ボッチプレイヤーの冒険 ~最強みたいだけど、意味無いよなぁ~   作:杉田モアイ

50 / 154
49 動員(間違いだらけ再び)

 周辺を収める領主の館。そこではボウドアの村の先に作られたという城に偵察に向かったリュハネンが戻ったとの連絡を受けて、カロッサ子爵が自分の執務室で出迎えていた。

 

 「おおアンドレアス、無事に戻ったようだな。予定より少し遅れていたから心配していたが、元気な姿が見られて安心したぞ」

 「はい子爵。予定より帰還が遅れてご心配をおかけしましたが、ただいま戻りました」

 

 馬に乗っての行程とは言え、往復で100キロ弱もの距離を移動したのだ。さぞ疲れて戻ってきただろう。カロッサ子爵はそう思いリュハネンに労いの言葉を掛けたのだが、どうもおかしい。それだけの苦労をしたはずの彼の顔に疲れの色はなく、それどころかどこか保養地にでも休暇に行ったかのようなすっきりとした顔をしていたのだ。

 

 長旅でさぞ疲れて帰って来るであろうと思っていたが、思いの他元気そうだな。ふむ、予定よりも戻るのが遅れたようだが道中無理をせず、途中のボウドアの村で休憩を取って帰って来たと言った所か。

 

 カロッサ子爵はリュハネンの姿を見て少々疑問には感じたものの、とりあえずは自分の中で統合性が取れる理由を思い浮かべ、それで一応納得をする。

 

 「帰還して疲れているだろうが、早速話を聞かせてもらえるか?」

 「はい。それではどこから話しましょうか」

 

 少し悩んだあと、リュハネンは当初の偵察目的であった城についての報告から始めることにした。

 

 「では最初に当初の目的であった城についての報告をしたいと思います」

 「うむ。頼む」

 

 子爵の返事を聞き、リュハネンはカバンから複数の羊皮紙を取り出した。そしてそれを子爵の机に並べて説明を始める。

 

 「流石に偵察の技能が無い私では近くまで寄る事はできず、少し離れた場所からの偵察となってしまったので詳しい事は言えません。しかし、城の規模がかなりのものだという事だけは確かなようです。こちらを御覧ください」

 

 そう言うと、リュハネンは子爵の机の上の羊皮紙の中からさまざまな絵の描かれた複数の羊皮紙を取り出し広げた。

 

 「これは。アンドレアス、お前が描いたのか?」

 「はい。私では絵師のように細かい描写も建築士のように正確な絵図面も描けはしませんが、出来うる限りの視覚情報を載せたつもりです」

 

 リュハネンが示した羊皮紙には城の一部を記したと思われる複数の絵が描かれた物と全体像が描かれた物、そして俯瞰で見た大体の見取り図のようなものが描かれた物があった。絵其の物は拙いものの、偵察の為に描かれた物だと考えると少なくともそこに描かれた窓や入り口の縮尺は大体あっていることだろう。

 

 幾つもの区画に分かれるように建てられた城と広い中庭、そして多くの窓や入り口があるな。そしてその周りには高い塀に囲まれた区画と広く綺麗な庭が広がっているようだ。うむ、これを見ただけでも、かなりの規模の城である事がわかるな。

 

 「なるほど、かなり大規模な城のようだな」

 「はい。戦争を想定していないのか城壁と言うものはありませんでしたが、城そのものが頑丈な石造りで中央の円形の建物を中心として左右に展開しており、四方と中央二箇所の計6箇所の見張り台が設置されています。ですので草原地帯であるあの城に兵を率いて奇襲を仕掛けるのはほぼ不可能でしょう。またこの絵を見てもらえば解ると思いますが、城の周りは芝が刈り込まれた見事な庭が広がっていて、この庭部分には木がまったく植わっていません。この為にこの広大な庭には姿を隠す場所は皆無であり、探知に長けて姿を消す魔法を見破る事ができる者が見張りに付いていた場合、気付かれずに進入するのは隠遁の業に長けた者でもまず無理かと思われます」

 

