていた銀色の保護ケースを取り出した。

 

「なあ、それ俺達が届けようか?」

 

「え?・・・・でも、ブライアン君のお父さんを見つけなきゃ」

 

シャルは戸惑うが、俺はアントの近くに寄った。

 

「多分、このアントはDr.レスコの仕業かもしれない。どのみち、アントは殺さなければならないし、これをしでかした張本人なら止める方法も分かるだろ?」

 

俺はアントの頭を蹴飛ばす。200年経てば放射能でミュータントとなり、巨大化するなんて何の冗談だと何回思ったことか。これで大型の蜘蛛がいないだけましだろう。

 

「わかった、俺らはメガトンに寄る。何かあったら酒場に来てくれ。」

 

「ああ、そっちも気を付けて」

 

弟のビルを担ぎ、二人四脚で歩く二人。メガトンとは余り離れていないだろうから、直ぐに着くだろう。

 

 

「よし、中に入るぞ」

 

「うん」

 

俺とシャル、そしてここに住んでいたブライアンの三人はグレイディッチへと入っていく。だが、俺は知らなかった。まさか、こんな展開になるなんて・・・・。

 

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

「シャル、慎重に撃て。胴体は硬いが、頭を撃てば直ぐに死ぬ」

 

「・・・難しい・・・」

 

アサルトライフルを持つシャルは俺とグレイディッチにあるダイナーの屋根に伏せてアントを狙い撃っている。専ら、ここではシャルの射撃の的としている。レーザーピストルなど反動のない武器なら難なくこなせるようだが、実包となると反動が強くてコントロール出来ないようだ。

 

「シャル、確かハノン警備長撃ったとき10mmピストルで撃っていたじゃん。あれはどうなんだ?」

 

「あれ、頭を撃ったつもり・・・」

 

意外にもpip-boyは其処のところを忠実に再現しているようだ。

 

すると、シャルは最後の一匹のアントを撃ち、地上にいるアントの制圧を完了した。

 

「beautiful」

 

「何で美しいの?」

 

「マクミラン大尉の真似」

 

「?」

 

シャル、君は知らなくていい。あんな緑のムックは知らなくても大丈夫だ。

 

「何で緑色・・・」

 

「・・・可笑しいな、エスパーが出てきたっけこのゲーム・・・・」

 

vaultに出てきてから、なんかシャルに心を覗かれているような気がする。所謂読心術って奴か?!

 

「違う、これはただの勘」

 

「望みが絶たれた~!!(別の意味で)」

 

シャルのpip-boyのPecksには当然「psychic(サイキック)」があるだろう。

 

「それはない」

 

「だから、お前は何で分かるんじゃ!」

 

俺はダイナーの上で叫び声を挙げたのだった・・・。

 

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

「よし、中に入るぞ」

 

「うん」

 

ブライアンから借りた鍵でウィルクス家のドアを開けた。アサルトライフルを構えながらゆっくりと前進する。シャルはレーザーピストルを構えた。

 

家には3匹位のアントの死骸があり、弾痕が胴体と頭にある。しかし、父親の姿は一向に見つからない。落ちていた5.56mm弾の空薬莢を拾い、回収した。

 

「シャル、二階を頼む」

 

「うん、呼んだら来て」

 

俺はそのままキッチンへと向かう。冷蔵庫や棚には戦前の保存食品が幾つかとモールラットの塩漬けとアントの肉が置いてあった。

 

「虫の肉なんて誰が食うんだよ」

 

意外にも、メガトンの食堂のメニューでは出てくるし、メガトンの外で売り出す露店商には虫の肉が多い。幾らか栄養があるかもしれないが、虫を食べる気なんて更々ない。

 

「ユウキ、こっち来て」

 

シャルの呼んだ声で俺は二階へと上がる。二階に上がると案の定ブライアンの父親がいた。

 

「かわいそう・・・」

 

シャルは悲しそうな声で言った。彼は体の半分以上が焼かれ、顔の半分は真っ黒になっていた。俺は見開いた目を閉じてやり、ベットに掛かっていたシーツを彼に被せた。

 

「後で彼に会わせよう。それよりも、アントを何とかしないと」

 

「今からブライアンに言わなくていいの?」

 

