艦隊これくしょん〜ブラック提督(笑)の奮闘   作:SKYアイス

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この度は投稿が遅れてしまって申し訳ありません。
学校が始まった影響で今までのペースで投稿するのが難しくなりそうです。ですが最低一週間に一度は更新します。


第9話

大本営…そこには大将三人の内一人がいる。提督は大淀に鎮守府の運営を任せ、大本営に向かい本格的な作戦会議…の前にその人物に会いに来た。

だがその前に提督はある人物に連絡をしていた。それは彼と同期の者であり、彼が唯一心の底から信じられる人物である。

 

「もしもし…海都だけど、今大丈夫?」

『うん大丈夫だけど…どうしたの?』

「君の力を借りたいんだ。今俺の鎮守府でちょっとしたクーデターが起きてさ…」

『えー…嘘ならもう少しマシな嘘をついてよ』

「嘘じゃないって、その証拠に君の感娘に聞いてくれよ!」

『うぇ…怠いなぁ…』

 

実はこの提督の同期は、酷いくらいのニート精神を持っていて、今までの大規模作戦でも余程の事が無ければ前線に出てこないという問題児であったのだ。

 

だが一度此方に苦戦の色が見え始めてくれば、彼女の第一艦隊がその真価を発揮する。出撃勝利率は驚異の95%。その実力は正に歴戦の猛者である

 

何より彼女の特徴は、仕事をしてなさそうに見えるが実は各鎮守府に感娘を派遣、新人提督や感娘の教育に当たらせているとの事。通常の出撃は行わない分裏方に徹するのが彼女のスタイルだ。もっとも仕事を秘書艦任せにするのが駄目だが…

 

「怠がってないで聞いてくれよ、実は……………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『にゃりゅりゅ〜…でもそれって君も悪いじゃん?真面目すぎな君がそんな事すりゅなんて〜、下手したら軍法会議だじぇ?提督が仕事を放棄するなんてさ』

「そ、そうだけど!大淀が」

『言い訳しないの』

「うぐ…」

 

理由はどうであれ提督の仕事を放棄し、大淀に鎮守府の運営を押し付けたのは事実。その事は提督が全面的に悪い。その事は提督も良く分かっていた。

電話越しに聞こえる声も少し怒気が込められている気がして、提督は冷や汗をかき始めた。

 

『まぁやっちったのは仕方ないか…面倒だけどさー…一応私も二航戦サンド向かわせるからさー、ブッキーに宜しく伝えてねー』

「名前で呼んでやれよ…」

『これは私なりの信頼の証だよー提督君』

「そうかい」

『そーなのだー、ところでさー、いつまで秘書艦付けないで…ブラック鎮守府のまんまで入る気なの?』

 

彼女からのその一言がきっかけで、提督の歩みが止まった。

それは、提督が思い出したからだ。そうなるきっかけの出来事を…

 

『ま、いつまでも引きずってんのは良くないよー?んじゃばいにゃらー』

 

そうして、彼女との通話は切れた。

電話が切れた後も、彼はそのまま動かなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「仕方ないじゃないか、そうするしか…なかったんだから」

 

普段感情を見せない彼が、その日は珍しく悔し気な表情を浮かべ、そう呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「信頼の証がそれなら…なんで俺の事はいつまでも提督や名前呼びなんだよ…結構くるぞこれは…」

 

 

この男、実は思い人がいたりする。

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

「ふぅ…」

「お疲れ様です、大淀司令」

「え、ええ…」

 

提督に命じられて提督代理を務め始めて2日。彼の代わりに提督業を始めて思った。

これは、想像以上にきつかった。先ず資材の管理、出撃や遠征をするにもこれを管理しなければ始まらず、出撃や遠征の際に消費する数を計算し、尚且つ最低限のかつ最適な量を常に管理…補給しなければならない。

 

そして出撃の際の編成や作戦。そして出撃の際の鎮守府の感娘達の運用や遠征…あの提督がやっていたように空いた時間は強制的には働かせない。当然オリョクルもやらせてないが…そうなると資材がどうしても減る一方となってしまいがちだ。

 

大規模作戦の為にも無駄に資材を使えなく、かつ作戦地域近辺の敵を殲滅する必要もある…

何より常に最悪の事態を考えながら行動すると、どうしてと10強が主体となった編成になりがちだ。提督は最低二人だったが…大淀は最低三人。その最低も最近は四人に増えてきていた。それはつい先日の出撃で深雪と電が大破したためだ。

 

彼女達を守る…誰も沈めない。そんな作戦を考えようにも、上手く作戦が決められず結局10強によるゴリ押しが目立ってきていた。

 

「提督業って難しいですね…」

 

しかもその仕事の役半分は吹雪が担当していた。彼女が秘書艦としてサポートしてくれなければきっとこれ以上に失敗していただろう。

 

そういえばと、大淀は思い出した。

提督の事は初期の頃から知っている。だからこそ…知らない事があった。それは…提督がブラック鎮守府になった原因。その時はまだ提督が新人の頃で、感娘も吹雪とあの感娘以外は大淀と明石しかいなかった頃。

 

提督が大本営に呼ばれ、間宮と伊良湖を連れて来たすぐだった。彼が今までの運用を廃止し、ブラック運用を採用、そして必要以上に感娘と関わらなくなり、他の鎮守府から感娘を奪い始めたのは。

 

大淀は彼がこうなった理由を知らない。故に彼が変わった事を酷く嘆き、そして拒絶した。だが事実を知らず彼の仕事を偶然にも知る機会があったこの時、ふと大淀は吹雪に聞いてみたくなった。彼が変わった理由を…

 

 

「ねえ吹雪ちゃん、提督がこんな体制にした原因って」

「駄目です大淀さん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それ以上駄目です」

 

 

 

突然吹雪の様子が変わり、書類の束を片付け始めた。

 

「駄目ですよ?本当に駄目です…………ええ駄目ですよ駄目ですよ?知ろうとしたら駄目です」

「っ…!」

 

ぶつぶつと駄目ですと連呼しながら書類の束を片付け始めた彼女に、大淀は恐怖を覚えた。そしたら

 

 

 

 

「失礼するクマー、お客さんが来たクマ」

「そ、そう?えっと、ど、どなた?」

「横須賀の提督クマ、二航戦連れてやって来たクマ…いや、引きずられて来たクマ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さあ!観念して下さい!もう目の前ですよ!」

「やだやだやだぁ!鎮守府帰ってガッサのスカート捲って遊ぶんだー!」

「私の口癖真似ないでよ!」

 

 




この度は遅れてしまい…申し訳ありません!本当に…

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