僕と天狗の取材録   作:彩風 鶴

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注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・原作とは異なる自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・ホラーゲームがしたい症候群ですが耐性がなさすぎてフリーホラーゲームすらできません。
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!


6章 5話~クスリはリスク~

「.........。」

 

 

僕は眼を開ける。

 

 

「.........あれ?」

 

 

意識が朦朧としている。

 

 

僕......永遠亭に...文さん達と...。

 

 

「どうしたの?」

 

 

隣から声が聞こえる。

 

 

聴いたことがない懐かしい声だ。

 

 

「大丈夫?」

 

 

ぼやけた視界がだんだんと鮮明になってきた。

 

 

「また寝てたの~?」

 

 

横で見たことのない友人が苦笑する。

 

 

「あれ?おーい、聞こえてるー?ちょっと~帰ってこ~い。」

 

 

目の前で手をひらひらとされる。

 

 

あれ?ここは...どこ?文さん達は?永遠亭は?

 

 

あぁ、そっか次体育か...じゃぁ...着替えないと......。

 

 

「…コ…~?チョッ○…※んトニ△い丈ブ~?◎▼ンシつ行☆ウカ~/」

 

 

そうだ。僕永遠亭ニ着いてすグ倒れちャって。

 

 

そうか。前ノジュ業田上セん生だったカら……私寝ちゃッてたノか……。

 

 

そレで、今は…永エん亭のナカ………?

 

 

早ク着替えチャわナイと…………?

 

 

あレ?お…し…な。

 

 

私?……とも…僕…?

 

 

チ…ウ……………わ……は………………。

 

 

 

 

 

「!?」

僕は布団から身を起こした。

 

「あ、気がついた?」

横からの声に肩をビクッと若干震わせた。

 

体中に嫌な汗が流れる。

酷く嫌な夢を見た気がする。

思い出せない。

思い出したくない。

思い出しちゃいけない。

自分の中の理性のような何かが記憶を手繰るのを拒む。

そこにある。

そこに記憶はある。

でも触れられない。

もどかしい。

 

それに、何か強烈な既視感を覚える。

前にもこんなことがあった筈だ。

それも1回じゃない。

何回か......。

 

「大丈夫?」

完全に自分の世界に入っていた僕に不意に言葉がかかる。

さっきも声をかけてくれた人だった。

黒っぽいブレザーを着ていて長い薄紫の髪は透明感がある。

あと、特徴的なのは、頭の上に付いている付け耳だ。

てゐちゃんと同じで兎を模した耳に見える。

それに…とても綺麗な赤色の眼をしている。

なんだか見つめていると吸い込まれそうだ。

「綺麗ですね…」

気づくと思わずそう呟いた後だった。

「え?………あっ!」

その女の人は一瞬呆気にとられたように固まった後、すぐに自分の眼を手のひらで覆った。

 

「あぁ!ご、ごご…ごめんなさい急に……。驚きましたよね……?」

「あ……いや…だ、大丈夫。」

僕が焦りながらもすぐにそう言った。

その女の人は戸惑ったように目線をそらす。

どこか僕を不審に思っている様子だった。

 

それはそうか、いきなりあんなこと言っちゃったわけだし……。

僕とその女の人との間に微妙な距離感が生まれる。

 

「ええと………ここは…永遠亭なんですよね?」

このままでは少しの間気まずい空気に包まれることになりそうなので何とか会話を繋げる。

それにさっきから軽く眩暈がして記憶が定かじゃない。

一応現在地の確認をしておきたかった。

「……そうよ。いきなり天狗があなたを担いで来るもんだから驚いたわ。」

どうやらここは永遠亭で間違いないらしい。

それに、これは夢じゃなく現実のようだ。

少しだけ安堵する。

 

それにしても………また倒れちゃったのか……、いくら何でもこう頻発すると心配になってくる。

そういう体質なのかな………。

 

「それで、今意識はしっかりとしてる?」

すると女の人が僕に訊く。

「熱は多分引いてると思うけど……。」

熱があったのか………。

僕は自分の額へと手を当てる。

どうやら平熱のようだ。意識もしっかりとしているし特にどこか痛むわけでもない。

強いて言うなら変に頭痛がしていたけど今はそれももう影も形もなくなっていた。

「えぇと………大丈夫……だと思います。貴女が看病を?」

僕が尋ねると女の人はコクリと頷いた。

「すいません。ご迷惑かけちゃって。」

僕が頭を下げる。

「いやいや、ここは病院だから。」

女の人は笑みを浮かべて答える。

 

