僕は響ですね。いや、迷わずに言い切れるくらい響ですね。響一択、これは何があっても覆らない!!
「うっ...つぅっ!」
何時間気絶していたのだろうか、僕は起きて早々と頭に走る激痛に悶えていた。触ってみるとそこにはそれはそれは大きなたんこぶがあり、電ちゃんとぶつかった時の絶大な威力を示していた。
これでよく血が出なかったなと思うが、そこはたぶん奇跡なのだろう。うん。
「大丈夫?」
ふと横を見れば暁ちゃんが僕を見下ろす形で、心配した表情を浮かべていた。
そう、今僕はベッドに寝かされている状態であり、暁ちゃんたちの他にいる三人に介抱されていたようだ。しかし、三人とも寝てしまっている。
「何で皆寝てるの... 」
思わず心に思ったことが声に出てしまって、ハッとする。しかし結局はどうでもいいことなのでまいっかと片付ける。
ふと気になったことは今何時かだ。あと、どれくらい寝たとかも気になるかも。しかし、この部屋には時計もなければ窓もない。
せめて窓があれば大体の時間はわかったのに...。
しかし無いものは仕方がない、ので暁ちゃんに聞くことにする。
「あれ...」
しかし振り向いた先にいたのは、ぐっすりとベッドに頭をつけて寝ている暁ちゃんだった。なぜだろう、さっきまで起きてたのに...。寝るの早くないかな?
え?もしかして僕が起きたの確認しただけ?なにそれ、寂しいんだけど。
暁ちゃんの可愛い寝顔を眺める。だけど起きる気配はない。いや起きたら起きたでそれは凄いことなのだが、暁はお子様なのだ、起きれるわけがない。
「ふぅあっぁぁ、んん~... 」
僕は大きな欠伸をして、眠たくて段々と落ちてくる瞼を擦る。
なんだか僕まで眠くなってきたよ。もしかしてうつったの?
段々と耐えられなくなってくるが、それは根性でなんとか耐える。
僕のそばにいるのは暁ちゃん、電ちゃん、雷ちゃん、司令官だ。皆、とっても気持ち良さそうに寝ている。
僕も寝たらあんな顔になるのだろうか?...司令官って案外可愛い顔してるんだね。
男の顔を寝顔を見て可愛いなどと言えるのは、女子の特権である。完全に女の子に染まってきている響なのであった。いや、まだ全然日にちは経っていないが。
ついに限界が来た。僕の目はもう開いているのか開いていないのか自分でもわからないくらいだった。思考が出来なくなり始め、やがて意識さえもが微睡みへと消えていく。
こんなにも気持ちのいい寝入りはあるものかと感心しながら眠りにつこうとする。
ズキッ
あぁ、あと少しで寝れる...そう思ったとき、僕の頭に走った激痛が微睡みの中にあった僕の意識を一気に引き上げた。
「ったあぁっ」
何で僕だけ寝かしてくれないのさ...。というか、電ちゃんってたんこぶとか出来てなかったわけ?
それから僕は一睡も出来ずに、頭に走る激痛を耐え続けたのであった。
誤字、脱字等があればよろしくお願いします。