ラブライブ! ~寡黙な男子高校生とµ’sの日常~   作:孤独なcat

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お久しぶりです!
授業中に執筆しました!(笑)




ダイエット編 Part2 ~ダイエットと生徒会~

穂乃果「……え、何これ!?」

 

屋上でのミーティング的なものが終わり、西島を除く2年組は生徒会室へ向かった。西島は屋上に残ってメンバーのレッスンに付き合っている。

しかし、生徒会のテーブルの上には、これでもかというほどの書類やファイルが積まれていた。

 

海未「そろそろ予算会議ですからね。各部から予算の申請が集まっているんです」

昌信「そーいやそういう時期だったな。」

海未「こっちはことりと昌信に整理してもらいますから、私と穂乃果はそれを処理しますよ」

穂乃果「うぇ~、こんなに……」

 

なかなかの量だが協力すれば問題ないだろう。

 

昌信「ちゃちゃっと片付けるか」

ことり「そうだね」

 

軽く意気込んだところでドア付近から声がかかった。

 

美術部員「あのー、すみません。美術部なんですけど」

 

入ってきたのは名乗ったとおり美術部の部員であろう女の子だ。

その手には何やら書類らしきものを持っている。

 

美術部員「急いだ方がいいと思って、直接予算申請書を持ってきました」

ことり「あっ、ありがとー」

 

その手に持っていたのは予算申請書であった。いまいち予算の配分を決める仕組みが分からん。

 

海未「はい、問題ありません。ありがとうございます」

美術部員「じゃあお願いします」

 

本来部外者であるオレの理解が追いついていない場所で話はいつの間にか終わっていた。

 

海未「はい、ことり」

 

海未はことりに申請書を渡す

 

ことり「うん」

海未「さあ、作業に戻りましょう。昌信も整理に戻ってください」

昌信「はいよ」

 

軽いやりとりをこなしようやっと手を動かしていく。

しかし、この後大きな問題が生じてしまうことは昌信は知らなかった。

 

 

 

~*~

 

 

 

何とか生徒会の仕事も一段落し、いつもの部活動へ戻る。

 

ここは神田明神。

いつもμ'sが使っている貴重な練習場所の一つである。

 

 

『すごーい!!』

 

7人の少女と1人の少年が日陰でノートパソコンを覗いている。

スクールアイドル専用サイトで、ラブライブに出るためのPVやライブ映像を投稿しているページ。そこからは自分達が1番最近歌った曲が流れている。

 

 

絵里「凄い再生数ね!」

海未「A-RISEに強力なライバル出現……」

真姫「最終予選は見逃せないって」

 

時々自分達の投稿した動画がどれだけ再生されているか、どういったコメントが残されているかなどの確認をするために見るのだが、反響は予想以上であった。

 

希「どうやら今までの自分達のスタイルでやって正解やったみたいやね」

凛「よぉーし、最終予選も突破してやるにゃー!」

陽翔「やる気も上がったみたいだな」

 

相手はあのA-RISEだとしても、これだけの反響があればつい意気込んでしまうのも無理はない。というより、モチベーションが上がるのならそれに越したことはないのだ。

 

昌信「それまでに、2人にはしっかりしてもらわんとな」

 

オレの視線につられてみんなは階段の方へ視線をやる。

するとまるで示し合わせたかのように、階段ダッシュを終わろうとしていた穂乃果と花陽がヨレヨレになりながらも上がってきていた。

 

花陽「はあっ……はぁ……なに、これ……」

穂乃果「この階段っ……こんな、キツかったっけ……」

 

ぜはーぜはーと、女の子には似つかわしくない息遣いが聞こえるが、そんなのに気を遣えるほどの余力も残っていないのが目に見えて分かる。見たことないぐらいに顔が険しくなっている。

 

にこ「アンタ達は今、体に重り付けて走ってるようなもんなのよ。当然でしょ」

海未「はい、じゃあこのままランニング5キロ、スタート」

 

