狩人闘恋万華鏡〜迅竜の恋情と覇竜の傷跡〜   作:ドーントレス

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まいど!頑張りでしゃばり空回りのドーントレスです。
今回はちょっと違う要素を取り入れてみました。

お口に合わなければ吐き捨てください。

では本編をどうぞ


第4話「とある林でのこと」

セニアside

何時間か荷車の後ろで揺られながら、火山へと向かう途中星が瞬き始めた頃ちょっと気になってローザに質問してみた。

 

「…ねえ、その幻のハンターの情報ってどっから手に入れてるの?」

 

「ん?あぁ、言ってなかったかねぇ?あたい、古龍観測班に友達が結構いるんだよね。んで、珍しいものや普通じゃお目にかかれないモンスターなんてのの情報を提供してくれって言ったら、その幻のハンターの話が出たってことさ」

 

「…ふーん。で、なんで同行者が私なの?」

 

「そりゃ、あたいの友達に金欠なのがパッと思い浮かんだのがあんただから?」

 

はぁ…なんか凹むわ…そりゃ確かに金欠だけれども…もうちょい決める基準はどうにかならなかったのかな…

 

「だって、金なし、彼なし、狩友少なしのあんたにさ、もっと自信を持って欲しいわけなのよ。未だにコミュ症なんだろ?」

 

くふぅ…痛い所全部知ってるな…流石リュウセキながれいしだ!

でも、金なしは素直に認めるけど彼氏のいるいないは関係無いじゃん…そりゃ、欲しくないわけじゃないけどさ…

 

「おーい、セニア?そろそろ野宿の支度でもしろ。もうすぐ林だよ」

 

キタコレ私のテリトリー。

しかもあたりは真っ暗だし最高だね。ただ、狩に来たわけじゃないけど…

 

私の数少ない友人と共に野宿の支度をした。

 

 

ローザside

「おーいそっち終わったか〜?」

 

辺りに松明を立てかける。これだけでも少しはマシになるのだ。

セニアはともかく、あたいは真っ暗だと球が当たりやしないからね。

 

「…んー」

 

お、可愛い声が返ってきた。

作業が終わったのだろう。ん?GL?はっはーん、そんな気はさらさらないよ、あたいは。

なんせ、セニアとは姉妹みたいな関係だしね。まぁ、本人はどう思ってるかは知らんが、あたいからすりゃ手間のかかる可愛い妹ってとこさね。

 

「…一様終わったよ〜。はぁ…お腹空いた」

 

「おう、お疲れ!もうすぐ焼けるさね。ちょっと待ちな」

 

「…んーお肉とお魚…どっちにしようかな」

 

「どっちでも好きな方を好きなだけ食べな。遠慮は要らんよ」

 

「…えへへぇ」

 

「こらこら、女の子がそんな顔でヨダレ垂らすもんじゃないよ」

 

な?可愛いだろ?本当はあたいが毎日でも側に居てやりたいんだが…この子のコミュ症が良くなるまでは甘やかすつもりもないがね。

 

「はいよ。お食べ」

 

と言ってセニアのだらしなく空いてる口の中にこんがり肉を突っ込んでやる。

 

「…⁉︎はぶ!はぶひ!」

 

…な?可愛いだろ?

 

「…はう〜いきなり突っ込まないでよ〜…火傷したかも」

 

「はっはっは!ごめんごめん。ついだらしなく空いてる口を見たらやりたくなっちゃってねぇ」

 

あたい等はいつもこんな感じだ。正直セニアといるのは楽しいし、飽きないから良いのだ。

だからあたいは…この子を見捨てるなんてできなかった。

 

「…⁉︎ローザ!後ろ!」

 

「え?」

 

刹那、何者かに後ろから羽交い締めにされた。

 

「へっへっへ今日はついてるぜ上玉だ!」

 

あたいを羽交い締めにしたのは下品な顔をした大男だった。クソっ身長高過ぎだろ!足浮いてるし!

 

「離せ!このゲス野郎!」

 

「おぉ怖い怖い、すぐに屈服させてやるからな〜ん〜?」

 

気持ちの悪い顔を近づけ値踏みをしている…⁉︎セニア⁉︎セニアは無事⁈

 

「こっちも良い女だ!本当ついてんな〜えっひひひ!」

 

セニアも捕まってる!クソっ助けなきゃ!身体が動かん!