 まさかこれほど大規模な城とは。これだけのものを作るとなると、かなりの大工事だったのだろうと容易に想像できる。

 

 「きちっとした攻城兵器を用意して戦争を仕掛けるのならともかく、ただ兵を率いて攻めるとなるとかなり大変な城のようだな」

 「はい。想像以上にしっかりとした防御を敷く城でした」

 

 今までの情報でアルフィン姫が魔法で作ったものだと思っていたから城といえどそれほど大きな物ではないだろうと考えていたのだがな。いくら我が領地から遠く離れているとは言え一体これほどの大きさのものを、我々に気付かれずにどうやって築いたのやら。

 

 「城の規模から考えますに、流石にアルフィン姫の魔法ではなく人の手を使って建築されたものではないかと考えます。しかし、場所の特殊な事情を考えますと、もしかしたら中央の円形の建物だけをアルフィン姫が創造し、そこを拠点に他の部分を人の手を用いて建造したのかもしれません」

 「なるほど。この絵図面からすると中央の円形の建物だけでも十分砦としては成り立ちそうだな。この場所付近に二箇所、見張り台を設置している所から見てもその想像はあながち間違いではないかも知れん。ところで、この城の横にある塀に囲まれた場所は何だ? 城には城壁が無いのに、なぜかここだけが塀で守られているようだが」

 

 横長の城の横、広大な庭園の外れになぜか塀で囲まれた場所があった。どうやら塀が高くその中までは見る事ができなかったのか、俯瞰図を見ても残念ながらそこの内部だけが空白になっていた。

 

 「解りません。しかしこれだけの高さの塀に囲まれている場所ですし、見ての通り大きな鉄の像が飾られた横に頑丈な鉄の扉が設置されている所を見ると何者かが攻めてきた場合に備えて王族の避難場所となっているのではないでしょうか?」

 「普通に考えればそうだろうが、それならば入り口の場所がおかしくは無いか?」

 

 これほどの施設だ。普通ならそう考えるのが妥当だろうが、それならば入り口は城の方に作るのではないか? しかしこの塀に囲まれた場所の入り口はなぜか城とは反対の方にあった。これではいざと言うときに逃げ込もうと考えても、たどり着くには敵兵の中を突っ切らなければ到達できない。もしかすると城の方にも入り口があるのかもしれないが、それならばわざわざこちら側にこれだけ頑丈な門を作るのもおかしな話だろう。入り口が増えればそれだけ守備隊を割かなければいけなくなるだけで、何のメリットも無いのだから。

 

 「私もそう考えたのですが、他の用途がどう考えても思い浮かばないもので」

 「城の外に向かって付けられた大きな扉か。・・・巨大な魔獣を閉じ込めてあるなんて事は無いだろうな」

 

 この巨大な門、人が通るだけならあれほど大きなものを設置する必要は無いのではないか? しかもリュハネンの描いた物からすると、どうやらこの扉は金属で出来ているようだ。これでは扉をj開くだけでも一苦労であろう。

 

 しかし魔獣が捉えられているというのならば、あれだけ頑強な門が設置されているのも頷ける話ではないだろうか。

 

 「いえ、流石にそれは無いかと思われます。それほど大きな魔獣ならばあの程度の塀は壊して外に出てくるでしょうし、何よりあの規模の場所が必要となるとドラゴンなどの災厄級の魔獣くらいですから、人の手で捉えるのは困難でしょう。どのような意図を持って作られた施設かは解りませんが、もっと現実的なものかと思われます」

 「そうか、それならばいいのだが」

 

 確かに言われてみれば、扉に比べて塀の方が脆そうだ。閉じ込めるのにあれだけの扉が必要なら、塀も城壁のように頑強なものが作られていただろう。

 

 「そう言えば野盗たちを収監しているという話だったが、そのための施設と言う可能性は無いのか?」

 「それは無いと思われます。元冒険者の野盗たちですから、例え道具が全て取り上げられているとしてもただの塀では乗り越えるものも出てくるでしょうし、何より規模が大きすぎます。20人程度の者を収監するには作られた範囲が広すぎますし塀の大きさや高さを考えますと、とても野盗たちを捉えてから作る事が出来るとは思えません」

