天気予報が当たったり当たらなかったりしてますが皆さん体調管理には十分気をつけてくだしあ。私は体調を崩しかけたので人の事言えませんけどね(^^;)
では本編へ。
『右舷2時方向よりキャビノイズ12!』
「CIWS迎撃急げ!」
倭がアルケオプテリクスとの戦端を開いた頃、雨月達第一打撃艦隊はたった1隻の潜水艦によって苦しめられていた。第一打撃艦隊は不本意ながら雨月が盾になっている事で辛うじて被害を押さえ込んでいるが、それも何時まで耐えられるか分からない。倭の記録にもあるように新型超音速酸素魚雷はたった4発でも対46cm60口径用の防御装甲を張っている倭型の艦首すら容易く吹き飛ばす破壊力を持っている。
倭型である雨月が苦戦している相手、それはこの世界に来て初めて倭が遭遇した超兵器の同型艦。
=超巨大高速潜水艦『ノーチラス』=
初の超兵器戦である上に対潜ミサイルVLSが2基と対潜兵装に乏しい雨月には強敵である。海中を40ktで移動しているだけでなく、新型超音速酸素魚雷や68cm誘導魚雷、多弾頭ミサイルを容赦無く連射してくるので対潜攻撃に集中出来ず回避運動と迎撃を強要される。それだけでなく、離れている打撃艦隊の針路上へ感応型機雷敷設魚雷までバラ撒いて来るのだ。
おかげで第一打撃艦隊は何度も回避運動を余儀無くされ、回避の度に神経を磨り減らされる。だが雨月が敵超兵器の主要攻撃を一手に引き受けている間に超兵器との距離を離すべく全艦が全速航行を続けながら超兵器ノイズに悩まされつつ深海打撃艦隊の残存戦力を削り取っていく。
「艦長!第一打撃艦隊より大きく離れてしまっています!」
「後で追い付けば良い!」
「対潜ミサイルの残弾後僅か!」
「構うな!VLA全解放!全弾叩き込め!」
深海打撃艦隊は後方に突然現れたノーチラスの新型超音速酸素魚雷による奇襲雷撃を受け、一瞬にして艦隊戦力の2/3を喪失。壊滅的打撃を受けた上に近付いて来た人類側の打撃艦隊に残存していたタ級とル級が懸命に応戦するも壊滅寸前の艦隊と戦力が整った艦隊では戦力差は歴然であり、次々に巡洋艦や駆逐艦、軽空母が喰われ、ル級の艦橋が弾薬庫の誘爆で吹き飛び、タ級も51cm砲弾で艦橋を撃ち抜かれた所に46cm砲弾で止めを刺されて轟沈していく。
ノーチラスはひたすら雨月との距離を一定に保ちながら雨月が迎撃し切れなくなる程大量の新型超音速酸素魚雷と誘導魚雷、
だが雨月は今まで超兵器戦は経験した事が無い。その上対潜装備も対潜ミサイルVLSが2基だけと貧弱(艦これ界の潜水艦からすれば十分脅威)であり、その対潜ミサイルは既に弾薬切れとなってハッチを堅く閉ざしていた。
そして遂にノーチラスが放つ雷撃の猛攻の前に雨月の機銃群が迎撃し切れなくなり、25mm機銃やCIWSの幾つかは弾薬の補充と銃身の冷却を行う為に射撃を停止してしまう。残った機銃とCIWSの抵抗も空しく、雨月の横腹に5本の水柱が立ち上がる。激しい振動が艦全体を揺さぶり、最上部の第1艦橋も大きく揺れて艦橋妖精数名に怪我人が発生した。
「ぐっ・・・・・・」
新型超音速酸素魚雷5本の直撃と同時に右脇が鮮血に染まり、思わず右の脇腹を抑えて蹲りかける雨月だが、ここで弱気を見せれば艦隊行動に支障が出ると悟り、呻き声以外は何も言わず艦長席を支えに立ち上がって被害報告を纏めさせる。
「右舷中部に5発被雷。現在被害対策班が修理中。」
「現在の艦傾斜角、右舷に4度傾斜中。主砲射撃限界角ギリギリです。」
「左舷に3000トン注水。それで傾斜は戻る。」
倭型にも大和型と同じ注排水タンクを有しており、浸水発生時に注排水を行って水平を保つ様に出来ていたが、史実の大和型と同じ様に注水し続ける事で船足が鈍っていく欠点までも引き継いでしまっていた。
