もしも、苗木が希望厨だったら   作:黒いオオカミ

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 よくタイトルが書いているから勘違いする読者がいるけど、そんな読者には希望なんて見いだせないね。絶望にもなりえない凡人だよ。


入学前

「お兄ちゃん、誰に喋っているか知らないけど・・・牛乳要らないの?」

 

「いや、いるけど?」

 

 僕はこまるから、牛乳の入ったコップを頂く・・・あ、決して読者が考えている様にこまるのぼ「お兄ちゃん、変な事考えていない? 幾ら、私でも怒るよ?」

 

「あはは・・・こまるは、エスパーもあるんだね。感服ものだよ」

 

「兄妹だから、嫌でも分かるんです・・・例えば、お兄ちゃんが隠しているエロ本やエッチなDVDの隠し場所。お兄ちゃんの好きなジャンルとか・・・あと、それと・・・」

 

「あ、もういいよ・・・僕のライフが0に近いから。後、どうやって調べたの?」

 

「そりゃ・・・お兄ちゃんの部屋に隠してあるカメラと盗聴器で・・・って、変な事を言わさないでよ!!」

 

「うん、変な事は言わせたつもりはないし、後で部屋を隅々まで調べないとね・・・」

 

 普通の一般家庭では冗談じみた発言でも、半信半疑程度で信じる程度だけど、僕の妹のこまるは自意識過剰かもしれないが僕が好き過ぎて本気でしかねないからである。個人情報保護法と言った法律なんて苗木家では無意味なのである。

 そんな事を思いつつ、まだ寝る時間帯ではないので適当にテレビを付けておくと、運が良い事に『ピィー』が出ている番組で、超高校級のアイドルである舞園さやかさんが出演していた。

 

『・・・さやかちゃんはさぁ? あの有名な希望ヶ峰学園に入学するって聞いたけど、今でも凄いのに、どうして入学しようなんて決めたのかしら?』

 

『はい・・・希望ヶ峰に卒業して、それをステータスにし、私と同じグループである仲間達と一緒にもっと活躍出来る様になる為に希望ヶ峰に入学を決めまし』

 

 この番組の司会者の様な立場である『ピィー』さんは、舞園さんの発言を聞いて一応納得はしていたが、彼女は意地悪な質問をしてきた・・・

 

『あら、さやかちゃんならソロでも活躍できそうだし、それにあやかちゃんって子なんかグループには場違いって思うけど、それはどう思っているのかしら?』

 

 バラエティ番組でよくあるフリートークは、舞園さんの表情を一瞬だけであったが、引きつっていた。

 『ピィー』自身の他愛もない質問なのか、番組のプロデューサーのイジワルなのかはゴミ屑の僕だからこそ分かりかねないが、答え方次第では彼女の仕事が激減する事も有りえるからだ。

 

(さぁ、舞園さん・・・この絶望からどう立ち向かうのかな?)

 

 そう僕は期待していると、グーギュルルル・・・とお腹が鳴りだし、腹痛に見舞われた。

 僕自身、我慢して舞園さんが何て答えるのかを見ると言う選択もあるが、僕の不運が見舞われたら、トイレが確実に詰まる可能性がある為、潔く行く事にした・・・

 

 5分後・・・トイレで何とか出して、気持ちよくなったので戻ってみると、舞園さんとのディープに近いトークは終わっており、他愛もないトークになっていた。

 

「はぁ・・・まぁ、5分間もトイレに行っていたら、当り前だよね」

 

『さやかちゃんに聞きたいんだけど、希望ヶ峰が70期生から超高校級の幸運っていう運がらみの才能も採用しだしたけど、どう思っているのかしら?』

 

『・・・どうって言われましても、一般高校生から採用しだした幸運や不運も運だけとはいっても、私達の世界も運も必要ですし、入学は当たり前だと思いますよ』

 

『・・・あら、そう。じゃあ、今年の78期生から入学する超高校級の幸運枠で入学する苗木誠って言う子が入学するけど、舞園ちゃん的にはどう思うかしら?』

 

『・・・はい、そうですね。全国の高校生の中から抽選とはいえ、幸運と言っても過言ではないと思います。苗木誠君には私自身も応援し、彼自身も頑張って欲しい思います』

 

『そういうのじゃなくて、舞園ちゃんと苗木君って言う子も同じ出身校だから、どういった関係なのかを聞いている』

 

 またディープな質問であった。スタジオに来ているお客もざわざわ・・・と騒いでいた。

 確かに僕と舞園さんは同じ中学ではあるが、クラスも違うし、僕自身はゴミ屑だと理解しているから一度も話したことがない為、特別的な関係ではない。

 まぁ、それでも・・・テレビや記者からしてみたら、興味のある話題なのだろう。

 

(さぁ、今度こそ・・・この絶望からどう立ち向かうのかな?)

