ボッチプレイヤーの冒険 ~最強みたいだけど、意味無いよなぁ~   作:杉田モアイ

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35 強さの秘匿

 「これもエルシモさんとの会見で思いついたんだけど」

 

 アルフィンはこちらを見つめるシャイナとアルフィスを意識しながら、次にすべきだと考えている事柄を口にする

 

 「これから出会う人たちに対して私たちの財力はもう今更隠しても仕方がないと思うのよ。たとえ偽ったとしても、実際にボウドアの村に作った館やこの城を誰かが見に来ればすぐに解ってしまう事だからね。でも強さと言う点で言えばなるべく隠すべきだと思うのよ。だって、こちらが強大な力を有していると解れば相手はより強く警戒心を持つ事になるだろうからね」

 

 これに関しては誰も異存はないと思う。これはエルシモさんたちから感じ取ったこの世界の住人たちの強さをシャイナたちから伝え聞いているからで、この世界ではあまりに理不尽とも言える私たちの魔法の力や戦闘力を知られてしまった場合、恐れられる事はあってもその力に対して安寧を覚えるような人は居ないであろうと容易に考えられるからだ。事実、みんな特に反論をする事もなく黙って私の話の続きを待っているしね

 

 「その上エルシモさんの話ではこの世界の人たちの使える魔法はとても弱くて、なんと3位階の魔法を使える人でさえかなりの使い手であり、一番上の位階魔法を使える英雄を超えた存在と言われている人でさえ6位階までしか使えなそうなのよね。それに、これが私としては一番驚いたのだけど、なんとこの国では誰も復活魔法を、一番簡単なレイズ・デッドでさえ使えないと言うのよ」

 「えっ! レイズ・デッド程度の魔法も? ホントにその程度の魔法でさえ誰も使えないって言うの!?」

 

 流石にこれには驚いたのか、シャイナが声に出して驚く。そしてそのほかの自キャラたちも自分たちの常識からは考えられないこの事実に、それぞれ大きさの違いはあるものの驚きの顔を見せていた

 

 「そんな世界に私たちの力を示してしまったら、きっと怖がられるだけで共存なんてとてもできないと私は考えているのよ。そこでなんだけどアルフィス、魔力探知阻害の指輪って今どれくらいの数、ある?」

 「ん? ああ、たしか20個くらいはあったはずだぞ」

 

 突然話を振られたアルフィスが、少し斜め上に視線を泳がせて自分の管理しているマジックアイテムの数を思い出して私に答えた

 

 「20個かぁ。できたらもう少しほしいわね。とりあえず外出する可能性のある私たち、それと少なくともボウドアの館に居る魔法が使えるメイド達には持たせないといけないからなぁ。それにこれから町に行けばそこに拠点を作るかもしれないから、その時は多分もっと必要になるはずよね。アルフィス、手間をかける事になってしまうけど、もう少し数をそろえておいてくれないかしら?」

 「ああ、解った。この会議が終わったら早速取り掛かるよ」

 

 とりあえず、これに関してはアルフィスに全て任せておけば問題なく作ってくれると思う。でも、これからも色々な事が起こるたびにマジックアイテムを作ってもらう事になるだろうし、アルフィスには苦労をかけるなぁ。それなのにハイ・マーマンである彼は外見が人間とかけ離れているから、他の自キャラたちと違って外出させてあげられないのがちょっと心苦しかったりもする

 

 「ごめんね、頼み事ばかりしているのにずっとこの城に押し込めて外出させて上げられなくて」

 「ああ、それはかまわないぞ。ここは内陸で近くに大きな川もなく、外に行っても草原ばかりらしいから俺としても外に出るメリットがあまり感じられないからな。どちらかと言うと海や川、湖がある地下4階層にいた方が水に触れられる分だけ快適だし、気晴らしにもなるよ」

 

 あら。彼にとっては外に出ることはそれほど大事な事ではないみたいね。まぁ元々が本拠地の工房に引きこもってアイテム製作ばかりやっていたキャラだから、自我を持ってもその半引きこもり生活が身にしみ付いているのかもね。でも、ストレス解消が城の中だけでできると言うのなら一安心だ