「じゃあ、今伝えたらどんな顔をすると思う?自分の丈に合わないことをするに決まっている。敵討ちとかね」

 

しまった・・・。

 

既に遅く、シャルは顔を俯かせる。アマタがジョナスが死んだことを伝えて、シャルが復讐しようとしたことは事実。身内が殺されたことでとんでもない事をすることがある。

 

俺はそっと、頭を撫でて包み込むようにシャルの顔を自分の胸につけるようにしてギュッと抱き締めた。

 

「ゴメン、シャル。悪いこと思い出せちゃって」

 

「大丈夫、平気」

 

そう言うが、シャルの目尻には涙が溜まっている。復讐をしようとしたシャルの気持ちは分かる。だが、その復讐心の先にあるのは空虚と罪悪感のみで、冷静さの欠ける時にこそ分からなくなるものだ。

 

「あとで、お墓作らないと」

 

「・・・そうだね」

 

俺達はウィルクス家のアントの死骸を外に出して片付けると、町の隅にあるマリーゴールド駅に行った。

 

「何でまだ崩落しないんだ。200年も経つんだぞ」

 

「もともと核シェルターとして建設されたから?」

 

「かもしれないが、こんな浅いと放射能はもろに受けるな」

 

ロシアのモスクワメトロは核戦争が勃発した際にシェルターとして機能するように設計されている。元々、レーニンの後続であるスターリンが就任した後、就任祝いに合わせて後の第一書記となるゴルバチョフが第二次大戦前に建設し、後に核シェルターに近代改修された。モスクワに住んだことがあるなら、入り口に大きなシャッターが設置されているのが分かるだろう。エアロック付きの大きい金属製の扉である。だが、ここにあるワシントンメトロは網の格子しかないため、中に逃げ込んでも放射能で死んでしまうだろう。

 

「やっぱり煤が酷いな。・・・いや、これは燃えカスの匂い?」

 

「肉が焼けたような・・・・臭い」

 

俺は匂い対策として戦前の技術で作られた特殊繊維のバラクラバ(覆面)をする。シャルには戦前のガスマスクを渡して取り付けるように指示した。

 

アサルトライフルの弾倉を確認し、シャルはレーザーピストルの光線収束機の調整を行った。

 

「シャル、ゆっくり前進する。離れるなよ」

 

「うん」

 

アサルトライフルを構えつつ、ゆっくりと前進する。

 

途中にラッドローチを見つけたが、トイレの中にいたため、扉を閉めて放置を行った。途中落盤していたが、それを回避するような従業員用通路があり、そこを歩いていく。たまにアントがカサカサと歩いているが、消音器を装着したアサルトライフルで風を切るような音と共に、アントの頭が潰れていく。

 

「何でユウキはそんなに撃つのが上手なの?」

 

「う~ん、長年の成果?」

 

「練習すれば上手くなるんだね」

 

「まあ、そうだろうな」

 

と敵の姿が見えないときは他愛もない話をしつつ、電球がついている部屋を見つけた。

 

「あれか?」

 

「入ってみる?」

 

一応、扉をノックしドアに耳を押し当てる。

 

「何も居なさそうだ」

 

「ユウキ、後衛をお願い」

 

さっきとは打って変わってシャルが先鋒に立ち、俺は扉のハンドルを握る。

 

「開けるぞ」

 

「うん」

 

油の差してあるハンドルを回して扉は開いていく。そこには俺達が探していたDr.レスコの姿はなく、金庫や弾薬箱などが保管されていた。置いてあるのは5.56mmや10mm、306口径等で総数は100発以上あるだろう。

 

「シャル、幾つか鍵が掛かっているから解除してくれ。無理ならハンマーで叩き壊して構わない」

 

「え、壊すの?」

 

「当たり前だろ、ロックピックは多くないんだから」

 

ゲーム見たいにチマチマやって時間喰うことは避けたい。あれはミニゲーム的な存在だったけど、本当にやってみるとイライラしてしょうがないのだ。弾薬箱の鍵はハンマーで叩けば直ぐに壊れるし、鍵の掛かったドアであればを壊せば入ることは可能である。

 

