狩人闘恋万華鏡〜迅竜の恋情と覇竜の傷跡〜   作:ドーントレス

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はい、どうも皆様ドーントレスです。
今回から新章に入っていきます。
この新章は、ほのぼの系で行こうかと今のところ検討しております。

ハ「バトルなしとか…退屈だな」

ん?誰も『バトル無し』とは言ってないよ?

ハ「あ?」

じゃぁ、新章1発目!張り切って行ってラッサイ!


続くぜ続編‼︎迅覇凱崩日恋編
第20話 「とある準備」


 

 

sideハンゾウ

 

俺たちは昼過ぎに荷物を纏め、ゼドアラを後にした。

 

ソルとルナはいつの間にか姿を消していて、ローザ曰くまた時が来たら必ず逢えると言い残したらしい。

全く…あいさつもなしたぁ無愛想な奴らだ。

 

その代わり…

 

「うむ、食料類はこれだけ積んでおけば良いな?」

 

変な奴が付いてきやがったが…

 

「おっ!と、いつまでもそんなとこに突っ立ってたら邪魔だよ⁉︎テキパキと動きな!」

 

「あんふ‼︎も、申し訳ない…しかし、ちょっと量が多すぎやしないか?」

 

ローザにケツを蹴られて奇声をあげたあの男は『マツバ』。

なんか俺を追って此処まで来たっぽいが、あいつの強さは俺でも計り知れない程だ。

あの結界は強力だったし…何よりもあの野郎は【崩竜】を駆る。

だが…わかんねぇ…俺に喧嘩ふっかけるならまだしも、なんでしれっと一緒についてこようとしてんだ?

 

「ローザ殿⁉︎あそこにもサボッタージュ決め込んでる黒いのが居ますが⁉︎」

 

「んなこと言ってる暇があったら手ェ動かせや!ケツの穴一個増やすぞ⁉︎」

 

…なんかマツバ相手のローザがめちゃ怖いんだけど…

視線を荷台に移すと、セニアが慣れた手つきで荷物が落ちない用に縄で縛っている。

…そぅいえば、俺を最初縛ったのもセニアだったなぁ

なぁんて会った時のことを思い出していたらセニアが縛りおえたのか、こちらに歩いてくる。

俺は飲み物を手渡し労いの一言をかけると「…ありがとう」と、素直に受け取ってくれた。

 

セニアは俺の隣に腰を下ろし、持ち前のぽけーっとした顔で空を見ている。

俺も同じ様に空を見て、ちょっとのんびりした空気と時間を味わう

 

「…ねぇ、ハンゾウさん」

 

隣から声がかけられる。

もちろん、声の主はセニアだ。

よく聞き慣れたあの声だ。

 

だが、何かが違って…

 

 

 

「…お姉ちゃんとは、どういう関係?」

 

そこには俺を戦慄させる程の何かを含んでいた。

全身の毛が逆立つ様な感覚…血が逆流してんじゃねぇかと思う程の気持ち悪さと寒気。

さっきまでぽけーっと空を見上げていたとは思えない威圧と入り混じるなんらかの感情。

 

俺の本能が珍しく全力で『逃げろ』と告げて来る

 

セニアは俺の方を見ている。

その目にはなぜかハイライトが入っていない様に見える…気のせいだと信じたいが

 

「あっ!そぉいえばあれ片付けねぇと!」

「逃がさないよ?」

 

チッ!なんて早さだ⁉︎

瞬時に立ち上がった俺の行く手を遮った彼女に感服して、俺は再びその場に腰を下ろす。

セニアは暫く俺を上から見下ろす形で見ていたが、俺が動く気がないと分かるとまた、そのまま俺の隣に座り込む。

 

「もう気ぃ付いてるかもしんねぇが、前に話した女剣士ってのがお前さんの姉、セイラのことだ」

 

「……」

 

セニアは黙って俺の話に耳を傾ける。

 

「んで、セイラになぁに吹き込まれたかは知らんが、あいつの言うことは3/12位で聞いてればいい」

 

「…分かりづらいから1/4って言おうよ…」

 

「まぁ、つまり…なんだ。あいつはあぁ言う奴だから、もし過去になんかあった〜とか言ってても気にすんな。

少なくとも俺はお前さんに話した以上のことはしてねぇかんな」

 

「…ふぅん」

 

なんかイマイチな反応で返ってきたが、目のハイライトは戻っていた。ったく…実の妹にあいつは一体なぁに吹き込んだんだ

 

「…じゃあ、少なくともまだお姉ちゃんには取られてないんだ」

 

「あぁ?なんか言ったか?」

 

「っ⁉︎…な、なんでもない」

 

それっきりセニアは、ボソボソ喋っては小さく頷く様な動作を繰り返している。

なにが、知りたかったのかは知らんが、まぁ納得してくれたみたいだし…よしとするか。

 

「おーい!セニアー!ハンゾウー!準備出来たよ!次は何処に向かうんだい⁉︎」

 

「あぁ〜今行くぜぇ〜」

 

俺は立ち上がり、ちょっと気怠げにローザに応える。もうちょっと座ってたかったが、しゃあなしだな。

此処に長居するわけにもいかねぇ。

 

ふと隣を見ると、まだ自分の世界に入り込んでる猫耳娘がいる。

俺は徐ろに彼女の背後に立つと、

 

「ホォイ!」

「ひゃぅうぃ!?」

 

両脇に手を突っ込んで一気に持ち上げてやる。

セニアの意味不明な悲鳴が可笑しくて、俺は身長的に足のついていないセニアを持ち上げながら戻ることにした。

 

まぁ、ちょっとした悪戯心だったのだが、この後セニアが軽く熱を出して、俺がローザに理不尽な説教を受けたのはまた後の話だ。

 




今回はあくまで準備ですので…という言い訳をって痛い痛い!すんません!ごめんなさい!次の21話で次の目的地とか書きますから!気円斬飛ばすのやめて‼︎

セイラ「あら、そぉ?ならいいわ。特別に許してあげる」

あざすセイラ姐さ「でぇもぉ…」な、なんすか?

セイラ「たまには、出番…頂戴ね?」

は、はひ、努力…します…

ハ「…感想、待ってるゼィ」

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