僕と天狗の取材録   作:彩風 鶴

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注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・準定期更新
・原作とは異なる自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・最近のお昼は8割ラーメンを食べてる気がする。
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!






10章 3話~優雅なお茶会~

「そういえばあなたは?」

アリスさんの家に入ろうとする途中で呼び止められた。

アリスさんからしたらきっと僕だけが未知の生物なのだろう。

「あ、ええと……僕は――」

「天狗の助手だってよ。」

悪意があるのか分からないが魔理沙さんの声が紡ぎかけた言葉に重なる。どちらにしてもかなり質が悪いのだが…...。

「へー……大変ね……。」

「それ何気に失礼ですよね?」

哀れみの視線を向けるアリスさんに文さんが不服を申し立てるがスルーされた。

「それよりあなた……そのまま私の家に入るつもり?」

「え?」

半眼を向けられ、自分の格好に目を向ける。

至る所に白い粘液がこびり付いている。普通の人ならこいつを自宅に入れたいとは思わないだろう。

「あ、ご……ごめんなさい!!ええと、どうしたらいいですかね……?」

「とりあえずお風呂貸してあげるから体洗いなさい。」

「は、はい……。ありがとうございます!でも、着替えも何もないんですけど…………。」

「あぁ……着替えならここに。」

そう言うと文さんがどこからか丁寧に畳まれた洋服を取り出した。

一体いままでどこに持っていたのだろうか?…………っていうか何で文さんが僕の着替えを持ち運んでいるのだろうか……。

「こんなこともあろうかと思いまして。」

グッと僕に向かって親指を突き立てる。文さんは一体何を想定して日々過ごしているのだろう……?

まぁ、この妙な泥を落とすことが出来るのなら細かいことは考えなくていいか……。

思考を停止した僕はアリスさんの言葉に甘えてお風呂を借りることにした。

 

 

~少女入―――

 

 

「ねぇ魔理沙、この前貸した魔導書……早めに返してよね。」

「ん?あぁ……分かった分かった。」

アリス、霊夢、魔理沙、早苗、文の5人がが中サイズのテーブルを囲む。

アリスが置いたカップからは上品な香りが漂っていた。

浴室の方からはよく耳をすますと控えめな鼻歌が聞こえてくる。言わずもがな中の鞘のものだろう。

「それ、多分返ってきませんよね……。」

「はぁ……分かってたことだから別にいいけど……。」

ため息混じりに頭を抱えるアリスも椅子に腰掛ける。

「そういえばあなた、助手とかいたのね?てっきりそういうことはしないのかと思ってたわ。」

文は紅茶を一口啜り、クスッと笑顔を作ると、

「別段人手が足りないなんてことはないのですが面白そうだったもので……。」

再びカップに口を付けた。

「ふーん……。ちょっと鈍くさそうな子だしあなたと馬が合うと思えないけど……。」

「確かに役が立つイメージはないわね。」

「むしろお荷物になってるイメージがあるな。」

「皆さんなかなか辛辣ですね……。」

当然のようにグサグサと言葉を並べる三人に早苗が苦笑いを浮かべる。

「まぁ、確かに仕事の役に立った記憶はほとんど無いですけど、なかなか不思議な力を持ってますよ。……私にも計り知れないようなものを。」

「不思議な力……ね。」

霊夢の顔が一瞬だけ陰る。脳裏にあのときのことが横切ったからだ。

「意味深なこと言いたいだけじゃないの?」

そしてそれを隠すように文に半眼を向ける。

「まぁ、それに関して追求する気はないけど……意外だったから――」

 

 

 

「あ、あの……お風呂、ありがとうございました…………。」

なにか話し込んでいる皆にタイミングを計って声をかける。

「!?」

予想通り、アリスさんと早苗さんが驚きの表情を隠すことなくこちらに目を向けている。

まぁ……そんな反応をするのも当然だろう……。

「おぉ……似合ってます似合ってます。」

文さんが意地悪く笑う。

「何でこんな服なんですかぁ……。」

涙目になって、手を下腹部のほうに押し当てる。

マンガやアニメの中でだけの存在であるとんでもなく短いスカート。すこし屈もうものなら服としての機能を失ってしまうような代物だ。

「大丈夫ですよ。鉄壁を誇る射命丸印のスカート(short version)です。たとえ台風が吹こうがひっくり返ろうが意図的にめくろうがめくれません!!」

文さんが何か熱く語っているけど正直何を言っているかよくわからない。

最後のに至ってはさすがに無理があるのではないのだろうか?

