響になった僕は人の温もりを知る   作:緒兎

84 / 96
 ズドラーストヴィチェ。響だよ。今日はマリオンさんが久し振りに私を出そうって言ってこうやって出てくることになったんだ。しかし、この物語も80話を越えてしまったね。戦闘シーンとかまだ出てないけどそのうち出ると思うからよろしく。出来れば作中の響を応援してやってほしいな。

 ダスヴィダーニャ


歴史のお勉強

 「前は資源の日本への輸出が制限された事を話したわね?」

 

 足柄先生が僕たちに思い出させるように確認をとってくる。もちろんしっかりと覚えてますとも!僕はやっぱり記憶力がいいんだね!

 

 「制限されたのは石油と他資源。最も石油は軍艦、航空機、戦車を動かす燃料になるわけだから日本は大規模な作戦が出来なくなってしまったの」

 

 「?でもなんで戦争が始まったんですか?戦争しなければ石油なんてあんまり減らないんじゃ...」

 

 「そう、そう思うわよね。だけど遠方にいる味方に支援物資を送る際、大量のタンカーとその護衛艦が使われるわよね?そうしたら石油は減る一方。いくら日本が蓄えていたと言っても直ぐに尽きてしまったわ」

 

 睦月ちゃんの質問を初めは同意する足柄先生。しかし、その考えを直ぐ様否定するかのように理由をのべた。確かに、石油がなくなれば味方に食べ物とか送れなくなるし、そしたらその人たちはその土地を捨て、戻ってこなければならなくなる。なるほど、奥が深い話である。ま、正直僕にはあまりピンとこない話なんだけどね...。大体日本人は日本に居ればなんにも問題ないんじゃないかな?

 

 「アメリカは日本という小国ながらもかなりの力を持つ国が邪魔で仕方がなかったんでしょうね」

 

 「そんなっ!それじゃあ日本は無理矢理戦争させられたって言うんですか!?」

 

 悲痛な声をあげる吹雪ちゃん。彼女は日本が大好きだからそこまで感情的になれるのだろう。僕は日本は好きだけど、時々嫌いになることもある。虐めが無くならない、差別が無くならない。女の方が有利に物事を進められる。男女平等とはよく言ったものだよ。これじゃあ男尊女卑から女尊男卑になったたけだよ。

 

 「そう思うかは人それぞれよ。しかし日本もまたアメリカと戦争することには乗り気だった。日本もアメリカが邪魔で仕方がなかったのよ」

 

 例えアメリカが輸出制限をしなくてもいずれ戦争は起きていた...足柄先生は確かにそう言った。ただ、少し早まっただけだと。

 

 戦争って、なんのためにしてるんだろうね...。土地?土地がほしいの?でも、そんな殺して奪い取るなんてゲームじゃないんだし。ゲーム感覚でやってる...って訳でもなさそうだし。そりゃそうだよね、自国の兵士が死んでしまうんだから。相手の命なんて、考える暇もないって事なのかな?

 

 「日本は戦い続けたわ。真珠湾での奇襲攻撃はアメリカに甚大な被害を与え、開戦の合図になった。初めはよかったのよ」

 

 そう言って語る足柄先生の表情は、何処か悲しげであった。




 誤字、脱字等があればよろしくお願いします。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。