僕と天狗の取材録   作:彩風 鶴

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注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・原作とは異なる自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・今年の大河の子役ちゃんかわいい。あ、男の子の方です。
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!






9章 3話~雨に降られば~

「しかし、本当に人通りが無いな…………。」

風の音がしっかりと聞こえる中で魔理沙さんが呟いた。

「みなさん未知の病を恐れて外出を控えているんでしょうね。」

5人が並んで道を歩くなど普通なら迷惑極まりないが、今に限っては特に問題もないだろう。

あてもなく人里を歩く。

 

「それで、これからどうするんだ?」

「だから言ったじゃない。人里を見回るのよ。」

「いや、その後の話だよ。」

魔理沙さんの言葉に霊夢さんが言葉を詰まらせる。

多分考えていなかったのだろう。

「それじゃあ……永遠亭に行ってみませんか?」

すると霊夢さんに代わって文さんが魔理沙さんに答える……というか提案する。

「?……何で永遠亭なんだ?」

「あ、それはですね……。かくかくしかじか―――」

「文さん……。説明ぐらい面倒くさがらないでください。」

文さんは小さく頬を膨らませると溜め息をついてから、説明を始めた。

 

 

~少女説明中~

 

 

「へー……永琳のとこに紅魔館のメイドがねえ…………。」

「そろそろ何か分かった頃かもしれませんし行っておいて損はないかと。永琳さんに人里でのことを伝える必要もあるでしょうしね。」

確かに文さんの言うとおり永遠亭を次の目的地とするのは良い案かもしれない。

「そうね……じゃあ軽く見回った後に永遠亭に向かうってことでいいわね?」

特に誰かが異議を唱えることもなく次の目的地が決まり、僕達は人里の見回りを始めた。

 

 

鈴奈庵を出てから10分ほど経っただろうか?

何か目立った発見があるわけでもなく会話も減ってきたころ。

「あれ?」

早苗さんが短く声をあげる。

「どうしたの?」

「いえ……雨が……。」

早苗さんが呟くとポツポツと雨が降り始める。

「うわ、降ってきた!」

「とりあえず屋根があるところに避難しましょう!」

 

「急に降ってきたわね…………。」

雑貨屋さんの小さな屋根に並んでどんよりとした空を眺める。

「通り雨みたいですし少ししたら止むでしょう。」

始めはまばらだった雨が地面に落ちる音が今は途切れることなく聞こえてくる。

僕は雨はそんなに好きじゃない。

とはいっても雨が好きな人ってあまりいないだろうか?

そんなどうでも良いことを考えていると向こうの方から声が聞こえてきた。

「おーい!儂もいれてくれー!」

そんな声とともに小走りにこちらに向かってきたのは若い女性。

手を傘にして屋根の下まで来ると、僕らの横に同じように並ぶ。

「ふぅ……いやぁ…………急に降り出すから困るよ……。」

苦笑しながら髪を手で軽くとくと上がった息を整えるために深呼吸をする。

20歳ぐらいの見た目に反してしゃべり方からは何だか古風な雰囲気が窺えた。

「おたくさん等は連れかい?」

「え?……は、はい!そうです。」

ニコニコと綺麗な笑みを浮かべながら尋ねる女性に総答える。

「あんたは?何でこんなとこにいるのよ。」

「何でというと?」

「人里で人が次々に倒れていってるんだけど……知らないの?」

「あぁ…………何だか外が騒がしかったがそんなことがあったのかい。」

女性は霊夢さんの言葉を聞いても特に驚いた様子もなくケラケラと笑いながら応じる。

僕からするとそんな様子が不思議でしかたなかった。怖くはないんだろうか?

「どうりでやけに静かだと思ったよ。」

女性は壁に背を預けると何処からかキセルを取り出して紫煙をくゆらせ始めた。

「あんたも出来るだけ大人しくしてなさい。まだ詳しいことはわかっていないから。」

霊夢さんを一瞥し、女性はふぅ……と煙を吐くと

「あぁ……その方がよさそうだ……。それじゃぁ雨も少し弱まったようじゃし儂は急ぎの用事があるんでの……。」

その後、短い一服を終えて女性は来たときと同じように小走りにその場を去っていった。

 

「な、何だか不思議な人でしたね。」

「別に珍しくもないわよ。」

思わずそう漏らした僕に霊夢さんは短く答える。

確かに…………幻想郷ではそんなに珍しい人でもないのかな…………?