 

 そう思っていると、ピィ・・・とテレビが切られた。

 

「お兄ちゃん!! テレビばっかり見ていないで希望ヶ峰の入学願書と夕闇高校の退学届を書かないとダメでしょう!!」

 

「こ、こまる・・・一応言っておくけど、入学願書が今日届いて、明日には入学式なのに、向こう側の不備なんだからさぁ・・・」

 

「へぇ・・・あ、そうだね。だけど、流石に退学届は書いておくべきじゃあ・・・」

 

「悪いけど退学も糞も、向こうから学校に籍を入れているだけで、一切出席をしなくてもいいって頼んできたんだけど? それこそ電話で頼めば簡単に了承してもらえるけど?」

 

「ご、ゴメン・・・嫌な事を思い出させちゃって・・・」

 

「別にいいよ。僕みたいなゴミ屑が居られるだけで、相当迷惑なのは僕自身が嫌でも理解しているし・・・」

 

 補足しておくと、夕闇高校の校長自身が頼んできた事である。授業に出席はしなくても良い代わりに、テスト時は別の教室で受けて、ちゃんとした点数さえ取っていれば進級や卒業を認めると・・・

 そう言うのを認めるのは、大体が超高校級の才能を持ったものか、訳有りの学生である。

 まぁ、僕みたいなゴミ屑の場合だと、後者だけどね・・・その為、基本的には家で過ごしているのが多いのである。

 

「あまり、こういうのは言いたくないんだけど・・・お兄ちゃんが希望ヶ峰に入学したら確実にイジメ被害にあいそうで怖いし・・・」

 

「あはは・・・イジメに合うなんて、酷い言われようだね」

 

「・・・だって、お兄ちゃんはネガティブだし、希望ヶ峰に入学する生徒の大半が危なそうな生徒だよ? 妹として心配するのは当たり前だよ!!」

 

「まぁ、大丈夫だよ。僕みたいなゴミ屑でサンドバックや空気抜きの代わりになるなら、この身を捧げるし・・・こまるも僕が居ない方が嬉しいだろう?」

 

 「ふざけないでよ!」とこまるは、バン!と机を叩いた・・・

 

「お父さんもお母さんもいないのに、頼れる親戚の人も自身の利益しか考えていないのに、お兄ちゃんがいなくなると、私は一人ぼっちなんだよ? いなくなった方がいいって気軽に言わないでよ!!」

 

「ほら、落ち着いて・・・深呼吸、深呼吸。大丈夫だよ、こまる。こんな兄思いの妹を残して死ぬなんてしないからさぁ・・・」

 

「ぐす・・・それならいいよ。取り敢えず、明日は朝練とかあるし、早く寝ないといけないから、一緒に寝ようよ」

 

「うん、分かったから、引っ張らないでよね」

 

 情けない事に、1歳年下の妹に引っ張られるなんて、自分でも同情したくなるよ・・・

 

 

 

「えへへ・・・お兄ちゃん、一緒に寝ようね!」

 

「分かったから、そんなに引っ付くなよ。それに、ほぼ毎日一緒に寝ているだろう」

 

「まぁ、そうだけどさぁ・・・学校側が強制的に寮生活とかを強いられたら、お兄ちゃんは家にいなくなるし・・・」

 

「まぁ、その場合は希望ヶ峰を辞退するけど・・・」

 

「・・・そりゃあ、お兄ちゃんと一緒にいられるからいいよ。それでも私的には、今のお兄ちゃんは嫌いじゃないけど、希望ヶ峰に入って変わってほしいって言うのが本音かな?」

 

