もしも、苗木が希望厨だったら   作:黒いオオカミ

1 / 4
 スーパーダンガンロンパ2? 何それ・・・美味しいの? 狛枝らしさがなくても作者は知らないからね?


平凡な暮らし

「ふんふん・・・今日は、美味しいお料理♪」

 

 タンタン・・・と鼻歌交じりで、包丁で鰐肉(わににく)を切っている少女は、セーラー服にハートのピンク色のエプロンを身に付けている。

 彼女の名は、苗木こまる。兄、苗木誠の実の妹で、兄よりも1歳年下の中学三年生である。

 

「お兄ちゃん。遅いな・・・何処で道草食っているのやら」

 

「やぁ、こまる。ただいま! 御免、帰りが遅くなってさぁ・・・」

 

「おかえり! もぅ、お兄ちゃんは何処で道草を・・・ひぃ!」

 

「あはは・・・こまる、驚き過ぎだよ? そりゃ、昨日クリーニングに出したばっかりなのに、服を汚したのは驚くけどさぁ・・・」

 

「血が、血が・・・」

 

「こまるも慣れてほしいな・・・たかが、血くらい何回か見ているんだからさぁ・・・」

 

 ガタン・・・苗木こまるが包丁を落としてしまうほど、驚いていた。

 苗木こまるが驚くのは無理もないだろう。兄である、苗木誠の服にはショッキングピンク色の血がべったりと付いているのだから・・・

 普通の人でも、自身の兄が血塗れで帰ってきたら、対応に困るものであるが・・・

 

「また、ギャンブルしてきたの!! 血なんて簡単に落ちないんだから、さっさと脱いでよね」

 

「あはは・・・ごめんごめん」

 

 この兄いて、この妹あり・・・この兄弟は異常なのか、人よりも感性がずれているのは不明である。

 

 

 

 血の付いたパーカーと制服を青色の桶に、洗剤を入れて付けて、兄である誠自身に血の付いた服を自身で洗わせて、こまるは料理をテーブルに置いていく。

 

「もぅ! 何で、またギャンブルするのかな? お兄ちゃんは!!」

 

「ほら、落ち着いて深呼吸。深呼吸。それに安心しなよ、こまる。僕が運良く死んでも、生命保険金は全額こまるに入るようにしているからさぁ」

 

「何で、運よくなのさぁ!? それに、そういう問題じゃないよ! もう少し、お兄ちゃんの身も考えなよ!」

 

「大丈夫、大丈夫・・・比較的安全なギャンブルだからさぁ」

 

「比較的安全っていうけど、Eカードとか、鉄骨を命綱なしで橋渡りとかでしょう?」

 

「あはは・・・そんな、アブノーマルなのではないよ。拳銃に6発中5発の弾を入れてのロシアンルーレットをしただけだよ」

 

「もういいよ。何処が、比較的安全なのか全然分かりかねないよ・・・」

 

 「ほら、落ち着いた所だし、もう食事をしようよ」と苗木誠が言うと、こまるが「全然落ち着いていないし、お兄ちゃんのせいでしょう!」とどこでもある兄妹の話し? である。

 苗木兄妹は、「「頂きます!!」」と言い、食事をしだした・・・。

 

「で? こまる。今日の晩御飯は何なんだ?」

 

「見ての通りだけど、シチューとご飯と玉子と野菜サラダとコロッケだけど?」

 

「父さんと母さんが好きな料理だね? 今日は何かいいことでもあったのかな?」

 

「うーん。今日はお兄ちゃんにとっては良い話とこまるにとっては悪い話が二つあるけど、どっちを先に聞くのかな?」

 

「じゃあ・・・こまるにとっては悪い話で。かな?」

 

「ふーん・・・明日から5年間はお兄ちゃんと離ればなれになっちゃいます。寂しくて、寂しくて悲しいんだよ?」

 

「あれ? 意外だね・・・こまるの事だから、僕との血の繋がりのないとかがくると思っていたんだけど?」

 