 

 「そう、それならよかったわ。でも、外出したくなったら遠慮なく言ってね、何かいい方法が無いか考えるから」

 「ああ、その時はそうさせてもらうよ」

 

 アルフィスは、そう答えて片手を上げ、私にウィンクする。なんともキザな行為ではあるのだけれど、そのように行動するようにフレーバー・テキストに記載されていたからか、そのしぐさや雰囲気はとても自然で嫌味は感じられない。でも、あれを自分で設定したかと思うとちょっと恥ずかしいけどね。まぁ、彼の外見にはあのしぐさが似合っているからいいか

 

 そんな事を考えながらもアルフィスへの用件はこれで済んだので、今度はシャイナの方に視線を向ける

 

 「さて、次にだけど。シャイナ、あなた自分の強さを偽る事ってできると思う?」

 「偽るって、魔力探知を阻害するみたいに強さを隠せるかって事? う~ん、多分無理なんじゃないかなぁ」

 

 私の質問に対して、シャイナは素直に自分の感想を述べる

 

 「私たち戦士職って相手の力量を普段の身のこなしからでも大体測れるのよね。これは偽ろうとしてどうにかなるものでもないのよ。たとえば体の動かし方とかバランスの取り方とかは意識してやっている訳じゃないから見る人が見ればどの程度の以上の腕前かは解ってしまうだろうし、それを隠そうとしても返っておかしな動作になってしまうから余計に目を惹いてしまうと思う。だから意識して周りから力量を解らないように偽装するなんて事はできないと思うし、少なくとも私には無理かな」

 「そうかぁ。シャイナができないのならメイド騎士団の子達にできる訳ないわよね」

 

 これに関しては魔力と違ってアイテムでどうにかなるものじゃないからなぁ。ただ立っているだけでも体バランスとかは見る人が見れば解るものだろうし

 

 ただ、シャイナは強さを隠す事はできないけど、それはそれほど気にする事ではないと考えていたようで、補足のように自分の考えを語りだした

 

 「あっでも単純な強さは隠せないけど、そこから技の威力とかは測れないんじゃないかな? たとえば他のユグドラシルプレイヤーとかにならばれるかもしれないけど、この世界の人たちからしたら自分よりかなり強いというのが解るだけで、それがどれほどの強さかなんて実際に戦いでもしない限りはきっと解らないと思うよ。力量と言うのは自分より劣るものは理解できるけど、上回っているものを完全に理解する事はできないからね」

 「なるほどねぇ。確かに魔力と違って剣の技量や技の威力は外見や体の使い方を見ただけでは解らないか。ならそれほど気にする必要も無いのかもね」

 

 魔力と言うものは阻害アイテムがある事からも解る通り探知魔法などである程度の強さが解るけど、剣の技の威力や実力を測る魔法と言うものは無かった気がする。確かユグドラシルのスキルにもそんな物はなかったような?

 

 これは伏兵として離れた場所に配置した場合、大きな脅威になるマジックキャスターの数や力をあらかじめ把握できるかどうかが勝敗の分かれ道になるのに対して、対峙した時点で相手の実力が解ってももう遅い前衛職の強さをわざわざ計るマジックアイテムや魔法を作っても意味がないからだと思うの

 

 何より、さっきもシャイナが言った通り、前衛職はたとえステータスを隠していたとしても相手を見ただけで大体の強さが解るらしいからユグドラシルではあったとしても誰も覚えない魔法になっていただろうし、きっとこの世界の前衛職もレベルが解る程詳しくは見抜けないだろうけど多分同じ様に相手の身のこなしである程度の強さを理解できると思う。それならこの世界もユグドラシルと同様そんな物は存在しないだろうから、こちらの強さを知られて強く警戒されるなんて事はなさそうね。うん、これに関してはあまり気にしなくてもいいか

 

 「解ったわ。とりあえずシャイナたち前衛職の強さに関しては特に隠すような行動はしないと言う方針で行きましょう。でも、だからと言って強さをわざわざ広める必要も無いんだから派手な行動は謹んでね」

