すいません、なかなか話がまとまらず、遅くなってしまいました。
次回からも話がまとまらず、遅れるがあるかもしれませんが、どうかよろしくお願いします。
そして、祝!!お気に入り100件突破!!
皆さん!ありがとうございます!!
記念に何かしたいと思います。詳しくはあとがきにて!!
それでは、本編始まります。
どうぞ!!
また…夢を見ていた…
自分の意識が、空間にフワフワと浮いているように感じる。
(あれは誰だろう…?)
一人の少年が炎で燃え、ほぼ焼け焦げた家の前に立っていた。
家は焼け落ち、中の方まで見えるようになっていた。
けれど、目の前には炎の壁があり、視界が悪く家の奥の方は見えない。
その少年は炎の奥に向かって必死に喋りかけている。
「お母さん…!!お父さん…っ!!」
しかし、炎の中に人影はない。
炎が一瞬だけ揺れ、その奥の光景を少年の目に映し出した。
そこには…
黒く焼け焦げ倒れ伏した、二つの物体が…
「あ、ああ、あああああああああああああああ!!!!!!」
少年は慟哭し、絶望した。
その少年は理解したくなかった、あの物体が両親であると…
けれど、認める他なかった…
あの場にいたのは両親のみ…両親は死んだのだ。
自分は救えなかったのだ、と…
「うあああああああああああああああ!!!!!!」
少年の叫びは、どこまでも…どこまでも響いていた…
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「ふわっ~、と…なんだか懐かしい夢を見たような…」
俺は伸びをして、眠気を吹き飛ばす。
「よお、お目覚めかい?兄ちゃんよぉ」
「…ああ、よく眠れたよ…
キャスター」
そう、俺に声をかけてきたのは、キャスターのサーヴァント。
今、俺たちがいる場所は冬木市の柳洞寺という所の下にある大空洞だ。そこに俺たちはテントを張って、休息をとっていた。
さて、どうキャスターと会って、なぜここまで来たのか…?それから語らなくてはいけない。そう、アレは俺たちが、拠点から出て調査に向かっていた時のことだった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「はあ!!」
「ウェイ!!」
俺達は付近の調査をするため、敵を倒しながら進んでいた。
進みながら、所長からこの時代でするべきことを聞いた。
ここ冬木では聖杯戦争と呼ばれる、7騎のサーヴァントと7人のマスターが最後の一人になるまで戦い合う儀式のようなものがあったらしい。その聖杯戦争に何にかが介入し、歴史が狂ってしまった。だからこんなことになっている…ようだ。
聖杯戦争を狂わした原因を突き止め、それを排除することにより、この時代は元に戻るらしい。
そして、所長は結論をだす。
「つまり、歴史の改変を止めることで人類史を救うことが、私たちのやるべきことよ。わかった?」
歴史の改変…?
その言葉を聞き、頭に思い浮かべた瞬間、ズキッと脳裏にある光景が浮かんできた。
――――捕まっている自分、そしてそこに走りこんでくる橘さん…ギャレンと白いパーカーを着た青年、それとジャケット着た青年――――
――――橘さんと睦月、そして始と白いライダーと緑のライダーを手伝い、怪人と戦っている
「グッ」
なんなんだ?今の光景…
「先輩?どうしました?大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だ…」
マシュに心配をかけてしまった。
今の光景は気になるが、しっかりしていなくては…
「ちょっと、貴方に倒れられたら困るのだけれど!!」
「大丈夫ですよ、所長。俺は」
「そう、倒れるのならこれが終わってからにして!!」
所長にも心配をかけてしまったかもしれない。
困ると言っていることが、顔が俺を心配してくれている。
所長はもう一度俺を見てから、話を続ける。
「はあ…ところでマシュ、あなたは自分の宝具が分かってるの?」
「いえ…それどころか…この英霊のことさえ全く分からない状態で…」
所長の質問に対し、マシュは申し訳なさそうに答える。
所長はマシュに『いいのよ』と告げる。
