(0w0)が未来を救うそうです   作:星屑英雄

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FGOでジャンヌが出たので書いてみました。
ゆっくり見ていってください。

9月5日
少々、ケンジャキの顔文字に動きを加えました。



プロローグ
(0w0)が未来を救うそうです


 荒野を歩く、一人の異形の男がいた。

 

「…」

 

 彼は進み続ける。

 前へ、ただ前へ。

 

「…」

 

 ここはどこだろうか?

 彼は自分がどこを歩いているのか、分からなかった。

 いや、それどころか自分のことさえも等の昔に忘れ果てていた。

 体はすでに異形と化し、記憶もない。

 否、ただ一つ覚えていることがある。

 友―――相川始との約束のみ。

 出会ってはならない、戦ってはならない、ということだけ…

 

「……っつ!!」

 

 異形の姿のまま、彼は目の前の人々を救い続けた。

 助けねば、救わねば…

 そんな思いだけで彼は進み続けた。

 

「グッ――」

 

 その結果、人々には恐れられ、武器を向けられた。

 

 異形の体は傷だらけで、 緑色(・・)の血で塗れていた。

 傷はすぐに癒えるだろう。

 だが、何よりも心が痛かった。

 自分でもなぜ痛むのかわからない。

 一つ言えるのは、人々に武器を向けられ、攻撃されることが悲しかったのではないということだけだ。

 

「フ―――ハァ、ハ」

 

 男は片膝を地面につけて、その場に倒れこんでしまう。

 体が重い。

 この異形の体では、どんな傷もすぐに治る。

 体力も無尽蔵にわいてくる。

 そんな異形だったはずだ。

 なのに、もう体が動かない……

 ゆっくりと瞼が閉じていく、その時誰かが自分の前に立った気がした。

 

 

 光が弾ける―――

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 フォウ、フォーウ―――

 

 顔周りが生暖かい?

 意識がゆっくりと覚醒していく。

 

 そして、その目が捉えたのは――――

 

 リス(?)みたいな動物の顔であった。

 

∑(0w0;)<ウェ!?

 

 男はガバッと起き上がる。

 リス(?)はピョコンッと顔から飛び降りる。

 不思議と体のだるさは消えていた。

 それどころか、見えるのは……

 

 普通の人間の手だ。

 

(0w0)<ハ?

 

 異形の手だったのが、普通の人の手になっている。

 ならばと、思い手で顔を良く押さえてみる。

 そこにあったのは、硬質な鋼のような肌の感触はなく、人間特有の柔らかい肌だった。

 そう、そこには一人の青年が立っていたのだった。

 

(0w0)<ドウナッテイルンダ……?

 

 そして気づく、先ほどまでいた荒野ではないと…

 

(0w0 )

 

( 0w0)

 

(0w0)<……

 

(0w0)<ドコナンダココハイッタイ…

 

「―――ここは 人理継続保障機関(じんりけいぞくほしょうきかん)カルデアですよ、先輩?」

 

 ふと、声のした方を見るとそこには少女が立っていた。

 

∑(0w0;)<ウェ!? ダリナンダアンタイッタイ……

 

「…?」

 

(0w0)<? キミハダリナンダ……?

 

「?」

 

( 0w0)<……?

 

「あの、混乱しているみたいですけど、もう少しゆっくり喋ってもらってもいいですか?言葉が少し聞き取りづらくて……」

 

∑(0w0;)<ウェ!?

 

 なるほど、先ほどから意思の疎通ができないと思ったら、混乱していて言葉が変になっていたのか、と青年は納得のいったように手をポンッと突き、今度はゆっくりと的確に喋り始める。

 

「ゴホンッ!!あ、あー、君は一体誰……?と、これでいいかな?」

「はい、それでお願いします……質問の答えですが、それは難しい質問で、返答に困ります……名乗るほどのものではない―――とか?」

「?それはどういう―――」

「いえ、名前はあるんです。でも、名乗る機会が無かったので、印象的な自己紹介が出来ないというか…」

 

 少女はそういいながら最後の方は声が小さくなってくる。

 

「……コホン、それより質問よろしいでしょうか、先輩」

 

 うまい言い訳が思いつかず、少女は無理やり話題を変えることにした。

 