この点は倭も注排水機能と水密区画の強化を行って対処していたが完全に覆え無いので
「っ!ダメです!また注排水装置が作動しません!」
「出撃前に確認したんじゃないのか!何やってたんだお前等!」
『こちら第2タービン室!浸水発生!退避します!』
『第4タービン室です!こちらも浸水が発生!退避させてもらいます!』
二次災害に焦る副長達を嘲笑う様にノーチラスは新型超音速酸素魚雷を乱射し始める。その数48本。海面を埋め尽くす様に迫る魚雷を見た雨月は一瞬だけ青褪めたが、その中で直撃コースの魚雷のみが別方向から疾走して来た魚雷と衝突して早爆する。その間に何とか復旧したCIWSが再び火を噴いて残った魚雷を破壊していく。
時速5400kmで迫る新型超音速酸素魚雷を早爆させるには同等の魚雷が必要だ。しかし今回の作戦に時雨や夕立は後方支援任務で前線には来ていないので、そのような魚雷を搭載した艦は居ないはず。
視線を自分の進行方向へ向ければ、1隻の軽巡洋艦が堂々と航行している。球磨型軽巡洋艦4番艦にして重雷装艦大井は本来打撃艦隊に随伴していた水雷戦隊に居る筈だが、雨月の危機を察知するや否や旗艦の武蔵の命令を無視して雨月の救援に駆け付けたのだ。
「大井、君は水雷戦隊に戻れ!今の君が敵う相手ではない!」
『貴方が居なくなると色々と大変です。それに私の人生設計に狂いが出ます。それだけは全力で阻止します。』
「・・・どうなっても責任は取れないぞ。」
『死ぬ気はさらさらありません。』
『所詮はデストロイアの
大井との会話に割り込んできた憎悪の篭った陰湿な男の声。それこそ雨月と戦闘中のノーチラスのもの。
そして『デストロイア』という単語は帝国軍時代、耳にタコが出来そうになるくらい聞いた一隻の戦艦に対する識別名の一つ。別に駆逐艦を英語で表す『
帝国兵の目には全てを力で捻じ伏せて破壊していくその戦艦の姿が破壊者として映ったが故に付いた呼称なのだ。言わずと知れた自分の兄の事だ。だがそれでも模造品と言われた事には腹が立つ。
ここでこの超兵器を自分の力で葬る事が出来れば模造品として扱われてきた自分から抜け出せるかもしれない。浸水も食い止め、傾斜も復旧させた雨月は海面から僅かに見え隠れするノーチラスの潜望鏡を主砲で狙い撃った。
「1番、撃ぇ!」
『くっ!潜望鏡が・・・!』
奴も音探や電探を使って攻撃しているが、あの潜望鏡を出していた理由は恐らく『自分の攻撃で逃げ惑う姿を見て楽しむ』という奴に乗っていた艦長の癖からくるものだろう。戦果確認を目視で行うという意味もあっただろうが、間違いなく前者の確率は大。そうなれば奴は自分の楽しみを奪った者を粛清すべく浮上して砲撃戦に持ち込んでくるのは明白の理。
「主砲に徹甲榴弾を装填。」
『徹甲榴弾装填!』
「メインタンク排水音。超巨大高速潜水艦ノーチラス浮上!」
『俺の楽しみを奪うとは良い度胸だ!貴様等2隻ともここで鮫の餌にしてやる!』
海中から浮かんできたのは灰色の巨大な潜水艦。しかし到底潜水艦とは思えない程にその身に纏う武装と装甲は強力なものだ。早速雨月に50.8cm75口径連装砲、多弾頭ミサイル、新型超音速酸素魚雷が雨霰と飛んで来た。
多弾頭ミサイルに対して副砲が応戦し2基のCIWSが弾幕を追加する。しかし、25mm機銃の一部は完全に修理が終わっておらず、迎撃するには些か心許無い。
量産型のテストベッドとして少しでも低コストを実現すべく艦の各所で簡略化も行われたが、それは機銃のシールドも例外ではなかった。その為、雨月の機銃に取り付けられている防弾シールドは30mm程で、倭の様な75mmもの分厚さは持っていない。
