響になった僕は人の温もりを知る   作:緒兎

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 やっはろー皆さん。ねむねむなマリオンです。なんだか最近話のネタがなくなってきている感じなので少しだけ話を進めちゃいました。一日一日書いていくのはちょっと無理っぽいです。いや、だから話が進まないのか...。


命中したよ!

 「照準、よし。装填完了......撃てっ!!」

 

 ズドォンッッ!!

 

 鎮守府近海、演習のために設けられた海域にてその12.7cm連装砲が火を噴く。砲身からは熱と共に火や煙が噴き出され、目には見えない速度で砲弾が飛んでいく。その時に発する轟音は正に雷の如し。内蔵にまで届く衝撃を振り撒きながら飛んでいく。

 

 真っ直ぐに飛んでいく砲弾。狙うは放たれた場所から凡そ100m地点にある1mの的。この程度ならば当たるのは当然...というわけでもなく、砲弾はその左1m奥5mの地点に着弾する。

 

 「次弾装填!誤差修正、右に3度下に2度」

 

 「そうてんかんりょーしました!」

 

 妖精さんの報告を受け、修正完了した砲を再び撃つべくその引き金に手をかける。

 

 「撃てぇぇええっっ!!!」

 

 ズドォンッッ!!

 

 再び重低音。打ち出された砲弾は宙を駆け、的の真ん中より少し右に着弾する。

 

 喜びの声をあげる一人と何人か。報告をした妖精さんに至っては跳び跳ねている。これがどれだけ凄いことか、皆さんにはわかるだろうか?いや、わからないと思う。何せこの的に当てるという行為は1度撃ってみるとどこに着弾するのかがわかってしまうから。人がやるには少し難しいかもしれないが彼女らは艦娘。それほどのことでもない。例え初めての戦闘でも戦えてしまうのが艦娘である。

 

 なればこの状況はなんなのか?なぜその程度のことで喜べるのか。それは砲弾を撃った少女に理由があるのであった。

 

 「やったー!当たったよ暁ちゃん!!」

 

 「うんうん、段々うまくなってきてるわね!」

 

 「響ちゃん凄いのです!」

 

 「やったわね!流石は私のお姉ちゃんよ!」

 

 皆が僕を褒めてくれる。初めて砲撃の練習をしてから早3日。初めは50mも当てられなかったのにもう100mを当てれるようになってしまった。それは艦娘としての機能ゆえか、すぐにコツをつかんでしまった。

 

 隣で妖精さんがぴょんぴょん跳ねて喜んでいるのがなんとも微笑ましい限りだ。あっ、司令官にこの事言って驚かそう!

 

 「いぜんよりそうてんそくどもあがりました!」

 

 「おぉ!本当!?」

 

 「はい!」

 

 わぁっと、僕は喜色満面の笑みを浮かべる。嬉しい、嬉しすぎるよ!僕にとって初めての快挙だ!これも司令官に報告しよう!早く僕も司令官のために戦えるようにならなきゃ!

 

 あっ、妖精さんを褒めてあげなきゃ!よしよしよしーっとその小さな頭を撫でてあげる。妖精さんは嬉しそうな顔で受け入れてくれる。というか寧ろ褒めてほしかったようだ。暫く撫で続けて妖精さんが満足した顔をすると手を離して暁ちゃんたちに向き直る。

 

 「よくやったわ響。次は倍の200mよ。まぁ、今日は疲れただろうからもう執務室へ行っていいわよ」

 

 頭を撫でてそういう暁ちゃん。僕が司令官にこの事を伝えたくてうずうずしているのに気づいたようだ。暁ちゃんの言葉に甘えて急いで陸へと向かう。その際に艤装がすぐにはずれるように緩めておく。

 

 「ちょっ、響!?それはまず────」

 

 そんな慌てた声を、最後に聞いた気がした。

 

 

 




 誤字、脱字等があればよろしくお願いします。

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