ラブライブ! ~寡黙な男子高校生とµ’sの日常~   作:孤独なcat

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もう二度と投稿予定日に関することは言いません…。

とにかくGW過ぎての投稿になってしまい申し訳ございません…。

では、後編…STARTだどん!


相互理解~後編~

放課後、オレは海未の家に伺った。

勿論、本人の許可を得て。

 

昌信「失礼します」

海未母「あら、昌信君ではありませんか。お久しぶりでございます。」

昌信「お久しぶりです。…海未さんはいらっしゃいますか?」

海未母「海未は今稽古中でございます。もうじき終わりますので、どうぞ中に上がってお待ちくださいませ。」

昌信「分かりました。ありがとうございます。」

 

海未の母とは編入して間もないころに少しお世話になったから多少面識はある。

 

 

 

 

 

~*~

 

 

 

 

 

案内されたのは海未の部屋である。

整理整頓されている。きれいな部屋だ。

 

しかし机の上に何やらテストと思わしきものが置いてある。

それもまあまあの量の。

 

少し失敬ではあるが見させてもらった。

 

 

 

机の上のテストはどうやら国語と数学と英語の授業で実施させた50点満点の小テストのようだ。

海未だったら40点以上は軽く取っているはずだ。普段なら。

 

 

 

ここには半月ほど前の分のテストが置いてあったが平均が40.5点だった。

 

 

 

・・・うん。普段通り取れていましたね。

 

 

海未「お待たせしてすみません!」

昌信「…!?」

 

急に海未が部屋に入ってきた。

しかしオレは海未のテストを手に持ったままであった。

 

 

 

 

海未「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

昌信「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

沈黙が続いた。

それもとても耐えがたい間であった。

 

 

 

海未「・・・・・・・・・・・・・・・・・・見ました?」

昌信「・・・・・・・・・・・・・・・・・・何を?」

 

海未「何って・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

私のテストですよぉぉぉ!!!」

 

 

 

昌信「・・・・・・・・・・・・・・・・・・すまん。」

 

海未「どうしてくれるんですか…」

昌信「オレのテスト見せるから許してくれ。」

海未「いえ、結構です。満点のテスト見せられても嬉しくありません。」

 

即答された。

確かにオレは小テストは今のところ満点しか取ってない。(そんなことは今はどうでもいい)

 

 

 

~*~

 

 

 

海未「それで、今日はどういったご用件で来たのですか?私のテストの点数をからかいに来たのですか?」

昌信「んなわけねーわ。」

海未「・・・」

 

海未は黙った。

 

昌信「今日休んだ理由、聞きに来たんだが。教えてくれんかね。」

海未「・・・」

 

海未は黙って頷いた。

まあ教えたくなかったらわざわざオレがお邪魔するのに許可出してくれないだろうし。

 

海未「私は嫌われる可能性を忘れていました。どうやら穂乃果とことりに慣れすぎていたようです。私は1年生達…特に凛の成長を楽しみにして毎日指導をしていたのですが…どうやら私では凛の才能を伸ばすことはできないのだと気づいてしまいました。そう思うとどうも練習する気になれず…思わず帰ってしまいました。」

 

昌信「・・・」

 

海未「おまけに凛に嫌われてしまいました。今後は絵里に指導を見てもらおうと考えています。」

 

昌信「・・・」

 

海未「今日は皆さんにご迷惑をかけてしまったと反省しています。明日からは心を切り替えて行きます。」

 

昌信「・・・」

 

海未「昌信…?」

昌信「少し厳しいこと言うが、覚悟してくれ。」

海未「…はい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昌信「凛の才能を伸ばすとか言ってるけどさ、凛のこと完全に理解した気になってるつもりか?それで凛に嫌われたから指導をやめる?指導者失格だな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「・・・!」

昌信「そもそも凛のこと理解できとらんから凛に嫌われたじゃねえか?」

海未「・・・」

 

昌信「メンバー各々の改善点を的確に把握してるのは凄いと思うぜ。でもそれを教える際にどうやって教えるかっていうのを考える必要がある。メンバーも十人十色で褒められて伸びる奴もいれば叱られて伸びる奴もいる。あるいは両方をバランス良く使い分けることで伸びる奴もいる。正直言うと海未は叱って伸ばそうとしてる感じだ。それで伸びる奴がいるなら良いけど、それに適さないやつはそのうち指導者を嫌いになる。まさしく凛がそんな感じだな。」

 

海未「・・・」

 

昌信「おまけにアメとムチの使い分けにも失敗したとも言えるな。クッキーをプレゼントして1年生を鼓舞しようとしたけど、それを前から継続してやれば違った結果になってたかもしれないな。」

 

海未「・・・ッ!」

 

昌信「極めつけは凛に嫌われたから凛の指導をやめるって…途中で投げ出すなんて指導者としてあるまじき行為だ。嫌われたんなら嫌われた原因が存在するはずだから、それを意地でも探すもんだろ。そうやって相互理解していくもんじゃないの?そんな努力もしないであっさり指導をやめるとはな・・・」

 

海未「ま、昌信…」

 

 

 

 

 

昌信「見損なったぜ。頭冷やして寝てろ。」

 

 

 

そう言ってオレは涙目になっている海未を残して帰宅の準備をし海未の部屋から出るために襖を開けた。

 

 

 

 

 

 

そのまま帰るはずだった・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛「海未ちゃんをいじめるなぁぁぁぁぁ――――――――!!!」

昌信「!!!???」

 

 

 

オレは何が起きたか分からなかった。何故凛がここにいる?