これだけ疲れているという言葉が似合う顔をしているのに、むしろまだまだ行けるだろという海未の特別おかしいド根性魂が見事に炸裂している。

 

穂乃果「ええー……!?」

海未「早く行く!」

 

せめてほんの少しの慈悲をという視線を2人が送るも、やはり大和撫子魂には届かない。思わず心で2人に合掌を送るオレであった。

 

海未「何してるんです。さあ早く!!」

穂乃果「う、うぅ……海未ちゃんの鬼ー!!」

 

 

 

~*~

 

 

穂乃果「ふっふはっはっ」

花陽「ふっふはっはっ」

 

見事に園田流地獄ダイエットメニューをこなしている最中の2人が、リズムよく息を吐いては吸ってを繰り返しながらランニングをしている。

 

ペースも2人揃って一定を保っている。これならまだ何とかなりそうな雰囲気ではあるが、よりによってμ'sのリーダーである穂乃果が看板を目にしてしまう。

 

それを見てしまったが最後、穂乃果は進んでいた足をそのまま後ろへ巻き戻すかのように看板のある店の間で止まる。

隣から同じ呼吸音が聞こえなくなった花陽は後ろへ振り返る。

 

 

そこにあったのは。

穂乃果と、穂乃果が指さした方向にある店。

 

 

定食屋『GoHAN-YA』。

 

 

 

花陽「はっはっはぁっはっ?」

穂乃果「はぁっはっふっふぅっ」

 

いまだに疑問の視線を向けてくる花陽に穂乃果はご丁寧に手を差し出し、それが何であるかを分からせてしまう。

 

花陽「ハッ!? はぁ~……ぅぅぅッ! ふっふっふ!!」

 

『ご飯大盛り無料』という張り紙を見て目をキラキラ輝かせるが、すぐにダメだと判断して腕をクロスさせてジェスチャーをする。

 

穂乃果「ふぅ、ふぅっふっふ~」

花陽「はっはっは、ふぅぅぅ~!!」

 

傍から見れば何をしているのかさっぱり分からないが、これでも2人の会話(?)は成立しているらしい。

ていうか、穂乃果はμ'sのリーダーでありながらダイエットする羽目になり、挙句の果てに同じ境遇の仲間にちょっと寄ってちょっとご飯食べるだけだから一緒に行こうぜという、とてつもない悪魔的行為をしている。

 

花陽「ふっふっふぅぅぅううう!! ふっふァァァあああああ!?」

 

あまりにしつこい穂乃果の誘いを何とか振り切ろうと、いっそ走り去るようなかたちで駆け出そうとした花陽だが、無念なことにそれは憚れることになった。

いらない時にまで誰かの気持ちを察するカリスマ性をバカが発揮してしまった事によって。

 

何としてでも振り切ろうとする花陽に更なる仕打ちが襲い掛かる。

 

和久「あれ?μ’sの穂乃果ちゃんと花陽ちゃんじゃないか」

 

何とそこに現れたのはマッドサイエンティスト浅井和久である。

 

和久「汗の量、息切れ、服装からして…もしかしてダイエット中だったりするかい?」

穂乃果「ふっふぅぅぅー!」

花陽「ふうっ!ふうっ!」

和久「なるほど。それでダイエット中にも関わらずGoHAN-YAに行こうとしてるわけだ」

穂乃果「はふっ!?」

 

和久の言葉に我に戻った穂乃果。しかし次の和久の言葉で花陽も穂乃果も我慢ができなくなった。

 

和久「でもね。ご飯をたくさん食べることによって生じる体への害よりも、我慢することの方がよっぽど体に害が生じるよ。」

穂乃果&花陽「「はふっ!」」

和久「さあ。僕と一緒にGoHAN-YAへ行こうじゃないか。」

 

こうして3人はGoHAN-YAへ踏み入れてしまった

 

和久「(フヒヒヒヒ…これで合法的にμ’sのメンバーと飯が食えるぜ…)」

 

 

 

~*~

 

 

 

穂乃果「行ってきまーす!! 行くよ、花陽ちゃん!」

花陽「はいっ!!」

 

