響になった僕は人の温もりを知る   作:緒兎

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 ハロー、ヒサシブリデスネ。イヤーオクレテシマッテモウシワケナイ、カゼヲヒイタモンデシテ。

 あっ、今日僕の誕生日なんですよ。いやー、この年になると誕生日... あぁ、みたいななりますよね!昔はあんなにも楽しかったのに... !いまじゃあっても無くても変わらないみたいになっています。

 お?そういえば久し振り... といっても一週間もたってないけど... なので、なんか文章が書きづらかったので変なところ等があればよろしくお願いします!


秘書艦、そして...

 「はぁ~っ、終わったぁ~ぁ」

 

 漸く判子を押し終えた僕は、伸びをしながら終わったことえの喜びを声に出す。

 横をチラリと伺うと司令官ももう終わりのようで、最後の仕上げであるサインを入れていた。その手際の良さは、司令官が普段どれだけの書類をこなしているのか、容易に想像出来るほどだった。

 

 「やっぱり二人だと早いな。響が秘書艦だと毎日が楽なんだけどなぁ~」

 

 露骨である。司令官は響をよっぽど秘書艦にしたいのか、露骨な提案を投げ掛ける。

 

 しかし等の本人、響は気づいていないようだ。

 

 そういえば司令官の普段は、3時間くらい書類に費やすことになるそうで、遊ぶこと、休むことなど出来ないようだ。その点、僕が秘書艦になれば今日は1時間半で終わったので、約半分の時間まで短縮できるというわけだ。

 それに、これからまた早くなっていくだろうし、秘書艦が欲しい気持ちはわかる。

 

 ん?秘書艦?あっ...

 

 「し、司令官!僕、忘れてたけど秘書艦やるから!」

 

 司令官が提案してから約3分。漸く気付いた僕は、司令官に秘書艦になる思を伝える。

 突然大声を出したためか司令官は少し驚いた様子だったけど、すぐに持ち直してうんうんと僕の頭を撫でてくれた。なんでだろうか、嬉しい... !

 

 「や、やっぱり司令官は僕がいないとダメダメだから、僕が手伝ってあげるよ!」

 

 「お?言うようになったな~!」

 

 恥ずかしい気持ちを紛らわせるために言ったのだが、司令官なんだか嬉しそうである。ダメ人間なのかな?

 撫でる手は止まらず、僕の頭を撫で続ける。頭、ほっぺ、首筋へと... 。

 

 「くすぐったいよ司令官♪」

 

 そっと司令官の手を除ける僕は何処かご機嫌で、にこにこと笑っている。正直、自分でもなにか嬉しいのかわからないのが不思議なところだ。というか、かなり子供っぽい仕草だと思う。

 

 そんな笑顔を見たからか司令官の顔は真っ赤だった。なんでかなと思っていると、ガシッと肩を捕まれた。さすがにいきなりだったので、僕は驚いてしまった。

 

 「え?どうしたの... 司令官?」

 

 おそるおそるといった感じに問いかける僕は、さながら怯えた小鹿のようだった。

 

 司令官はゆっくりと撫でるように肩からお腹へと手を動かしていく。少しくすぐったくて顔が赤くなっていくが、何をしているのかはわからない。

 すると司令官の手が腰に添えられ、ゆっくりと僕を引き寄せていく。

 

 やがて、司令官の顔があと数センチで届く距離にまで詰められてしまった。少しでも動けば唇が触れ合ってしまう距離、そんな距離にまで僕らは近づいていた。

 お互いの息遣いが手に取るようにわかり、みるみるうちに顔が赤くなっていった。

 

 そっと司令官が目をつぶり僕にめがけて更に近づいてくる。そこで漸く何をしようとしているのかがわかった。

 

 「い... いや!」

 

 ついに司令官の唇が僕の唇へと触れようとしたとき、僕は司令官を突き飛ばしていた。それは手加減なしの今ある力とそれ以上の火事場の馬鹿力というものも使っての抵抗だった。

 

 ガタガタと体が震える。司令官でも... 司令官でも駄目だった。あの距離は想像以上に怖かった。荒い息の中、そう思うことしか僕には出来なかった。

 

 「... っすまん」

 

 突き飛ばされた司令官は、痛そうな顔をせず僕を心配した様子で、自分に対する後悔を抱いた様子を醸し出していた。




誤字、脱字等があればよろしくお願いします。

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