「そうそう・・・血の繋がりがないと、お兄ちゃんとのあんな事やこんな事が世間帯を気にせずに合法的に・・・って、違うから!! それで、お兄ちゃんにとっては良い話だけど・・・」

 

「あれ? 強制的に話すんだ?」

 

「何と、あの有名私立の希望ヶ峰学園からお兄ちゃん宛に手紙が届きました!!」

 

 そういって、こまるから手紙を貰うと・・・

 

「ねぇ、こまる。ピンセットとかってないかな?」

 

「そこまで、厳重な事しなくてもいいと思うけど?」

 

 そんな会話をしつつ、丁寧に封を開けると・・・『あなたは超高校級の幸運として私立希望ヶ峰学園の生徒に選ばれました。つきましては現在在学中の高等学校を中退して、〇月〇×日に本校に来てください』と書かれた文面があった。

 少し、横暴すぎないか? と思われるような文面が書かれている希望ヶ峰というのは、あらゆる分野で優れた高校生を集めた学園、ここを卒業すれば人生の成功は間違いなしと言われている程で、入学は現役高校生に対するスカウトが支流である。まぁ、僕みたいなゴミ屑みたいな例外もあるけど・・・

 

「あはは・・・まさか、僕みたいなゴミ屑が選ばれるなんて、希望ヶ峰も落ちたものだね」

 

「そこまで悲観するんだ・・・それに、幸運と言えどもお兄ちゃんにはピッタリな才能だよ。私なんか、幸運や不運ですら入学なんて難しそうだし・・・」

 

「それは違うよ! いいかい、こまる。僕みたいなたかが訳有りの幸運程度の才能よりも、こまるは可愛いくて優しくて・・・それに、僕の幸運でいなくならない唯一の大切な妹なんだ!」

 

「ゴメン・・・変な事言っちゃって。だけど、妹どまりはちょっと嫌かな?」

 

「へぇ・・・あはは、ごめん、ごめん。さぁ、食事をしようよ」

 

 そういって食事をすると、シチューをスプーンから救うと・・・鮪の目ん玉が出てきた。しかも、僕に目を合わせて・・・

 

「ねぇ、こまる? シチューから鮪の目ん玉出てきたんだけど?」

 

「へぇ? あ、それ当たりだよ。いいなぁ・・・結構入れたのに、私のは全然出てこないんだよ?」

 

「あ、じゃあ僕のあげるよ。多分・・・いや、結構入ってそうだし・・・」

 

 此れが今回のギャンブルの勝ち分に対する不運が来たのなら安いくらいである。僕はそう思いつつ、コロッケを口に含むと・・・

 

「・・・ねぇ、こまる? コロッケの肉変えたのかな?」

 

「へぇ、気づいた!! 今日はお兄ちゃんの祝希望ヶ峰っていう事で、カンガルーのお肉を使ったコロッケ。で、シチューのお肉は鰐肉と羊の肉を・・・」

 

 訂正・・・やっぱり、不運が大きいよ。

 それと、母さんが生きていた頃は、色々な肉を使って料理したり、下手物料理が多いのは普通の家庭でもあることだよね? そうじゃないと、僕がどんなけ不運すぎるんだよ! と言いたくなるから・・・

 

 

 

 僕は何とか食事を終えた後、お風呂に入る事にした。血渋きとか結構掛かってたし、此れも、不運と解釈すれば安いものだが・・・

 

「はぁ・・・まさか、僕みたいなゴミ屑代表が希望ヶ峰に入れるなんて・・・辞退でもしようかな」

 

 苗木誠は基本的に、ネガティブで人よりも少し後ろ向きである。そんな彼だからこそ、希望ヶ峰はあまりにも大きすぎるのだ。

 無論、苗木は貧乏ではない。ハッキリ言えば、ギャンブルや宝くじで結構設けている分、お金は腐るほどあるのだ。

 そして、何よりも・・・

 