 「ああ、解ったよ」

 

 とりあえず強さの隠蔽に関してはこんな所かな? 実際そこまで気をつけなくてもこの世界の住人の魔法レベルでは探知魔法を簡単には使えなさそうだし、この程度のことで事足りそうだよね

 

 この話はこれで終わりなので次の議題へ。いや、これは議題と言う予定提案かなぁ

 

 「話は変わるけど、みんなカルロッテさんには、エルシモさんの奥さんにはもう会ったわよね? 彼女の事、どう思う?」

 「いい人だと思います! 会うといつもがんばっているわねって褒めてくれますし」

 

 この話に真っ先に反応したのは、先ほどまで話にはまったく加わらずにずっとお茶をすすっていたセルニアだ。彼女にとってカルロッテさんは何かをするとほめてくれる優しい人と言う印象なんだろうね

 

 「アルフィン様、セルニアさんはこう見えて地上階層の警備を担当しているだけあって人を見る目はあります。その彼女がこれだけ買っているのですからカルロッテと言う女性は十分に信用に足る方だと思われます」

 「そうですわね。アルフィン様、私もギャリソンさんと同意見ですわ。少しゆるい子ですけど、セルニアさんは地上階層統括&コンセプトパーティーホール責任者権店長なのですから、おかしな人物ならこのように懐く事はないでしょう」

 

 セルニアに続き、ギャリソンとメルヴァもカルロッテさんは信用に足る人物だと認めて居ると言う。う~ん、アホな子の印象だけど、セルニアってNPCたちからすると一目置かれる存在なんだ。まぁ、立場が立場だから本当にアホな子扱いはされていないというのは解っていたけど、思っている以上に信用、あるんだなぁ

 

 「シャイナたちはどう思う?」

 「私たちは面会初日に一度顔を合わせただけだからどんな人物かは判断できないけど、アルフィンは信用できると考えているのでしょ? なら私たちはアルフィンの見る目を信じるわ」

 

 シャイナの意見に頷く一同。まぁ、自キャラたちはおかしな点があればアルフィンから(私ではなくアルフィンから、ね)念話が届くだろうし、それが無いと言う事は私の判断に間違いは無いと思っているのかもね

 

 うん、とりあえずここに居るメンバーの中にカルロッテさんをおかしな人と考える人はいないと言う事は確認できたわ。なので安心して私は考えていたプランを発表する事にする

 

 「みんなの御眼鏡に適ったみたいだから私の考えを話すわね。私はね、カルロッテさんに私たちの国の仕事を手伝ってもらえないかなぁと考えているのよ」

 「仕事を、ですか?」

 

 私の言っている意味が今一歩伝わり辛かったのか、メルヴァが聞き返してきた。まぁ、これだけでは何を言っているのか解らないだろうから仕方がないわよね。なので、ちゃんとした補足説明をすることにする

 

 「そう、仕事をよ。と言うのも、実際にこの世界の住人と何度も顔を合わせているシャイナやギャリソンは気が付いていると思うけど、この世界の住人の話している言葉って私たちに聞こえているものとはまるで違うみたいなのよ。なんと言うかなぁ、彼らが実際に発音しているものは私たちの耳に届いてなくて、どういう理屈なのか代わりに私たちの言葉に翻訳されたものが耳に届いているみたいなのよね。これって便利なようで、実はかなり困った事でもあるのよ」

 「言葉が違っているのにそれが理解できないと言う事は、この世界の言葉の発音が解らないと言う事。すなわち言語を正しく理解できないと言う事ですね」

 

 さすがメルヴァ、私の言いたい事がこれだけで解ったみたいね。横に座っているギャリソンも頷いている所を見るとちゃんと理解しているみたい。流石にこの二人は優秀だ。それに比べて

 

 「聞こえてるものがちがうから、わからないの? でも、この世界の人たちがなにを言っているのかわたし、わかるよ?」

 「あいしゃ、そういう意味じゃないの。話している内容が理解できないのではなく、言語体系が解らないと言う事なのよ。文法とか、単語とかをね」

 

