ガタガタガタガタガタ
「ひ、響... ?」
いつの間にか長門さんがいたことに驚いて呆然としていた僕は、気づいたかのようにハッとすると、司令官の背中にくっつき長門さんから隠れるように涙目になりながらガタガタと震えていた。
その事に驚いた暁が声を掛けてくるが、僕は恐怖のあまりまるで聞こえていないかのように司令官の背中に顔を埋めていた。
長門さんも少し驚いているようで、顔は見えないが焦っている様子がひしひしと伝わってくる。
「て、提督... 私はこんなに怯えられるような事をしたか...?」
「「したな(のです)(わ)」」
心配する長門さんが聞くと、長門さんが怯える原因をした事を肯定する声が無慈悲にも僕以外の全員から送られた。
その事に長門さんは目を真ん丸にして固まってしまった。
まさか肯定するとは思っていなかったのだろうが、まぁ... あんだけの事をやっていたら僕でなくても怯える娘はいるだろう。
「さ、長門さんは置いといて... 響~、大丈夫よ~。何にも怖いことなんてないわよ~」
暁は長門さんを放置することにしたらしく、僕を落ち着かせるために優しい声色で話しかけてくる。
「そうだぞ~。怖い人は今は固まってるから大丈夫だぞ~」
「なのです!響ちゃんは私が守るのです!!」
「ちょっと電!!響を守るのは私の役目よ!響、もっと私に頼っていいのよ?」
皆口々に僕のことを落ち着かせようと声をかけてくれる。
その甲斐あってか僕の震えはだんだんと収まっていって、落ち着き始めてきた。
その間、長門さんは未だに固まったままで、皆に居ないかのように扱われている。
僕でさえも、意識しなければ存在を感じないほどにまでになっていた。もちろん、意識なんて欠片もしないが。
「ありがとう...すぱしーば」
「っ!?」
僕がお礼を言うとなぜか暁ちゃんがすごい驚いている様子で、目を真ん丸に見開いていた。
暁ちゃんのみならず、司令官も目を細め、何やら僕が言ってはいけないことを言ったような雰囲気を醸し出していた。
僕は何がどうなってるのかわからず混乱し始めていた。
「響... 今、なんて... ?」
「え?ありがとうって言っただけだよ?」
「違うその後よ!」
その後と言われて思い返せば確かに何か言ったような気がするんだけど、何を言ったかは覚えていない。
確かすぱ... すぱ... スパゲッティー?ダメだ思い出せない。
チラリと司令官の方を向くが細い目で僕を見てるだけで特に何も返事をしない。
「何かを言ったような気がするんだけど... なんだったかな?」
僕は尋ねるように暁ちゃんに言う。
「へ?あ、あぁ... 覚えてないのね... 」
何処か落ち込んだ様子で落胆した暁ちゃんは何処か悲しみのオーラを纏っていた。
その落ち込みように何を言ったのか教えてくれそうもなかったので、暁ちゃんの隣にいた雷ちゃんを見る。
一瞬電ちゃんと雷ちゃんのどっちに言ってもらおうか迷ったなんてこの二人には死んでも言えないと思いながら雷ちゃんをみていたなんて死んでも言えない。
「しょうがないわね!教えてあげるわ!さっきねぇ... なんて言ってたかしら... あれ?」
「はぁ... 雷お姉ちゃんはしっかりとしているけど何処か抜けているのです。しょうがないから電が教えるのです。さっきは確かすぱしーば?って言ってたのです」
「うっ、うるさいわね!それくらい覚えていたわよ!響、すぱしーばよ!わかった?」
雷ちゃんが教えてくれようとしたけど覚えてなかったみたいなので、電ちゃんが雷ちゃんが抜けてる事を言いながら、さっき僕が発した言葉を教えてくれた。
その事に見栄をはった雷ちゃんが電ちゃんが教えてくれたのにも関わらずもう一回教えてくれた。
すぱしーば?どう意味なんだろ...
誤字、脱字等があれば宜しくお願いします☆