Jumper -世界のゲートを開く者-   作:明石明

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どうもこんばんわ、今世紀中には発売しないと言われるほど開発が延期になっていた「サクラノ詩」がいつの間にか発売されていたことを知り変な声が出た作者です。

さて、今回は原作8話から9話途中までの内容を詰め込んでみました。
原作見直してみてもシンクはすごかったです(小並感

それはともあれ、本編第24話、どうぞご覧ください。


第24話「大決戦! ビスコッティVSガレット」

 ガタゴトと地表に合わせて揺れる荷台の中、俺とサラはたった今解読を終えた封書の内容に笑みをこぼさずにはいられなかった。

 出発間際に見つかった封書――「勇者召喚について」と書かれたものには送還手段そのものの情報がなかったものの、勇者を送還させることが可能であることが示唆された内容に加え、再召喚についての方法が記されていた。

 まず送還とは勇者が召喚主やフロニャルドと正しい関わりを持つことを拒んだ場合にのみ行う方法であり、送還が行われた際に勇者はフロニャルドから記憶を含むあらゆるものを持ち帰ることができないとのことだ。ただし記憶は送還されてすぐに失われるわけではなく、送還後はいわば鍵をかけた状態――おそらく思い出しそうで思い出せないような、モヤモヤした感覚になることだろう――となっており、その記憶が完全に失われるまで半年程度の時間が必要となるらしい。

 この記憶を戻すためには何かしらのきっかけが必要だが、これはあとで考えてもいいだろう。

 そして送還した勇者を再召喚するためには、以下の条件を満たす必要がある。

 一、最初の帰還から再召喚までは91日以上の時間を空けること。

 二、召喚主を含まない三名以上に対して勇者自身が再びフロニャルドを訪れるという誓約を行い、勇者が身につけていた品を預けておくこと。品物の内容は問わないが、勇者が元の世界から持ち込んだ品物であることが望ましい。

 三、召喚主に対しては誓約の品と、約束の書を渡しておくこと。約束の書には必ず、帰還の約束と共に、勇者と召喚主の名がしるされていなければならない。

 上記すべての条件を満たせば勇者を再びフロニャルドへ召喚することが可能になるということだ。

 

 

「明確な送還手段でなかったのは残念ですが、これは大きな情報ですね」

 

「ええ。ただ、何故ビスコッティの蝋印が入った封筒がガレットの本に挟まっていたのかはわかりませんが」

 

 

 しかも宛先はビスコッティの王立研究院ときたものだ。もしかしたら誰も知らないほど昔にビスコッティの人間――国の蝋印を使うほどなので相当偉い人と推定――がガレットでこの情報を発見し、自国の研究院に送ろうとした可能性もあるが、今更こんな話をしたところで大した意味もない。

 本来ならこの情報をすぐにリコッタに届けるべきなのだろうが、生憎と今日は戦だ。ことが終わるまでそんな暇もないだろう。

 

 

「とりあえず、これは俺が預かっておきます。サラ様は砦に到着次第、閣下の傍で待機でしたね」

 

「はい。ミコトさんは……」

 

「ま、勝てるかどうかは別としてうまくやってみますよ」

 

 

 そういいながら俺も封書を亜空間倉庫に戻しながら装備一式を取り出し、いつでも装備できるように準備しておく。

 あとは戦場に到着するのを待つばかりだが、ぎりぎりまでひと眠りでも――

 

 

「――知ぃるかぁぁ! ぼぉけぇい!!」

 

「ッ!? なんだぁ?」

 

 

 突然外から聞こえたゴドウィン将軍の声に驚き荷車から顔をのぞかせると、拗ねたノワールや呆れたベール、面倒くさそうなジョーヌが将軍に怒られていた。

 彼女たちが怒られているのは割といつものことだが、各々の表情からとてもじゃないが状況が読めない。

 ふむ、眠る前にちょっと聞いてみるか。

 傍にいた俺用に支給された青白い毛並みのセルクルにまたがり、将軍たちの真横にやってくる。

 

 

「何の話をしてたんですか、将軍」

 