そして俺を見て、言う。
「本来はマスターである貴方は、この子のステータスを見ることが出来る筈なのよ。それも出来ないへっぽこマスターである貴方はやっぱり、カルデアに帰ったら部屋でおとなしくしてなさい!この子には一流のマスターをつけます!!」
マスター適正のある人はカルデアに今は居ないはずじゃ…
あっ、そうか…
「…もしかして、俺を心配して言ってくれてます?」
「ば、馬鹿じゃないの、今は貴方しかいないからよ!!今、貴方がいなくなったら私たちはどうすればいいのよ!!だから、別にここが終われば貴方なんてどうでもいいわ!!」
…所長は顔を赤らめてそう言ってくれる。
ありがとうございます…所長。
そうこうしている内に、教会が見えてきた。
「たしかここも霊地だったはずです、少し見てみましょう」
「そうだな…」
俺達は教会の中に入ろうとする。
『待った!!』
突然、通信が入りロマンの声が聞こえてくる。
なんだ?と思った瞬間、ジャラっと何か鎖が擦れるような音がした。
俺はその音に反応し、所長を横に押し倒しながら言う。
「マシュ!!伏せろ!!」
「きゃっ」
「っ!!」
マシュも前に身を投げ出す。
間一髪、俺達がいた場所に、鎖付きの杭が突き刺さった。
俺達が戦慄を覚えていると、教会の奥からヒタヒタと言う足音が聞こえてくる。
『…遅かったか…みんな、
ロマンが、その足音の正体を言うと同時に影はその姿を現した。
影がうごめき判断はつかないが、それは女性だった。
女性のサーヴァントが鎖杭を持ち、俺たちに襲い掛かる。
「シャァァァァァァ!!!」
「わああああああ!!!」
飛びかかってきた影のサーヴァントをマシュが叫び声を上げながら、その盾で防ぐ。
俺は急いで、所長を下がらせると少しでも手伝いになるように石を投げて、介入する。
石は影のサーヴァントにあたった。そして、意識を俺の方に向けることに成功した。
サーヴァントは俺に向けて杭を放ってくる。その杭を俺は、つかみ取る。
ック…少し血が出たか…
手のひらからあふれる緑の血を気にせず、俺は杭を引っ張りながら叫ぶ。
「今だ!!マシュ!!」
「やああああああああああ!!!」
大きな盾を俊敏に振り、影のサーヴァントに一撃を繰り出す。
まさか、俺が鎖をつかみ取るとは思ってなかったのだろう。思考に空白ができた一瞬を突きマシュの一撃が入った。
影のサーヴァントは吹き飛んでいき、教会の壁にぶつかり、壁を壊しながら動きを止める。
「はぁ、はぁ…」
「マシュ、気を抜くな!!」
俺達は構えるが、一向に起き上がってこない…
不審に思い、ゆっくりと近づいていくとその姿がよく見える。サーヴァントはうつ伏せに倒れ伏していた。俺はその背中を見て合点が行った。
そのサーヴァントは後ろに火傷の跡があったのだ。
所長も近づき、状態を見る。
「元々は傷を休めるために霊地である教会に来たのでしょうね」
「そこに俺たちが来たので慌てて迎撃に来たってところか…」
影のサーヴァントの体が光だし、少しずつ消えていく。
「これは…?」
「きっと英霊の座に帰ろうとしているんですよ」
「座…?」
「本来の英霊がいる場所と言っておきましょうか、サーヴァントは座にいる英霊の分身体なのよ」
サーヴァントは完全に消滅してしまった…
英霊と言っても、同じ人なのだ。それが消滅してしまう…敵だとしても、少しセンチメンタルな気分になってしまうな…
俺が黙ったことにより、場が少ししんみりとした空気になった。
だが、ロマンから入った通信により、その場の空気は一変する。
『駄目だ、しんみりとした空気なのに悪いが、早くそこから逃げてくれ!!』
「どうした!?」
『先ほどと同じ反応を検知した…高速で接近してくるぞ!!』
「さっきと同じ…っ!!」
それはサーヴァントの反応という他無く…
ロマンは俺達に話を続ける。
『さらに悪いお知らせだ。その反応が
「「「!?」」」
俺達の間に緊張が走った。
二つ!?
先ほどのサーヴァントは負傷していたから倒せたものの、高速移動しているということはサーヴァントの状態は万全と言ってもいいだろう。かなり厳しいものになる…しかも、それが二体…これはダメだ!!