「お休みのようでしたが、通路で寝る理由が、ちょっと。固い床でないと眠れない性質なのですか?」

「うん、畳じゃないとちょっと――って、ここで眠っていた?」

「はい、スヤスヤグーグーむにゃむにゃと気持ちよさそうに眠っていましたよ?」

 

 青年は、先ほどまで荒野にいたはずなのにいったいどうなってるんだ?と首を傾げる。

 すると、青年の肩に先ほどのリス(?)みたいな生物が飛び乗ってきた。

 

「ウェ!?」

「フォウ!キューキョーウ!!」

「……失念していました。紹介がまだでしたね。先輩の肩に乗っているリスっぽい方はフォウ。ここ(カルデア)を自由に散歩できる特権生物です」

「へー」

 

 青年はそうなんだと思い、肩にいるフォウをジッと見つめる。

 フォウは自己紹介されたことで満足したのか、肩から降りてトコトコとどこかへ行ってしまう。

 

「……またどこかへ行ってしまいました。あのように自由気ままに散歩しています」

「へぇー、不思議な生き物だなぁ…」

 

 トコトコと歩くフォウの背中を見送りながら、青年はそう呟く。

 

「はい、あまりわたし以外には近寄らないのですが、先輩は気に入られたようです。おめでとうございます、カルデアで二人目の、フォウのお世話係の誕生です」

 

 青年はその言葉に、喜べばいいのか、泣けばいいのか、どう反応したらいいのか分からず、頬を人差し指でかいていた。

 

「ああ、そこにいたのかマシュ」

 

と、突然男の声が聞こえてきた。

 声が聞こえた方を見ると、帽子をかぶった紳士服の男がこちらに歩いて来るところだった。

 男は、マシュと呼ばれた少女に話しかける。

 

「駄目だぞ、断りもなしに移動するのは…」

 

 男はそこで、少女の前にいる青年に気づいたようだ。

 少女への言葉を一旦切り、青年に話しかける。

 

「おっと失礼。君は…そうか、今日から配属された新人さんだね」

 

 そう言って、男は青年に自己紹介をする。

 

「私はレフ・ライノール。ここの技師だ」

「あ、わたしはマシュ・キリエライトと言います、先輩」

 

 レフと名乗った男に続き、少女―――マシュが自己紹介する。

 ……印象的な自己紹介はいいのだろうか?

 そんなことを青年が考えていると、レフが青年に向かって話しかける。

 

「君の名前は?」

「名前……名前は……」

「?」

 

 名前を言おうとするが、自分が記憶喪失なことを思い出した。

 瞬間、ドクンッと青年の心臓がはねた気がした。

 記憶が急速に思い起こされていく。

 そうだ、自分は……

 

「俺の、名前は……

 

剣崎一真(けんざきかずま)です」

 

 そうして、彼は自分を取り戻した。

 

 剣崎一真(けんざきかずま)―――ジョーカー、いや、仮面ライダーブレイドの物語が、また……始まる……

 

 




どうでしたでしょうか?
楽しんでもらえたら幸いです。
それでは皆さん、さようなら。

おまけ~ちょっと見せセリフ集~

~序章にて~

レフ裏切り後…

「「「本当に裏切ったんですか(の)(オンドゥルルラギッタンディスカー )!?」」」

「「…」」

(0w0)<…

「「今なんて!?」」

∑(0w0;)<ウェ!?

「…ふざけるのはいい加減にしてもらえないだろうか?ああ、今なら苛立ちで世界が壊せそうだ…」

~一章~

「駄目です、先輩!!死んじゃいます!!」
「それでもだ!!」
「…たとえ英霊でなくても、お前を倒すことができるはずだ!俺に…マスターの資格があるなら!」
「戦えない、全ての人のために!俺が戦う!」

∑(0w0;)<ウェ!?マシュザン!ナズェミデルンディス!?

「俺の体を動かすのは、義務とか使命じゃない。
そこに居る人を守りたいという思い…。人を愛しているから俺は闘っているんだ!」

「君の言う通りかもな…待ってても…ヒーローなんてこない…
だから…! だから俺がみんなを守るって決めたんだ!!
例え今は…君1人守るのがやっとでも…諦めない!
運命に負けたくないんだ!!」

「マシュを…!ジャンヌを…!皆を…!!これ以上誰も傷つけさせはしない!!」

「変身ッ!!」

『Turn Up』

終わり

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