響になった僕は人の温もりを知る   作:緒兎

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 皆さんはどんなタイプの女性がお好きですか!?

 清楚な黒髪幼女ですか!?ツンデレ金髪ツインテ幼女ですか!?無表情で口数の少ないジト目幼女ですか!?それともエロの塊の幼女ですか!?

 え?お前はどうなのかって?俺はあれですよ、清楚な黒髪幼女ですよ!素直であればなおよしですけどね!


背負います

 「こ、これ本当に浮くの?」

 

 「勿論浮くわよ」

 

 僕は今、演習用の出撃ドックにいて今から進水というものをするらしいんだが、これ、どう考えても浮かないよね?ね!?

 こんなにも重そうな艤装を着けて海に浮かぶなんて、物理法則完全無視ですよ!?生身ですからね!?浮き輪でも浮かないよ!!

 というかそもそもこれ着けて持ち上げられるかの問題だよね!?暁ちゃんは大丈夫だって言ってたけど心配だよ!

 

 「ほら、さっさと着けた着けた」

 

 「えぇ... む、無理だよぉ」

 

 「無理じゃないわよ... 現にほら、私が着けているでしょう?」

 

 確かに暁ちゃんの小さいからだに似合わないほど大きい艤装が、その体に落ちないようしっかりと固定されているが、別段重そうな素振りは見せず、寧ろつけているときの方が軽そうにしている。

 しかし、どうしても僕にはあんなもの背負えるとは思えない。だって人間だもの。

 

 でも暁ちゃんは待ってくれないようで、いそいそと僕の艤装を持ち上げると僕の背中にくっつけた。すると、腰にあった半円形状の何かを固定するところが若干開き、そこに僕の腰があてがわれると直ぐ様閉じて僕の腰と艤装を固定した。

 その瞬間ずっしりとした重みが体にかかるが、エンジン音がなると同時にその重みは綺麗さっぱり消え去り、寧ろ先程よりも体が軽く、これならオリンピック選手も目じゃないと思えるほどだった。

 

 その事に僕は目をパチクリと瞬かせ、呆けた表情をしながら固まってしまった。

 

 「ほらね、大丈夫でしょ?」

 

 「う、うん... 」

 

 暁ちゃんが僕の表情を見て少し笑うと、確認をとってきた。しかし僕はまだ呆然としていてどこか上の空で返事を返した。

 

 「じゃ、着水しましょ!」

 

 「いやいやいや、無理だって!」

 

 「なに?まだそんなこと言ってるの?」

 

 「いやいや、背負えるのは納得したけど、これを着けて浮けるという要素が何一つとして理解できないから!!」

 

 早速海へと着水しようと言う暁ちゃんに僕が無理だという意思を伝えると、まだ言ってるのかと少し呆れ気味に言われた。

 その事に僕は理由を説明するが、暁ちゃんはハイハイこれ、ちょうハイテク技術ですよーと言いたげな表情で僕を見ていた。

 

 実はこの艤装一つ一つは妖精さんが作っているらしいのだが、人間にも作れるのかといえば無理の一言で押しきられるほど、ハイテクな技術が詰まっているという。

 妖精さんが作っているからこそ艦娘達は信用して使えるらしいのだが、僕は元々人間だったのでそんなこと信用できない。只でさえ対人恐怖症なのだから。あ、妖精さんは大丈夫なんだった。

 

 「ま、いいわ」

 

 「え?いいの?」

 

 なかなか海へと着水しない僕に暁ちゃんが諦めたのか、それとも僕に呆れてか、もういいと言ってきた。

 直ぐ様僕は反応して疑問を口にすると、暁ちゃんはニヤニヤとしながらうんと首を縦に振った。

 

 なんだか嫌な予感がする...

 

 「うん、だって... こうするからね!」

 

 「え... 」

 

 どんっ、と暁ちゃんが僕を海に突き落とす。なるほど、これが嫌な予感の正体か... などとは考える余地もなく、僕はただ突き落とされた事実だけを理解しようとして... 理解できなかった。

 思わず情けない声が漏れてしまうが、心のなかでは理解不能と結果を出した脳を無視してこう思っていた。

 

 (あぁ... 僕の人生終わった)




誤字、脱字等があればよろしくお願いします。

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