艦隊これくしょん〜ブラック提督(笑)の奮闘   作:SKYアイス

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この提督はツンデレじゃないです。提督が自分がツンデレじゃないと思ってないので、ツンデレじゃないです。


第2話

瑞鶴にカロ○ーメイトを持って行かれ、昼食に困っていた提督。昼食抜きで執務を進めるしかないと割り切り、再び机の上の書類に手を付け始めた。

 

「沖ノ島を突破して早2週間。わざわざ第二艦隊から第四艦隊の枠を使ってまで資材確保に回してたんだ、無駄である筈がない」

 

沖ノ島海域を突破した提督は、近々大本営から発令されるであろう大規模な作戦に向けて資材の確保に専念していた。第二艦隊から第四艦隊にかけて遠征、オリョクルを行っていたのだ。

 

「午前一回、午後に二回のオリョクル…これが限界か」

 

遠征、オリョクルはどうしても時間がかかる。オリョクルには約1時間。遠征は任務にもよるが基本20分。

遠征については天龍、龍田等の軽巡を筆頭に全駆逐艦からローテーションを組み向かわせる。因みにオリョクル、遠征一回につきアイス一個だ。本来なら全員分用意したいが流石に提督の財布事情によってそれは断念せざるを得なかった。

 

アイス一個を編成したメンバー全員で分けている為だ。その影響があるのか本来稼げる筈の資材や高速修復材が余分に取れるというのもあるが…。

 

「とにかく情報が足りないな」

 

今提督は、大本営に問い合わせていずれ来る大規模な作戦に向けての情報を集めていた。

勿論情報を集めるだけではない。提督も情報を提供していた。

 

「例の海域周辺の深海戦艦の編成、特徴…そして姫級、鬼級、水鬼級の確認」

 

提督は索敵に優れた第二艦隊に第一艦隊を任せ、低速戦艦である長門型を軽巡にし、索敵重視の編成にして海域の情報を集めていた。

 

軽空母にはそれぞれ烈風と彩雲を一枠付け、金剛、軽巡には水上偵察機を一枠、電探を付け偵察用の編成を組み込んだ。気づかれた場合の事を考えて、彗星甲による先制攻撃もできるように枠を使っている。ただし流星は無い。

 

「流星の開発と烈風の開発をしなければ…その為の資材は…使えるのが15回分。それ以上は予定に支障が出るな。ボーキサイトの数を間違えなければ…!」

 

現在鎮守府には彩雲、彗星甲といった優れた艦載機が3つもあるが、呪われているのか烈風、流星、流星改が一向に来ないという現状であった。

開発する度にでるのは全てはずれの艦載機。優秀な艦載機は幾らでも欲しいというのが現状であった。

 

「瑞鶴に開発を任せるか…なんだかんだ言って彩雲と彗星を開発したのは奴だしな。サポートにはいつも通り夕張を付けてと…」

 

開発には瑞鶴の幸運、夕張の技術に頼ろうと思って、彼女達に開発を任せる事に決めた。次に纏めるのは深海戦艦の情報だ。

 

 

「確認できた姫級、鬼級、水鬼級は無しだが、フラグシップ級の敵艦が多い。現在の感娘で太刀打ちできるのは出撃組か…やはり全体のバランスを保ちながらでは無く、一点に集中して経験を積ませるべきだったか?だがそれではローテーションを組むのに支障が出る。そして例の戦法も取れない…」

 

特に多く確認できたフラグシップ級が戦艦クラスなので、奇襲による打撃を与えれる第三艦隊をベースに立ち回るべきかと考える。

 

「いや、これは一部の戦力だ…まだ情報が少ない内はどんな状況にも適応でき、尚且つ他に比べて燃費が良い第一艦隊の方が適任か?」

 

まだ見ぬ海域を攻略する為にも、とにかく情報が必要だと判断した。

 

「作戦まで後二週間ある。偵察部隊を送り情報を集めるのが先…だな」

 

とりあえず知る限りの情報を報告書に纏める。ようやく仕事に一段落ついた。時計を見たらヒトヨンマルマル。いつの間にか時間が過ぎていた。

 

「オリョクルの二回目は終わってる頃か。三時のおやつタイムだ」

 

因みにこの鎮守府は休憩時間は無い。就寝時間と食事以外は感娘同士の演習や兵器の開発。そして()()()()()を任せている。繰り返す。休みは無い(提督曰く)

 

「さて、感娘にはキリキリ働いて貰おうか。暁の水平線に勝利を刻む為にな」

 

ニヤリと邪悪な笑みを浮かべて、残った書類を片付ける提督であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

駆逐艦時雨は悩んでいた。提督が憎まれ口を叩きながら感娘をこき使っても、彼女は提督の身を案じていた。

 

この鎮守府は就寝時間はフタフタマルマルと決まっており、提督自らが就寝時間になると巡回し始め、夜更かししている悪い子がいたらお仕置き部屋に連れて行かれるとの事。姉妹艦の夕立に聞いたら顔を真っ赤にしながら体をくねらせて「とてもじゃないけど言えないっぽい〜」と言っていた。相当恐ろしい目にあったのだろう。

 

そんな提督が夜何をしているか気になって、こっそり執務室に見に行ってみたが、提督は執務室にはいなかった。鎮守府内を探してみると、提督がいたのは見張り台の上で水平線を眺めていた。

 

そんな姿を見て益々心配になり、提督に声をかけようとしたが、何故かそこにいた駆逐艦吹雪に止められて、部屋に連れて行かれる。

 

その時に「提督が心配じゃないのかい?」と聞いてみたら

 

「司令官は私が見てますから、何時までも側にいますから。だから大丈夫です」

 

と、言っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(何だろう、あの時の吹雪が少し怖いって思った)

 

 

そんな光景を思い出し、少しだけ震えた時雨であった。




紛れも無いブラ鎮。提督が感娘をこんな扱いをするのには理由があります

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