狩人闘恋万華鏡〜迅竜の恋情と覇竜の傷跡〜   作:ドーントレス

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ど、どぉもぉ…ドーントレス…です…

えっと〜…バトルシーンって難しいです…
はぁぁ…

これまでを遥かに凌駕する駄文サーセン!!!

ハ「るっせぇ!」

ギャッパァ!!!

ロ「で、では本文をどうぞ」


第29話「とある解放〜欲望〜」

 

 

生きるということは魂が肉体という牢獄に囚われ続けること…

 

しかし…その囚われの魂が何かを封じ込めているとすれば…

 

 

それは恐らく【×××】であろう。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

sideハンゾウ

 

「っそ⁉︎…何だってんだよ!」

 

おっす。おらハンゾウ。

いきなりだが、ちとまずいことになってたりする。

さっきまで人が変わったかのように何かヤバイ意味でアクティブになってたセニアが、急にがくんと身体を揺らしたかと思えばいきなり俺にランスによる猛攻を繰り出し始めたのだ。

反撃するわけにもいかねぇから全部さばいているんだが…

 

「ったぁく!いつもより早ぇじゃねぇか!!!」

 

セニアの攻撃は軽く音速の域に達していた。

…我ながら、よくいままで1発も食らわなかったな…自分を褒めてやりたいところだ。

だが、正直余裕がそんなにあるわけでもない。

某勇者顔負けの五月雨の如き突きの連撃は、徐々に俺を後退させていく。

しかも運悪く背後は海…背水の陣とはよく言ったものだ…へ?意味違う?

 

そんな俺を確実に追い詰めているセニアは、息一つ切らさずただただ冷徹な無感情を貼っつけた無表情で俺を攻撃してくる。

そう…その両目を暗く濁った藍色の眼に変えて。

 

あと5歩下がったら海…

意を決し、俺は風切り音すら置いて行っているランスの一撃を左脇腹へ抱えるように受け止め、得物をつたってセニアの約ゼロ距離に立った。

 

「おい!セニア!いってぇどぉいうつもりかぁしらねぇが、何もなしにいきなり攻撃されたとあっちゃぁ、流石の俺でも怒るぞ⁉︎」

 

しかし、セニアは答えない。

まるで俺の声が聞こえてないかのように、さっきまでと全く同じ無表情である。

俺の中で何かが飛びそうになるのを必死で堪えて、もう一度セニアに説得を試みる。

 

刹那

 

「セニっ…とぉおあぁあ⁉︎」

 

俺は宙を舞った。

何が起きたのか?

説明するには意外と簡単だった。

 

ーーーセニアがランスを振り上げ、俺を反対側まで投げ飛ばしたのだーーー

 

空中で1回転ひねりからのダイナミック着地をした俺は大きなクレーターを作り、セニアは隙を見逃さず攻撃を仕掛けてくる。

 

その後の追撃…2撃ほど攻撃を食らった衝撃で吹っ飛び、硬い地面でよくわからん程全身打ち付けられてから、俺は状態を立て直す。

全身へのダメージはまだ大したことは無いが…やはり、セニアは止まる気配を見せない。

 

「く、そっ!ほんと…いぃかげんにしやがぁあれぇ!!!」

 

意を決し、俺は咆哮と共に跳躍。自らセニアとの距離を詰め、相手の連続突きに対し自慢のパワフルアームによる連撃で応戦する。

 

そして…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

sideセニア

 

“ね?ドお?《闇》のチカらってツヨいでしョウ?”

 

ーー…うん。確かにハンゾウさんを圧倒してるように見える

 

“ネ⁉︎ね?だかラサ!ボクのショゆうシャに

ーーでもね、ゴア君

 

私は嬉しそうにはしゃぐ闇をそっと宥めるように呟き、そして今まで外の景色を見せていた黒い手を退ける。

 

真正面から闇を見据え、できる限りの優しい声を出して続ける。

 

ーー…この先は、貴方に身体を渡してあげる。だから…感じてみて?

 

 

 

自分の無力さとハンゾウさんの強さを…

 

私は身体の感覚を全て闇に渡して目を閉じる。

 

黒い世界に沈み込んで尚、私の思うことは一つだった…

 

どうか…この子を…

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ガッキィィイン!!!

 

「っ⁉︎」

 

セニアのランスが大きくブレる。

その隙を見逃さず、俺は左足で思い切り得物を蹴り飛ばした。

十数mくらい吹っ飛んだそれは、呆気ない音を立てて地面にめり込む。

 

さぁて、問題はこっからだ…

武器を吹っ飛ばされてもまだ俺に攻撃を仕掛けようとしてくる目の前のネコ科美少女を何とかして沈めなきゃぁなんねぇ…

セニアが変わらず俺に格闘戦を挑んでくるなら…

 

「…やりようはある…か」

 

俺は、それを実行に移そうと距離を置いて相手を待つ。

 

しかし、そんな俺の計画はセニアの変化によって崩れ去ることになる。

 

セニアが再び脱力し、両肩をがっくりと落とす。

そして再び俺を見やるその目には…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

確かな殺気が入り混じっていた。

 

 

それを見ていた俺の中で何が飛んだような音がした。

そう…鎖が千切れるような…心を乱し不安にさせられるような…そんな音が…

 

刹那

 

「っ⁉︎」

 