 

 確かにこの絵の城との比較を考えると、城と同時期に作られたとしか考えられないな。それに、このような大きな戦士の像まで門の前に設置しているのだ。ただ罪人を閉じ込める所にこのような装飾品を置く事は考えられないだろう。

 

 「ふむ、確かにそうだな。となるとますます解らん。一体これはどのような役割を持った施設なのだ?」

 「外に置かれた戦士の像から考えられる物と言えば罪人を戦わせる闘技場のようなものが中にある可能性もあるのですが、この城がアルフィン姫の為に作られたというのであれば流石にそれは無いでしょう」

 「そうだな。わざわざ強大な魔法の素養を持つのにそれをクリエイトマジックなどにつぎ込むほど戦いから遠ざけられた姫だ。その姫の居城にわざわざそんな物を作らせるとは考えられんな」

 

 後考えられるとしたら兵を鍛える場所くらいだが、この絵を見ると建物に囲まれた広大な中庭があるようだし同規模の修練場をわざわざ外に、それもこのような塀で囲ってまで作る必要は無いだろう。

 

 「この場所については我が国では考えられないような用途があるのかもしれませんが、かの国の事情が解らない事には想像する事すらできません。」

 「そなたの言うとおり、その国独自の施設と言う事も考えられる。もしそうならいくら考えた所で答えが出ることは無いだろうな」

 

 イングウェンザーと言う国が信仰する神に関係するような施設である可能性もあるし、そもそも我々の生活習慣からは考えられないような用途に使われるものかもしれないからな。もしそうならその国を知らぬ者がその用途を聞いても理解すら出来ないかもしれない。

 

 「以上が城に関しての私の報告です。冒険者を雇って調べればもう少し詳しい事が解るかもしれませんが、それはやめておいた方がいいと私は考えます。これまでの情報でこの城の主は我々に敵対する意思は無いようですし、わざわざ藪を突いて蛇を出す必要は無いでしょう」

 「そうだな。では次の報告を頼む」

 「それでは次に、この城にいたる道程の報告です」

 

 道程の報告? ただ草原を進んだだけではないのか? いや、30キロ以上と言う距離を考えると、これだけの城を築いているのだから途中にいくつかの拠点を築いていたとしてもおかしくはないな。

 

 「なんだ? 途中に砦でも建造してあったか?」

 「いえ、流石に砦はありませんでしたが、なんと驚く事にボウドアから城までの間に街道が整備されておりました」

 

 ん? 街道が出来ていたというのがそれほど驚く事なのか?

 

 「前にかの城の者たちはかなりの財を持つと報告を受けているだろう。それならば街道くらい整備してあってもおかしくはあるまい? 城を築く事に比べたら街道くらい容易いのではないか?」

 

 そんな疑問にリュハネンは首を横に振って答える。

 

 「確かに城よりは街道の方が一見整備しやすいように思われます。しかし実際はそうではないのです。普通なら城を築く為の石の調達やそれを組む作業はかなりの人員を必要としますが、しかしボウドアの館での建築の魔法を使った時、アルフィン姫を複数のマジックキャスターが手伝ったと言う話ですから石壁程度なら作り出せる者が他にいると考えるのが妥当でしょう。それならばその接合をアルフィン姫が担当すれば外装は比較的楽に建造できると考えられます。そしてある一定数の工員がいれば床の板張りや細かい所を作る作業もそれほど苦労する事はないでしょう。その事を考えますと、あの規模の城でも短期間で築く事ができたとしても驚くことではないのです」

 「なるほど、そのような者が複数いるのならばこれほどの規模の城でも短期間で作る事も可能かもしれんな」

 

 一番時間の掛かる石積み作業がいらないというのなら、リュハネンの言うとおり城を作る期間は大幅に短縮されるだろう。そしてそれを可能にするクリエイトマジックの使い手がいることはすでに確認されているのだ。実際そのようにして作られたと考えるべきか。

 

