「でだ、響。君もその艦娘の一人だ。君にはこれから「嫌だ!」... まだ何も言ってないだろ。」
「どうせ、『戦ってもらわなければならない』とか言うんだ!!僕は絶対に嫌だ!」
艦娘だから戦う?そんなの無理だ!深海棲艦と戦うなんて死にに行くも同然の行為だ!!
すると司令官の顔が真面目になった。ちょっと怖いかも... 。
「しかし響。戦わなければここにいられないぞ。もし、ここを出たとしてもだ、響。その容姿じゃ働けなくて餓死するのが目に見えてるぞ。」
「う、うぐっ」
「それに、艦娘として、戦っていれば衣食住は保証される。しかも滅多なことでは沈まない。流石にどっちが良いかはわかるよな?」
た、確かにここを出ても行く当てないし、しかも僕は人が怖いんだ。そ、それに.... 司令官と離れるのはちょっと悲しいし。
「わかったよ... ここに残って戦うよ。」
正直、かなり不安だ。でも、生き残るためには必要なこと、それを理解してても怖いものは怖い。
「そんな不安そうな顔すんなよ。大丈夫、安心しろ。俺も鬼じゃないんだ、訓練なしに戦闘海域に行かさないよ。」
「なんだ、それならいい。」
「... おい!」
ふぅ、それなら安心だ。ん?切り替えが早いって?はて?なんのことやら?ハハッ、この世は生き残ることが大事なんですよ!
「まぁ、そんなことより訓練ってなにするの?」
訓練と言えば、腕立てとか腹筋とか持久走とかかな?僕、運動苦手なんだよなぁ...
「訓練か?そうだなぁ~。君たち艦娘は、海の上に立って滑る練習をしたり、的に弾を当てる練習をしたり、艦娘同士で演習をしたりするのが主な訓練だな。後は走り込みぐらいかな?」
ここで新発見!艦娘は海の上に立って滑れる。っと、しっかり記憶しとかねば。
訓練自体はあんまり厳しい感じじゃ無いのかな?走り込み以外。いやぁ~、良かった良かったこれで訓練も楽チンだね!走り込み以外。... 走り込m(ry
「そろそろ鎮守府に行くぞ、響。」
「あ、待って人が多いところは、通らないで欲しいかなって... ダメ..かな?」
よし!行く前に頼み込めたぞ。流石に人がいっぱい居ると怖くて立てなくなりそう(ガクブル ガクブル
「ああ、安心しろ。車を手配してあるから。」
「で、でも運転手は... 」
「大丈夫だって。運転席から後部座席は見えないようになってるから。」
...... マジで?司令官あんた何者!?
あ、提督か。
いや、でもほんと良かった... 。今は余裕こいてるけど、人前に出ると怖すぎて何も考えられなくなるからね。
「よし、じゃあ行くぞ。」
あれ?何か忘れてるような...
ガラガラ
「「あ」」
ヒュン、ガシッ、ガクブル ガクブル
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い...
扉を開けたら、そこには看護婦さんがいた。
響は看護婦さんを見た瞬間、提督の後ろに回って服を掴み震えていた。
響や、提督は忘れていただろうが、ここは病院。看護婦やお医者さん、そして患者さん達がたくさんいるのだ。
「し、失礼する!!」
提督は、震えて動けない響を抱き抱え、猛烈ダッシュで出口へ向かった。
「あ、廊下は走らないでください!」
患者さんに注意されるが、提督は無視して、一刻も早く響を車に乗せることを考えていた。
「うーん、... ハッ!」
「ようやく元に戻ったか。ずっと震えて怖い怖い怖いを連呼していてこっちが怖かったぞ。そしてようこそ、呉鎮守府へ!!」
気がつくとそこは、鎮守府だった。
響「ねぇ、司令官。なんで僕は病院にいたの?」
提督「それはな、響が作られたとき、息をしていなかったからだよ。」
響「なにそれ怖すぎるだろ!!?」