俺は壁にもたれ寄りかかり、さっきのウルトラ・スーパー・マーケットにあったチューインガムを噛んだ。葡萄味のフレーバーな香りが口中に広がるが、考えてみるとこの果物はこの世界に存在しない。もう、こういった物を食べるのは最後になるのだろうなと感傷に浸りながら200年前に製造されたパッケージの表示を見る。

 

「“長期保存食品”・・・か。核戦争を想定して様々な食品を作ったけど、200年も持つように設計されたのか?」

 

2070年代、記録によれば中国との軍事衝突も避けられないと薄々感じていた大手食品メーカーは戦後50年以上経っても食べられるような食品を開発し始めた。普通の缶詰ならば最長で15年、短くて三年ぐらいな物である。それを50年や100年にしようと言うのだからとんでもない壮大なプロジェクトであった。核戦争後を想定された缶詰と普通の缶詰の相違点はいくつかあるが、加熱処理と真空処理がなされ、普通よりも容器が厚いことが挙げられる。それ以外にも化学調味料や保存するための薬品など試行錯誤が繰り返され、今手元にあるようなものが出来上がったのだ。それ以外にもソールズベリーステーキやマカロニ&チーズ、ヤムヤムデビルエッグ、即席ポテトなんかは乾燥食品だったり、肉詰めはポークビーンズと同じ缶詰である。俺が持っているチューインガムも半乾燥食品で水につけると普通のガムのように柔らかくなるのだ。

 

そんな先人の遺産をこうやって食い潰しているわけだから質が悪い。まあ、食い潰すというか、食い潰すという選択肢を残した先人が悪いのだが。

 

すると、メトロで甲高い足音が聞こえてきた。それは走っているような音で俺はアサルトライフルを入り口に向けて身構えた。すると、近づいてきたのは継ぎ接ぎのレイダーが着るようなアーマーにボルトアクションのハンティングライフルと言うような出で立ちの男であった。

 

「そこの男、止まれ!動けば射殺する。銃を捨ててその場で腹這いになれ!」

 

「お前がだ!タフガイ!そこに仕舞ってある金庫の中身を寄越せ!」

 

俺はふと見ると、ちょうど金庫の扉を開けて首を傾げているシャルの姿があった。

 

「ね、ネグリジェ?」

 

「なんでそんなところに・・・・」

 

う~ん、ネグリジェと言われて想像できる日本人は少ないだろう。簡単に言えばパジャマ。15禁相当で表すなら、娼婦が着るような透け透けの衣服である。シャルはそれを広げてしまい、顔を真っ赤に染めてしまった。

 

「いいから寄越せ!でないと・・・・」

 

「でないとどうなるんだ!」

 

俺はアサルトライフルを奴につき出す。人差し指は引き金に触れ、少しの力を掛ければ撃鉄が下ろされて薬莢についている信管に衝突。高速ライフル弾が発射され、男は死に絶えるだろう。それは俺に対しても言えることでお互いに銃を突きつけていると言うことは奴の弾が俺にも命中しかねない。

 

 

そんな緊迫した状況下で、シャルは唐突にも口を開いた。

 

「じゃあ、あげる」

 

「・・・え?」

 

「え・・・・・?」

 

 

「「えぇ!?」」

 

俺は驚きの声を挙げ、レイダーアーマーの男も驚きの声をあげる。その声は偶然にも重なり合い、ハモるという状況となった。

 

「しゃ、シャル?いいの?」

 

「・・・趣味悪い」

 

確かに、それを着るのは商売女だけである。

 

すると、男はシャルの手からネグリジェを奪い取り、線路沿いを走っていった。

 

「ひゃひゃひゃ!これで俺は金持ちだぁ!!」

 

あんなのよりも5.56mmの弾の方が遥かに価値があるように思えるのは俺だけか?そんな杞憂の甲斐もなく、男は喜びの声を上げて外に出ていった。

 

「なんだアイツ?」

 

「さぁ?」

 

「シャルの読心術でも分かんない?」

 

「何それ?」

 

「シラを切られた!」

 

とシャルと喋っていると、さっき走っていった男の叫び声が聞こえた。どうやら、アントに火だるまにされたようだ。

 

「あ~あ」

 

「アイツは本当に何がしたかったんだ?」

 

「さぁ?」

 

本当のことは神のみぞ知る。

 

※※※※※※※※※※※※※※※

 