ノーチラスが搭載する50.8cm75口径砲は56cm砲に匹敵する威力を持ち、この世界の艦娘の装甲など障子紙を破るように容易く撃ち抜かれてしまうが、雨月は倭同様に超大口径砲弾の直撃にも耐えうるだけの防御力を有している。
当然ながら装甲が非常に薄い上に被弾すれば即轟沈となってしまう大井を護る様に砲撃戦を行おうとした矢先、ノーチラスの主砲が友軍機動艦隊方面に向き、火を噴いた。砲撃を行った先に居たのは機体の各所から火を噴きながらも狂った様に砲弾とロケット弾を放ち続けるアルケオプテリクス、と攻撃を避けつつ追い掛けて来た
傍から見れば倭が押されて防戦一方の様に見える。しかし、防御に必死になっているのはアルケオプテリクスの方であり、碌に狙いを定めないまま撃った砲弾が明後日の方向に飛んで行っている。その弾幕の隙間をすり抜けながら倭は副砲と両用砲を精確に命中させ、確実に飛行機能を剥ぎ取り続けていた。
雨月も何とかノーチラスに食い付こうとするが浮上したノーチラスの速力は62ktと高速を発揮し、被雷の影響で30kt前後でしか航行出来ない雨月を引き離しつつ更なる雷撃を加えるも、雨月の後ろから姿を見せた大井が同じ様に雷撃を行って魚雷同士を相殺させるという荒業をもって雨月に迫る危険を排除してまた雨月の後ろへ隠れる。
「ノーチラスより魚雷多数接近!10・・・20・・・30・・・数え切れません!」
悉く迎撃される事に業を煮やしたのか、雨月達が処理し切れないほど大量の魚雷を放ち、追撃とばかりに多弾頭ミサイルも連続発射してきた。だが、発射された直後、巨大な影が雨月とノーチラスの間に落下し、衝撃と海水を撒き散らしながらノーチラスから放たれた新型超音速酸素魚雷と多弾頭ミサイルの大半を浴び、バラバラになって沈んでいく。
落下してきた影の正体は、アルケオプテリクス。倭の放つ改三式弾の餌食となってエンジンと姿勢制御用ブースター等の姿勢制御装置の大半が吹き飛ばされ、姿勢維持が出来なくなったまま雨月とノーチラスの間に墜落し、新型超音速酸素魚雷や多弾頭ミサイルで吹き飛ばされる事を余儀無くされたのだった。
『・・・・・・アルケオプテリクスの撃墜を確認。雨月、
「兄上・・・分かりました。ご武運を。」
『模造品風情がこの俺を倒せると本気で思っているのか?貴様如きに沈められる訳が無い。』
『浮上しなければお前の勝ちは決まっていただろうな。潜望鏡が壊された位で浮上する間抜けはお前くらいだよノーチラス。雨月、
そういうと同時に倭が観測型に切り替えた晴嵐改1機を射出。要するに観測は手伝うが後は自分でやれ、という事だ。
「了解!主砲全門斉射!」
『ぬぐぁっ!?』
雨月の放った徹甲榴弾が無防備に晒されたノーチラスの横腹へ吸い込まれ、灰色の船体外殻部に突き刺さり、大きな亀裂を走らせる。突き刺さった砲弾はその勢いを幾分か減退させられたものの、水密区画などを貫いて前甲板に設置された多弾頭ミサイルVLS群に飛び込んで信管を作動させた。
徹甲榴弾が炸裂した事によって装填中・装填済みの多弾頭ミサイルが相次いで誘爆を起こし、VLSハッチが千切れ飛んだ。ノーチラスの前甲板が盛大な炎を吹き上げると上空に居た晴嵐改は何を思ったのか魚雷を投下して急旋回で離脱。命中はしたが、ノーチラスにとって無視できる程度の攻撃のはずだった。―――それが“無傷の状態”であればの話だったが。
当たった箇所は雨月の攻撃によってメインタンクに生じた亀裂から1m横というすぐ側に当たった事が災いした。浮上時には62ktで航行出来るノーチラスだが、高速で進む事によってメインタンクの亀裂を更に広げられる形となり、大量の浸水でノーチラスの速力が大きく低下し、左へ傾いていく。
『馬鹿な?!あの程度の攻撃で?!』
「お前の慢心、という事だ。沈め!」