下手をすれば全滅という可能性がある。
「マシュ!!逃げるぞ!!ついてこい!!」
「はい!!」
「ちょ、貴方、どこ触って…きゃ!!」
俺は所長をお姫様だっこの要領で抱き上げると、一気に駆け出す。
マシュもそれに追随してくるのだった。
「はぁ…はぁ!!」
「はっ、はっ、はっ!!」
息が切れる…こんなところで!!
俺は所長を下ろし、息を整える。
その間に所長はロマンに向かって、問いかける。
「ちょっと!!なんで、こんなところにサーヴァントがいるのよ!?」
『僕に聞かれても……っと待てよ…そうだ!!聖杯戦争!!聖杯戦争だ!!!』
ロマンが早口で仮説を説明する。
『この町では聖杯戦争が起こっていた、けどこれは≪何かが狂った後≫なんだ!!マスターのいないサーヴァントがいてもおかしくない!!そして、サーヴァントの敵は…』
「サーヴァントってことか!!」
「なら、私のせいで…」
「違うわ、聖杯とはマシュは無関係でしょう!アレはただの理性を亡くした亡霊よ!!」
「ククク、ミツケタゾ。コレデ、聖杯ヲ我ガ手ニ!!」
そう言いながら、骸骨のような影を纏ったサーヴァントが現れる。
っくそ!?もう追いつかれたのか!!
俺は所長をかばうように前に出る。
『剣崎君…どうやらもう一体も追いついたようだ…』
「そうみたいだな…」
そのロマンの言葉に俺は同意する。
俺の視線の先では、同じく影を纏った槍を持った男のサーヴァントが骸骨のようなサーヴァントと合流する。
『気をつけろ…骸骨の方はアサシン、槍の方はランサーのサーヴァントだ!!』
ロマンが警告してくれるが、もう俺達には返せるような余裕はなかった。
「―――ハ。ハハハハハハハ!!」
「サア、イクゾ。ランサー」
「あ、う――――」
「うう、あ…」
『やばいぞ、剣崎君。二人が…』
マシュと所長…二人とも完全に飲まれている。
クソッ、こうなったらアンデッドに姿を変えて戦うしかないっ…!!
俺は姿を変えるイメージをする。
が…
「!!!?」
どうしたんだ、俺!?
なぜアンデッドになれない!?
俺が完全に人間になった訳ではないことは、さっきの戦闘で緑の血を流したことで分かっている。だが、アンデッド…ジョーカーの姿になれない!!
「ハハハハ」
「無様ダナ、サア死ネ」
ゆっくりと二体のサーヴァントが近づいてくる。
『剣崎君、君しか冷静なのは居ない!!指示を出すんだ!!』
仕方ない、このままでもやるしかないっ!!
「行くぞ、マシュ。戦うんだ!!」
「っ―――は、はい!!」
俺達は構え、迎え撃つ!!
同時にサーヴァントが襲ってきた――――
「ほう、小娘とただの兄ちゃんかと思えば、それなりの
――――炎弾が二体のサーヴァントに襲い掛かった。
「グアッ、何者ダ!!」
「何者って、見てわかんねぇのか?ご同輩?」
ローブを着た一人の男が俺とマシュの前に現れた。
「貴様、キャスター!!ナゼ、漂流者ノ肩ヲ持ツ!!」
「あん?テメエらよりましだからだよ。それに、見どころのある奴は嫌いじゃない」
「あんたは?」
俺は割って入って来た男に聞く。
その男は俺の質問に軽く答える。
「オレはキャスターのサーヴァント。故あって奴らと敵対中でね」
「なら、手伝ってくれると助かるんだが…」
「おう、わかったぜ。兄ちゃんがマスターだろ?お嬢ちゃんたち守って、戦おうとしたことに免じて、今は仮契約でサーヴァントになってやる。指示は任せたぜ?」
「ありがとう、キャスター」
「ハ。ハハハハハハハハハ!!」
「我ラヲ舐メルナヨ、キャスター!!」
「っは!そのセリフ、やられ役みたいだぜ?アサシンよぉ!!」
「やるぞ、マシュ!!」
「はい!!一緒に!!」
再び、戦いが再開されたのだった。
「ナ、我ラガ…聖杯ヲ目ノ前ニシテ…」
「ハ、ハハハハハハ……」
そう言い残し、ランサーとアサシンは空気に溶けていった。
キャスターが加わったことにより、かなり楽に勝てた。相手が弱かったわけでは無く、キャスターが強すぎたのだ。
俺とマシュは基本的にアサシン相手に戦っていたのだが、キャスターはランサーと戦いながらこちらに援護をするという、化け物じみた戦闘力を発揮したのだ。
俺はキャスターに労いの言葉をかける。
「ありがとうキャスター、助かった」
「いや良いってことよ」
マシュもおずおずと出て来て、お礼を言う。
「あ、あの…助けていただいて、ありがとうございます」
「おう、気にすんなって。それよりケツのあたりアサシンにしつこく狙われていただろう?」
「ひゃん…!!」
キャスターはそう言って、マシュのお尻を撫でた…って!!