その後、俺達は無事にDr.レスコに会うことが出来た。かなりの変人科学者だが、人間をグールに変えようとするマッドサイエンティストや科学者なのに格闘が100を越えている変なおっさんを見たことがあるため、そこまで変人には見えなかった。荷物を渡し、町で起こった惨状を報告した。それを報告した後、彼が言ってきたのは「協力しろ」という一言だ。この惨状は彼が行っている遺伝子治療の一環らしく、巨大になった蟻共を小さくし、昔のような虫に作り変える試みだった。だが、失敗してグレイディッチ周辺の蟻達は攻撃的になり、火炎を放つようになった。彼はそのために近くの豪商に頼んで数少ない薬品を手に入れようとした。

 

それで俺達が渡したのはいいとしよう。その後が問題だ。

 

その薬品を使うためには、女王蟻を守るアント・ガーディアンを始末しなければならず、ひ弱なDr.レスコは薬品を運んだ傭兵に追加料金を掛けてアント・ガーディアンを掃討する予定だった。この場合、その仕事ができるのは・・・・。

 

「俺たちってこと?」

 

「その通りだ。さすがに分かってくれたようだね」

 

Dr.レスコは溜め息を吐く。

 

いや、あんたらなんで俺に分からないような言葉を言うわけ?えっと、ホルモンを一定に押さえるためにXXXを?って意味わかんない。

 

「分からないの?」

 

「・・・もうやだこの理系共」

 

 

兎に角、俺達は彼の研究を助けるために、アントを何匹か殺さなければいけない。俺は邪魔になるであろう背嚢を下ろし、アサルトライフルの動作確認を行っている時にシャルは・・・。

 

「一緒にいけない?」

 

「うん・・・だって・・・」

 

「彼女には私の研究を手伝って貰わないとね」

 

とDr.レスコはあろうことか手を彼女の肩に乗せていた。

 

・・・・え、なにこの状況?

 

「えっと、・・・て言うことは俺は一人でアントを殺さにゃあかんと言うわけね?」

 

「そうだ!」

 

「う、・・・うん・・・・・」

 

 

さて、こう言うときは何て言うか知っているだろうか?

 

「こぅの裏切者ぉ!!」

 

大切な者を奪われた男の叫びが地下鉄に響いた瞬間であった。

 

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

「ひっく、なんで裏切ったシャルの奴・・・・」

 

いや、別に泣いている訳じゃない。シャルがNTRれたわけではないからいいとして、あの男に言いくるめられたシャルも許せなかった。まあ、そこまで怒っていないけど。・・・・帰ったらDr.レスコの髪を全部むしり取ってやろう。

 

俺はベストのポーチに入れていた消音器を銃口にくっ付けると、マガジンポーチに入れていた徹甲弾の弾倉をアサルトライフルに装填する。

 

fallout3では出なかったものの、fallout:newvegasには弾の種類が一気に増えた。徹甲弾やホローポイント弾は戦前では珍しくも何ともない弾であるが、great warで多くの核弾頭が落とされ、主戦場となった東海岸では、その殆んどの製造機械が失われた。徹甲弾などのとても効果的で実用性のある弾丸はすぐさま使われるため、200年経つ今日には、こう言った弾薬は無くなってしまった。しかし、旧米軍基地などには弾薬プレス機などが存在するため、旧米軍基地などを根城とするBrotherfood Of Steelsやタロン・カンパニーなど数少ない武装組織が使うだけとなっている。

 

だが、メガトンの自宅に帰ればその弾薬プレス機があるわけなので特殊な銃弾は使い放題なのだ。帽子を脱いで、黒のバラクラバだけとなり、上から黒塗りのコンバットヘルメットを被る。これで戦前のアメリカ陸軍の暗視ゴーグルがあれば最高なのだが、贅沢は言えない。

 

アサルトライフルを構えてゆっくりと、アントの根城に進んだ。木製の扉を開き、薄暗い裸電球の光を頼りに足音をたてないように進む。

 

「いたいた」

 

俺は小声で呟くと、セレクターを「セミオート」に設定し、ガーディアン・アントの頭を狙い定めた。引き金を引くと、消音器に減速されながらも、徹甲弾はアントの頭部を貫通し一瞬にして絶命した。

