艦隊これくしょん〜ブラック提督(笑)の奮闘   作:SKYアイス

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さて、潰すか。な話
大佐さんガクブル、多くの読者に敢えて言われていただきます。

次にお前は…「大佐ザマァwww」と言う!!


第28話

 鎮守府は様々な場所にあり、戦力もそれぞれ違うものがある。中でも期待の三大鎮守府と呼ばれる鎮守府は素晴らしい活躍を見せる。

 

 呉の海色(みいろ)海斗(かいと)

 

 横須賀の柳林(やなぎばやし)鈴音(すずね)

 

 佐世保の天色(あまいろ)陸斗(りくと)

 

 この三人は常に最前線で活躍し、多大なる戦果を挙げている者だ。だがそんな三人を妬んだり戦力を我が者にしようとする輩も当然いる。

 

 だが佐世保の天色陸斗は謎が多く、噂によると彼と敵対した黒の鎮守府は例外なく処分されているとの話。横須賀の柳林鈴音もまた、感娘に手を出されるのを嫌い…手を出した者を社会的にも物理的にも抹殺するとの噂。

 だがこの三人のうち海色海斗にはその類の噂は無く、寧ろ黒い噂すら立っている程だ。故に彼は…雪平エイジは狙ったのだ。彼と縁を結んでからその時を待っていた。

 そして今日、その日がやって来て野望のスタートが切れると思った。途中()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()他の感娘が逆らわないようにするためだ。

 

 

 そしてその海色海斗は死んだ。彼はレ級撃退作戦中に戦死、彼の意思を受け継ぎ彼の鎮守府を自分が引き継ぐ…そういうシナリオだ。

 ああ、今日は良い酒が飲めるーー感傷に浸り、グラスに注がれたワインを一口飲んだ。爽やかな風味が鼻を通り、更に良い気分にさせる。

 

 だが、それは長く続かなかった。

 

 

『よお、ヒヨッコ』

 

「っ!?」

 

 突如通信が入った。モニターに映し出されたのは横須賀の柳林鈴音提督だった。

 

「こ、これは横須賀の提督様じゃあありませんか?何用で…?」

 

 このタイミングでかかってくるのが不自然だったが、取り敢えず冷静に対処した。だが

 

『これから貴様の鎮守府を蹂躙するが、異論は認めんぞ、貴様は手を出してはならない者に手を出した』

 

 怒り心頭な様子の彼女に、突如死刑宣告を下された。それに大佐は酷く動揺する。嫌な汗が流れるのが自分でも感じた

 

「なっ、何の事で…」

 

『惚けるなよヒヨッコ、貴様が私の感娘(家族)に手を出したのは知っている、長門達を捕獲したのはな』

 

 バレていた。しかも、よりによって手を出す気は無い人物な手を出してしまった…まさかあの感娘達が彼女のものだったとは。

 

「わ、私は彼女達を保護しただけです。気分を害されたのなら謝ります。彼女達も返します」

 

 必死に彼女の機嫌を直すように取り繕う、今彼女と敵対するのはマズイ…そう思ったのに

 

『そして貴様は海色海斗を誘拐したとの情報もある。一度に二つの鎮守府を敵に回すとは…私でもこう思うよ、馬鹿が』

 

 またもやバレていた、これでは逃げる事は出来ないーーそう考えた大佐は

 

「…………はっ、ならどうするのですか?僕を殺すと?ははっ、無駄ですよ…無駄無駄。僕は確かにボロを出しましたが…貴女の艦娘は此方の手の中にある。下手に此方に攻撃するとーー彼女達には沈んで貰う事になります」

 

『っ……!』

 

 その一言で横須賀の提督の顔色が悪くなる。やはり彼女は自分の仲間を沈められるのを恐れている。

 

「甘いなぁ貴女は、そんなんじゃ軍では生き残れない…貴女も一般枠ですね?それも生粋の甘ちゃんだ」

 

『貴様のような生粋の下衆になるくらいならば、私は甘ちゃんで充分さ…ヒヨッコ』

 

「そのヒヨッコに貴女は縛られている。悔しいでしょうねぇ…」

 

 ギリリ、と歯軋りする音が聞こえる。その反応に大佐は先程の動揺した状態から回復する余裕が生まれた。

 

『そこまでして何が目的だ』

 

「目的ですか、当然僕がこの海で一番強い提督になる事です。その為に呉の提督を誘拐した。そしてついでだが…貴女の力も借りようか。僕がこの海を支配する為に」

 

『反逆を企てる気か!?』

 

「そうですよ、軍の連中にはもううんざりしましたからね、だから僕は力を手に入れる。深海凄艦を殲滅し、人類の救世主になる為に!!だから手始めに呉の提督を殺した!いいざまだったよ!」

 

『そ、そんな………』

 