「ちょ、何やってんだ!!」
「おっと、わりぃわりぃ…ナヨッとしているようで、結構いい体してんじゃねえか、役得役得っと」
「…」
「しかし、お嬢ちゃん一体なんのクラスだ?セイバーでもねぇし…」
キャスターは俺の言葉を軽く受け流し、そのままマシュにクラスについて問いただしていた。
「…」
「ねえ、ちょっとあれどう思う?」
「…まごう事なきセクハラおやじだ」
『でも剣崎君、彼から情報を聞き出せるかもしれないよ?』
「そうだな…」
その後、俺たちはキャスターに話を聞き、俺たちの事情を話した。
「と、いう訳だ」
「そうか、んでお前がマスターやってんのか」
「そう、それで本題なんだがこの聖杯戦争の英霊だったんだろ?何があったんだ?」
「少し話長くなるが―――――」
キャスターはこれまで起こった事を話し始めた。
「いいか、まずオレたちはこの聖杯戦争には普通に呼び出された。そう普通にな。オレは何度か他のサーヴァント達と戦った、ここまでは良い。が、オレたちの聖杯戦争はいつの間にか違う別のものに変わっちまった。
経緯は分からねえが、一晩で町は焼かれ、人間はいなくなり、サーヴァント達だけになった。
真っ先に聖杯戦争を再開したのはセイバーの奴だ。セイバーによって、アーチャー、アサシン、ランサー、バーサーカー、ライダーが倒され、倒された奴はさっきの二人よろしく黒い泥に汚染されちまった。
そして、お前らも戦っただろう怪物どもと一緒になって何かを探し始めたんだ。んで、面倒なことに探し物にオレも含まれているらしい。探しに来たライダーと戦ったはいいが逃げられちまってな、詳しいことは聞けなかった。ま、大方オレがいる限り聖杯戦争が続く。多分
キャスターが話したことは俺達では知りえない貴重な情報だった。
そして、きっとキャスターが言いたいことは…
「つまり、貴方はセイバーを倒したい…でも、一人では無理だから私たちに目を付けた…違って?」
所長が俺の言いたいことをすべて言ってくれた。
これで、目標が見えてきたな。
「俺がキャスターじゃなくてランサーだったら一人でも行けたんだがな…」
「ん?キャスターじゃなかったら?」
俺はキャスターがポツリとこぼした言葉が気になった。
マシュが俺の疑問に答えてくれた。
「先輩、サーヴァントにはクラスがあるのはご存知ですね?」
「ああ、それは分かってるけど…」
「英霊にはですね、複数のクラスの適性がある人がいるんです。この人は、槍の使い手でありながら、魔術師としての側面も持つ高位の英霊と思われます」
「へー、キャスターってすごいんだな…」
「まあな、ところでどうする?あんたらはこの異常事態の調査、オレは聖杯戦争の幕引き。利害は一致してるんだ、陽気に手を組まないか?」
「ああ、よろしく!!」
ここに俺たちと、キャスターとの共闘関係が出来上がったのだった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
そんなわけで、俺たちはここにいる。
俺は俺達が眠っている間、見張りをしてくれていたキャスターにお礼を言う。
「ありがとう、キャスターがいてくれたから十分睡眠がとれた」
「おう、これから敵の本丸に乗り込むんだ、体を休めるのも大事だかんな」
そう言って、キャスターは肩を叩いてくる。
この大空洞の奥、大聖杯のある場所にセイバーはいるらしい、なのでここで体を休むことができたのは幸運だろう。
いやしかし、本当にキャスターと会えてよかった。
情報が得られたということに関してと、もう一つ。
それは休息時のことだ。
俺はアンデッドだったから睡眠は今まで必要なかったのだが、今は人間の姿になっている。なので、どうしても睡眠が必要となってくる。つまり、眠気が襲ってくるということだ。そして、マシュも今はデミ・サーヴァントだが、人間でもあった。睡眠は必要ないが、精神的にもマシュには休憩が必要だったのだ。