「そういえば……あそこって、来るとき女の子が倒れていた場所ですよね。」

すると、早苗さんが女性が向かってきた方向を指す。

「あぁ…………そういえばそうだったな……。」

「じゃあ少しだけ見ていってみますか?」

「そうね。」

横に並んでいて互いに顔を合わせることなく短い会話を続ける。

そんな僕達の話を聞いていたかのようにパッと雨が止んだ。

「おっ?もう大丈夫そうか?」

「大丈夫そうですね……それじゃ、再開しましょうか。」

 

「ここで女の子が魂を奪われ、皆さんがチールさんとあったというわけですか?」

「はい。その通りです。」

文さんは刑事ドラマの鑑識の人みたいに現場をいろいろな角度から写真に収める。

水を得た魚のように生き生きとした笑みを浮かべているところをみるとやはり文さんは本能的に写真を撮ることを求めているのだろう。

ほかの皆も女の子が倒れていた辺りの地面を熱心に眺めている。

「まぁ……そもそも期待してなかったけど特に何もないわね……。」

周りを見渡してもそこにあるのは道端のごみぐらいで霊夢さんの言うとおり特にめぼしい物は見あたらない。

「あ、鞘……ちょっといいですか?」

「はい。何ですか?」

写真を撮り終わった文さんに声をかけられて、後ろを振り向くと不自然なほどにこやかな笑みがあった。

嫌な予感を抱きながら文さんの次の言葉に耳を傾ける。

まあ……嫌な予感が外れることはなく、

「ちょっと、女の子が倒れていた状態を再現してみてください。」

 

「はい?再現?」

思わず聞き返すが文さんの言葉は変化することなく、

「はい。女の子が倒れていた状態を鞘が実際に再現してみてください。」

「僕がですか?」

自分で自分を指さしながら尋ねると「勿論です」と言わんばかりに文さんが頷く。

…………まぁ、文さんの手伝いができるのなら良いんだけど……。

何だか釈然としないまま塀を背にして腰を下ろす。

地面がまだ湿っているんだけど……まぁ、文句を言っても仕方がない。

「こ、こうですかね?」

力を抜き、記憶を手繰って出来るだけ再現を試みる。

「こうですかね?と訊かれても私は実物を見てないですからね……。こんな感じでしたか?」

「う~ん……だいたいこんなんだったかしら?」

探すのに飽きたのかいつの間にか文さんの横に立っていた霊夢さんが顎に手を当てて答える。

「まぁ、とりあえずはこれでいいでしょう。」

文さんはそう呟くとまた色々な角度からシャッターを切り始めた。

 

考えてみると文さんに不意打ち以外で写真を撮られるのって初めてじゃないだろうか?

そう考えると何故か急に顔が上気する。

「別に力入れなくても大丈夫ですよ?」

カチコチに固まる被写体を不思議そうに眺める文さんに声をかけられ裏返り気味に「は、はい!」と答える。

それを見てさらに不信感を抱いたのか怪訝そうな表情をつくり、またファインダーの先に目を移した。

 

「はい。もういいですよ。ありがとうございました!」

文さんの声で我に返る。

何だか写真を撮られていたときの記憶だけスッポリと抜け落ちてしまっているようだ。

そんなに緊張していたのだろうか?

 

 

「み!皆さん!これ見てください!」

すると急に早苗さんが興奮気味に声を上げる。

声の方を見ると早苗さんが顔を輝かせており、右手には茶色の封筒を掴んでいた。

「何それ?」

霊夢さんが極めて簡潔に尋ねる。

「そこのごみに紛れて転がってたんです。どうやら新しいようですし何か関係があるんじゃないですか?」

早苗さんの手の封筒は皺などはなく、確かに新しいもののように見えた。

「あー……?そんなもん関係あるわけないでしょう?」

霊夢さんは早苗さんの手から封筒をひったくると封を雑に開いた。

その様子を僕達4人が興味津々といった様子で見つめる。

「開いた後に言うのもなんだけど……これ開けて良かったのかしら……。」

「別にいいんじゃないか?もとから捨ててあったんだろ?」

「そうですよ。開けちゃいましょう!」

魔理沙さんや早苗さんに背中を押されて霊夢さんは封筒の中身に手を伸ばす。

「どうせただのごみで今回の件に関係なんて無いわよ。」

 