「む、ミコト殿。実はこやつらが今回の戦場で守護力の弱い地域があるから、そこでお化けが出るだの魔物が出るだの言いおってな。いるかもわからんものにビクビクと脅えるなど、あまりにもアホらしい」

 

「魔物ですか……。まあ、いたらいたで潰せばいいんじゃないですか?」

 

「あれ、ミコ兄は魔物信じるん?」

 

「信じるも何も、ここに来る前の世界では普通に出てきたし、大体真っ向から倒していたからな。一つの世界で戦ったことがあるから、ほかの世界で戦うことになっても特に驚かないぞ」

 

「しかしなぁ……何百年も前に封印されたと伝えられておるのだぞ? そう簡単に現れるわけがないのではなかろうか?」

 

「むしろ封印されたという奴が厄介ですよ。倒せる魔物であればその時に討伐されているでしょうけど、眠らされているということは倒しきれなかった、もしくは倒せないほど強力だったから封印して凌いだということでもありますから」

 

 

 目覚める目覚めないは別として、そういう奴ほど厄介極まりないからな。確か「ネギま」って漫画でも京都に封印されていた強力な鬼が出てきたし。

 ……よく考えたらこの例えもラヴォスに当てはまるな。奴も地中深くで眠っていたが、ジールの計画で目覚めて古代全体で猛威を振るったし。

 

 

「ではお兄さんが信じているから、魔物は今も存在するということで決定。わーっ」

 

 

 するとノワールが勝手に締めにかかり、どこか誇らしげにぱちぱちと拍手を上げる。

 将軍は完全に呆れ返ってほかの二人は少し青い顔で前を見ていた。何故だ?

 それにしても魔物か……。あの三人はいったいどうしてるんだろうな。

 さっきの会話で家臣となった三人の魔物を思い出しながら、俺は今度こそひと眠りすべくサラのいる荷台へと戻るのだった。

 

 

 

 

 

 

「全軍進めぇ――――っ!!」

 

「戦士団、突撃ぃ――――っ!!」

 

 

 定刻通りにエビータ・サレスとジャン・カゾーニの音頭でビスコッティ対ガレットの戦が始まり、開幕と同時に両国騎士団長から下された命令にチャパル湖沼地帯で兵たちが激しく衝突。大量の"けものだま"が宙を舞った。

 さらに中央で激しくぶつかった兵たちとは別に、各々の役割を果たすべく行動した部隊も進軍を開始する。

 

 

「駆け抜けるぞ! 勇者!!」

 

「オーライ! 親衛隊長!!」

 

 

 そのひとつ、勇者シンクと親衛隊長エクレールも雑兵には目もくれず戦線の突破を図り、最速で最短の敵本陣ルートを目指す。

 開幕直後ということもあり、誰もが橋やフィールドの確保に躍起となって自分たちには目もくれないであろうと予測しての行動だ。

 しかし、その目論見はあっけなく外れることとなった。

 

 

「ヒャッハァ――――!!」

 

「いたぞぉ! 勇者いたぞぉぉぉぉぉぉ!!」

 

「野郎ぶっ殺してやらぁぁぁぁ!!」

 

「え!? ええええええ!?」

 

「ど、どういうことだ!?」

 

 

 いきなり狙われたことに慌てるシンクとエクレール。

 ざっと見ただけでも十人以上の騎士たちが彼らの元に殺到し、その背後からはさらに十倍近い人数の弓兵が矢を放っていた。

 予想からかけ離れた事態に動揺したものの、すぐさま対応してエクレールは指示を飛ばす。

 

 

「くっ! 勇者、まずは上の攻撃を凌ぐぞ!」

 

「合点!」

 

 

 ミオン砦での経験を活かし、シンクは棒状のパラディオンを二本に分割させ先端を刃に変えると両手に構え紋章を発動。そこへ同じようにエクレールも武器を構え紋章を発動させる。

 

 

「「『裂空――ダブル十文字』!!」」

 

 

 二人の武器から十文字の輝力が放たれ、飛来する矢を迎撃する。一瞬にして百本以上の矢が粉々になり、残骸が進軍していた兵たちに降り注いだ。

 しかし今のは敵の攻撃を防いだだけで、敵そのものを撃破したわけではない。従って、隙ができたシンクたちを無傷な兵たちが黙ってみているわけがない。

 