 

「ゲームなら人間に至近距離で撃っても死なねぇのに」

 

44口径マグナムを一発頭部に撃ち込んでも生きている奴がゲームのNPCにたまに居るのである。現実世界では確実に死ぬ筈なのにこの世界ではそんな化け物じみた奴等はいないだろうと思うのだが・・・。

 

「スーパーミュータントはどうなんだ?」

 

戦前にスーパーソルジャー計画が推し進められていた。内容は強靭な肉体を持ち、パワーアーマーのような高コストの兵器を着けずとも、一騎当千のような強靭な兵士を造り上げようとした。戦前、それに取り組んでいたのが、アメリカ軍のマリポーサ軍事基地とvaultのとある研究施設である。西海岸に位置するマリポーサ基地はFLVウィルスと呼ばれるものを研究しており、それがスーパーミュータントの元であった。西海岸ではそれらからスーパーソルジャーの成れの果てである緑色の巨体を持つスーパーミュータントと生き残った人類が銃火を交えた。ここ東海岸でもワシントンD.C.を根城に多くが生息している。

 

ゲームでは人間よりも体力があり、重火器を装備する異形の敵である。食べるものは主に肉。多くが人間を食用としている。

 

なんで俺はこの世界に来たんだ?荒んだ世界に生を為した俺は一体何のためにこの世界に来たのだろうか。俺はそんな疑問を胸に抱き、アサルトライフルを構えて異形の蟲の住処へと踏み入れる。人間やモールラットの死体を通りすぎ、アントを数匹撃ち殺しながら、女王蟻のいるところへ腰を低くして進んでいく。

 

「う~ん、“バグズライフ”?“スターシップトゥルーパーズ”?」

 

前世の映画を思い出してしまうほど、アントやこの世界にいる虫の印象が強かったのだろう。一つ目はディズニーので、二つ目がSF戦争ものである。

 

どうしてそんなことを呟いたのかと言うと、俺の背丈ほどあるアントがいたからである。大きさは・・・・2m弱。全長10mは越えている。幸いなことに巨大なクイーン・アントは俺のことを気付いていない。記憶では何かの粘液を吹き付けられるのだっけ。もしも強酸ならば、銃創の傷よりもとんでもない傷痕を残すのかもしれない。

 

クイーン・アントを殺せば、このグレイディッチの悲劇を食い止められるだろう。だが、Dr.レスコの実験を邪魔すればただじゃ済まない。人類は未来永劫、放射能で変異したアントにくるしめられるはめになる。一度は向けていたアサルトライフルを下ろし、そのまま腰を低くして立ち去った。

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※

 

「えっと、じゃあこれが報酬だ。それにしても見事な活躍だ。そうだ、アントから抽出したインプラントを・・・・」

 

「遠慮しておこう。このままで十分だ。・・・・蟻になりたくはないし。」

 

「そうかい?まあ、それならいいんだが」

 

「あんた、ブライアンは引き取れないか?」

 

「何度も言うようだけれど、それは無理だ。私には研究がある。彼の父親は残念だったが、この実験には犠牲が付き物だ」

 

Dr.レスコは言うと、アントの実験体を解剖していく。最早、実験にしか目を向いていない。これでは無理やりブライアンを託しても大変な思いをするだけだ。

 

「まあいい、あんたが人としてどうかしているのは分かっているが、レイダーよりはましだ。研究頑張ってくれよ」

 

俺はそう言うと、ポケットに入っていたガムを口に入れて外に出ていった。メトロの線路には何もいない。俺がいない間にレスコが策を講じたらしく、いままでいたアントは居なくなっている。一応、アサルトライフルは安全装置を外したまま、マリーゴールド駅の出口へ歩いた。

 

駅から出て、近くにある公園に向かう。戦前の遊具が置いてあるが、200年ほったらかしになっているため、動く気配がない。そんな、寂れた場所で幼馴染みがシャベルを片手に穴を掘っていた。

 

ザクッ!ザクッ!・・・・

 

無人に等しいグレイディッチの廃墟にただその音が響く。まるで自分の肉親を葬る準備をしているように。ただ無心に掘り続けるシャルの掘る手を止めた。

 

「シャル・・・」

 