封筒の中から細長い紙を引っ張り出すとそれを開いた。

僕達も後ろからのぞき込む。

そこにはこう細い字で書かれていた。

 

 

《前略 親愛なる新聞記者とその助手のお二方。あとなんか3人ぐらい。

この度は勝手ながら我々の遊びに付き合わせてしまったことを深くお詫びいたします。

今回、文という何とも面倒な方法を取らせていただいたのにはいくつか理由があるのですが……省きましょう。

さて、本題に入りますが……恐らく次に何処に向かえばいいか迷っていると思います。

ということで、私達が次に向かう場所をお教えします。私達が次に向かうのは光の射さない深い森。

その中、人形遣いの小さな家にてお茶を淹れて待っております。

草々 エルとチール》

 

 

……どうやら大いに関係があったようだ。

「いろいろと突っ込みたいところはありますが……光の射さない深い森というのは魔法の森ですよね?」

「人形遣いってのはまぁ……アリスのことだよな。」

「大変じゃないですか!!助けに行かないと。」

聞き覚えのない名前が出てきたが、どうやらこの手紙はエルさんとチールさんに書かれたものらしい。

そして文さん達の会話から察するにそのアリスさんという人が次の標的とされているようだ。

「それより……何よこれ…………。」

しかし霊夢さんはそれとは違うところに反応しているようだった。

手紙を持つ両手はワナワナと震えているように見える。

きっとゲーム感覚の二人が許せないのだろう……。

そして霊夢さんの口から小さく怒りの言葉が漏れ出た。

 

「なんで文は新聞記者で鞘はその助手って書いてあるのになに?私達だけ《あとなんか3人くらい》?ふざけるのも大概にしときなさいよ?」

 

…………。

その場の全員が霊夢さんに半眼を向ける。

「……何よ?」

「いえ、別に……。それよりどうしますか?一刻も早くアリスさんのところに行った方が……。」

「んー……アリスなら大丈夫だろ?それより先に永遠亭に向かった方がいいんじゃないか?」

魔理沙さんが言うのを聞いて霊夢さんも

「そうね……鞘ですら体を乗っ取られなかったわけだからアリスなら心配ないでしょ。」

ですら、という言葉がちょっと引っかかるけどこの二人がこんな風に言うってことはきっとアリスさんって人は相当強いのだろう。

それより、いろいろあって忘れてたけどエルさんは確か

『この5人の誰の魂も扱えなかった……。』って言ってたっけ……。

何を基準に出来る出来ないが決まっているのか分からないが僕でも霊夢さんや文さんと同じ括りの中に入れたということだ……。

思わず笑みが漏れる。

「とりあえずもうちょっと人里を見て回ったら永遠亭に向かいましょうか。」

「そうですね……。」

そんな会話で我に返る。

 

「それじゃあ、早速行きましょうか。」

 

 

 

 

 

    続く……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい!どうも!1時間だけ寝ようが成功したことがない彩風です。

絶対そのまま3時間は寝る。

さてさて、そんなことは置いておきまして……今回もここまで見ていただきまして誠にありがとうございます!!
毎回言っていますが大事なことなのでこれからも言っていきますよ!
それにしても通り雨……嫌ですよね……。
結構雨が多い地域に住んではいるのですがどうにも好きになれません……。


さてさてさて、ここから余談でっせ親分。

いやぁ、先日ついに発売されましたね…………!

《バイオハザ○ド7》

いいですねー。いいですねー!
彩風はホラーは苦手ですがついついこの手のはやりたくなってしまいます!
まぁそもそもハードを持ってないので自分がプレイするのは難しいのですが……。
仕方がないので友人Cに体験版の様子を聞くと
「いやぁ、めっちゃ怖かったよ。いや、言うほど怖くはなかったんだけど、それでも怖かったよ。」
……ダメだこいつ。

しかし、グラフィック等も今までより大分進化しているそうですし気になって夜も眠れません。
そのうちプレイしたいなぁ…………。
え?受験?




アシュリーちゃんってかわいいですよね(明後日の方向)




それでは次回も是非ゆっくりしていってくださいね!!


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