 「しかし街道はと言うとそうは行きません。道と言うのはただ草を刈れば出来上がると言うものではありません。まず草を刈り、その場所の地面を一度掘り返して根を排除したあとに再度道具を使って土を固めるという作業をしなければいけません。常に人が行きかう帝都周辺ならともかく、このような場所ではそのどれか一つでも疎かにしてしまえば、すぐに草が生えてその道は無くなってしまう事でしょう」

 「なるほど、手間の掛かるものなのだな。だが先ほども申したが金を使い、人を雇えば可能ではないのか?」

 

 今までに出てきた事実から、かなりの財力があるのはまず間違いないだろう。それならばそれほど難しい事とは思えないのだが。

 

 「はい、人を雇うことが出来れば容易いでしょう。距離にして30キロと少々ありますがかなりの数の人工を雇えば確かに出来ないことはないと思われます。しかし子爵、その雇うべき人材はどこに居るのでしょうか? 私の知る限り、エントでもボウドアでも誰一人街道整備の為に雇われた者はいません。いや、すべての村人を動員してもそれだけの距離の街道をこの短期間で整備するのは無理でしょう」

 「なんだと?」

 

 確かにその通りだ。先ほどの説明から考えてかなりの人員を投入しないとこれだけの長さの道を整備することなどできないだろう。しかしこの周辺の村からは一人の工員も雇われていないと言う。

 

 「アンドレアスよ、そなたはその街道は地元の者を使わずにあの国が、都市国家イングウェンザ-が動員できる者たちだけで作ったと考えているのだな? それでそなたの考える必要な人員はどれくらいなのだ?」

 「私の知る限り5~60日ほど前までは何も無かったはずです。あくまでエントにアルフィン姫が現れた時から工事が始まっていたと仮定しての話ですが、我が国と同程度の技術があると想定して最低でも2万人。いや、もしかしたらそれ以上の人工が必要なのではないでしょうか。そしてそれもあくまで40日間工期があっての話です。もしそれより短い期間ならば必要な人員は当然増えます」

 

 2万、いや、それ以上の人員でなくては作れないだと?

 

 「アンドレアスよ、そなたは一体どれくらいの人員が投入されたと見ておるのだ?」

 「私が通った時点で道が出来てからかなりの時間が経過していると思われます。いや、それどころかボウドアの村へアルフィン姫が馬車で訪れている事を考えるとその時点ですでに道は出来ていたのではないでしょうか? とすると5万人以上の動員があったやもしれません」

 「ごっ5万人以上だと!?」

 

 リュハネンはこの時、子爵をあまり不安がらせないように数字を少し偽っていた。仮に馬車で移動する為に道を作ったと言うのならば、エントの村にアルフィン姫が現れた時点である程度の道が出来ていたと考えるほうが妥当だろう。とすると最長でも20日、実際は出来上がってすぐの道に姫を通らせる訳も無いので安全確認の日数も考えて10日前後である程度の道はできていたはずだ。そうなると動員された人数はその倍近くと言う事になり、10万人を超えるかもしれない。

 

 これは伝えるべきではないだろう。仮に自分の予想通りならバハルス帝国は王国と反対側に、それに匹敵するほどの脅威を抱えたことになってしまう。しかし今までの情報から考えて、例え本当にその規模の兵力があるのだとしても今すぐに敵対する事は無いだろう。それならば怯えるよりもそれを念頭に立ち回るほうが賢いやり方だ。

 

 「子爵、確かに動員人数は脅威と呼べるレベルです。しかし、これまでの情報からかの国はこちらに対して友好的です。ですからここは敵対せず、こちらも友好的に接するのが宜しいかと思われます」

 「そっそうだな。動員できる数に驚きはしたが、アンドレアスの申すとおり相手はこちらに対して友好的な態度を取っている。それにそれほどの工員を導入したとしても、その全てが兵士と言う訳ではないのだ。居もしない敵の影に怯えて下手な行動を取るのは愚か者のする事だな」

 