再び61cm砲が火を噴く。12発中5発は司令塔の中程を貫通して穴を穿ち、司令塔後部の50.8cm砲や舵を吹き飛ばした。残りの7発は残念ながらノーチラスの反対側へ着弾。やられた分のお返しとノーチラスに1基だけ残された50.8cm砲が反撃を行い、2発とも雨月に命中。
1発は3番主砲上部の天蓋に直撃したものの弾かれ、一瞬だけ火花を散らして雨月の影に居た大井の上を通り越して着弾。しかし残りの1発は雨月の後部艦橋をまともに捉え、通信室が瞬時に消滅し、余波で後部超怪力線照射装置が損傷してしまう。これによって司令塔で指揮を執っていた雨月は右肩と腰に走った激痛で再度倒れかけたが、何とか持ち堪えていた。
(兄上は・・・もっと、痛い思いをしてきた・・・・・・この程度・・・兄上の受けた痛みに比べれば・・・万倍マシだ・・・)
被弾して砲撃を止めてしまった雨月にノーチラスは容赦なく次の攻撃を放った。無砲塔型の誘導荷電粒子砲ⅢとβレーザーⅢを発射し、電磁防壁βに阻まれるがお構い無しにレーザー攻撃を続けて電磁防壁の出力低下を狙っていた。
だが雨月も負けじと砲撃で応戦し、主砲と副砲の乱打を叩き込む。副砲の破損に目を瞑れば主砲の火力だけでも十分押し切れるが、超兵器を甘く見て返り討ちに遭う可能性がある。放たれた多数の砲弾はノーチラス全体に叩きつけられ、最初に付けられた傷を更に大きく、深く広げて行った。
『・・・この・・・俺が・・・こんな模造品如きに・・・・・・ま、負けると言うのか・・・クックックッ・・・今は精々ぬか喜びに浸るが良い・・・』
「・・・どういう事だ?」
『・・・・・・摩天楼様はもうすぐ御目覚めになられる・・・その時は・・・・・・貴様等など・・・・・・ハハハハハ!地獄で貴様等の足掻き振りを見物させて貰うぞ・・・フハハハハハハハハハ!』
「・・・・・・」
気味の悪い笑いをしながらノーチラスは大爆発を起こし、船体上部が殆ど吹き飛んだ。そのままノーチラスは二度と浮上せぬ永遠の潜航を始め、海上から姿を消した。
「・・・・・・修理状況知らせ。」
「被弾箇所の修理がもう間も無く終了・・・と言いたい所ですが、鎮火まではもう暫らく掛かります。浸水箇所の閉鎖は全て完了。付近の水密区画の補強も終了しています。倭から修理班2班分貸してもらっていて助かりました。」
「今の所周囲に敵影はありません。発揮可能速力は最大35kt。」
「それなら良い。早く第1打撃艦隊に合流しよう。しかし、通信機器は前艦橋のを使えば問題無いとして後部艦橋と後部レーザーがやられたのは痛いな・・・」
ノーチラスとの戦いは雨月が制した。だが人類側の艦隊と倭は未だ戦闘中。機動艦隊もエレベーターの修理で暫らくは戦えない。
超兵器の奇襲で壊滅し、人類側の追撃を受けてほぼ全滅した深海打撃艦隊より後方に居た事で難を逃れていた深海機動艦隊は旗艦である空母棲姫を中心に空母ヲ級やヌ級、タ級、ル級を幾隻も従え、無数の重軽巡に駆逐艦を展開して待ち構えていた。が、そこへ春風の放った32発のトマトークが何の前触れも無く飛来し、タ級・ル級4隻ずつが相次いで轟沈。戦艦に命中したトマホークの弾頭は通常単弾頭だったが、同じ様に狙われていた空母棲姫・空母ヲ級・軽空母ヌ級に飛来したトマホークは違い、空母達の横腹に突き刺さった瞬間に艦内部で気化弾頭の信管を作動させ、内部で強烈な爆発を起こす。
ヲ級やヌ級は1発命中しただけで沈んで行ったが、空母棲姫は悲惨な目にあっていた。直撃した瞬間に全方位に向けて解放されたエネルギーの大部分は飛行甲板へと集中し、周辺区画も纏めて吹き飛ばす。いかに堅牢な装甲を張り巡らせた飛行甲板といえど、強烈な破壊エネルギーの奔流には抗う事すら許されなかった。空母棲姫の飛行甲板が飴細工の様に膨れ上がって火を噴き出す直前、遅れて飛んで来た最後のトマホーク1発が艦後部に直撃し、弾薬庫等と共に大爆発を起こした。これが致命弾となり、空母棲姫は燃え盛りつつ3つに分断されて沈んで行った。
