狩人闘恋万華鏡〜迅竜の恋情と覇竜の傷跡〜   作:ドーントレス

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はい、そろそろUAが4000に突入しそうで嬉しさを隠せないドートレスです

ハ「なぁ、前回から思ってたんだが」

ん?どしたん?

ハ「20++話の『+』ってなんだ?」

では、ごゆるらんとどうぞ!

ハ「無視かよ!?」


第20++話「とある夜」

 

 

sideローザ

 

…最近、目に見えてセニアの様子がおかしい…

なんか理由もなくそわそわしたり、自分の世界に入り込んでは首をぶんぶん縦に横に振ったり、独り言を呟いていたかと思えばいきなりニヤニヤしたりと…一体ゼドアラで何があったんだろう

 

直接聞いてみるのもいいが…こういう時はちょっと離れて周りを見渡してみたほうが何かが見えてくるものだ。

討伐対象だけじゃなく地形や地物、薬草・蜂蜜・アオキノコの位置や対象外の小型モンスターなんかの把握はガンナーの基本だ。

 

だから、今回は狩りじゃ無いけど…ちょっとした応用さね。

ちょっと周りを警戒しつつセニアとその他の2人に目をむけたりする。

うぅん…モンスターの行動パターンとかなら読めるんだけど…どうも人間相手じゃ勝手が違うね。

 

でも、仮説は立てられない訳じゃない。

あたいは3つの仮説を立ててみた。

 

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仮説1『ハンゾウとなんかあった』

 

なんかってとこはイマイチ分からないけど、あのゼドアラの一件であたいの所に助けに来てくれたのは【伝説の傭兵】と【姿なき煌月】だった。

けど、事件が終わった時にハンゾウは居たし、聞いた所によるとソルとルナと一緒に来たと言う。

 

つまりは、セニアを助けに行ったのはハンゾウである。

 

このゼドアラでの事件の前はセニアはあんなんじゃなかったから、当然ゼドアラで何かがあったと考えられる。

 

…ぶっちゃけこの仮説が1番近いように感じるが、他のも捨て切れる訳ではないので続けよう。

 

仮説2『空賊になんかされた』

 

また曖昧な感じにはなってしまうが、本当にこれは考えたくない。

もし、空賊になんかやばい薬とか洗脳とかされているなら早く病院に見せに行かねば、セニアが危ないだろう。

 

だが、それにしては助けに行って空賊もセニアも見ている筈のハンゾウが何事もなかったようにしている。

こいつの感は何気に鋭いし、何より仲間意識が強い。

仲間がそういうことされたりしてたらおそらくだが、こいつはこんなに穏やかではないだろう。

 

この仮説はあたいも考えたくないし、ハンゾウの反応を見てても大丈夫そうだから没にしたい。

 

仮説3『マツバ』

 

ない

 

 

以上。

 

 

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随分と考え混んでしまった。

あたいらしくもない。

夜風に吹かれ、少し心地よさを感じた。

それと同時になんか瞼が重くなって…やばい…倒れ

 

 

刹那

 

 

「んだよ。無茶すんなって言ったろ?見張りは俺に任せて、お前さんもさっさと寝ちまいな」

 

「んぁ…ん?」

 

前に倒れそうになったあたいを、闇に交わらない優しい藍色の鎧の男が支える。

あたいが見上げるように顔を確認すると、やはりアカム装備のフルフェイスが見える。

 

ーーーあぁ、そう言えば最初にこいつに会った時も…こうやって支えてもらったっけーーー

 

思い出されるのは暴漢達に乱暴されそうになったらあの夜のこと。

 

セニアは…あの夜のことを覚えているのだろうか?

 

いいや、忘れちまったほうがいいだろう…あんな夜のこと…

 

 

「わるい、ハンゾウ。ちょっと疲れが来ちまっただけみたいだから…ちょっと寝たらまた代わるよ」

 

「…いや、いい。お前さんは朝まで寝てろ。見張りなら俺がやる」

 

「そんな、わるいよ。あたいも「今回のことは」ーー…」

 

「今回のことは俺のせいでお前さんも、セニアも捲き込んじまった…俺は…1人で勝手に強い気がしてただけなんだ。

今の俺の強さは…俺の求めている強さとは…全然…違ぇ」

 

何故だろうか…ハンゾウはあたいとは比べ物にもならないくらいの力を持っていて、幾度となく助けてもらった。

だけど…あたいとハンゾウが求めている『強さ』は一緒な気がして…ハンゾウは、自分でその強さが足りないと分かっていて…でも、おそらくどうすればいいのかも分からなくて…

 

気づくとあたいは彼を抱き締めていた。

 

「ロ、ローザ?「辛いよね」…」

 

「自分で…自分の力不足で仲間が傷付くのは…辛いよね。

でもね、あたいはセニアに救ってもらえたからここにいれる。

そして今は、ハンゾウ…あんたにあの夜、助けてもらえなかったらあたいとセニアは空賊に囚われた程度のそれでは済まなかったかも知れない…あたいは、あんたの強さは…分かってるつもりだよ?」

 

「……すまない」

 

未だに哀の色を濃くする幻のハンターに謝るんじゃないと軽く微笑み、あたいは彼の背中を撫でる。

 

「ありがとうね…セニアの為に動いてくれて…それだけであたいは自分のことのように嬉しいよ」

 

笑顔を崩さず言う。

今、この笑顔を崩してしまえば…おそらくあたいは泣いてしまうから…

 

あの地下牢で感じたハンゾウへのそれは…きっと今後あたい達の旅の障害になる…

だから…今のこのちょっぴり嬉しい気持ちも…早いことなんとかしなくちゃいけないね。

 

あたいはどうやら限界に来たらしく、意識は闇に徐々に落ちていく。

 

 

そんな中で…あたいは…

 

 

 

 

 

《紅蓮の髪をした哀しそうな顔をした男》があたいを見ていたような…そんな気がした。




感想待ってます!!!

ハ「待てゴルァ‼︎」

ギニャーー!!!

セ「…次回は出番あるかな…」

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