 海色海斗が殺された…その事実に横須賀の提督は酷くショックを受け、同時に狂っていると感じた。だが彼は初めから狂っていた訳ではない、だが訳も分からないまま提督の座に就き、部下を持ち、兵力を手に入れた…手に入れてしまった一般人だ。

 

 そこで欲を出したのが彼だ。そこで踏み止まりさえすれば彼はまた違う道を歩いて行けたのだろうが…悲しいかなこれが現実。

 問答無用、疑いのない黒。故に

 

 

 

 

『ならば俺がお前を裁こう』

 

 彼に行動させる。天色陸斗…佐世保の仕事人

 

『悪いが今の音声は録音、中継させてもらった。大本営がお前処分を言い渡したぞ?お前は死罪だ大佐……いや、雪平エイジ』

 

 そしてもう一人、佐世保の提督の横には人間がいた。

 

「ばかな、何故君が…海色提督!!!」

 

 海色海斗、呉の提督が…死んだと思われていた彼がそこにいた。

 

 

 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

「まさか貴方がお越しになられるとは」

 

「硬くなるな、お前が証拠を集めてくれたから俺は奴を裁く事が出来る」

 

 提督は佐世保の提督と合流し、共に艦隊の指揮に入っていた。提督は青葉、佐世保の提督は彼の第一艦隊を。

 

「それにしても、お弟子さんには何処へ?」

 

「あいつには雪平エイジが使用している逃走ルートを破壊してもらいに行っている。あいつは優秀だ、雪平エイジを逃す事はしないさ」

 

 そう言い佐世保の提督は通信設備を起動させる。そして彼は大佐の通信を盗聴し、それを逃さずに大本営に流した。

 間も無く彼の衝撃発言を聞き、二人は頷いた後に大佐へ通信を繋ぎ、宣戦布告する。

 

「海色海斗、今回は協力するが…次に会った時は敵同士かもな」

 

 その言葉に提督は佐世保の提督は黒の鎮守府を裁いているという噂を思い出した。恐らく彼は自分の事を疑っているのだろう。

 

「私は…出来れば貴方とは戦いたくは無いです」

 

「俺もだ」

 

 根っからの善人という印象、それが佐世保の提督に抱いた印象だ。だが善人でありながら容赦はしないという漆黒の意思も感じた。

 

 彼は大本営が下す任務を執行する。大本営が有罪と決め死罪なら文字通り死を、それ以外なら捕獲し、その罪を償わせる…彼は提督でありながら憲兵のような人物だ。だからこそ、彼とは敵対したくは無い。

 

「聞こえるか、青葉」

 

『はい!阿武隈さん達と合流しました!』

 

「ならばお前達はそのまま俺の指揮に入れ…久々に暴れるぞ」

 

『もう!ほんっとうに「(`0言'0*)ヴェァァァァ!!!」したんだからね!って漣ちゃん煩い!』

 

 阿武隈の涙声が聞こえてくる。そんなに俺が死ななくて悲しかったのか?そう思って少し心が痛んだ。

 

『うっへぇ…フルアーマー漣ちゃんやらなきゃ良かった…重くて重くて…』

 

「無理に装備を積むからだ…だが行けるな?」

 

『もち、弾薬諸々は敵から奪ったし、一斉射撃する暇もなかったしで火力なら有り余ってますよ〜』

 

 フルアーマー漣…夕張から渡された計画書通りなら文字通り殲滅が可能だ。

 

『ぷはぁ!無事で良かったよ!本当に』

 

 それは俺を沈めるのは自分だからという意味だからか?と、良く168から深海100メートルに連れて行こうか?と言われている提督は身震いした。

 

「と、取り敢えず無事なら良いんです…そうでないと他の子が暴走しますから」

 

 暴走ってどういう意味なんだ霧島よ?

 

「司令官」

 

「吹雪」

 

 ーーああ、やっぱお前は俺の言いたいことを理解してくれる。ーー

 

 ーー当然ですよ、私は貴方の初めてですよ?ーー

 

 ーー全く、困った初めてだーー

 

 ーーそれはこっちの台詞ですよーー

 

 吹雪と通じ合った提督は、満足気に笑みを浮かべる。そして吹雪はそんな提督に頼り甲斐のある背中を向けて応えた。

 

「よし、出撃せよ!暁の水平線に勝利を刻め!」

 

「こっちも行くぞ、第一艦隊…出撃だ!」

 

 佐世保の提督と呉の提督…この二人が組んだ初めての戦闘は、皮肉にも人類同士の争いでの戦闘だった。

 

 




海色海斗21歳

男性

好きな食べ物
パスタ、ラーメン、うどん、蕎麦等の麺類

嫌いな食べ物
こんにゃく

血液型
AB型

趣味
月夜を眺めながらワインを嗜む

青葉調べ☆☆

尚、今回は何処かにデュエリストと黄金体験とイノベイトとお姉ちゃんが潜んでいます。見つけられるかな?

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