響になった僕は人の温もりを知る   作:緒兎

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 もう50話を越えているのにこの進行度、やばくね?と思う今日この頃。話が遅いレベルで済ませられなくなってきているのに気づいてしまっているマリオンです。
 やはり文をまとめるのには相当な技量が必要だと思い知らされました。

 でも、ここまで来たらやるしかない。このままのペースでもいいから続ける努力をする。皆さん、長い付き合いになりそうですな... ハハッ


優しい司令官

 「しれ~か~ん!」

 

 「うぉっ!?」

 

 僕は溜まっていた思いを司令官にぶつけていた。当然、司令官はなんにも知らないわけであり、驚き戸惑っている。

 

 怖かった、怖かったよ~と涙声で司令官に訴えかける僕を、司令官は優しく受け止め、子供をあやすように頭を撫でてくれた。その優しさが僕の心を癒すのだが、心が緩まったせいか涙が溢れだした。

 

 「何があったか知らないが、大丈夫か?」

 

 心配そうに問いかけてくる司令官は、まるでお父さんのように優しく、慈愛に満ち溢れており、とても暖かかった。

 

 僕は溢れる嗚咽を抑えることが出来ず、その問いには答えられないが、うん。と首を振ることによって答える。

 

 「... そうか」

 

 「えっぐ.... うぐ... 」

 

 しかし司令官は何があったのかを察してくれたようで、僕を一人にしないと背中に手を回して抱き締めてきた。一瞬ビクッと体が跳ねるがそれも収まり、すっぽりと司令官に包まれる形となって収まっていた。

 その包容力や母の如し。みるみる内に、僕の涙は止まっていった。

 

 「落ち着いたか?」

 

 「うん... 」

 

 司令官は僕に確認をとってくる。まだ、涙声の残る声で僕が答えると、司令官はわしゃわしゃとではなく髪が痛まないように優しく撫でてくれた。

 やっぱり僕は女の子になったみたいだ。その行為に嫌気さえなければ嬉しいという感情しかない。

 

 ふと執務室を見渡す。すると司令官が普段使っている机には、大量の書類、書類書類書類書類。頭が痛くなりそうなほどの書類の束があった。

 

 「司令官、ごめんなさい... 」

 

 「ん?何が?」

 

 「いや、僕が泣いちゃったせいで仕事... 遅れちゃうから... ごめんなさい!」

 

 「あぁ、別にいいさ。響が泣き続けるよりはいいよ」

 

 僕が、仕事に遅延を来したことに謝ると、司令官は何が?と全くわかってない様子だった。本当に悪いと思っているので、理由を説明して再び謝る。

 僕の必死さに理解してくれたのか気にしないでくれと僕を許してくれる。その際言われた言葉に、僕の胸がドキドキした事は内緒にしておこう。

 

 「それより響は手伝いに来てくれたんだろ?」

 

 あっ、忘れてた... 。

 

 来る道中が大変だったため、本来の目的を忘れていた僕は、司令官に言われて漸く思い出した。

 カーッと顔が赤くなっていくのがわかる。それは忘れていた恥ずかしさ故か、隠すように顔を伏せてしまう。

 

 「なんだ忘れてたのか?」

 

 「そ、そんなことない!」

 

 言い訳を言ってみるもどうにも信じてはくれないようだ。

 

 「そ、そんなことより手伝うから!さっさと終わらそうよ!」

 

 グイグイと司令官を机へと押していく。最初こそ抵抗すれど直ぐに抵抗はなくなって席へ着かせることに成功した。

 机につくと司令官は仕事モードにでも入ったか、無口になり、カキカキとペンを走らせていた。僕としては話ながら仕事をする方が気楽でいいのだが、それは人それぞれというものだ。

 

 そういえば... なにか忘れているような?




 誤字、脱字等があればよろしくお願いします。

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