そのため、完全なるサーヴァントであるキャスターと会えたことによって、睡眠と休息を必要とせずに見張りをしてくれる人がいるようになり、俺たちは睡眠と休息をとれるようになった。
大変、ありがたい。
そう思っていると、キャスターは俺の横で寝ているマシュに気づいた。
「そうそう、嬢ちゃんも起こしてやんな。あっちの嬢ちゃんも、もう起きてるぜ」
「そうだな」
そろそろ、起こさなきゃいけないとも思っていたところだ。
俺は隣で寝ていたマシュを起こそうとする。
「んっ…はぁ…うぅ…」
「…」
ゴクリっ…
…はっ!!別にマシュの変な声に反応なんかしてない、ないったらない!!
俺は必死に自分の動揺を抑えようとした。
その横ではキャスターがニヤニヤしているのが目に入る。
反省しよう…
しかし、アンデッドになってからそういうことは反応しないようになっていたんだがな…
やはり体が若返って人間の姿になったからだ!!うん、体が悪い!!
と、言い訳にならないような言い訳をする。
それにしても、まさかマシュ(後輩)の寝ている姿ににドキッとしてしまうとは…
俺は息を吸うと自分の気を落ち着ける。そして、マシュの肩をゆっくりと揺すって起こす。
「マシュ、マシュ…起きてくれ、マシュ」
「んぅ…せん、ぱい…?」
うっすらと目を開ける、マシュ。
俺の姿を確認すると、ギュッと俺に手を握ってきた…!?
「ウェ!?」
「すみません、先輩…少しこのまま…」
「どうしたんだマシュ!?」
一体何があったんだろう?
「駄目、ですか…?」
少しうるんだ瞳で俺を見上げる。その目には少し怯えが含まれていた…
俺はふっ、と一度息を吐くと、なるべくマシュが安心できるように表情を緩め、問いかける。
「ああ、いいよ。怖い夢でも見たのか?」
「い、いえ…すいません…」
「大丈夫、この手は…絶対に離さない」
「先輩…」
少し、マシュの表情が緩む。
良かった…
こうしていることでマシュが少しでも安心してくれるなら―――
「俺はずっと手を握っているさ」
「はい…ありがとうございます…」
キャスターはいつの間にかいなくなっていた。
それは、少し傍に居てやれ、とキャスターが言っているような気がした。
俺はしばらくの間、そっとマシュに付き添っていたのだった…
しばらくして、マシュが落ち着いたのを見計らって声をかける。
「落ち着いたか?」
「すいません…先輩」
「なんで謝るんだ?謝らなくてもいいぞ?」
「いえ、謝らせてください…」
「??」
訳が分からなかった。
どうしてマシュは謝ってくるのだろうか?
気になったが、あまり詮索しない方がマシュのためにもいいかもしれない。なので、俺は黙って手をもう一度ゆっくりと握ってやる。
少しマシュは驚いた顔をし、そして、ポツリとつぶやいた。
「…先輩は強いですね」
「…」
「こんな状況でも冷静さを失わない…すごく強いと思います。私なんかじゃ…折れています」
「…それは違うな」
「え?」
違うんだ、マシュ…
俺は…
「俺は、強くなんかない。強くあろうとしているだけだ…冷静なのも、失うことに慣れてしまっただけなんだよ…」
「っ…」
そう俺は慣れてしまった。いや、慣れるしか、なかった…
俺が介入しても救えない人はいる…俺はその現実を知る度に冷静でいられなくなった。
どんなに、人が死んでしまったり苦しんだりするのは見たくなくても、俺が救えるのは一部の人だけだ。いや、本当の意味で救えた人などいない…
「だから、俺は強くあろうと思った。とりこぼさないように、救えるように、と…」
でも駄目だった…
それが、まるで
「どんなにすくいあげてもとりこぼしてしまう…」
「…」
「だけど、だからこそ!!俺は運命に抗うと決めた!!」
俺は足掻き続ける。
アンデッドであるというこの身の宿命から!!