 

「ぃよっしゃぁぁぁぁぁぁ!! 勇者みぃぃっけぇぇぇぇぇぇ!!」

 

「宝剣おいてけ! なあ! 勇者だろう!? なあ勇者だろおまえぇ!」

 

「ぼ、僕ッスかぁぁぁぁ!?」

 

 

 迷いなく自分に向かってきたことに驚くシンクだが、紋章砲の反動で迎撃するには体勢が悪かった。しかし、彼とて一人ではない。

 

 

「――ユキカゼ式弓術! 『一の矢・花嵐』!」

 

 

 遠方から黄色の紋章を纏った一本の矢が超高速で飛来し、シンクに迫っていた兵たちを一人残らず上空へと弾き飛ばす。

 振り返ってみれば、弓を手にしたユキカゼがそこにいた。

 

 

「ありがとう、ユッキー!」

 

「油断禁物にござるよ」

 

 

 そう言い残してユキカゼは持ち場に戻るべくその場を後にし、シンクは相方エクレールの姿を探すとすぐにその姿を見つけた。

 数人の兵に囲まれてはいたが、すぐに紋章の衝撃で吹き飛ばすとそのまま手にした槍を敵の集団に向けて全力投擲する。

 限界まで強化された紋章によって放たれた槍は百に上る敵を薙ぎ払い、一人残らず"けものだま"へと変貌させた。

 

 

「エクレ! なんかみんな、パラディオンを狙ってるみたい!」

 

「そのようだ。レオ閣下が特別報酬を用意しているらしいし、振り回して戦えば敵のいい的だ。となると、しばらくパラディオンを武器化せない方がいい」

 

「だね。武器は適当に拾うとして、作戦はこのままかな?」

 

「ああ。後はなぎ倒しながら突破だ。行くぞ、勇者!」

 

 

 相棒の掛け声に「おう!」と返し、手近な槍を拾うとシンクたちは迫る敵軍へと突き進んだ。

 

 

 

 

 

 

 開幕から一刻半。実況席からはあちこちで活躍した人物の戦果や注目人物の動向が伝えられる。

 二年ぶりの戦場らしいダルキアン卿が馬鹿でかいセルクル――ムラクモというらしい――で戦場を駆け、随伴のユキカゼとともに数の差をものともせず進軍。

 シンク、エクレール、リコッタの部隊が湖沼地帯を抜けたかと思えば逆にガウル、ジェノワーズ、ゴドウィン将軍の部隊がスリーズ砦へのルートに出たという情報が届く。

 そして別ルートの情報では戦の道義に反するとされる敵本陣への奇襲部隊としてビオレさん率いる近衛戦士団が敵本陣へ突入したものの、詳細は不明ながら作戦失敗とともに脱落との報告もあった。

 ただ砦にミルヒオーレ姫はいなかったとのことから、彼女はもしかしたら誰かに紛れて戦場にいる可能性が非常に高い。一番可能性が高いのはシンクの部隊に紛れている可能性だが、シンクとエクレールの戦果から除外。リコッタがまだ何の動きも見せていないが、顔は晒しているし体格的にもサイズが合わない。

 しかしここはフロニャルドだ。俺の知らない技を使って、どうにか目を欺いている可能性も否定できない。

 

 

「レオ閣下。ミルヒオーレ姫はどこにいると思いますか?」

 

「……さあな」

 

 

 側にいるレオ閣下に尋ねるが、砦についてから彼女は明らかに口数が減っていた。

 サラやルージュさんも心配そうにしているが、この大一番を気にしていることが分かっているのかあまり声をかけようとしない。

 と、実況席から5100対4900のスコアでビスコッティが有利との情報とともに、現場の実況者からビスコッティの二番隊――シンクのいる部隊がグラナ浮遊砦ルートに入ったと知らされる。

 首を動かしてみると、戦場からここまで一本しかない道から砂塵が上がっていた。かなり速い速度を出しているが、なるほど。そこは速さがウリの軽装騎士隊ならでは、ということか。

 

 

「……ミコト。今のお主で、勇者とタレ耳を相手にして勝てるか?」

 