 リュハネンはこの考えも甘いと思っている。遠い異国に動員された者たちがただの村人とは思えない。その地にどのような危険があるかも解らないのだから。そう考えるとこの動員された数の最低でも2割、もしかするとそれ以上の者が兵士なのではないか? そしてその他の者たちもまるで戦うことができない者ではないだろう。異国の地に訪れるというのはそれほど大変な事なのだから。

 

 「純粋な兵士が2~3万。その軍勢が王国との戦争中に背後から襲ってきたらこの国は・・・」

 

 それにその軍勢を率いるのは金の冒険者を含む20人の野盗を手加減して無力化させることが出来るシャイナと言う貴族だ。ただの平民ばかりの王国でさえ、かのガゼフ・ストロノーフが単騎でわが国の騎士団に切り込んで劣勢を跳ね返したことがあると聞く。それなのにこの国にはこのシャイナと言う貴族の他にアイアン・ゴーレムを倒したメイドやライスター殿を吹き飛ばすほどの妖精を呼び出す者、それに40名以上の重傷者を短時間で癒してしまったという帝都の高位神官長レベルのアルフィン姫までいるのだ。

 

 ひやりっ。

 

 背中をつめたい汗が流れる。

 そもそも、これほどの人員をどのように運んだのか? それほどの人員があの城に収まっているとは考えられないし、アルフィン姫が語った遠い異国から来たという話が本当ならその大軍団は都市国家イングウェンザー本国から運ばれ、作業が終わった後はその国に帰ったという事になる。そして彼らの国が遠くにあるというのは本当の事だろう。でなければこれほどの力を持った国の存在を我々が知らない訳がないのだから。ならばそれほどの人員を運ぶ手段が、かの国にはあるという事なのだ。

 

 そしてその都市国家の人口も問題だ。通常、動員できる者の数は多く見積もっても総人口の30分の1以下だろう。と言う事はその都市は少なくとも300万人以上が暮らしているという事になる。それほどの規模ならばもう都市国家と言うのは名前だけで、けして侮る事は出来ないだろう。

 

 絶対に敵対してはいけない。

 

 近い内に行われるアルフィン姫と子爵の会談。もし失敗すれば帝国に大きな影を落とすことになりかねない。細心の注意を払って事に当たらねばならないと決意を新たにするリュハネンだった。

 

 

 ■

 

 

 「え? ボウドアの館に泊まった騎士さん、この城の偵察もしていったの?」

 「はい、どうやらそのようです」

 

 イングウェンザー城の中庭。たまには外の風にもあたりたいし、日の光を浴びないと健康に悪いんじゃないかな? なんて事を考えたアルフィンは手の空いていたシャイナを伴って外でお茶会をしていた時にこの報告をギャリソンから受けた。

 

 「ちょっと意外かな。てっきり冒険者を派遣してくると思ったのに」

 「でもその人、館に泊まったんでしょ? ならあそこを見て興味が出たからちょっと見に来ただけなんじゃない? だって一人だったんでしょ、その騎士。偵察なら普通は情報を集めるのに特化した人が来るだろうし、巡回の騎士が来ても有益な情報はなにも得られないじゃないかな?」

 「シャイナ様の仰る事が正しいかもしれません。しかしその者は少し離れた丘からこの城の絵を描いていたとの報告も上がっております」

 

 そっかぁ。それならどちらとも取れるね。でもさぁ、

 

 「う~ん、偵察に来たのならボウドアの館に泊まるかなぁ? だって、普通密偵って目立たないようにするものでしょ? 館に泊まったのだって村からの要請だったんだし、この騎士さんはこちらから隠れる気、まるで無いじゃない」

 「はい、そこが不可解なのです。実は・・・」

 

 




 草刈をした事がある人は解ると思いますが、草刈機を使ったとしてもちょっとした広さを刈るだけで1~2時間はかかってしまいます。それなのにこの世界では鎌で刈らないといけないんですよね。その上根っ子は取らないといけないは、ロードローラーなんて便利なものは無いから土を固めるのも一苦労だわと、かなり大変な作業をしないと道なんて作る事は出来ません。

 こんなものを30キロ以上短期間で通したら怪しまれるってw

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。