今も熱出てます。
秘書艦の仕事を終え一段落したお昼時、僕は司令官と食堂へ来ていた。
「響、今日はカレーの日だからカレー食べるよ」
「カレーの日?」
聞き慣れない言葉に僕は司令官に疑問を返す。
「カレーの日ってのは金曜日の昼にカレーを食べる日のこと。元々は海の上で曜日感覚を無くさないようにするために一週間の決まった曜日に食べてたんだけど、それが結構好評でな。結局海軍の決まりごとみたいになったわけ。曜日も本来は土曜日だったみたいだけど、そこはまぁ、時代の流れってやつさ。」
「へー、なんか思ったよりちゃんとした理由があるんだね。」
思ってたよりちゃんとした理由があって吃驚した。もっとこう、好きだからとかみたいな適当な理由かと思ってた。
と、こうして会話しているうちにカレーが来たようだ。僕と司令官はカレーを受け取ると、取り敢えず空いている席を探してそこへ向かう。
「なんかここのご飯ってレストランみたいに綺麗だよね。なんで?」
「あぁ、間宮さんが頑張ってるからな」
「間宮さんってあの優しい人?」
「ん?なんだ響会ったことあるのか?」
「うん、あの人優しいから全然怖くなかったのよく覚えてる」
あの人がこのカレー作ってるのか~。司令官のおねえさんのオムライスも美味しかったけど間宮さんのオムライスも美味しそうだなぁ。あっ、因みに間宮さんとは暁ちゃんたちと一緒に散歩してるときに出会いました。うん、駆逐艦も散歩はするよ。
「流石間宮さん・・・っと冷める前に食べよっか」
「司令官、どっちがよりいい感想を言えるか勝負しよう!」
「なんだ急に・・・まぁいいけど。俺が勝からな」
「ほぅほぅ、司令官は自信満々なんだね」
「っふ、俺は世界一の褒め屋って言われた男だぞ?料理のコメントなんてちょちょいのちょいよ」
互いに睨み合う。こっからはもう言葉なんていらない。男同士の真剣勝負だ。あっ、今は女の子なんだった。って最近男だってこと思い出せなかったから案外新鮮な思考だ。これも勝負に燃える暑いこころが呼び覚ましたのかもしれない。別に暑いこころを持っていた覚えはないんだけど。
それより早速一口目を戴こうじゃないか。司令官と示し会わせた化のように同時にスプーンを口元へと運んでカレーを頬張る。
「はむ」
モグモグ・・・・・・
「うまし!」
「うまい!」
なにこれ旨すぎる!なんで?何でカレーがこんなに美味しいの!!?こんなの手が止まらないよ。次から次へと口元にスプーンが運ばれてくるよ!!
ぱくぱくと、何度もカレーを頬張りその味を味わいながら食べていく。その速度は驚異的で、男の司令官とほぼ同じ速度でカレーが減っていた。
「「お代わり」」
と、一皿目を食べ終わったので次の皿へと移行する。普段少食な僕には考えられないくらいスプーンが進む。カレーなんてあんまり食べたことないけど、こんなに美味しいなんて思わなかった。こんなに美味いなら毎日食べれる。
と、三皿食べ終わったところで漸くお腹が一杯になって落ち着いた。司令官とほぼ同じのゴールだ。
「ふぅ食った食った」
「あー美味しかったぁ~」
あれ?何か忘れてるような・・・?
誤字、脱字等があればよろしくお願いいたします。