 

 ここまで自分から口を開かなかった閣下の問いに、俺はその状況をシミュレートする。

 

 

「……厳しいとしか言えませんね。狙いをシンク一本に絞っても、相打ちが関の山かと。せめて一対一の状況なら、勝算はまだあるのですが」

 

「そうか……」

 

 

 そう言って再び口を紡ぐと、閣下はひと眠りするといって離れのベンチへと下がる。お側役のルージュさんもそれに続き、俺とサラはそのまま眼下の戦場を見下ろす。

 

 

「……ミコトさん、やっぱり私も――」

 

「サラ様はここにいてください。ルージュさんがいるとはいえ、今のレオ閣下は非常に不安定です。気をかけられる人物は、一人でもいた方がいいです」

 

「ですが……」

 

「俺なら大丈夫ですよ、だから安心してください」

 

 

 そう言ったところで近くの映像版からビスコッティ本陣に続く橋の手前でガレット兵を迎え撃ち、大量の"けものだま"を生産しているダルキアン卿が映し出される。

 どう足掻いても勝てないと悟ったのか、ガレットの兵たちがその足の攻略を諦めて別の進攻ルートを探りに向かった。

 

 

「……少なくとも、あれよりはましだと思いますから」

 

「そ、そうですか……」

 

『おっと、戦況が動きます! ダルキアン卿率いるの三番隊がここで攻めに転じます!』

 

『これはレオ閣下の本陣狙いでしょうか? それとも先行した二番隊の援護に向かうのでしょうか!? しかしその前に立ちはだかるはガレット騎士団、騎士団長のバナード将軍です!』

 

『この様子はダルキアン卿との一騎打ちのようですね。おっと、あれは――!』

 

『その勝負待ったぁ!』

 

 

 実況席の二人とは別の声をどこかのマイクが拾い、戦場に響かせる。

 そして映像に現れたのは白銀の鎧に白いセルクルを駆るロラン団長だった。

 

 

『状況が二転三転と変化します! ここでなんとまさかの両軍騎士団長が直接対決です!』

 

『両者とも、生まれた時から騎士の家系! プライベートでは季節のお届け物を送りあう友人同士の関係でもあります! 騎乗するセルクルもいずれも劣らぬ名騎の血統! そして武器は奇しくも共に槍と盾! これは注目の一戦です!』

 

 

 え、何それ見たい、超見たい。放送こっちにも回してくれよ。

 

 

『こちらスリーズ砦! ガウル殿下の親衛隊の攻撃がすごいんです! 数の不利をものともせず、ビスコッティのゲートキーパーたちを木の葉のごとく宙に舞わせておりまぁぁぁぁす!』

 

 

 おっと、あっちも派手にやってるみたいだな。団長対決が手に汗握るガチンコバトルなら、ガウルたちの方は爽快な無双状態といったところか。

 うーむ……どっちも見てみたいが、のんびりしている時間もなさそうだな。

 

 

「サラ様、俺はそろそろ」

 

「わかりました。気を付けてくださいね」

 

 

 その言葉に頷いてみせ、俺は準備していた装備を纏って砦前へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 シンク、エクレール、そしてリコッタに扮したミルヒオーレがガレットのゲートキーパーに接触するところだった。

 そこでリポーターのパーシー・ガウディからゲートキーパーたちが特戦装備をしていると紹介し、シンクはどういうことだと頭にハテナを浮かべる。

 

 

「特戦装備ってなんだろ?」

 

「わからん。だが、警戒を強める必要がある。姫様は念のために中央へ」

 

「わかりました」

 

「大砲陣形! 散開前進! 姫を守れ!」

 

 

 ミルヒオーレが隊の中央へ移動したのを確認し、エクレールは随伴の騎士たちに彼女を守るための陣形を組ませ敵の第一射に備える。

 対してガレット陣営が用意したのは、迫撃砲台とマスケット銃で構成した砲撃部隊だった。

 

 

「ええ!? 銃!? 大砲!?」

 

 

 予想外の近代的装備に動揺したシンクだが、エクレールは舌打ちをして確認する。

 

 

「勇者! この間教えた紋章術、間違いなく出せるな!?」

 