 

凛がオレの腹部めがけて思いっきり突進した。勿論そんなこと予測できなかったオレは腹部に尋常じゃない強烈な刺激を感じた。

 

 

 

昌信「ングググググゥゥゥッ・・・・・・・・・!」

 

 

あまりの衝撃にオレは腹を抱えて倒れてしまう。

 

昌信「り、凛・・・なぜ・・・ここに・・・?」

凛「明日謝るなんて遅すぎるにゃ!凛は今謝るべきだと思って海未ちゃんの家に入ったら昌信君が海未ちゃんをいじめてたんだにゃ!」

昌信「い、いや・・・ちょっ・・・待て。話せば分かる…」

凛「静かにするにゃ!」

昌信「ウグッ!」

 

凛に首の後ろをチョップされたオレは意識が朦朧とした。

 

 

てか、待てよ。何で凛にオレを気絶寸前に追いやるほどの力があるの?マジでホントに何で?

 

海未「凛・・・何で私なんかのために・・・嫌っていたのでは・・・」

凛「海未ちゃん!ごめんなさい!」

海未「えっ…」

凛「グループのリーダーやってみて分かったんだ。リーダーって大変なんだって。それでも海未ちゃんは凛のことを思ってたくさん教えてくれる…。それにこのノートなんだけどね。」

 

凛が見せたのはメンバーの特徴・改善点が書かれたノート。この存在はオレと海未しか知らない。

 

海未「そ、そのノートは…!」

凛「・・・昌信君が教えてくれたにゃ。『明日謝りに行くならこれでも読んどけ』って。読んでみたらメンバー全員の改善点が書いてあったにゃ。勿論凛のもね。」

海未「昌信…。」

凛「昌信君のおかげで海未ちゃんのこと分かった気がするにゃ。ホントに…ごめんなさい。

 

それと・・・これからもいつも通りに教えて欲しいにゃ・・・。」

 

 

 

凛は少し恥ずかしそうではあったものの何か吹っ切れたような笑顔であった。

 

 

 

海未「り、凛・・・私も・・・ごめんなさい!」

凛「う、海未ちゃん?!」

海未「私も・・・凛の気持ちをもっと考えるべきでした。昌信の言う通りまだ凛を知れていなかったと思っています。

凛「ま、昌信君・・・」

 

 

海未「本当にごめんなさい。

 

 

そ、それと・・・これからも凛を指導してもいいですか?」

 

 

 

海未は涙目ながら凛にお願いした。

当然、凛はありったけの笑顔で答えた。

 

 

 

 

 

凛「もちろんだにゃ!これからもよろしくにゃ!」

海未「り、凛・・・!」

凛「海未ちゃん!」

 

凛は海未に抱き着いた。

 

海未「も、もう・・・凛・・・くすぐったいですよ///」

凛「えへへ・・・///」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昌信「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・帰るか」

凛「待つにゃ」

昌信「・・・」

 

オレは凛に首を掴まれる。

 

 

凛「海未ちゃんに言うことがあるにゃ」

海未「ちょっと!凛!昌信は悪くないのです!私のことを思って言ったことなんです!凛のことをもっと理解するべきだと教えてくれたんです!」

昌信「・・・あんときはすまなっかた。」

凛「もっと良い言い方あるにゃ!何が『あんときはすまなっかた。』にゃ?そんなの『認められないわぁ!』」

 

 

 

 

 

 

 

昌信「・・・・・・・」

海未「・・・・・・・」

凛「・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

昌信「ク、ククク・・・今のオレのモノマネ?あと絵里の真似もしたか?」

海未「フフフッ・・・」

 

海未も笑いを耐えている

 

凛「・・・・・うるさいにゃーーー!」

昌信「お、おい!ちょっとーーー!!!」

 

 

 

 

 

 

~*~

 

 

 

翌日

 

 

今日も海未は1年組に指導している。勿論凛も含めて。

 

海未は指導の際は、時には褒めて時には注意してって感じで上手く使い分けるよう心掛けているらしい。

良きことだ。

 

凛も前に比べて活き活きとしてるしダンスの課題も改善の兆しが見えてきた。

 

 

 

陽翔「凛と海未の仲介役やったそうじゃねえか」

昌信「・・・そんな大したことしてねえよ。」

陽翔「相互理解ね…。自分が相手を知って、相手に自分を知ってもらう。それを双方できたら素晴らしいもんだよな。」

昌信「そうだな。」

 

 

 

 

 

オレの身の回りでそれができてるのはここだけ、即ちμ'sだけかもしれない。

 

お互いがお互いを知ってる、あるいは知ろうとしてるからうまく組織として動いているのかもしれない。ある意味すごいわ。

 

 

 

 

 

陽翔「そーいや昨日あったこと凛から聞いたけどよ、凛にノックアウトされたってマジか?」

昌信「されてねえわ!若干危なかったけど辛うじて意識あったから!」

陽翔「おいおい。倒れるほどに致命傷を負うことなんてあんまり無いのに珍しいですねー。」

昌信「・・・うっせ。お前も喰らってみろ。」

陽翔「・・・いや、いいわ。」

 

 

 

 

 

まあ、無事に事案も解決したことだ。とりあえず何よりである。

 

 

 

陽翔「そうだ。この間美味いつけ麺の店見つけたんだ。部活終わったら行こーぜ☆」

昌信「・・・・・行こう。」

 

 

 

凛「え!何何?!ラーメン!?凛も行きたいにゃーーー!!!」

 

 

ズドンッ!

 

 

陽翔「ウグァァァァァーーーーーーー!!!」

 

 

 

結局、西島も凛の猛突進を喰らい、ノックアウト寸前になったとさ。

めでたし めでたし

 

陽翔「めでたくねーからな!!!」




たぶんしばらく投稿できないっす…。

とりあえず相互理解編終われて良かったです。

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