「あぁ…………ええと、何て言うか……。」

早苗さんにアリスさんが何ともいえない表情で僕の格好を凝視する。

「しゅ、趣味は人それぞれですからね……。く、悔しいぐらい似合ってますよ……?」

早苗さんの笑顔がひきつっている。そりゃまあ、男だと思っている人がミニスカートを履いて目の前に現れたら引きもするだろう。

「あ、あの……一応誤解がないように言うんですが……僕……女ですよ?」

さすがにこの状態でそれを言っておかないと僕の人格を疑われそうだ。

それを聞いた二人がポカンと首を傾げる。文さんがそんな二人の反応を面白そうに観察していた。

「……ってそんなことはどうでもいいのよ。それより、アリスに聞きたいことがあるのよ。鞘は早く座りなさい。」

「あ、はい。ごめんなさい。」

急いで一つ空いてる席に腰をかける。隣にいる早苗さんが「女の子みたいな名前だと思ってたけど本当にそうだったとは……。」とブツブツ呟いている。

なんだか前もそんなこと言われた気がするなぁ……。もう男の子に間違えられるのも1回目や2回目じゃないし別に何とも思わなくなってしまった………………グスン。

 

 

「とりあえず……冷めないうちにどうぞ。」

「あ、ありがとうございます。」

訝しげな視線を向けたままアリスさんが紅茶の入ったカップを出してくれた。

スカートのせいでアリスさんからの印象は最悪だろう……。もしかしたらあの人形達を使って襲われるかもしれない。

「それで、アリスが送りつけられた手紙って言うのは?」

自分の妄想に怯えていると魔理沙さんがそう切り出した。

「あぁ、そうだったわね。これよ。」

アリスさんが取り出した手紙を皆が体を乗り出して覗く。

僕たち宛てにきた手紙と同じ封筒に入っている。代表するように霊夢さんが封筒から手紙を取り出す。

 

《前略 素敵な人形遣いのお姉さんへ。

急なお手紙をお許し下さい。この度、私どものちょっとした計画においてあなたに協力していただくことにしました。勝手をお許し下さい。まぁ、協力といっても簡単なことですからあなたであればきっと造作もないでしょう。それではまた後日お伺いすることになるでしょう。 草々。》

 

「…………。」

僕がざっと目を通した後にはそれぞれ何か考えている様子だった。僕が一番読むのが遅かったようだ。

「あ、そういえば……私たち宛に来た手紙がこれです。」

早苗さんがアリスさんに届いた手紙の横にもう一つの手紙を広げる。

「全く同じ字ですね。文体もどことなく似ています。」

「どっちも絶妙に鼻につくわね。」

手紙本体も二つとも同じもので二つの手紙が同一人物にかかれたものだと物語っていた。

「どうやらあの二人は意図的に私たちを同じ場所に集めたようですね。」

「一体何が目的なんだ?」

「愉快犯の行動にいちいち理由なんざ求めてたらきりがないわよ。」

霊夢さんは切り捨てるようにそう言うと二つの手紙を仕舞った。

「ま、大丈夫だとは思ってたけど無事みたいで安心したわ。防犯対策もバッチリみたいだしね。」

「あなた達が堂々と入り込みすぎなのよ。」

「悪い?やましいことなんて何もなかったんだから。」

紅茶を一口啜ると椅子に深く腰をかけ直す。

「でも、アリスさんが無事だったのはいいんですがこの後どうするかが問題ですね。」

「そうだな……。また手がかりが途絶えたって訳だからな。」

「わざわざ手紙を送りつけてきた理由が必ずあるはずです。待っていれば姿を現すかもしれませんし、一休みするのも兼ねて暫くおじゃまするのはどうですか?」

「私は別にかまわないけど…………。」

アリスさんは一瞬だけ目を泳がせるとすぐにそれを誤魔化すように右手に持つ紅茶に視線を落とした。

 

 