「この前のって、槍のやつ!? 盾のやつ!?」

 

「盾だ! お前が防いでいる間に、私が切り込む!」

 

「わかった!」

 

 

 やるべきことが明確になり落ち着いたシンクは左腕を横に伸ばし、輝力を集中させる。

 

 

「てぇーっ!」

 

 

 ガレット側から砲撃の合図が下され、迫撃砲弾や弾丸が射出される。

 

 

「――ディフェンダー!」

 

 

 伸ばされたシンクの左腕に巨大な盾が形成され、飛来してきた弾丸をはじく。

 時節地面を巻き上げるほどの衝撃に顔をしかめながらも盾を構え、ミルヒオーレに当たらないよう立ち回る。

 その様子を隙と見たのか、一つの隊が砲台を水平にしてシンクに照準を合わせる。

 一瞬顔が見えた瞬間を狙い、すかさず射出。

 回転しながら撃ち出された砲弾はまっすぐにシンクへと向かい、誰の目にも直撃コースに見えた。

 しかしシンクはすかさず右手でパラディオンをいつもの棒状に変化させ、そのまま振りかぶる。

 

 

「でぇぇぇぇぇぇい!」

 

 

 気合とともに振り抜かれたパラディオンが弾頭の後ろの部分をとらえ、そのまま上空へと弾き飛ばす!

 

 

「うぇ!?」

 

「まぁ!」

 

「「「はあ!?」」」

 

『なぁにぃぃぃぃ!?』

 

 

 その光景にエクレールやミルヒオーレだけでなく、両軍の兵まで驚愕の声を上げた。むろん、実況も黙ってはいない。

 

 

『勇者シンク! なんと迫撃砲弾を弾き返したぁぁぁぁ!』

 

 

 弾き返された砲弾は空を舞い、そのまま戦場を彩る花火の一つとして爆発した。

 この一撃で動揺したガレット勢を見て一早く驚きから復帰したエクレールは好機と見るなりセルクルを跳躍させ、さらに自分も飛び上がって双剣に紋章を流し込む。

 

 

「『裂空――二重一文字』!」

 

 

 放たれた二本の裂空一文字がゲートキーパーたちを一掃し、大量の"けものだま"と砂塵を巻き上げる。

 その光景にビスコッティ側から歓声が上がり、エクレールは腕を掲げながら指示を飛ばす。

 

 

「騎士一同、残敵掃討!」

 

 

 

 

「ところがぎっちょん!」

 

 

 

 

 突如、砂塵の向こうから青白い光が飛び出し、エクレールの真横を突き抜けてビスコッティの隊列に直撃する。

 幸いシンクとミルヒオーレは無事だったが、半数近い兵が"けものだま"にされた。

 

 

「な、なんだと!?」

 

「エクレ! 今の声って!」

 

 

 何かに気づいたシンクの言葉を受け、エクレールもハッとなり攻撃があった方向へ鋭い視線を向ける。

 砂塵が晴れた先には白金(プラチナ)のベストを身に着け、黒いマントを纏って銀色の仮面をつけた一人の男がクリアブルーの刃がついたハルバードを手にして立っていた。

 

 

「馬鹿な!」

 

「ど、どうして!?」

 

 

 驚きを隠せない二人に、彼は笑みを浮かべて答える。

 

 

「よお。ちょっと遊ぼうぜ」

 

 

 月崎 尊、仮面の男シドとして参戦。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「なにやってるんですか! 尊さん(ミコト殿)!」」

 

 

 ――のつもりだったが、一発で正体を看破され静かに涙を流すのだった。




本編第24話、いかがでしたでしょうか?

妖怪首おいてけみたいなモブがいたかもしれませんが、ただのモブなので問題ありません。
ところでドリフターズのアニメっていつやるんでしょうね(脱線
いきなり正体がばれた尊君。でも獣耳ないから仕方ないね。せめて猫耳があれば……。
次回はシンク&エクレールVS尊となりますが、尊君は勝てません(断言
ですが負けもしませんので、どうなるかは次回までお待ちください。

それでは、今回はこのあたりで。
また次回の投稿でお会いしましょう。


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