そして、本当の意味で誰かの救いになれるように!!
「運命に対して挑み続けるちっぽけなモノ…それが俺なんだよ」
「…そうですか…なら、私も強くあろうと思います。先輩を、所長を、フォウさんを、守れるように」
「そうか、なら俺もみんなを守る、だからお前も俺を守ってくれ」
「はい!!」
元気よく、マシュは返事をしてくれた。
「よし!なら、行こう。所長たちはもう起きてる。これ以上遅れると何言われるか分からないから!!」
「それは、恐ろしいですね…所長は怒ると長いタイプですし」
「そうだな、所長の怒った顔は怖いからなぁ…」
「サーヴァントもかくや、と言う感じですしね!」
「そうだよ、それは言えてる!!」
二人で顔を見合わせると、笑う。
一つ、マシュとの絆が深まったような気がした。
「マシュ…剣崎くぅん…?」
「「っは!?」」
「早くしなさい…?待ってるから…ねぇ?」
笑顔の所長がテントの中に顔を出した。
…笑顔だけど、むちゃくちゃ怖い。
コーカサスビートルアンデッドと対峙した時よりもプレッシャーが半端ない…ような気がした。
「「はい…」」
俺達は有無を言わさない迫力に頷き、それに従うしかなかった。
所長はテントから離れていく、俺はそれに続き立ち上がり先にテントから出る。
その時、背後からマシュの声が聞こえた気がした。
「私はやります…あの夢の背中にふさわしいように…」
「マシュ?何か言ったか?」
「いえ、なんでもありません」
「そっか、なら早く行こうか」
「はい!」
俺達はキャスターと所長が待つ場所に歩き出した。
空気の読める男、杖ニキ!!
自分は杖ニキと若ニキしか持っていません…
槍ニキ欲しいよ!!
ついでにエミヤも欲しいよ!!
俺、エミヤと槍ニキ当てたらギルとアニキーズでパーティー組むんだ…(露骨なフラグ)
まあ、そのガチャですが…苦節25回目にて…
マルタ来たぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
やったぜ!たっくん!!(無関係)
…ただ、すべての召符を使い切って、聖晶石もなくなってしまいました…
どうすればいいんだ…ジャンヌオルタ…
作者はね!!聖晶石があるとつい
そうそう、
ギルガメッシュが最終再臨+90レベルになりました。
そして…
ジャンヌが白ジャンヌ(最終再臨)になったんですよ!!
おお、ジャンヌぅぅぅぅぅぅ!!!!!
可愛すぎるぜ…
当ててよかった…
わしゃぁ…いま最高に満足じゃ…
さて、ジャンヌ・オルタまで石貯めなきゃ…
バイトもして…課金しなきゃ(使命感)
まあ、そんな作者のことは置いておきましたて…
イベントサーヴァントの募集が終了いたしました。
結果発表に移りたいと思います!!
イベントになるのは…
投票数七 ヤンデレストーk…清姫さんに決定いたしました!!
沢山のご投票ありがとうございました!!
外れてしまったサーヴァントも何かの形で出していきたいと思っていますので、ご安心を。
次に…
この小説のお気に入りが100件突破いたしました!!
記念に剣崎とサーヴァントたちの日常小説を書きたいと思います。
書け次第投稿しますので、しばしお待ちを!!
それと、報告活動も見てください。
この作品での所長の扱いについてを投票していただきたいです。
投票期限は11月5日までです!!
よろしくお願いします。
そして本編ですが、剣崎はアンデッドになったことにより身体能力が比較的に高くなっていると思ってください。
剣崎達とランサー&アサシンの戦闘ですが、すいません!!
ランサーの戦い方が分からないので、省かせていただきました。
作者の力不足です。
こんな作者でも、見捨てずについて来ていただけると嬉しいです。
それでは次回まで!!