艦隊これくしょん〜ブラック提督(笑)の奮闘   作:SKYアイス

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ネタを分かってくれる人がいてくれて嬉しかったです。
この小説を更に良くするために、色々なアドバイスがあったら遠慮なくメッセ、感想、評価に書いて下さいね!

新たに注意3を付け加えましたよ〜


第23話

「おかしい、海色君がまだ来ない…」

 

もうじき作戦海域に到着するというのに、彼が来ない。

その事に横須賀の提督は焦り始めた。

彼の作戦指揮は今回の作戦では必要不可欠。彼の力が無ければ今回の作戦は先ず成功しない…何せあのレ級のフラグシップ級が相手だ。

こちらの物差しでは、測れない程の実力を持っているに違いない。

 

『こちら長門、間も無く海域に到着する。指示を』

 

「う、うん」

 

とはいえ自分も百戦錬磨の提督だ、彼がいないとしても自分にやれる事はある。

 

「じゃあ空母のみんなは偵察機を出して、陣形はそのままを保って…索敵に掛かったら攻撃開始」

 

『了解』

 

彼のような奇抜な指示は出せないが、これでも一通りの策は彼から聞いてはいる。

彼が戻るまでにはーーー

 

 

 

『なっ!?こちら長門!先手を打たれた!!』

 

「えっ…?」

 

そう思った矢先に、長門の焦る声と共に轟音が鳴り響く。

先手を打たれた、彼女は確かにそう言った。

 

「そ、想定外の事態…!」

 

彼女達感娘の艤装には、艦隊から一定の範囲の戦況を第三者視点で観れる特殊な装備が付けられている。これによって執務室からも指示を出せるのだ。

とは言っても今回は、いきなり艦隊に向けられて砲撃が来たので敵影は全く見えないが…

 

「嘘、まさか大和を超える長距離射撃…!」

 

あの大和をも超える射程に戦慄する。これがレ級のフラグシップなのだろうか…

 

「鎮守府が壊滅させられる訳だ…」

 

何も出来ずに沈められる…確かにこの射程ならば可能だろう…だが、幾らレ級のフラグシップだからと言って、それは可能なのか?

 

まだ、何かあるのでは?見落としてるのではないか?

それを考えているうちにーー

 

『ぐぁぁ!!?』

 

「し、しまった!」

 

指示が遅れる。結果損害が出る

被弾したのは武蔵、幸いにも中破はしてなかったが…このダメージは小破には至ってるだろうと思う。

 

『こちら時雨、艦隊と分断されたよ』

 

更に悪い知らせが来る。艦隊と分断されたのは時雨…10強最強の彼女が何故そのような事になったのか、横須賀の提督は分からなかった。

 

『簡単に説明するよ、僕達は誘い込まれてた』

 

「誘い…そうか、罠…」

 

『提督も事前に想定していたから、何とか対応は出来た…でも、僕はこいつを止めないといけない。僕じゃないと相手ができない』

 

ノイズが酷くて時雨の戦況が見る事が出来ない。艦隊と遠ざかったので、見る事が出来ないのだろう。

 

「相手は?」

 

『………それが、分からない…初めて見るんだ』

 

またもや、イレギュラー。レ級ではない何かこれでは当初の作戦通りでは動けない。

だが、その場合の作戦も事前には想定されていた。そして横須賀の提督は彼からその詳細を受け取っていた。その場合は…

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

「そうだ、これを渡しておく」

 

呉の提督が横須賀の提督にある物を手渡す。それは呉の鎮守府の艦隊の状況と、第三と第四の枠に入っている者、それらの出撃要請だ。

 

「これは?」

 

「万が一の切り札だ、どうも妙な噂が流れていてな…新種の深海棲艦を見た、と」

 

「新種の?」

 

「ああ、レ級のフラグシップと聞いてからどうにもそいつの存在が頭から離れない。万が一…万が一そいつが奇襲を仕掛けてくるとしたら、帰還すらままならないかもしれない…かといって此方の10強は動かせない。だからこそのこれだ」

 

「これ…みんな駆逐、軽巡で編成してるけど…」

 

「迅速かつ確実に援護をするなら、の編成だ。切り札の切りは俺が決めるが、お前にも伝えておく…恐らくそいつが出てきたら時雨が足止めする筈だ、その間に」

 

「彼女達で援護、だね」

 

「そうだ」

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

「本当に、どれだけ君は…」

 

彼の予感は的中した。だが彼は今ここにいない

使うべきか?それとも…いや

今ここで使わないと、間に合わないー!

 

「出撃要請!私の指示に従って!!!」

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

時雨は新種と思われる深海棲艦と対峙していた。

その深海凄艦の艤装のサイズ的に、駆逐級だろうと思った。だがその艤装が問題だった

 

「まるで怪物の腕みたい…だね」

 

そいつは、他の深海凄艦の長距離射撃と、開幕雷撃による奇襲で此方を混乱させてきた。

それによる作戦の乱れを感じ取った時雨は、自分一人を残して全員を先に進める事にした。

 

直感で感じ取った、こいつを止めないといけないと…

艦隊には響達10強もいる、自分が抜けてもフォローはしてくれる。こいつを沈めて追いつくのにも時間はかからないだろう。

何故なら聞かされた通りに出てきたらだ。

 

「提督は予想していたよ、君が来ることを」

 

「アラ、ソウ…」

 

「残念だったね」

 

「ソンナコトハナイワ…ダッテオナジクチクカン、アナタモワカルデショ?ヨルノコワサ」

 

そいつは、グチャリ…と、全ての感情が壊れたような不気味な笑みを浮かべた。

 

「アハ、アハハ、アハハハ!」

 

狂ったように笑い出し

 

「ヤミノナカニ、シズメェ!!!!」

 

砲撃を放つ。

 

「うん、じゃあ…行こうか」

 

そして時雨も、行動する

 

一対一のタイマン勝負。二人の実力は共に未知数

方や10強最強の時雨、方や謎の多い深海凄艦。

 

二人の勝負が、今、始まる

 

 

 




レ級のフラグシップだと思った?残念こいつでした!

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