掘る手を止めさせて、シャルの顔を見た。目は赤く腫れていて、手には無数の豆が潰れ血が滲んでいた。

 

「・・・大丈夫・・・、ちょっとジョナスの事を思い出して」

 

ジョナスは二人にとっても恩人である。俺が赤ん坊の時に色々と面倒を見てくれた人だし、第一彼は俺にこの世界を気付かせた人でもある。シャルにとっては先輩以上の存在だった。シャルより多くの事を学び、一流の医者だった。だが、彼はvaultにラッドローチを呼び込み、ジェームズの脱出を手伝ったとして拷問を受けて、警備長に殺された。その後、しっかりと葬式して埋めてあげたのか不安だったようだ。

 

「大丈夫、兄貴がしっかり葬式してくれる筈だ。」

 

「・・・うん、それと・・・お父さんちゃんと生きているよね・・?」

 

俺の胸に頭を預けていたシャルは顔を上げて俺の目を見る。だが、俺は彼女の目を見ることは出来ない。

 

いくら格闘技が上手かろうが、人は死ぬ。凄腕の傭兵であろうと死ぬときは死ぬのだ。いくら子供がいようが、恋人が待っていても、死は待ってくれない。ブライアンの父親のように誰にも看取られずに死ぬなんてゴマンといる。看取られて死ぬのはよっぽど幸せだ。こんな荒れた世の中、命は綺麗な水より軽い。それがこの世界なのだ。

 

「・・・お父さん・・・・」

 

シャルはそう呟くと、ポロポロと涙を流した。俺は声を掛けることも出来ず、そのまま彼女の震える肩をしっかりと抱き締めるだけだった。

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

その後、ブライアンの父を埋葬し、ブライアンを慰めてグレイディッチで一晩過ごした。夜通しでメガトンを目指すのも良いかもしれないが、周囲が分からぬまま歩いて、レイダーやアントに襲われれば為す術はない。メガトンのバンカーに暗視ゴーグルがあるが、出来ることなら危険のない昼間を歩くべきだ。

 

「ユウキ、ブライアン、ご飯出来たよ」

 

シャルに呼ばれ、俺は分解していたアサルトライフルの銃身を机に置くと、一階に降りた。一階のキッチンからは戦前の調味料を使ったらしく、美味しい匂いが二階に届く。

 

「さあ、座って」

 

俺は椅子に座る。テーブルにはウェイストランドの平均的な食事よりボリュームがある料理が置いてあった。

 

まず、マカロニ&チーズと即席ポテトを混ぜ、尚且つソールズベリーステーキについていた野菜をトッピングしたポテトサラダ。ソールズベリーステーキを細かく砕き、ヌードルに入れたチャーシューヌードル。それをみた俺は美味しそうだと心を踊らせたが、向かいに座っていたブライアンは目が落ちるぐらい驚きの顔をしていた。

 

「こんなに食べていいの?!」

 

「?・・・いいよ。さあ、どうぞ」

 

その後、ブライアンは泣きながら食べ始めた。後で聞くと、毎日ご飯を食べられる訳でもなく、1日一回の食事や二日に一回もあった。それに、食べられるのはほんの少し。良くここまで育てられたとブライアンの父に感心した。男手一つで育てられていたのか、そんなに手の込んだ料理を食べさせて貰えなかったようだ。そのまま俺も夕食を美味しく頂いた。

 

「ブライアン、ちょっと話があるんだけどいいかい?」

 

「・・・う、うん」

 

若干、怯えながら返事をする。もう夕食は食べ終わっていて、俺はpip-boyから綺麗な水のボトルとコップを取り出した。

 

「ほら、これを飲みな」

 

と水をコップに注ぎ、彼に飲ませる。そして話の本題に入った。

 

「ブライアンには親戚はいる?」

 

「えっと、確かリベットシティに叔母さんがいる」

 

「リベットシティ?」

 

シャルは聞いたことのない町の名前に首をかしげた。

 

「リベットシティって言うのは米海軍の原子力空母の残骸を元にした街さ。ここら辺で一番栄えている街じゃないか?」

 

俺は説明すると、シャルはト●ビアの泉のようにへぇ~といったような顔をした。あまり興味がないらしく、いそいそと食器を片付け始める。

 