 

「離せ!離せ!離せ!汚い手でセニアに触れるな‼︎」

 

「ほー、その子セニアちゃんって言うんだ〜可愛いねぇ〜でも〜人の心配してる場合かなぁ〜♪」

 

クソっクソクソクソクソ‼︎

向こうで布地の破られる音がする。

動け動け動け動け動け動け‼︎

汚い手でセニアを嬲ろうとしている。

 

「誰か…セニアを、助け

 

その時、空が一瞬明るくなった。

思わず目を瞑ってしまったが、次の瞬間には自分が開放されていた。

目を開けたらそこには…

 

 

 

さっきまでセニアを襲っていた男の首を軽々と持ち上げ佇む1人の男がいた。

 

 

その男の装備は赤く発光しありえないほどの熱を帯びてジュウジュウと音を立てている。

男は手に掴んでいたそれが気絶したのを確認すると興味を失ったかのように乱雑に捨てた。

そして、まだ惚けているセニアに近寄り

 

「嬢ちゃん、夜中にそんな格好じゃ風邪ひいちまうぜ?」

 

と、肩に掛けていた赤い布をセニアにかけて立ち上がると、此方に向かってきた。

 

「?あんた…よく見たらハンターじゃねぇか見た所女みてぇだな。モンスター狩るのもハンターだが、大前提として人を守る者。それがハンターってもんなんじゃないんかい?」

 

「はっ…ええ…おっしゃる、とうりです…」

 

そうだ。あたいはセニアの姉代わりじゃないか…なのに真っ先に捕まって…セニアを助けられなかった…

泣き崩れそうになったあたいを、その灼熱男は支えてくれた。

 

「この辺は昔と変わらずやばい奴が多い。俺が案内してやるからとりあえず、ここを離れるぞ」

 

彼の鎧は熱を失い黒く変色していたが、暗闇に溶け込むかのような無感情な黒ではなく淡い藍を含んだ優しい黒だった。

 

 

 

 

セニアside

 

何が起きたのか…全然わからないわけじゃ無いけど…なんだろ。この感覚…胸がきゅってなって身体がポーッとしてる…とても怖い何が起ころうとした時、ローザが必死で私を呼んで、私も逃げようともがいて逃げられなくて、泣きそうになっちゃった時…空が明るくなって

 

 

紅い鎧の騎士が助けに来てくれた…

 

 

その後も、えっとね、えっとね…

そうだ!とても暖かい衣を掛けてくれて、で…で…?あれ…思い出せ

 

「セニア‼︎起きなさい‼︎」

 

「フアッフゥ‼︎?」

 

「ったく、いつまで寝てんのよ〜もう昼前だぞ!この寝ぼすけ‼︎」

 

「…ローザ?」

 

なんかよくわからないけど、叩き起こされて滲んだ瞳でローザを捉えた。

とりあえず目をぐしぐしして、

 

「ほら、大丈夫?」

 

うん、優しいいつものローザの顔がはっきり見えた。

でも…

 

「…なんで私ベッドで」

 

「おぉ、気がついたか?」

 

「⁉︎」

 

「あんまり大きな声出さないでって頼んだじゃん‼︎セニア寝起き弱いんだから‼︎」

 

あのー…ローザさん?私の初対面の人に私の弱点とか暴露しないで…?

 

「悪い悪い。いやぁつい嬉しくてなぁ!看病なんて久しぶりにしたからよぅ!無事で何よりだ!」

 

「…ローザ?この人…」

 

「あぁ、この人ね…」

 

なんかローザがちょっと嫌そうな顔になったんだけど…なんで?

 

「この人は…「いいや、自己紹介ならできるぜ。信じてもらえるかは別としてもな」…わかったわ」

 

「…?」

 

「俺の名はハンゾウ。お前らの追ってた幻のハンターって奴だ!」

 

刹那、私の思考は停止した。

 




はい。まさかのハンゾウ合流です。
今後の展開が気になりますねぇ〜ええ、はい、気にならない…そう、ですか(´・_・`)

読んだ後に感想などいただけると作者の禿げ身になります。どしどし書いて下さい。よろしくお願い申し上げますm(_ _)m

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