fallout とある一人の転生者   作:文月蛇

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念願の自宅をゲーット!!

拠点を作ったときの感動は忘れられません。PC版のfallout3で自宅MODを導入させまくってクラッシュさせたのも記憶に新しい。

今回はそんなMODで俺tueeee!!になるようでならない話。


九話 自宅

「まさかな・・・・・ここまでいいとは思わなかった」

 

俺は冷蔵庫にあったヌカ・コーラの栓を抜くと喉を鳴らしながら、グビグビと飲み干した。俺の目の前には冷蔵庫の他にキッチン、そして水道が備え付けられていた。しかも、水道は他の家の水道とは違い、放射能の入っていない綺麗な水が出てくるのだ。

 

『かつて水回りとガスレンジ、食器棚が狭く置かれていたキッチンでした。今では二つの部屋に分けられて、キッチンは広々とした調理が可能となっています。

 

そして、隣の部屋には・・・・なんということでしょう!

 

かつて、風呂を浴びるには外のトイレを使わなければならなかったのに、今では大きなバスタブと個室のトイレ。ランドリーが備え付けられています。そして水道はもう一つの隣の部屋にある浄水装置によって、放射能に汚染されていない水が大量に使用できます。

 

二階の自室は以前窮屈でベットも一つしかありませんでした。しかし、大きく間取りされて、本棚にラップトップPC、洋服棚。そして豪華なクイーンベットが置かれています。さらに、本棚の上には日本刀と日章旗、星条旗、エンクレイブ国旗が掛けられています。そして隣の部屋は三つに分けられ、コンパニオンを衣食住させられます。かつて、科学実験キットがあった所は大きなソファーが儲けられ、映画など様々なものが見放題です。

 

そして決め手は地下のバンカー!

 

米軍正式採用のアサルトライフルから希少価値のあるプラズマライフル、スカベンジャーが着るようなフィールドジャケットから米軍最新鋭のパワーアーマーまで揃っております。更に、各種弾薬や新たな弾薬を生成する弾薬プレス機と充電変換コンソールを設置し、武器を解体して整備する作業台を完備。これでfallout3をenjoyしてください!』

 

かつて家のテーマがvaultだったら椅子が置かれ、戦前のテーマなら小さな椅子とテーブルが置かれた場所には食卓のような場所があり、そこには上記のことが書かれた説明書のようなものが置いてあった。

 

と言うものの、これは俺と理系の友人が作ったMODである。数々のMODをプレイしてきた俺だったが、満足いくようなMODには出会えなかった。そこで、俺は理系の友人に頼み、構成などは俺が考え、MODを友人が作った。確か、他にも自宅MODを組み込んでいるので、ウェイストランドを旅して他の導入したMODを見るのも言いかもしれない。

 

 

そう言えば、このMOD公開した時に日本人プレーヤーから誉められたな。説明にも、何処かのリフォーム番組みたいだと。だけど、英語で説明が出来なかったから、外国人の一部にしか使って貰えなかったな。

 

そう思って、部屋の本棚にあった「銃と弾丸」の本を開いた。

 

暫く読んでいる内に鼻歌と共に美味しそうな香りがしてきた。

 

「ユウキ、ご飯出来た」

 

「はいはい、今行く」

 

俺は本にしおりとしてメトロチケットでページに挟み込み、キッチンへと移動する。今、俺が着ているのはいつものvaultスーツである。

 

キッチンには標準的なガスキッチンと冷蔵庫(稼働中)と冷凍庫(稼働中)が置いてあり、カウンターにはスツールが3つ程。皿に盛られたのは、即席ポテトのパッケージから出した白いマッシュポテトと、モールラットステーキ。スープとして、リスシチューにポークビーンズを混ぜたビーンズスープ。アルミ製のお盆に載せて、食卓に置いた。

 

『いただきます』

 

『イダタキマス』

 

俺は手を合わせて日本語で言う。それを真似てシャルも手を合わせて日本語で言った。

 

別に珍しいことでもなかった。俺の母親は日本人のファーストネームであったし、日本人の「食の有り難み」を父から教わった。父ゴメスも発音に難が有ったが、俺の前世は日本人。しかも記憶も殆んど残っている。今でさえ、独り言でたまに出てしまうことがあるのだ。

 

たまに、シャル達親子と食事もする間柄でもあったため、俺がこうやってご飯を食べているのを知っていた。シャルは「ふふっ」と小さく微笑むと、作った料理を食べ始めた。

 

俺も食べるとしよう。

 

フォークとナイフを使ってよく焼いたモールラットステーキを切って口に入れた。

 

味を聞きたい?前世の記憶ならば、それは豚肉と表現すべきだろう。脂肪がなく、歯応えは堅いが、味は悪くない。即席ポテトと呼ばれるインスタント食品(固形のブロックを容器に入れて規定のお湯を注いで3分待つ。すると、ジャガイモで出来たマッシュポテトが出来上がる)も付属の塩を1振りして口に入れる。それもそのまんまの味で楽しむことも出来た。

 