ダイエットが始まってちょうど一週間がたった。

今日も今日とて脂肪燃焼地獄ダイエットで悲鳴ばかり聞こえてくる………………はずなのだが。

 

 

陽翔「なんか張り切ってんなあいつら。成果でも出てやる気でも上がってんのか?」

 

西島の言う通り、最近の穂乃果と花陽はたまにぶーぶー文句を垂れる時もあるが、その頻度は明らかに減少していた。

体重が少しでも減っていくのを体重計に乗って見たのかは知らないが、実感や成果が出てきたからモチベーションに繋がるのも何かを成し遂げる時への証拠だ。

 

凛「頑張ってるにゃ~」

絵里「順調そうね。ダイエットも」

 

他のメンバーも見慣れたのか、それともあれだけやる気に満ち溢れている2人を見たからか表情は綻んでいる。

ただ2人を除いては。

 

昌信「怪しい…」

海未「同じく。」

 

オレと海未だ

 

陽翔「どういうことだ?」

海未「この一週間、このランニングだけ妙に積極的な気がするのですが」

ことり「気のせいじゃないかな~」

昌信「実際、あいつらが走ってるコースを飲食店が多い。ランニングの時だけ積極的ということはおそらく、いや絶対どっかしらの店に寄ってるとしか考えられん。」

海未「ちょっと見てきます。昌信、着いて来てくてもらってもいいですか?」

昌信「りょーかい」

 

 

 

~*~

 

 

 

ありがとうございましたー、と言い慣れたような軽快な声が店内から聞こえるのを耳にしながら穂乃果と花陽、浅井は外へ出た。

 

 

穂乃果「いや~、今日も美味しかったねえ!」

和久「うんうん、やはりご飯は美味い!」

花陽「見て見て、今日でサービススタンプ全部貯まったよ!」

 

この一週間ずっと定食屋に通い、スタンプを見事埋め尽くせたことに喜びを感じている。

 

穂乃果「ほんと!?」

花陽「これで次回はご飯大盛り無料!」

和久「おお!すごいじゃん!」

穂乃果「大盛り無料!? それって天国~!?」

花陽「だよねだよね~!」

 

「「「あははははははははは!!」」」

 

3人で盛り上がっているところ悪いが、もう少し後ろを警戒するべきだっただろう。

満腹感のおかげで注意力が完全に散漫しているせいか、3人は気付くことができなかった。

 

 

 

もっと深く、漆黒と表現するのも生温いほどの暗黒オーラを放つドス黒い2人の存在に。

 

 

 

海未「あなた達」

『あはははッ―――、』

 

笑い声が途絶える。

 

昌信「よお」

穂乃果&花陽「「ヒィッ!?」」

昌信「オレ達を騙しながら食うメシは美味かったか?」

 

そこには修羅が2人いた。

 

昌信「はぁ…、お前らを信頼していたのに、この有り様か。酷く失望したぞ。」

穂乃果&花陽「「ご、ごめんなさい!」」

昌信「オレよりも色々面倒見てくれている海未に謝れ。」

 

その修羅から逃げようとしている男が1人いた。

 

昌信「おい、浅井」

和久「い、いやぁ…達川君」

昌信「まさか、お前が2人を誘ったのか?」

和久「い、いや…遠からず近からず…」

昌信「穂乃果と花陽と食う飯は美味かったか?」

和久「そりゃ、もう美味かったさ!ダイエット中の2人と合法的に飯が食えたのだからな!…あっ。」

昌信「言質は取った。…分かってるよな?」

 

その後浅井はゴミ捨て場付近で粗大ゴミ同様の姿になっていたと聞いたような聞かなかったような。




久々に浅井和久を出しました。まあなんやかんやで大事な人物なのでね。

卒論と資格の勉強と授業とバイトとゲームで忙しくなるので、繰り返しになりますが次回いつ投稿できるか分かんないっす。でも暇な時間を見つけては投稿したいと思います。
ではでは~。

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