響になった僕は人の温もりを知る   作:緒兎

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 やっはろー皆さん。兎に角暇だったので投稿します。眠たさも相まって詰まらない出来かもしれませんが、読んでもらえれば幸いです。

 ではでは。


司令官と書類仕事

 暫く演習禁止。それが僕が司令官から受けた罰だった。今日から一週間は、演習どころか艤装をつけることも禁止されているため、学校に行って授業が終わればもうやることはない。まぁだからということはないけど、一応秘書艦だから司令官がいる執務室で書類仕事を手伝っている。

 

 ぺったん、ぺったん。書類に判子を押す音がこの静かな執務室にリズムを刻む。

 チラリと司令官を見やれば、司令官も丁度此方を見ていたようで偶然にも目があった。お互い笑いあうと直ぐに書類に目を落として再び作業を再開する。すると止まっていたリズムが再び響き始める。

 

 一時間後、僕は休憩のために判子を押す手を止めた。僕に出来ることが判子を押す作業しかないので、仕方ないのだがもう少し別の作業が欲しいなと思いながら、司令官用と自分用にお茶をいれる。お茶をそっと司令官の前に置いてあげると、司令官は顔を上げてありがとうと言ってくれた。嬉しくて思わず微笑みを返すと、自分の作業していた机に戻ってお茶を啜る。

 はぁ・・・・・と、お茶を飲んだときに出る溜め息が司令官と被る。また目があってふふふと笑いあうと、お茶を飲んで落ち着いた脳を働かせ始める。作業を再開して、時々お茶をのみながらと、それから2時間繰り返した。

 

 

 

 

 「「あーー、終わった~ぁあ・・・・・・」」

 

 作業開始から実に3時間。僕達は達成感のあまり盛大に溜め息を吐きながらそう言った。

 

 「同じ作業ばかりで飽きてくるよぉ~」

 

 「あー、確かに響は判子押すだけだもんな~。無駄に多いんだよな判子押すだけの書類」

 

 「全くだよ」

 

 書類にたいしての愚痴を二人して溢す。だけど別に書類仕事が嫌って訳でもない。司令官がいるから、司令官と一緒にいると書類仕事も案外楽しいものとなる。会話などなくても、時々目が合う、ただそれだけでもう楽しくてしょうがない。

 

 司令官が席を立ってソファーに腰かけたので、僕も司令官の隣に腰を下ろす。

 

 「司令官は僕がいない間はずっと一人でこれやってるの?」

 

 「ん?あぁ、まぁこんなに多くはないがやってるぞ」

 

 「ふぇぇ、よくやるよ。今度からは僕も手伝いいっぱいするからね!」

 

 「おお、それは助かるな。でも響は暁たちといてもいいんだぞ?」

 

 「ううん、一応僕も秘書艦なんだから、ちゃんと手伝いしないと駄目だから」

 

 そう言うと、司令官は微笑んで偉い偉いと頭を撫でてくれた。なんかものすごい子供扱いだけど、司令官に撫でられるとそんなことどうでもよくなっちゃう。

 

 「ふぁああっんんんんっ」

 

 暫く撫でられていたらどうにも眠くなってきてしまった。司令官も僕の大きな欠伸で察してくれたようで、僕を抱えてベッドへと運んでくれるようだ。もう司令官の顔もぼやけるなか、その小さな揺れに身を任せて僕は眠りについた。




 誤字、脱字等があればよろしくお願いします。

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