響になった僕は人の温もりを知る   作:緒兎

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 二日連続で投稿でーす。

 どうですか?文才あがってきてますか?きてますよね!!そうじゃないと心が折れます。

 というか、暇すぎて死ねる。


怒り、恨み、悲しみ

 暫くして漸く水柱が消えた。

 

 「あ...ひび... き...... 響!!!!」

 

 水柱が無くなってそこに残っていたのは足が無く、全身擦り傷や、裂傷などによって血まみれになり、体の半分ほどが沈んでいる響の姿だった。

 暁は近づいて響を呼ぶが返事はなく、意識を失っている、またはもう手遅れなようだ。

 

 「響ちゃん... 」

 

 睦月や如月も響に駆け寄るが、響の姿を見ると涙が溢れ出て、もう手遅れだということを理解したようだ。

 実際、響の機関部は浸水し、舵もやられ、土手っ腹に穴があいている状態だった。

 

 「うそ... よ!うそよね... ?嘘って言ってよ!響.....グスッ... ヒック... うぅ... 」

 

 暁は響がもう助からないという事実を受け入れられず、何度も響の体を揺すり、起こそうとする。

 が、当たり前のように響は目を覚ますことなく、ただただ血を流し続けている。

 

 「よ...も... 」

 

 「ン?ナンダ?」

 

 「よくも響を!!」

 

 目を覚ますことがないとしった暁は顔を怒りに染めて、いまだに笑い続けていた深海悽艦を激しく睨んだ。

 その顔は今まで怒ってきた顔とは違い、本当に怒りと恨み、それしかないような歪んだ顔だった。

 だが、深海悽艦はそれを見てなお笑い続けていた。

 

 「フハハ... 、恨メ、恨メ恨メ恨メ恨メ!!!!モットニクメ!!!ハハハハッ!!」

 

 狂っている。正にそれしか表現のしようがないくらい、深海悽艦は狂った言葉と笑いを発していた。

 見るものを憎みや恨み、恐怖に陥れるような声で。

 

 ドォンッ!ドォンッ!ドォンッ!

 

 その言葉に更に怒りに顔を歪めた暁は、弾かれるとわかってなお主砲である12.7cm連装砲を何度も撃ち込んだ。

 だが、やはり結果は同じ。いくら撃ったところで圧倒的な装甲の固さに、撃った弾は次々と弾かれていった。

 

 「皆も撃って!!」

 

 「ヒィッ!!?」

 

 暁は怒りに歪んだ顔のまま、睦月達も砲撃するようにと指示を出した。が、返ってきたのは暁の顔に恐怖した睦月の悲鳴だけで、睦月も如月も一発も撃つことはなかった。

 

 「なんで!あいつは、あいつは響を... 響を殺したのに!!なんで攻撃しないの!!?あいつが憎くないの!?殺したくないの!?」

 

 暁はその事に怒りを隠せないのか、未だに一発も撃たない睦月達に怒鳴る。

 すると如月は何かを決心したかのように、暁に何かを言おうと口を開いた。

 

 「暁ちゃん... 逃げよう」

 

 「なっ!!!!」

 

 逃げよう、その言葉は暁にとってかなりの衝撃だったのだろう、その怒りで歪んだ顔を瞬時に驚きの顔に変えた。

 チラリと、暁は睦月の方を伺うが睦月は首を縦にブンブンと振っていて、如月の意見に賛成していた。

 

 「ふざけないでよ........ふざけないでよ!!!響がやられたのよ!?それなのに... それなのにこのまま黙って逃げられないわよ!!!!」

 

 「その気持ちはわかるわ!だけど、だからこそ響ちゃんが守ってくれたことに感謝して逃げるべきじゃないかしら?」

 

 「そうだよ!響ちゃんがなんのために暁ちゃんを守って......守って...... うぅ... 」

 

 睦月は言葉の途中で堪えきれず涙を溢れさしたが、如月は怒り心頭の暁にはっきりと今思うことを告げた。

 その言葉は、暁のことを思ってのことであり、そしてまた、響を思ってのことでもあった。

 

 「でも... それでも......っ!!?」

 

 暁が、それでもまだ戦うという意識を伝えようとしたその時、足を誰かに掴まれた。

 その事に暁のみならず、暁をたしなめようとしていた睦月や如月も吃驚していた。

 それもそのはず、さっきまで倒れていて死んだかと思われていた響が、いつの間にか暁の足元まで寄り暁の足をこれでもかというくらいしっかりと掴んでいたのだから。

 

 「響!?だ、大丈夫なの!!?」

 

 暁はそのことに当然のごとく慌てふためく。

 

 「響...響が生きてる!!よかったぁ... 」

 

 慌てふためいたかと思うと今度は安堵して、安心の声をあげた。

 しかし、響はその言葉が聞こえていないのか、暁の言葉を無視して言った。

 

 「逃げて...生きて...暁!」

 

 もう、声をあげるほどの力も無かったのだろうカスカスの声を出して、響は力尽きたように... いや、実際に力尽きたのだろうそのまま足から手を離し、目を閉じていった。




 誤字、脱字等あればコメント宜しくお願いします。

 あれ?これいうの何回目だっけ... 。

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