 どうも伝わりづらいらしく、みんな頭にクエスチョンマークを浮かべている。と言う訳で詳しく説明したのだけど、要は聞こえている発音が解らないと言う事はそれが書かれた文字を見てもそれを認識できないと言う事なのよね。たとえば「リンゴ」を英語で言うと「apple」だけど、「apple」と相手が発音しているのに自分には「リンゴ」と聞こえてたら「apple」の発音をこちらは永遠に理解する事ができないのよね。と言う事はこの文字を理解する事もできないと言う事なのよ。何せ文字配列は発音を基にしてできているのだから

 

 この事からも解る通り、私たちはこの世界の言語の発音を聞くことができないのだから固有名詞を一塊で覚える事はできても文章を覚える事はまず不可能だと言う事なのよ。でもそれはかなり問題がある。だって生活するに当たって文字と言うものはかなり重要な意味を持つからだ

 

 「私たちは幸い、未知の文字を読む事のできるマジックアイテムや解析スキル、解析魔法と言うものを持っているよね。そのおかげでこの世界の文章を書かれた物を読むこと”だけ”はできるわ。でも本当の意味で理解できないのだから書く事はたぶんできないと思うし、もしできるようになるとしてもかなりの時間が掛かってしまうでしょう。でも、これからこの世界の人たちと交わっていく以上、これは早急にできるようになる必要があるのよね」

 「そこで現地人であるカルロッテにその文章を書くと言う仕事をさせようと言うわけですね」

 

 その通り。さすがメルヴァ、話が早くて嬉しいわ

 

 「カルロッテさんは話によると、彼女は司祭の家に生まれて子供の頃からちゃんと教育を受けているらしくて、公式の場に出してもおかしくない文章を書けるらしいのよね。おまけに自身も司祭の資格を持っているらしいから彼女を公の場に連れて行ったとしても問題はなさそうなのよ」

 

 ホント拾い物なのよ、彼女。こんないい人材を放って置く事はないわよね

 

 「彼女自身も仕事をしたいらしいし、それならば両方の利害が一致するから正式な雇おうと思っているの。みんな、どう思う?」

 「私たちはそれでいいと思うよ」

 

 私の意見を受けて自キャラたちは全員、即座に了承の返事をする。まぁ、これは自分で自分に聞くような物だから当たり前だ。あからさまにおかしいと思う事柄以外は、彼らは私の意見には反対しないだろうからね

 

 「すべての事情を話す訳には行かないでしょう。しかし、国として行動する以上書簡を作成できるものが居ないと不都合が生じると言うのはアルフィン様の仰る通りです。ですから、その御考えはとてもいい案だと存じます」

 

 そしてNPCたちもギャリソンを筆頭に賛成してくれた。うん、これで問題はないわね。後日カルロッテさんに正式に依頼する事にしよう。引き受けてくれるといいなぁ

 

 「それではカルロッテさんを私たちの国に正式に雇い入れる事にするわね。そこで一つ問題になるのがお金なんだけど、新しくイングウェンザー金貨を発行しようと思ってるの。まぁ大量に作るつもりはないけど、国を名乗っているのに自国の通貨がないと言うのもおかしいからね。あやめ、金と砂金の在庫はあるよね?」

 「あるけど、なぜわざわざ金貨を作るの? ユグドラシル金貨はこの世界でも使えるんでしょ?」

 

 それに関しては私も考えたのよね。確かに前にエントの村でユグドラシル金貨がこの国でも使えるというのは確認したわ。でもね、今の私はユグドラシル金貨をこの世界で使うべきではないと考えているのよ

 

 「ユグドラシル金貨って城の維持やスクロールとかマジックアイテムを作る時にも使うでしょ。いくら金庫を拡張しないと入りきらない程の大量の、それこそ何百兆ゴールドも持っていると言っても有限であることには変わりないし、いざとなったらエクスチェンジ・ボックスがあるとは言え、あまり他の事には使いたくないのよね。それに1枚でこの国の金貨2枚分なんて微妙に使いづらいじゃない。だからこの国の公金貨と同じ大きさのものを作るろうかなぁって。あと、銀貨と銅貨なんだけど、前にエントの村で砂金を換わりに使っているなんて説明しちゃったからこれは作らなくてもいいかな? なんて思うからとりあえず金貨だけ作ろうと思ってるんだけど」