たった数隻の艦によって打撃艦隊はもとより機動艦隊までが壊滅した事実と超兵器の複数同時出現は中間棲姫を震撼させ、更に重爆隊を発進させて人類側への逆襲に向かわせた。
発進した重爆は見た目がB-36『ピースメーカー』そっくりだが、胴体上部と下部が角ばっており、上面部には排気口らしきものが見える。その名はB-32『フライングデビル』と呼ばれる重爆撃機の1種で、ここミッドウェー基地で試験運用されていた。
この機は2つのバリエーションがあり、B-29などと同じ高高度爆撃型と、胴体内部に対地・対艦攻撃用ロケットランチャーを納め、低高度からの掃射攻撃型の計画が上がって掃射型は問題無く完成したが、高高度爆撃型はエンジンの不調なども相次いだ為、試験中であった。
そこへ人類側がミッドウェー再攻略に乗り出したとの暗号文が届いた為、急遽、掃射型のみが実戦投入されることになったのだった。比較的低高度で接近していけば人類側のレーダーに捉えられないと中間棲姫が判断した事もありその任務に適していた掃射型のフライングデビル20機は人類側の打撃艦隊目指して進み続けていた。
だが、倭・雨月・春風の3艦によってその姿は捕捉され、位置情報は逐一打撃艦隊に齎され、敵重爆隊の燃料を損耗させつつ打撃艦隊にとっての最適針路を弾き出し続ける春風は雨月に対空射撃指示すら出していた。それも全ては超兵器を相手にしている倭の邪魔にならない様にする為。
敵重爆隊から『敵艦隊捕捉出来ズ。シカシ単独行動中ノ大型戦艦ヘ攻撃ヲ勘行スル。』との報告が入るや否や、中間棲姫はすぐさま基地航空隊の全稼動機を発進させた。これで人類側打撃艦隊は撃滅され、後は人類側の機動艦隊を叩きのめせば良いだけだと確信していた。―――そう、フライングデビル達が捕捉した戦艦によって全滅させられる運命だと最初から分かっていれば他に選択肢はあっただろうが。
雨月がノーチラスとの戦いを制した頃、倭は3隻目の超兵器と交戦を続けていた。その超兵器は艦上構造物は大和型の物を踏襲している事が分かる。だが、船体と兵装は違っていた。舷側には本来切断用に使われる巨大な回転ソーが両舷に2つずつ。艦尾の形状からして水流推進を採用したタイプらしい。この超兵器最大の特徴は艦首で半分海面下に浸かったままの巨大なドリル。あれに接触すれば、どう足掻いても轟沈は免れない。
兵装には3連装の
「・・・・・・あのドリルから見て、間違いなく荒覇吐型なのは分かるが・・・」
「これはまた奇妙な位置にドリルが付いてますね。おっと荒覇吐47.8ktで接近中!」
「主砲砲撃用意。通常徹甲弾を装填。次弾は硬芯徹甲弾。これより再度超兵器戦に突入する!」
アルケオプテリクス・ノーチラスの両名が脱落した今、残った超兵器は目の前の荒覇吐のみ。出来る限り短時間で始末しなければ味方艦隊にまで被害が及びかねないし自分も危険だ。最も、奴を仕留めるまで俺は死ねないがな・・・良いさ、さあ勝負だ荒覇吐!
‐戦闘結果‐
・雨月vsノーチラス
雨月:小破
ノーチラス:轟沈
・倭vs荒覇吐
戦闘継続中
いやー遂にやってきましたよ男の浪漫兵器が。どうやらWSC3から馳せ参じてくれた模様ですww
え?ノーチラスはもっと魚雷撃たせとけって?面倒だからヤダなぁ(建前)…魚雷乱射させねー勢いで速攻かけたら撃沈できるんだよぉ!(本音)
ん?アルケオが悲惨?ん~?何の事かナァ?(ゲス顔)
深海棲艦など所詮超兵器の餌ですよ餌。私が深海棲艦に勝利を与えるとお思いd(ここから先は血で濡れて読めない)