「だけど、遠いな。ここから彼処まで行くのに護衛も付けずに行くのは自殺行為だ。スカベンジャーと共に行っていくのはいいかもしれないけど、命の保障はないし・・・・。もしも向こうが受け入れてくれなかったらどうする?」

 

「それは・・・」

 

ブライアンは言葉を詰まらせる。こんな世界で甥だからと言えど賄うのは難しい。ゲームと同じように人が良いのであれば問題ない。だが、この世界はゲームとは少し違う。性格が豹変していたり、死んでいる可能性すらあるのだ。

 

リベットシティに一緒に行くのもありなのかもしれない。だが、そんな足手まといは要らないし、リスクも背負いたくない。非情と思われるかもしれないが、そこまで行くのにはまず市街地を歩かなければならない。市街地はスーパーミュータントとタロン・カンパニー、ブラザーフット・オブ・スティールの三つ巴の戦いの中心地である。そんなところにのこのこと子連れで行けば、スーパーミュータントのゴアバックに詰め込まれて夜食にされるか、タロンに頭をねじ切られて玩具にされるか、BOSの放つ流れ弾に当たって死ぬか。市街地には死が溢れかえっている。

 

ゲームではメインクエストで父を探しに市街地に入るが、現実であったなら父の事を忘れてメガトンから出たくないと思ったものだ。

 

「俺達はここに長居は出来ない。幸い、ウルトラ・スーパー・マーケットから持ってきた食糧は豊富にある。スカベンジャーに手紙を託して返事が来るまで待とう。もしもこなかったら・・・・」

 

「こなかったら?」

 

「ここで独り暮らしになるかもしれん」

 

ブライアンは顔を伏せる。

 

俺だってこんなことはしたくない。だが、市街地を通ってリベットシティに行くのはリスクが高すぎるし、スカベンジャーと共に行っても、野垂れ死にが関の山だ。俺達にお前を養うことは出来ない。勘弁してくれ。

 

俺はブライアンを見つつ、心の中で謝る。

 

「一応、色々と助けられると思う。3日に一回位はここに来ることは出来るし、幾つか武器はある。下の店にレイダーは居ないからここに住んでも大丈夫だろう」

 

俺はそう言うと、席を立ち二階へ上がる。どうも子供は苦手だ。どう接していればいいのか分からない。

 

二階へ上がり机に腰を下ろして分解されたアサルトライフルに油を指した。

 

すると、暫くしてからシャルが階段を登って二階にやって来た。

 

「ブライアン君、落ち込んでた」

 

「仕方ない。でも彼は養ってくれとは言わなかったな」

 

「さっきまでユウキを怖がっていたんだよ。それに本当に彼を一人にしておくの?」

 

シャルは俺を批判するような眼差しを向ける。

 

「彼には血縁者がいるだろ。すぐに保護してくれるさ」

 

「無理だったら?彼を一人にさせておくつもりなの?」

 

「なら俺達が彼の面倒を見るのか?これからどうなるか分からないんだぞ。確かに、非情だとおもう。だけど自分達が安定した生活を送っていない限りは彼を養うことは出来ないぞ」

 

「でも、彼はここで一人ぼっちなのよ。このまま明日彼を置いてメガトンに帰れない」

 

「・・・・シャル・・・」

 

彼女の目には決意が宿っている。そう簡単には引き下がらない。

 

どうするべきか。

 

 

俺は暫く考えたのちに口を開く。

 

「分かった、でも彼の血縁者が保護する話になったら彼を引き渡すんだぞ」

 

「うん!ユウキありがとう」

 

すると、シャルは俺に抱きついた。

 

 

順々に俺は彼女にフラグ立てつつあるよな。いや、幼馴染みと言う時点で立ってはいるか。・・・・ってことはどこが勝負処だろう?

 

と前世の価値観で物事を考える癖は抜けておらず、結論として「まだこのままでいよう」と日本人でありがちな現状維持ということになりました。

 

チキン?腰抜け?ヘタレ?

 

どうせ俺はヘタレですから!!

 




さて、18にして扶養者?いえ、期間限定の保護者です。


たしか、MODで「スターシップトゥルーパーズ」のバグズを発生させる物がありました。導入したことはありませんが、映画は面白かった。続編の2や3は駄作でしたが・・・。


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