俺は再び宙を舞う。

そして【俺】の意思ではなく、【オレ】がわざと吹っ飛ばされたと認識した時には既に、追撃を仕掛けようと距離を詰めた少女を、殴り飛ばしていた。

凄まじい速度で墜落していく少女を見届けることもなく、【オレ】は落下速度と重力を上乗せした一撃を無抵抗な少女の腹にねじ込む。

強く地面に打ち付けられ、バウンドして跳ね上がる少女の身体…それを【オレ】は思いきり蹴り飛ばす。

近くの木にぶつかり、少女は若干の血を口から吐き出す。

しかし、その量を遥かに上回る血を求め、【オレ】は寄りかかる少女の腹部に膝を入れる。

腹を抱えるように前屈みになった少女の顎を無理矢理引っ掴み、【オレ】は顔を寄せる。

 

苦痛に顔を歪める目の前の女を見ていると、オレの腹の底から喜の感情がせり上がる。

そして、苦痛から敵意へと表情を変えた女から手を離すと同時に顎に膝を入れてやる。

ガクンと後ろに仰け反った女の胸部の薄い布地を引っ掴み、引き寄せると反動で戻ってきた顔面にヘッドバットを食らわす。

最後の一撃で額から血を流し、脳震盪を起こしているであろう女から手を離す。

そして、オレは辺りを見渡した。

 

ひでぇざまだなぁ…

木は人型に凹み、決して少量では無い血が飛び散り赤黒いシミを作り、星でも落ちたかと思う程に地面にはクレーターができていた。

 

オレは暑苦しさを感じ、ヘルムを脱ぐ。

久しぶりに見た外の景色…

あの男に封印されてからというもの…狭い狭い煉獄の世界で、ひたすら鎖と戯れさせられた今までとはまるで違う…

 

ーーー最高だ

 

赤き髪を風に揺らし、オレは確かにそう思った。

 

今までオレを縛っていた鎖はここには無い。

今までオレの力をオレの意思とは違う使い方をしてきたガキも、オレのいた煉獄の世界に叩き落とした。

全てがオレの思いのまま…身体はちと小ぃせぇがしっかり動く。

 

「っ…くっくっ」

 

もう一度オレが潰した女を見やる。

ほぼ半裸体で口や額から血を流して目を虚ろにしている『それ』を見ると笑いが込み上げて来る…やっべぇ…抑えきれねぇ!!!

 

「ぐ…あっは、ははは…ハァハハハハ!ギャハハハハハハハハ!ギャハハ‼︎ギャハハハハハハハハハハハハ!!!」

 

ひとしきり笑い飛ばしてみた。

やはり、最高だ!

肉の感覚、視覚味覚聴覚触覚痛覚全て全て全て!!!

 

「さいっっっっこぉぉじゃぁぁねぇかぁ!!!」

 

そして、この女も最高だ!

オレという【覇王】の前で地に這い蹲り砂を舐め、目も虚ろに自分の無力さを感じながらも完全に殺されることなく、このオレに嬲られる…

この女はその1人目…光栄なことよなぁ?

 

オレは未だ目を覚まさぬ女を拾い上げ、指先に少しばかり気を集めるとその指先が熱を帯び赤く染まる。

それを女の傷口に当てがった。

 

「っ⁉︎っづぁあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」

 

肉の焼ける音と女の悲鳴をBGMに、オレは止血作業を続ける。

今すぐにでもかぶり付きたいくらいだが…まぁもう少しの辛抱だ…

 

やがて止血作業が終わると、オレは指先の温度を戻し、完全に冷めてから女の首根っこをひっつかんで、そこらへんの木に押し付ける。

苦し紛れに抵抗してくる女の右腕の肘関節を空いてるオレの左手で外す。

心地よい悲鳴と軽快な音を立てて外れた腕を見ると、また笑いが込み上げて来る…さっさと済ませるか。

 

女の残りの布地を剥ぎ取り、脱力した女を一度下ろし、隅々まで見ていく。

 

「あぁ…悪くねぇ。むしろ最高だぁ!!!」

 

 

いよいよセニアの肢体にハンゾウの手が伸びるーーー

 

ーーー“んなぁことが許されると思ってんのか⁉︎ゴルァア!!!”

 

ガゥン!!!

 

ハンゾウの手が思いきり反対側へ弾き飛ばされ力なく垂れる。

 

刹那

 

「っ⁉︎ちっ…なぁにもんだぁ!?」

 

ハンゾウは後ろに跳びのき、発砲音のあった方を見ると同時に怒鳴る。

やがて、木陰から2人の人影が現れる。

それは

 

「…なんだ、私を忘れてしまったのか?ワンコ君?」

「…あんた…セニアちゃんにそれ以上なんかするなら…次は眉間に風穴あけてやんよ?」

 

 

【白き疾風の乙女】と【姿無き煌月】…おそらくこの世界で1番恐ろしい女の上位2人であった。

 

そして

 

「あたいもいるよ!ハンゾウ…あんた…血ぃ見る覚悟できてんだろうね⁉︎」

「ったぁく…我も一役買おうでは無いか…のぉ?覇龍の王よ?」

 

ハンゾウの背後にはローザとマツバがいる。

 

しかし完全に包囲されて尚、ハンゾウは笑みを浮かべる…

 

「来いよ…雑魚がいくら集まろうとオレに喰らわれるのが早まるだけだがなぁ⁉︎」

 

…両の眼から静かに涙を流しながら…




ル「ふぅ…長い上にあまり面白く無いわね…1度お母さんのお腹からやり直したら?」

いやいやいや!それって私生まれない可能性もありますしおすし!

ル「…ボケにもこの程度の対応しか出来ない…本当にもう存在価値すら見出すことの方が難しいほどのダメ人間ね…あら?あなた自称龍族でしたっけ?」

ええ、はい。謝るんで私の精神ゴリゴリするのやめてください死んでしまいます…(涙目

ル「ふぅん…まぁ今回はこのくらいで許してあげない❤︎」

ふぅ…って、へ?

セイラ「ふふ、次回もお楽しみに」

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