艦隊これくしょん〜ブラック提督(笑)の奮闘   作:SKYアイス

4 / 43
ブラック鎮守府がゲシュタルト崩壊しそ…


第4話

『感娘に告げる。これより名を挙げる者はヒトヨンサンマルに執務室に来るように。吹雪、漣、電、神通、阿武隈、五十鈴。以上の感娘はヒトロクサンマルに執務室へ来るように』

 

 

羅針盤の固定条件が正しければ、これで連中のボスの元へ損害が少なく進めるルートを記してくれる。急な嵐や予想外の展開が無ければ問題は無い。念の為に吹雪、漣、阿武隈も編成した。

彼女達はこの鎮守府内でも強者の部類に入るし、特に吹雪と漣については数少ない信用している感娘だ。………信頼はしていないが。

 

そして、今回は海域のボスとは戦うだろう。大本営から下された海域の攻略戦は他の鎮守府も交えた決戦になる。

その前に連中の戦力を分析し、できれば減らす事を考えていた。

 

「だが、それだけでは駄目だ」

 

 

やるのなら、徹底に…だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いるんだろう?青葉」

「……あっちゃー、ばれちゃいました?」

「分かっていたさ、大佐と話している頃から…な」

「流石は司令官ですねぇ、青葉の特ダネ根性で磨き上げた完璧な潜伏技術を見破るとは…!」

 

青葉は話を盗み聞きしていた事を反省する事もせずにドヤ顔で言った。そんな青葉の態度に若干イラつくが、落ち着いて次の言葉を発した。

 

「御託は良い。お前なら分かるはずだ青葉。なにせ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前がここにいるということは、見つけたんだろう?今回の海域の連中の補給先が」

「勿論ですとも。苦労しましたよ〜」

 

そう、提督はただ闇雲に海域に出撃していただけではなかった。出撃させている間に第二艦隊から第四艦隊に資材の調達をさせていた提督だが、遠征先は全て例の海域付近の海域だったのだ。

 

その内の第二艦隊の旗艦を任せていたのが青葉である。何故重巡である彼女を遠征に組み込んでいたのかには、きちんとした理由がある。それは

 

 

 

 

「ええ、司令官の見解は正しかったようですねぇ。補給先…作戦予定の海域の近くにありました…そしてこれは特ダネです!青葉…見ちゃいましたよ!連中の姫級、鬼級を!」

「やはりいたか…」

 

彼女の情報収集能力と、逃走経路の割り出し、そしていかに逃げるかを計算できる能力故にだ。彼女はそれを取材と称しているが…感娘のプライベートな情報を入手し、如何に素早くその場を離れられるかを磨いた結果こうなったのは、ある意味では誤算なのかもしれない…だが今では感謝しているが。

 

そして、予想された姫級クラスの敵存在…当然と言えば当然だが…作戦前に情報を入手できたのは上々だ。

 

「確認できたのは戦艦水鬼に駆逐棲姫。それだけですがねぇ」

「充分だ」

 

今はそれだけでも上々だと提督は思った。元々深海棲艦には常識は通用しない、ならば少しでも情報を集め、少しでも勝利できるような作戦を立てるのが提督の役割だ。

 

 

「ご苦労青葉。良い働きだったぞ」

「いやぁ〜それ程でも〜」

 

褒められて気分が良いのか青葉は顔を赤くして恥ずかしそうに頬をかいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まったく…これだから感娘というのは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ではでは!青葉はこれにて!ご褒美楽しみにしてますよ!」

「ああ」

 

自分の内心を悟られないように、平静を保って青葉を見送る。

 

時刻はヒトヨンサンマル。少し時間ができた…

 

 

 

 

 

「く…ククク………」

 

青葉の情報に歓喜し、思わず笑みが溢れた。

これだけの情報が手元に揃った。後はブラック鎮守府の提督から聞いた情報を確かめれば、手元にあるカードは最高の物となる。

 

これらのカードは切っては損はない物。そしてこれらを如何に利用して確実に勝てる戦法を取れるか…それが提督の楽しみであった。

 

「これだから、提督は止められない…!」

 

深海棲艦との戦い。感娘というピースをどれだけ上手く運用し、敵を追い詰め、撃破するか。

 

遊びではないのは分かっているが、どうしても…この時だけは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やったぜぇ!これで彼奴らに勝てる!感謝感謝俺の感娘マジ感謝!!今は無理させてっけど我慢してくれよー!俺は絶対勝たせるからな!いやっふぅぅぅ!!!!」

 

 

素に戻る。

 

実は提督は感娘の前では絶対に冷酷なブラック鎮守府の仮面を付けているが、ある拍子に素に戻ってしまう。

 

「あんなブラック鎮守府の提督ヤローに負けてたまるか!勝つのは俺達の感娘だ!その為なら俺はブラックにでも喜んでなる!その代わり感娘には必ず勝利を約束する!」

 

それが提督の誓い。必勝…それを成す為に感娘全ての練度を上げ、どんな状況にも対応でき、必勝の作戦に対応でき、彼女達に必ず勝利をもたらす…それが提督である彼の本当の役割だと彼は考えてる。

 

その為なら喜んで黒となろう。その為なら喜んで彼女達に恨まれよう。その代わりお前達には最高の勝利を約束しよう。それが提督の誓いだ

 

 

「今回の勝利はなるべく多くの情報を持ち帰る事!できるなら姫級を引きずり出したいな…その為には遠征部隊を削って別働隊を出す必要があるな。それも…時間差で」

 

第一艦隊で羅針盤さえ固定できれば、その時のルートを割り出す事ができる。ただし時間が限られているが。

その限られた時間で他の艦隊を向かわせて、一網打尽にする。それが他の鎮守府では行われていないローテーション戦法と呼ばれるものだ。

 

この戦法は感娘同士の連携が重要になってくるために、普段から必要以上に演習をする必要があった。そしてその演習成果を発揮するために、普段から出撃をこなす必要もあった。

 

ありとあらゆる戦法を取ってきた感娘達は、誰もが強い…百戦錬磨の艦隊だ。勿論艦種毎に強者もいる…それが吹雪、漣、阿武隈だった。

 

そしてその戦法に使う艦隊だが…第四艦隊は流石に削れない為、第二艦隊と第三艦隊を出撃させる事を決めた。

 

「第一艦隊は旗艦を阿武隈にする…水雷戦隊でかく乱してから、第二艦隊は…よし、空母機動部隊なら援護にうってつけだ。水雷戦隊の離脱時にも援護できる。第三艦隊には……」

 

 

第一艦隊でかく乱し、相手の陣形が乱れた所を空母機動部隊で援護、殲滅する。万が一残った場合、敵が此方を追撃してきた場合の事を考える。

 

「まず低速艦は論外だ。他の高速艦の足を引っ張ってしまう。よって戦艦は金剛型がベースとなる…うん、これだな」

 

 

 

「第三艦隊には金剛、霧島、榛名、北上、大井、木曽を入れた奇襲かつ戦艦による集中放火…これで恐らく…」

 

決着は付く。そう確信した

 

 

 




この鎮守府ではレベルをカンストしてもケッコンカッコカリはしてません。

強者の感娘は吹雪、漣、阿武隈以外にもいます。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。