どうやら悪い人ではなさそうだ。

そもそも看病してもらったのにこんな言いぐさは失礼かもな………。

 

「えっと、僕は心音鞘と言います。刀を入れる鞘とかいてさやです。あの………宜しくお願いします。」

僕がいつものように自己紹介をする。

するとその女の人は自分も紹介し返さなきゃいけないと考えたのか

「あ、私は鈴仙よ……宜しく。」

そう言って微笑んだ。

「そう言えば………文さんたちは今どこに?」

「え?…あぁ、天狗たちならお師匠様のところにいる筈だけど……、そう言えばなんだかおかしな患者を連れていたけどあの人は何?格好はメイドみたいだったけど。」

僕の質問に対して答えた後、質問が返ってきた。

と言うよりお師匠様?ってことはこの人はお弟子さんなんだろうか?

だとしたら僕と同じ……じゃないか…僕は助手だもんね、雑用だもんね。

そんなことより訊かれた事に答えよう。

でも少しだけ、どう答える迷う。

………というよりはどう答えようか考える。

僕も全て理解してるわけじゃないし………。

むしろ殆ど理解できてないし………。

そんな風にぐにゃぐにゃと曲がる思考を何とか固めようとしていると。

 

 

「………あら、鞘じゃない。」

意外にも、聞き覚えのある声がかかった。

この声は……!

「れ、霊夢さん!?なんでここに?」

振り向いた直後にすぐ尋ねる。

そこにいたのはお金に目がない巫女さんだった。

 

どうにも霊夢さんとは何かと会うことが多いなぁ、何かの縁があるのかもしれない。

 

「病院にいる理由なんてそう多くないと思うけど?」

霊夢さんはため息をつきながらそう言う。

「あ、貴女寝てなくていいんですか?」

鈴仙さんが尋ねる。

訊かれた霊夢さんは何ともない、といった風に手をヒラヒラとさせ、

「不安なぐらいすこぶる調子良いわよ、あの妙なクスリのおかげで………味は酷かったけど……。」

そう言って乾いた笑いを浮かべる。

 

妙な……クスリ…。

 

「妙な、とは聞き捨てなりませんね……。師匠が直々に配合した特殊な頭痛薬ですよ?」

「これ以上ないくらい怪しいじゃない。それにあの味は流石に酷いわよ。」

煽るように言う霊夢さんを鈴仙さんが睨みつける。

マンガなんかでよく見る火花が散る演出が眼に見える。

なんだか自分がここにいてもいいのか不安になってきた。

「巫女って意外と教養無いのね『良薬は口に苦し』って諺知ってる?」

「今のご時世、薬の一つぐらい子供でも飲めるようにしないと医者としてどうかと思うわね。」

霊夢さんがなんだか無茶苦茶な理屈で反論する。

どうにもこの二人は仲が悪いらしい。

こういうのはあんまり関わらない方がいいだろうと僕は傍観者を努める。

 

そのまま数十秒ほど言い合いを聞いた後ふと霊夢さんが僕に話しかける。

「あ、そういえば鞘こそなんでここに?」

どうやら言い合いの末勝利したのは霊夢さんだったようだ。

鈴仙さんは恨めしそうな眼で霊夢さんを睨んでいる。

「あぁ……ええと、実はですね………。」

僕は永遠亭に来ることになった経緯を簡単に説明した。

といってもやっぱり僕だって理解できてないから何だか変な説明になってしまった。

 

「はぁ……まぁ大方は理解したわ。多分。」

霊夢さんは額に人差し指をあて考えをまとめるように眼を閉じる。

鈴仙さんは途中から完全に首を傾げて理解が追いついてないという様子だった。

「まぁ、兎にも角にも文に聞くのが良さそうね………。」

霊夢さんは呟くと鈴仙さんに文さんの居場所を尋ねる。

「その……アンネ…さん?を看てる師匠と一緒にいるはずだから………。」

鈴仙さんはそう言うとそこまで案内すると言ってくれた。

 

 