 そういって、僕に抱き付いていた。「ぐぅ・・・」とイビキを掻いて寝ていた。

 

「寝るの早すぎるだろ・・・」

 

 それから数時間後、拷問のような時間である・・・

 ハッキリ言えば、こまるの嫌いな所を一つあげるとしたら、寝相が悪い事である。普通に聞けば、寝相が悪い=蹴りやパンチが飛んでくる。変な方向になっているとあげられるが、こまるの場合は・・・

 

「うぅん、お兄ちゃん。スキィ・・・」ギュ

 

「こまる、頼むから離れてよ・・・」

 

 うちのこまるは、僕と寝る時だけはくっ付いて寝てくるのだ。ただ単にくっ付いて寝るならまだいい。僕の顔に胸を押し当てて、腕に抱き付きながら寝るのだ。逃げる事も出来ないのだ。

 こまるの胸の柔らかい感触と、お風呂に入った時の石鹸の匂いと女の子特有の匂いのせいで、僕の理性が爆発寸前なのである。

 誰もがリア充爆発しろ! と思う展開だが、実の妹である為、手を出さずに耐えなければいけないのだ。これは思春期男子にとっては拷問と言わざる得ないであろう・・・

 

 そんな拷問のような行為をされて数時間、苗木誠は目を覚ましたのは朝の6時半くらいである。

 

「はぁぁああ~! あまり、寝れなかったな・・・」

 

 僕は欠伸をして、目覚まし時計を見てみると・・・本来なら6時40分に起きるべきだが、10分早く起きてしまったようだ。

 

「取り敢えず、さっさと朝ごはんを食べないとな・・・」

 

 そう言って、僕はパジャマ着のままで階段に降りた

 キッチンに行くと、テーブルにはこんがりと焼かれた食パン2枚。目玉焼きと野菜サラダと昨日の残りのシチューである。後は、メモ帳で『私はラクロス部の朝練があるので、昨日の残り物をチンして食べて下さい こまるより』と書かれたメモが置いてあった。

 

「こまる・・・目玉焼きは要らないって言っているのに、僕の分まで作るなよ」

 

 僕は愚痴を零しながら、目玉焼きを別の所に置いておく。一般家庭での目玉焼きは、玉子を割って焼いたのが支流だろう。苗木家の目玉焼きは、鮪の目ん玉を焼いたのが支流である。

 そりゃあ、目玉焼きよりも健康にいいよ。DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)やビタミンB1などが含まれているらしいよ。原型さえなければの話しだけど・・・

 

「はぁ、テレビでも見るか・・・」

 

 ピィっと動かしにくい左腕を使ってリモコンを変えると、丁度良く○スドのCMであった。

 

『あの、オリンピック候補生と言われる程の有名な超高校級のスイマーである朝日奈葵さんも食べているドーナツは、この○スター○ーナツ店のドーナツです』

 

『えへへ、○スター○ーナツ店のドーナツを食べて、全国大会も優勝しているんだよ』

 

 そういって、スクール水着の朝日奈さんが○スター○ーナツ店の袋を持ちながら、そこからドーナツを一つだけだし、それを食べて見せていた。

 

『そんなドーナツが、なんと全品10円引きでお売りいたします!』

 

『びみょ・・・10円引きされたら、どんなドーナツもお手頃に食べられるよ!!』

 

 うん、おもっきし微妙って言いかけていたけど、確かに微妙だね。10円引きされても300円の商品なんてあるのにさぁ・・・




 現実的に考えて、超高校級と言われる生徒が●いとも等や●曜は●ふかしに出て来るのかが怪しいんだけど・・・
 だれか、ハールメンでルビ等の仕方を教えてくれると嬉しいです。

それと、
『俺ガイル』比企谷八幡の前世が織田信長のようです
『俺ガイル』総武高校に花山薫が入学するようです
『ダンロン』もしも、苗木がカムクライズルプロジェクトを受けたら(苗舞要素)
『俺ガイル』比企谷八幡が希望厨のようです
『俺ガイル』坂町銀時が、比企谷八幡に転生したようです
『ダンロン』苗木の前世がヒトラー(もしくはスネーク)のようです

・・・思いついたけど、描けないので、誰か書いて頂けると嬉しいです。

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