響になった僕は人の温もりを知る   作:緒兎

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 うっへーーーーーー......

 なぜこんな事にしてしまったんだろうと思う自分がいる。... だが、後悔はしていない!!!


強襲(笑)

 あれから少し時間が経ち、皆それぞれ落ち着きを取り戻してきていた。

 僕はというと、あらためて死の恐怖、この世界の理不尽さを実感した。

 

 コンコン

 

 「失礼するぞ」

 

 すると慣れた感じのノックをして、一人の女性が入ってきた。

 見ると、黒く艶のある髪を腰まで伸ばし、頭にアンテナ?を付けているとっても背の高い女性だった。

 もしかしたら司令官と同じくらいじゃないだろうか。

 

 皆も入ってきた人物が誰か気になるのか、一斉にドアの方へ視線を移した。

 

 「先程、執務室の下の階にいた夕立から、何か上から物凄い音が聞こえたと話があったんだが...何かあったのか?」

 

 すると女性が司令官に質問を投げ掛けた。

 

 恐らく、いや間違いなくさっきの壁ドンの音が聴こえたんだろう夕立という子が、この女性にその事を報告して、その事が気になったのだろう。

 司令官も少し困った様子で、どう返事を返せばいいのかと、視線を泳がせている。

 

 「あー、その、なんだ、電が転けたんだよ... うん」

 

 「なに!?それは本当か!!?」

 

 「え''っ!?」

 

 悩んだ結果、司令官は電ちゃんが転んだ事にしたようだ。

 それを聞いた女性は司令官に物凄いスピードで詰めより、本当かと確認をとっていた。そのときの女性の顔は... やめておこう。多分、夜寝られなくなるから。

 そして電ちゃんは司令官の言葉に驚き、さらにそれを聞いた女性の反応に驚いているようだった。

 それはそうだろう、だって勝手に『電が転けた』とドジッ娘のレッテルを貼られていってるんだから。

 

 「・・・・・・」

 

 するとその女性は無言で電ちゃんの方へと向き直り、ゆっくりと近づいていき、傍まで行ったと思うと電ちゃんの体をペタペタとさわり始めた。

 

 「ひゃっ!?な、何をしてるのです!?」

 

 「いや、怪我をしていないかみているんだ。」

 

 「いやいやいや!それとは絶対関係ない所まで触ってるのですぅぅぅううう!!!」

 

 「フッ、甘いな。私はお前が転けたところを見ていないんだ。だからどこを打ち付けたのかわからないだろう?だから、体全身くまなくチェックしてるんだ」

 

 明らかに関係のないところを触る女性に電は抗議するように叫ぶと、逆に残念な正論を返されてしまって、しかも触ることに理由を与えてしまい電は「あ... 」と何かを察したように脱力して女性のされるがままになった。

 すると女性は調子に乗ってきたのか服のなかにまで手を入れて電の体をまさぐり始めてた。

 

 ビクッ

 

 流石にこれには驚いたのか電の体が軽く跳ねた。

 

 「フフフ... フフフフフフフフフフフフフフ」

 

 「ヒィッ!!!」

 

 その時の女性の顔が正にトラウマもの並みに凄かったので、僕は情けない悲鳴をあげて司令官の後ろに隠れてしまった。

 そもそも僕は面識がない人にたいしては、かなり怖いと思うようになっているのに、更に怖い顔をされれば正にトラウマものといっても過言ではなかった。

 

 「あ... お、おい... そ、そろそろ確認できただろ... ?だ、だから離してやったら... 」

 

 司令官が顔をひきつらせながら、女性に止めるように言うが、まるで聞こえていないのかその手は、恐らく胸辺りまでのぼり....

 

 「ひにゃぁぁぁああああ!!?もう止めるのです!!!!!!!!」

 

 ズガンッ!

 

 流石に我慢の限界だった電が叫び声をあげ、なにか鉄のものでナニカを殴ったような音がした。

 

 この時、僕は女性の顔が怖くて司令官の背中に顔を埋めていたから、音がしたときに顔をあげてその音の発生元を見ると、魚雷をもった電ちゃんが立っていてそのそばにさっきの女性が倒れていたので、何が起こったのかと頭が混乱していた。




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