「あら、起きたのね?それに霊夢も……。」

鈴仙さんに連れられ診療室のような部屋へたどり着く。

というよりもそこにいる女性をみる限り診療室で間違い無いだろう。

そこに座っている女性は赤と青で分かれたナース服……?を着ている。

長い銀髪を後ろで結んでいて何だか『大人の女性』ってオーラを醸し出している。

ベッドに横にされたアンネさんを注意深く観察するようにしていたところだった。

部屋の端には咲夜さんと文さんが邪魔にならないようにかちょこんと座っていた。

「おぉ、お目覚めですか。気分はどうです?」

「あ、えっと……はい。大丈夫です、迷惑かけちゃってスイマセン…。」

僕がその場の全員に伝えるつもりで言った。

「いいのよこれぐらい……気にしないで…。」

ナース服の女性が微笑む。

何だか今まで聞いてきた噂の割には普通な感じだ。

まぁ、病院が建っている場所が場所だけど……今のところは美人のお医者さんってイメージしか抱けない。

 

「そういえば貴方、なかなか面白い体をしてたわね。」

そんなことを考えているとナース服の女性に急に話しかけられる。

「え……?あ、は…はい………えっ!?」

言われたことを理解した瞬間驚きに声を上げる。

面白い体………?

ということは寝てる間に何かされたのだろうか………。

バッタ人間みたいに改造されていないだろうか……。

僕は自分の体をマジマジと観察する。

 

「人間の女の子らしい体つきだけど何だか不思議なところもあったわね。貴方名前は?」

「え?女の子?」

横で鈴仙さんが驚いたように呟く。

僕は男の子と間違えられなかったことに少し驚きつつ、

「あぁ……ええと心音鞘と言います……。刀を入れる鞘と書いてさやです。」

そう自己紹介した。

「心音鞘……ね。覚えておくわ。私は八意永林よ……宜しく。また今度詳しく体を診せてくれないかしら?」

永林さんはそう言うと妖艶な笑みを浮かべた。

なんだか背筋がグッと伸びる。

さらに冷たい汗が流れるのが分かった。

 

来るまでに聞いていた情報も何となく間違っていない気がした。

 

「そう言えば鞘は何か永林さんに聞きたいことがあったのでは?」

すると文さんが僕にそう尋ねる。

そうだ!能力のことについて、永林さん、お医者さんなら何か分かるかもしれない!と思っていたんだ。

 

あれ?でも、何で文さんがそれを知っているんだ?。

僕の記憶上そのことを文さんに話した覚えはない。

僕みたいに単純な思考をしている人間の考えていることなんて手に取るように分かる………ということだろうか?。

まぁ、今はそこはどうでもいい。

とにかく永林さんに訊いてみよう。

もしかしたら僕のその……能力…?も明らかになるのかもしれない。

 

僕は淡い期待を胸に抱きながら永林さんにその旨を伝えた。

しかし帰ってきた答えは予想とは反して、

「ごめんなさい。そういうのは分からないの……生物の魂に直接関係してくることだから……。」

こんな答えだった。

「そうですか……。」

僕はガックリと肩を落とす。

やはり結局能力に関しては分からずじまいなのだろうか……。

 

「そういうのに関してはあっちが専門なんじゃない?」

すると思わぬことに永林さんが僕の後ろを指さして言った。

 

その指の先には……

「へ?」

急に話を振られポカンとする霊夢さんがいた。

 

 

 

       続く………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうも!縛るか縛られるなら断然縛られる派の彩風です!

こんかいも最後まで見ていただきありがとうございます!

さてさて、今回も大分期間が開いた投稿となってしまいました………。

ですがね…、夏休みなんですよ。
楽しみたいじゃん?彼女と海にいきたいじゃん?
キャッキャウフフしたいじゃん?

ま、彼女いないんですけどね。

俺は勉強が嫌いだぁぁあああ(ry


余談始まるで。


さて、先日あの大イベントが幕を閉じましたね……。
そうですリオオリンピックです。
今回の日本はすごかったですねぇ………。
メダルラッシュでした……!!

特にあの400mリレーは震えました!
チームワークの勝利でしたね!
さらにはレスリングもすごかったですね……、ただ吉田○保里選手は残念でしたが……。
体操も彩風が個人的に好きなこともあり燃えました………!
新体操のフェアリージャパンにも萌えまし(ry

東京オリンピックも!日本選手に期待します!
頑張れニッポン!!


それでは、次回もゆっくりしていってくださいね!

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