またちょくちょく投稿するかもなので宜しくです。
「ハイ!オハヨウゴザイマス!」
「「オハヨウゴザイマス!」」
「キョウハヒビキサンガアソビニクルソウナノデ、クレグレモシツレイノナイヨウニ!」
「「アイ、ワカリマシタ!」」
装備開発研究工廠第一工廠施設にて小さな二等親の可愛らしい妖精達が挨拶を行っていた。
「ヨロシイ!デハヒビキサンガクルマデカクジシゴトニハゲメ!」
「ワカッター」
「ハーイ」
「モウツカレター」
工廠長の妖精が声をかけると皆それぞれ違う反応を見せ、自分達の仕事へと取りかかっていく。
妖精達の仕事はこの施設の名の通り、艦娘に搭載する装備の開発・研究を行うことであり、日々様々な兵器が産み出されている。
しかし、実用的な装備などそう簡単に出来るものでもなく、大抵は既存品よりも劣っていたり、そもそも役に立たないものであったりと失敗ばかりなのであるが。
失敗品は流石に怖いので即時解体か施設の飾りになるかのどちらかになるのだが、ここ第一工廠では殆どを勿体ないと残しており、まるでゴミ山のように失敗作が積み上がっているばかりだった。
「カタヅケロー」
「イソゲ!イソゲ!」
そんなゴミを来客があるからと全て解体して資材へと変えていく妖精達。一体何のために残していたのだろうか?そんなことも妖精は忘れてしまっているのだ。
そして物忘れの激しい妖精達は直ぐにやるべき事を忘れ遊び始める。
「コッチノヤツムカシワタシガツクッタヤツダ」
「コレハワタシガ!」
「オオ!ワタシノメガネアッタ!」
一人、眼鏡を無くしていたらしい妖精が居たようだが気にしない。
彼女達は自分が過去に作った作品を見つけると懐かしいと手に取り眺め、他にもないかとゴミ山を漁り始めた。まぁお察しの通り余計に散らかってしまっている。
唯一工廠長だけが彼女達を注意しているが、誰も工廠長の声など聞こえてはいない。皆が皆わーわーと騒ぎながら漁り続けた。
・・・まぁ、工廠長は彼女達を纏める役なので、自分で装備を作ったことが無いために一人彼女達の仲間にならずに済んでいるのだが。
と、小一時間はこうやって消費され、響が来る約束の時間になってしまった。
◇
「妖精さん達元気にしてるかなぁ」
妖精さんとは何度か会ってはいるけど、毎回同じテンションだから良くわかんないんだけど、まぁ元気なのだろうとは思う。
さて、何で僕が妖精さん達に会いに行くのかというと、人が怖くてまともに喋ることが出来ない僕だけど妖精さん達は別で、僕でも普通に話せてしまうから司令官が用事があるときはこうして妖精さん達とお話をしに来るんだ。
お、そろそろ着くね。
今日会いに行く第一工廠の妖精さん達が居る工廠が見えてきた。
装備開発研究工廠施設は全部で三つあって、只でさえ大きな工廠が三つどんどんどんと並んでいる様は近付くにつれ見るものを圧巻させる。
そして今回僕が行くのは一番手前の工廠で、一番目の工廠だ。
施設にはでっかい看板が付けられてて、そこには第一装備開発研究工廠と書かれている。うん、分かりやすい。
この場所は司令官と書類仕事をするようになって初めて知ったんだけど、毎回変な装備の開発レポートを送ってくる変な妖精さんがいっぱい居るところで、暇潰しに行くととっても楽しいから僕のお気に入りの場所でもある。
「お邪魔しまーす」
鉄製の頑丈なドアを開けて中に入る。
すると、中で何やらキャーキャーと楽しそうに騒ぎながら金属の山で何かしている沢山の妖精さんの姿が見えた。
なにしてるのかな?
気になったので山の前で怒鳴り散らしてる工廠長の妖精さんに聞いてみる。
「ねぇ、あれは何してるの?」
「っ!?ヒ、ヒビキサン!?」
「あっ、どうも」
「オ、オマエタチ!ヒビキサンガキタゾ!アイサツシロ!」
声をかけると工廠長さんが慌てて皆を呼び集める。
「コンニチハー」
「オハヨー」
「コンバンハー」
すると様々な挨拶を妖精さん達がしてくる。因みに今は朝なのでこんばんはは違うと思う。と言いたいけど太陽の光が入らなくて施設内の電気が灯っているこの工廠ではもしかしたら朝、昼、晩の区別がつかないのかも知れないから何も言わない。
「おはよう。で、さっきは何してたの?」
「ンートネ」
「オモイデノシナジナヲホリオコシテタノ」
「イッパイミツカッタ」
「ナツカシイ」
へー。思いでの品々って過去に開発した装備とかかな?失敗作だけどやっぱり色んな思いが詰まってるんだろうなぁ。
「オイ!ソウジヲシテタンダロ!」
と、妖精さん達の言葉を聞いた工廠長が怒鳴る。
「ア、ソウダッタ」
「スミマセンコウショウチョウ」
「ワスレテタ」
「えぇ・・・」
言われてみれば確かに失敗作の山が小さい気がする。後資材が異様に増えてる。
司令官が出来れば失敗作は解体して資材にしてほしいって言ってたけど、妖精さん達のモチベーションとかもあるから言えないって言ってたっけ。何で急に解体なんてする気になったんだろう。
「スミマセンヒビキサン。ヒビキサンガクルマデニカタヅケルツモリデシタガ」
どうやら僕のためだったらしい。謝る工廠長に気にしないでと声を掛けておく。周りの妖精さん達も口々にごめんねと謝ってくるのでそっちにも声を掛ける。
「別に気にしなくてもいいよ。ちょっとでも資材が再利用出来たんだったら司令官喜ぶしね」
うん。司令官大喜び間違いなし。いっつも資材に頭を悩ませてたし、なんならこの期に妖精さん達に頼んでみるかな?
上手くいけば司令官に褒めてもらえるかも・・・。
誤字、脱字等があれば宜しくお願いします。