(こまるを一人ぼっちにするのは嫌だからな・・・)

 

 此れが、彼の本心である。

 苗木こまるは中学3年生である。幾ら自炊や家事が出来るとは言え、一人でこの家に暮らすのは可哀想だし、だからと言って、親族の誰かに面倒を見て貰うのも問題はないが・・・それが一番怖いからだ。

 

(辞退でもしようかな・・・こまるの事には変えられないし・・・)

 

「お兄ちゃん! 私もお風呂に一緒に入ろう!」

 

「ちょ、待った。こまる」

 

 僕はすかさず目を隠し、こまるの裸を見ない様にすると、流石にタオルで隠していたらしい。流石に、幸運が回らない(苗木的には、それでいいが・・・)

 

「あれれ、お兄ちゃん。まさか、私が全裸で入ってくると思ったの? 幾ら、兄妹でも弁えるよ?」

 

「こまるが中学生になっても全裸で一緒に入ろうとするからだと思うけど? 一応、僕も思春期の高校生なのにさぁ?」

 

「・・・へぇ? お兄ちゃんは私の事を異性として見てくれてたんだ! じゃあ、次は全裸で入ろうと!」

 

「ねぇ、何でそうなるの? 少しは自主しようよ?」

 

「えー、いいじゃん。兄妹なんだしさぁ・・・じゃあ、身体洗いっこしようよ!」

 

 そういって、僕を持ち上げるこまる。僕の人権なんて関係なく、身体の隅々まで洗いっこされてしまった。

 え? 洗いっこの描写? そんなの書いたら、エロ同人誌のような事になるから、省略するにきまっているじゃん? それこそ、キミ達が妄想すれば希望が見えてくるはずだよ?

 

「ふぅ・・・○ブのナ○ト○ロマは気持ちいいね。お兄ちゃん!」

 

「まぁ、そうだね・・・だけど、こまるとの入浴が此れで最後と考えると寂しいな」

 

「えー、それってどういう意味なのさぁ?」

 

「・・・はぁ。いいか、こまる。希望ヶ峰は全寮制だから、自宅に帰宅も少しだけだろうし、こまるとの会える時間が少なくなるからだよ」

 

「へぇ? だけど、それって強制じゃなかったと思うよ? それに、学園長辺りに頼めば融通は利かせてくれるだろうし・・・」

 

「へぇ? そうなの? 人類の希望とされる才能達同士で共同生活させるのが目的だから、てっきり強制かと思ってたよ」

 

「お兄ちゃんって、超高校級のマニアと言っておきながら、分からない事もあるんだね?」

 

「・・・当り前だよ、こまる。幾ら僕でも、超高校級の才能だけであって、希望ヶ峰の事はあんまりだからね」

 

 一応、言っておくけど・・・あんまりって言っても、希望ヶ峰が何年生や授業時間や全寮制やらは知っているけどね・・・

 そう思っていると、こまるはお風呂から上がっていた。

 

「あれ? もう出るのかい、こまる?」

 

「そりゃそうだよ。洗濯物を洗っておかないといけないし・・・」

 

「あはは・・・察しが悪くてゴメンね」

 

 「それにお兄ちゃん臭を堪能しないといけないしね・・・」とこまるが言った為、「流石に、そんな事をしたら、本気で怒るよ?」と僕も言って、そんな事をさせない為に、上がっておいた。




説明と設定

・私立希望ヶ峰学園って?
 色々な高校生の中の一分野に優れた才能「超高校級」と言われる者が通う事が許された学園。簡単に言うと、一芸入試である。

・希望ヶ峰って何年生?
 5年生設定です。5-Cとかあったりしていたし、プチ大学院みたいなものです。本編には一切関係ありませんが・・・

・時間割は?
 基本7時限目まで存在する、1~5限目:5教科+美術等+体育+情報・6時限目:カリキュラム・7時限目:研究


 まぁ、こんな所です。微妙ですが・・・後々投稿いたします。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。