スープもどんな味かと聞かれると、若干困る。スープに使われているのは、リスの肉(ワニの肉にそっくり)にプンガフルーツの葉っぱ(チンゲン菜っぽい)そしてポークビーンズである。戦前の缶詰であるポークビーンズは味もしっかりしており保存状態も完璧だったためか戦前の味がそのままである。そのまま食べると、濃いのだが、リススープに混ぜれば味も薄まって丁度いい味となる。

 

「美味しい?」

 

先程から俺は無言で食べ続けていたのか気になってしょうがないシャルは俺に尋ねてくる。

 

「美味しいよ、さすがシャルだ。」

 

「・・・・・」

頬を赤く染めて俯くシャル。本当に可愛いっす。このままtake outで・・ってもう持ち帰っていたか。

 

それにしても、シャルって俺よりひとつ年上なんだよね。なんか年上ってよりも妹成分が多い感じ。お色気ムンムンなお姉さんってよりも幼い感じが目立つ。正直、二十歳とは思えないんだよね。

 

「・・・・今、変なこと考えなかった?」

 

ん?まさかバレたわけではあるまい。いや、そりゃシャルも胸あるし女性の魅力はあると思うよ。だけど、なんかこうお姉さん成分がないんだよ。

 

「今、一個年上なのにお姉さんぽくないと思ったでしょ」

 

「な、何でバレた!」

 

「それはいつも一緒に居ればわかる」

 

多少膨れっ面のシャル。やっぱり、気にしていたらしい。だけどなシャル。お前は胸があって良いかもしれないが、世の中には幼女体型とかペッタンコなんてのが存在してだな。

 

「今、小さい女の子想像したでしょ」

 

「なんで分かるんだ!」

 

「顔に書いてある」

 

「そんな・・・・ひどい」

 

「酷くない、変態」

 

「変態じゃない。仮にそうであったとしても変態と言う名の紳士なんだ!」

 

Byクマ吉くん。

 

「何でクマ?」

 

「だから何でわかるんだよぉ!!」

 

 

と、シャルは放射能の影響でエスパーの能力を身に付けたのだった(嘘)

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

さて楽しく(悲しく?)夕食を終えて、俺は割り当てられた部屋にある机の椅子に腰を下ろしていた。

 

因みに、シャルから見た俺へのイメージとして「幼女好き」「変態」「クマ」との誤解も甚だしいキーワードが出てきている。チクショウ。

 

言っておくが俺は幼女が好きである。とは言っても「love」じゃなく「like」だ。例えるならば、犬好き。俺も犬が好きだが(前世でも飼ったことはないが)、おれとしても幼女と犬の好感度は=である。幼女好き(love)が変態であるならば、俺の場合は変態ではない。

 

それはさておき、PCの前に座った俺は電源を押した。ファンが回る音に続いて、ハードディスクが動いている音を聞いて溜め息を漏らした。

 

何たってパソコンである。vaultでは監督官や核融合施設にしかなかった貴重品だ。それが、俺の目の前にあるとは信じられない。

 

しかし、画面に表示されたのはとんでもない内容だった。

 

「ユーザーがロックされています。お近くの管理者にお問い合わせ下さいだとぉ!!!」

 

そう、ここで俺のスキルを見せなければならないだろう。

 

Skills

 

15:Barter(商い)

85:Big guns(重火器)

65:Energy weapons(レーザー武器)

80:Explosives(爆発物)

40:Lockpick(鍵開け)

40:Medicine(医療)

55:Melee Weapons(接近戦武器)

80:Repair(修理)

 5:Science(科学)

85:Small guns(小火器)

40:Sneaking(隠密)

70:Speech(会話能力)

50:Unarmed(素手攻撃)

 

 

科学が5って人生舐めてんの?!と思われるかもしれない。だが、文系の自分に何をせぇ言うの?今のこの俺と前世の俺との共通点はやはり文系で数学がてんで駄目だと言うことだろう。

 

 

「ああ、もういい。明日シャルに頼んでおこう。寝よ寝よ」

 

俺はデスクから立ち上がり、近くにあった真っ白いベットに体を埋める。今日1日大変な日だったな・・・・。

 

そんなことを思いつつ、意識を手離した。

 

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

「シャル、ちょっとこっちに来てくれるか」

 

「?・・・・うん」

 

シャルを引き連れ、浄水器の近くにある扉に行った。

 

その扉を開けて地下室へと下っていく。オリジナルにはないだろうが、そこには俺が前世で収集したきたMOD兵器が保管されているのだ。扉はエンクレイブバンカーで使用されるような扉で、近くには青く光る蛍光灯があった。

 

 

 

 

「こんなのあるんだ」

 

というのがシャルの感想である。まあ、そんな所だろう。しょうがないのでパソコンの電源をつけてみた。

 

 

ピピッ!!

 

と、pip-boy3000からブザーが鳴る。一応、サイレントモードを解除していたから音が出る。見ると・・・・

 

 

『科学スキルが足りません。ハック不可能』

 

 

何!???