「アリスは異変解決に着いてくる気はないのか?」

「自分の身が狙われたわけだし、勿論協力するわ…………と、言いたいところだけど私も忙しくてね。少なくともすぐにって訳にはいかないわ。」

「ま、お決まりよね……そんなこったろうと思ってたわ。おかわり。」

霊夢さんが差し出したティーカップにコポコポと紅茶が注がれる。

「そういえば僕達宛の手紙には《お茶を淹れて待っています。》と書いてありましたね。」

何気なくそう呟く。

「実際には武装した人形集団に手厚い歓迎を受けたわけですが……。」

「ま、そう言うなよ。何も悪気があったわけじゃないだろうし。」

魔理沙さんがアリスさんをカバーする。

「着いてこないのは構わないけどくれぐれも気をつけなさいよ?相手の実力はまだ未知数なんだから。」

「言われなくてもわざわざこんな手紙まで送って『警戒して下さい』って示されてるんだから大丈夫よ。」

「そう。」

どうやらアリスさんに置かれる信頼は厚いようだ。人形のことを除けば普通の人のようだし数少ない常識人の内の一人なのかもしれない。

 

「あ!そういえば!全く関係ないのですが……。」

話し合いが一段落すると文さんがその場で立ち上がった。

「前の話の続き……教えていただけませんか?」

「はい?」

コソコソと隠すつもりのない聞こえ放題の耳打ちをする。その相手は霊夢さんだ。

「前の話……って。どの話よ?」

霊夢さんは心当たりがないのか眉をひそめる。

「一番最近に神社に伺ったときですよ。意味ありげに話を切っていたじゃないですか。」

「そうだったかしら?ま、どっちにしても情報料はきっちり払ってもらうわよ?」

「そう言うと思ってましたよ。」

文さんが懐から手帖を取り出すとサラサラと何かを書き込む。

さりげなくのぞき込もうとしたが角度が悪く、上手く内容は見えなかった。

「これでどうですか?」

手帖から一枚紙が破かれ霊夢さんの手元に移動する。

「どれどれ…………。」

暫くマジマジと紙切れと睨めっこしていると不意にニコッと明るい表情が現れる。

文さんは営業スマイルを浮かべているがどこか期待するような目を向けている。

「ま、この条件なら……。」

霊夢さんは紙切れを丁寧に折り畳む……そして。

 

「話にならないわね。」

 

そう言って破り捨てた。

「あやや……やはり駄目でしたか。」

いつの間にか破り捨てられた破片をすべて回収した文さんが残念そうに呟く。

一体何を提示したのだろうか?前みたいに僕が関わってないかものすごく心配だ……。

「ま、今度はそれ以上の条件もってきなさい。そしたら考えてあげるわ。」

笑顔でそういう霊夢さんは僕の目にはなんだか相当やり手のように映った。

 

 

 

 

     続く……。

 

 

 

 

 




はい!どうも!財布のHPがごりごり削られて涙目の彩風です!

5桁あった貯金が3桁になりましたwww笑えねぇよ畜生www

とまぁ、そんな個人的な話はさておきまして今回もこんなところまでご苦労様です。
先週お休みさせていただいたので体力満タン!(というわけでもないですが)がんばっていきたいと思います!!

しかしまぁ……キャラ達の生活的な側面を書くのはとても難しいですね……。
お風呂、洗濯、睡眠、食事、花摘みなどなど……想像力をフル回転させて執筆しております。
あんまり放っておくと暴走してとんでもない方向に走り出すかもしれませんが悪しからず。



※これより先は余談を含みます。
そういうものが苦手な方、本編未プレイの方、百合より薔薇派の方は気をつけて閲覧下さい。




これは2週間ほど前のお話……。
彩風が書店にてブラブラと歩き回っていると。←不審者
ん……?これは……。と、新刊コーナーの一角に目をやる。
そこには……

『あら○けいいち最新作!!』

……。
きたああああああああああああああ!!!!!!!!!!
ついに来たよ!あ○ゐさんの新作ぅぅうう!!あぁぁああ!待ってたよ新作クンカクンカハァハァ!!
おっと失礼。取り乱しました。
しかしやってきましたね……。あの日○で有名なあらゐけ○いちさんの新作ですよ!
○常もなかなかカオスでしたが新作はどうなのでしょうか……。
早い内に一度読みたいものです!!!


新作アニメも楽しみだなぁ…………。←気が早い


それでは!次回も是非ゆっくりしていって下さいね!!

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