響になった僕は人の温もりを知る   作:緒兎

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 やっはろー皆さん。今日も響と仲良く過ごしているマリオンです。え?嫉妬は受け付けませんよ?なに?ゲームのなかでだろ...?悲しいこと言うなよ...ぐすんっ。

 さぁさぁ、そんなことよりも読みたいですか?読みたいですよね?え...そんなこともない?つ、強がらなくてもいいんですよ!?ふぁっ!?電ちゃん!!?何でここにぃぃぃ!!!?

 マリオンさん、享年17。駆逐艦電の魚雷によって撃沈された。


学校の足柄さん

 キーンコーンカーンコーン

 

 学校お決まりのチャイムが鳴るなか、僕と電ちゃんは職員室へと来ていた。先生...にしては結構若く見える人、電ちゃんが言うには重巡洋艦足柄さんらしいのだが、なんだが腹に何かを隠し持ってそうで怖いんだよね。だから震える僕の手を電ちゃんが握っていてくれることによってなんとか涙目だけで済んでいる....と思いたい。

 

 「だからね、私思うのよ。なんでこんなにも綺麗な私がモテないのかって...」

 

 「はい...ソウデスネ」

 

 髪をかきあげて、色っぽいポーズをして言う足柄さんに僕は感情も籠ってない返事を返した。

 

 というかさっきから関係のない話をずっと聞かされているのである。はじめの頃は何となくそれっぽい会話だったのだが、次第に合コンとか恋愛話だとか意味不明な話ばっかりしてくるようになった。さしもの電ちゃんもげんなりとした表情をしており、早く終わってほしいという思いがひしひしと伝わってきた。

 

 正直にいうと、足柄さんはまぁまぁ綺麗な方だが、その性格のせいで相手が出来ないんだと思うんだ...声には出さないけどね。もし言ってしまったら「あんたに私の何がわかるのよぉぉおおおっ!!??」とか言われるかもしれないし。そしたら僕は怖くて司令官のところに逃げちゃうかもしれない。

 

 「ま、貴女達にはまだ早い話よね」

 

 「はい!」

 

 ちょっと見下した目で見てくる足柄さんが少し怖かったが、なんか話の終わりっぽかったので早く終われと元気よく返事をした。電ちゃんも一気に元気な顔に戻っていた。切り換えが早いのが電ちゃんなのである。

 

 失礼しまーすと、職員室を出る。今日はもう授業はしなくていいらしい。来るのが遅かったんだと。たぶん、迷ったせいだよね...。

 

 「しれーかーん...」

 

 「んお?どうしたんだ?学校疲れたか...?」

 

 執務室へと帰ってきた僕は机の前に座って書類仕事をしている司令官の膝に上半身を乗せてぐたーっと力を抜く。なんだかこうしているとすごい落ち着くのだ。

 

 司令官は心配そうにしながらも、僕の頭を撫でてくれていた。あれ?電ちゃんの指示である司令官に抱きつけって自然に終わっちゃったね...。てことは...僕と司令官ってもうそんな関係にまでなってたの!!?

 

 カァァァッと顔が赤くなっていくのが自分でもわかる。体温が高くなり、鼓動が早くなっていく。

 

 や、ヤバイ...このままじゃ僕、ホモって言われちゃうぅぅう!!!!?嫌だぁぁぁあ!!!僕はホモじゃないんだ!!決して違うんだよぉおお!!?

 

 「フフ、響ちゃんにはちょっと簡単すぎたのです」

 

 そんな悪い笑みを浮かべた電ちゃんを僕はいつまでも忘れない。




 誤字、脱字等があればよろしくお願いします。

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