 

そう言えば科学スキル5だったっけ・・・・・。畜生!!

 

 

「ハッキング出来ないの?」

 

シャルは首を傾げる。確か、これでハッキングできないとこのバンカーには入れないのだ。

 

「う~ん・・・・・」

 

「貸して」

 

シャルはvaultスーツを腕捲りしてキーボードに何かを打ち込んでいく。カタカタと文字列が打ち込まれ、何分か経つと、プシュー!というスチームが噴き出すと共に扉が開いた。

 

「シャル!お前って奴は!!」

 

喜びの余り思いっきり抱き締めてしまった。そのときのシャルの顔は地味に赤かったが気にしない。

 

だが、そのぐらい喜んでもいいだろう。このバンカーにはありとあらゆる武器弾薬が置いてあり、この期の生活に大きく関わるのだから。武器がなければ俺自身やシャルを守ることは出来ないし、防具がなければもしもの時に死ぬかもしれない。そのため、感激の余り幼馴染みを抱き締めたところでバチは当たるまい。

 

俺はシャルと共にバンカーの中に入っていく。

 

どう表現すべきか分からないが、棚という棚には小銃や狙撃銃、散弾銃、榴弾銃、短機関銃、軽機関銃、重機関銃、迫撃砲、対戦車砲等々が陳列している。量を見積もっても一個大隊規模はあるのではないか。これは序の口に過ぎず、近くにはvaultにあった同型の弾薬プレス機に充電変換コンソール、銃を解体するための作業台も置かれていた。まだ幾つか部屋があり、隣の部屋にはロッカーが所狭しと並べられ、中にはコンバットアーマーやパワーアーマー、様々な衣服が置かれていた。もうひとつの部屋には、木箱が並べられ、幾つかは武器弾薬を満載したコンテナもあることから、まだまだあるに違いなかった。

 

「すごい・・・」

 

シャルは驚きを隠せなかった。なにせ、それを売れば大金が手に入るのだから。幾つか、必要な武器と弾薬をリュックに詰め込み、ロッカーに掛けてあったコンバットアーマーとフィールドジャケットを手にとってバンカーを後にした。

 

あれなら、30年遊んで暮らせるぐらいの価値のある代物だった。ここを物色していないのはメガトンに住む住人がそこまで技術を持っていなかったのだろう。

 

俺はvaultのジャンプスーツを脱ぐと、黒の重装vaultアーマーに着替える。ヘルメットは被らず、スカベンジャーがよく被るようなゴーグルつきの帽子を被った。手元にはステルスボーイにサイレンサー付きのアサルトライフル。ライトを付けたかったものの、重いため省いた。そして、背嚢を背負って準備は整った。

 

「よし、じゃあ行ってくる」

 

「何処に行くの?」

 

「え、言ってなかったっけ。スーパー・ウルトラ・マーケットで食料調達」

 

「でも、食べ物一杯あるよ」

 

「そりゃ、モイラに借りあるし」

 

核弾頭を解体するとき、ステルスボーイが必要になったのでモイラの頼みを受け入れてしまったのだ。あのとき、銃を売り払って置けばよかったと心底後悔している。

 

「行かないで」

 

想像してみよう。目の前に自分より小さくか弱い幼馴染み、そしてその父親から守れと言われました。目はうるうるさせていて小動物を連想させる。そんな可愛い幼馴染みに言われて外に行こうとする奴はいるわけがない。だが、ここでおれはモイラに恩を売っておかないとダメなのだ。

 

「でも、やらなければならないから。絶対帰ってくるって」

 

とシャルと・・・そして自分に言い聞かせる。ゲームでは朝飯前であるが、現実である。俺にレイダーをやっつけて行けるのだろうか。

 

「じゃあ、私も行く」

 

「え・・・・・・はぁ!?」

 

俺は今の雰囲気だったら、「ちゃんと帰ってきてね」とか出来立てほやほやの新婚さんみたいな感じかなと一瞬期待していた。だが、予想とは裏腹に彼女も“行動派”である。

 

「ユウキだけじゃ危ない」

 

「俺は子供ですか!?」

 

「なんか怪我しそう」

 

彼女は外科手術をこなす外科医である。この町の町医者よりも腕が良いのではないだろうか。しかも、昨日から予感(読心術?)っぽいものを使っていた。

 

「はぁ~・・・・ジェームズさんに殺される」

 

あの人が見たらどう思うだろうか?一人の愛娘がレイダーの根城へ潜入するところを見たら・・・・肉片となっているだろう。誰がって?

レイダーと俺に決まっている。

 

 

 




多分、こんな味じゃない?と思って味の方を書いてみた。あの誤訳たっぷりのスーパーは英語のまんまにするか、日本語誤訳のままにするか迷いましたが、日本語訳と同じような名称に。

次回はちょっと番外編を投下します。

それと、所々で誤字脱字を発見するのですが、どうも見逃しているようです。もし、見かけたら、ひゃくとう・・・感想欄にお願いします。



大きな矛盾を発見しましたので修正いたします。自作MOD→共同MODへ。

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