(0w0)が未来を救うそうです   作:星屑英雄

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遅くなってしまい、すいませんでした。
少しショックなことがあり小説自体あまり書く気になれませんでした。
楽しみにしていただいたのに、自分の都合で遅くなってしまったことをお詫びします。

それではどうぞ


第1章
第一章 Ⅰ オルレアンの魔女


朝、ブリーフィングルームにて……

 

「ロマン!! 第一特異点が見つかったって!?」

「ああ、剣崎君。早速なんだが、準備をして明日出発してほしい」

「わかった、ところで何処なんだ? 第一特異点は?」

 

「第一特異点、その舞台は……

 

フランス――――オルレアン」

 

 

 

第一章 Ⅰ オルレアンの魔女

 

 

 

「はぁ、はぁ――」

 

 少女は一人密林を走る。

 少女の胸には不安と疑問でいっぱいだった。

 なぜ、こんなことになったのか? ただ、自分たちは日々を送っていただけだった。毎日が幸せだった。

 彼女たちが現れるまでは。そう、彼女――――竜の魔女が現れるまでは……

 

 突然現れ、竜の魔女はすべてを奪っていったのだ。

 

 少女と、その父と母は命からがら逃げだしたが、家族の村は、村の住民は、魔女の手で焼かれてしまった。そして、少女を逃がすために父と母は、自ら囮となり、少女の目の前で八つ裂きにされた。

 

「あら、こんなところにまだいたのね?」

 

 その声は、竜の魔女。今の少女からしたら、まさに死神の宣告に等しかった。少女に、死という原初的な恐怖を与える。

 彼女は剣を抜き、近寄ってくる。

 

「安心しなさい、貴女は――――楽に逝かせてあげるわ」

 

 ここで死ぬのか――――少女は諦めかけていた。神も聖女も、彼女を見捨て去った。

 剣はうつむいた少女の首を狙い、刀身が光を反射し、そして――――

 

 そして、奇跡は起きた。

 

「すまないが、その子を殺させるわけにはいかない」

 

 神にも聖女にも見捨てられた少女は、舞い降りし最強の魔竜により助け出された。

 

 

 

 突如、割って入った舞い降りし最強の魔竜――――サーヴァント・セイバー、ジークフリードの存在に、魔女は少女から離れ一旦距離をとる。

 そして、その姿を見て一瞬だけ苦々しい顔をする。

 

「なるほど、野良サーヴァント。しかも、背が開いた防具、この気配……そうですか、ジークフリードなんて大英雄が来ましたか……」

 

 魔女の脳内で情報を整理して、その英霊の正体を、真明を看破する。少し厄介だ、と思ったが自分のもちえる手札を脳裏に浮かべ、焦ることはなかった。

 

「すまないが、もう君の好きにはさせるわけにはいかない」

 

 眼を鋭くし、いつでも戦闘に入れるよう背に背負った魔剣の柄に手をかける。

 その様子を見た魔女は、しかし、余裕を崩さない。どころか、彼女は肩を少しすくめておどけてみせる。

 

「ああ、怖い怖い」

 

 そして、彼女の手札の1枚を切ることにした。頬を釣り上げながら大空に向かって、それを呼ぶ。

 

「なので、この子に相手をしてもらいますね。来なさい、ファヴニール!!」

 

 魔女が大空に向かって呼びかける。

 それは、急に現れた。空を一瞬で黒く染めながら、木々をなぎ倒し降り立つ。それは、首を大きく回しながら翼を広げる。

 ジークフリードはそれを知っていた。いや、知っているどころではない、まさしく自身の宿敵だった。

 

「邪竜……ファヴニールッ!!」

 

 邪竜の咆哮が大地を揺るがす。

 強大な邪竜の前に少女は立ちすくむしかなかった。

 

「すまない、俺には君を連れて逃げることは出来そうにない」

 

 ジークフリードがそう言いながら少女の肩を軽く叩くと、少女はハッと立ちすくんでいるだけだった状態から脱し、しかし、目の前の現状に泣きそうになる。

 それを確認したジークフリードは、怯える少女の頭を安心させるように一撫でし、言葉を続ける。

 

「ここは抑える。だから、できるだけ遠くに逃げて欲しい。本当にすまない……君と居れないことを許してほしい」

 

 そう言って、邪竜に向かい合ったジークフリードは大きな剣をその背から抜き放ち、邪竜とその魔女へと走り出す。

 

「行くんだ!!」

 

 何もかもが理解の範疇を超えていた少女は、その言葉に従い逃げるしかなかった。

 一人残ったジークフリードは、邪竜と堕ちた魔女――ジャンヌダルク・オルタを相手取り、邪竜に一太刀入れるのだった。

 

 

 

 

 

「さて、それじゃあ出発しようか!!」

「はい、先輩。準備は出来てます」

 

 俺とマシュはレイシフトのため、管制室に来ていた。準備も万全で後は出発するだけだ。

 

「私は管制室からのサポートに回ります。スタッフ一同しっかりサポートするからそこは安心なさい」

「はい!!」

「了解」

 

 俺とマシュは返事をする。

 本当ならば、レイシフト適性を得た彼女は、今回カルデア代表として特異点に同行するはずだったオルガマリー所長であるが、一度カルデアスに吸い込まれたはずの彼女だ。色々と彼女の復活の経緯が不明な点、一度死んでいるという点、爆破された体が何故か復活している点。この三つの要素から、今回のレイシフトには同行を許可されなかった。

 実のところ、俺も一度死んだという事がトラウマになっているのではないか、と考えていたので、所長がレイシフトするのは反対だった。

 

「剣崎、マシュはまだまだ未熟よ、しっかりサポートしてあげなさい!! マシュ、貴女も貴女で剣崎が無茶しないように見ときなさい!!」

 

 俺とマシュに所長がエールを送る。そして、俺たちの背中をポンッと押して、言った。

 

「しっかりね!」

 

 それに俺とマシュは、笑顔で答え一歩踏み出した。

 

「「はい!! 行ってきます!!」」

 

 

いざ、フランスの地へ―――――

 

 




短めで、すみません。
これから、頑張って少しずつでも投稿していきたいと思いますので、よろしくお願いします。

……皆さんは、祖父祖母を大事にしていますか?
最近、会っていますか?
いつだって、別れは突然です。後悔しない様に、大切な人には感謝をいつも伝えてあげてください。
大切な人と居る時間を大切に。

それでは、また次回で。

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