 「でもそれって貨幣偽造じゃない?」

 

 私の説明を聞いてあやめがすかさず突っ込む。でも、偽造ではないんだなぁ

 

 「それについては大丈夫よ、別にこの世界の公金貨を作ろうって言うんじゃないからね。何せうちは都市国家イングウェンザーを名乗っているのだから国が認める貨幣を発行してもおかしくないし、さっきも言ったけど逆に自国の通貨が無いとなるとそれこそおかしな話になってしまうもの。それにエントの村で確認したけど、どうやらこの世界では金の量で貨幣価値が決まっているみたいだから、この世界の公金貨と同じ金の含有量で同じ大きさの金貨を作れば外見はどんなものだったとしても同じ価値として扱われるはずよ」

 「そうか、なら問題はないのね。でもプレス加工機とかないけど、どうやって作るつもり? 溶かして型に入れるの?」

 

 これに関してもちゃんと考えてある

 

 「要は金塊をローラーで引き伸ばして板を作ってから型で抜き、それに刻印すればいいんでしょ? ならあいしゃにゴーレムを作ってもらって力ずくで作れるんじゃないかな? ほら、こんな感じのゴーレムを作ってさ。金はやわらかいし加工は簡単でしょ」

 「うん、これならできるとおもうよ」

 

 羊皮紙にローラーゴーレムと型抜きゴーレム、刻印ゴーレムの絵を描いてあいしゃに見せたところ、アイアンゴーレムの手の部分を変えればできるそうだ。因みに金貨に刻印される紋章は我がギルド「誓いの金槌」の紋章をそのまま利用する事にした。もしかしたらどこかにユグドラシルプレイヤーが居るかもしれないけど、この紋章を知っている人は多分居ないだろう

 

 何せ私はユグドラシル時代はひたすら物を作ったり店を経営していたのだ。紋章つきの装備をつけて外を出歩いた事は数えるしかないのだから見たことがある人でも誰もおぼえてはいないだろうし、この紋章を使うことで都市国家イングウェンザーと言う存在を怪しまれることは無いだろう

 

 まぁ、もしばれても特に問題はないんだけどね。この紋章に気付く人が居たとしたら、その人は私にとってかなり近しい人のはず。だから、そんな人がこの世界に来ているのなら、逆に会いたいくらいなのよ。そういう意味でも、プレイヤーなら誰でも反応するであろうユグドラシル金貨よりも誓いの金槌の紋章が刻印されたイングウェンザー金貨を発行し、それを使う事に意味はあると思う

 

 「他に反対の人はいないわね? それじゃあこれで通貨の問題も解決っと。とりあえず私からの提案はこんな所だけど、何か提案か議論をしなければいけない話がある人、居る?」

 

 この私の問い掛けに、誰も答えない。と言う事は今日の会議はここまでと言うことね

 

 「うん、それじゃあ今日の会議はこれまでとします。とりあえず他にもやる事はあるけど、早急にやらないといけない事はこれくらいだからね」

 

 頭の中にはまだ色々と残ってはいるものの、すべてを一度にできる訳もなく、またそのすべてを一度にやろうとすれば無理が出てどこかで破綻してしまうだろうと考えて、今は今日決めたことに全力を注ぎ、後の事はある程度ことが進んでから改めて話し合った方がいいだろうと、一人心の中で考えるアルフィンだった

 

 




 オーバーロードを読んでいる皆さんからすると、今回の話を読んで「あれ?」っと思った所があるかもしれません

 でも彼女はエルシモから”あれ”の存在を教えてもらっていないので仕方ないんですよね。ではなぜエルシモは”あれ”の存在をアルフィンに教えていないのか。それは簡単です。まさか知らないとは想像もしていないからです

 こんな所も現地人との認識の違いが現れているのですが、それをアルフィンが知るのは結構後の話になりそうです
 まぁ、知らなかったからと言って、この物語の展開上たいして問題にはなりそうに無いですがw

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