ラブライブ! ~寡黙な男子高校生とµ’sの日常~   作:孤独なcat

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今回、ハロウィンイベント編終了。そしていよいよBEL SPAZIOが登場します


ハロウィンイベント編 part3 ~模索の終着~

「トリックオアトリートォォォおおおおおおおおッ!! やっほぅ!はっちゃけてるー!? 連日凄い盛り上がりを見せているアキバハロウィンフェスタ! みんなも盛り上げてくれてるよー!でもイベントは今日で終わっちゃう。うー、残念!でも落ち込まなくてOK!今日はなんとなんと、スクールアイドルとバンドのスペシャルライブが見られるよ!お楽しみにー!!」

 

 

 

スマホのテレビ中継を見ると、穂乃果達にインタビューしていたレポーターがおかしなテンションで映っていた。

周りを見ても、やはり今日のアキバはいつもと雰囲気が違うと思い知らされる。要するに全体的にHighな感じだ。

 

穂乃果「うう~いよいよライブ……緊張するね~」

昌信「やっぱり緊張するもんなんだな」

穂乃果「そりゃそーだよ…。テレビとかたくさん来てるし。」

 

見たところ全国放送のカメラがあり、講堂でライブした時より精一杯動き回れる遥かに大きいステージ。そして何よりスクールアイドルに興味があるのかないのか見当もつかないほどの客数。こんなに客やカメラがいたら誰だって緊張するわ。現にオレだって緊張してる。

 

絵里「でも楽しんでいきましょ。みんなもほら、楽しそうよ」

 

絵里に促されるままに後ろを向く。

そこにはただこのイベントを純粋に楽しんでいるメンバーがいた。数日前の不穏な空気は全く感じなかった。

 

凛「わあ~見てー! おっきいカボチャー!」

花陽「ほんとだ~!」

凛「すごいおっきいー!」

 

いつも一緒にいる仲間との何気ない日常。

でも、これがオレにとって大きな意味を持った。

 

絵里「どうしたの?」 

昌信「いや、この前西島が言ってた意味が漸く分かった気がしたんだ。」

穂乃果「うん、私も。」

絵里「穂乃果?昌信?」

 

オレと穂乃果の言葉に疑問を感じる絵里。

穂乃果がオレの考えを代弁してくれた。

 

穂乃果「絵里ちゃん、私このままでもいいと思うんだ。A-RISEがすごくて私達もなんとか新しくなろうと頑張ってきたけど、私達はきっと今のままが1番良いんだよ。だって、みんな個性的なんだもん」

 

今までインパクトやら目新しさに囚われ過ぎていた。そのためこれに気づくのが遅かった。

 

穂乃果「普通の高校生なら似たもの同士が集まるものだけど、私たちは違う。時間をかけてお互いのことを知って、お互いのことを受け入れ合ってここまで来られた。それが1番の私たちの特徴なんじゃないかな?」

 

A-RISEにこれ以上差を広げさせないためには自分達も変わる必要があると思い、そのために普段やらない事をたくさんした。色んな部活の服を着たり、自分達自身を入れ替えたりした。絶対やらないであろうロックすぎる姿を披露した。

 

だけど、そのどれもがしっくりとこなかった。

 

何か原因があるのかとも思ったが、実際は根本から間違っていたのだ。

 

μ'sは変わる必要なんてどこにもなかった。

 

穂乃果「私はそんなμ'sが好き!」

昌信「同感だ。」

 

穂乃果の考えに絵里も深く共感した

 

絵里「ええ!私も!」

 

オレたちに笑顔でそう答えてくれた。

気づけば周りもすぐそばまで来ていた。どうやらみんな穂乃果の考えを聞いていたようだ。

 

昌信「とりあえず本番も近い。心して準備に取り掛かるぞ。」

 

オレの声に全員が返事をする。

そこには数日前の変な雰囲気は全く感じさせない普段のμ’sがいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Music:Dancing stars on me!/μ's

 

 

 

 

 

~*~

 

 

 

結論から言うとライブは大成功した。

曲が終わった途端、観客からの絶え間ない大きな拍手・歓声が送られた。拍手や歓声から見て充分にμ’sの存在を世間に知らしめることができたのではと思う。

 

メンバーが着替えているのを待っている間、ある人物に話しかけられた。

 

ツバサ「良かったわよ。ライブ。」

昌信「…綺羅ツバサか。」

ツバサ「彼女たちは?」

昌信「着替え中だ。用があるなら後にしろ。」

ツバサ「挨拶しに来たけど着替え中なら仕方ないわね。」

 

綺羅ツバサは不敵な笑みを浮かべる。

 

ツバサ「いつぐらいから大丈夫なの?」

昌信「そんなもん知らん。しかも着替え終わったら西島のライブを見るために最前列を確保しに行くらしいからお前の相手をする暇はねえだろう。」

ツバサ「そ、そうなの…。そういえば西島陽翔さんもこのイベントに出るそうね。」

昌信「どうもそうらしい。でもまだグループ名が分からん。」

ツバサ「…私たちも見ようかしら。」

昌信「ああ。良いんじゃね?そしてあとで感想をあいつに言ってやると喜ぶだろうし。」

ツバサ「そうね。…そうだ。これだけは言っておくわ。」

昌信「何だ?」

 

綺羅ツバサから先ほどの砕けた感じが消えた。

 

ツバサ「あなた達はまた大きく成長している。それも凄い勢いでね。はっきり言って驚いてるわ」

昌信「…そんな表情には見えないが?」

 

どんなことを言っても、綺羅ツバサにはどこか余裕があるように見える。それほどまでに風格があるのだ。

 

ツバサ「まあ、私達の目に狂いはなかった。とだけ言っておきましょうか」

 

そう言い残してツバサは去ろうとする。おそらくもう出番なのだろう。それなのにわざわざここに来たという事は、本当に挨拶をしに来ただけかもしれない。

 

昌信「まだμ'sはA-RISEに及んでいないのかもしれない。まだ勝てるところまで実力は上がっていないのかもしれない。まだ差が開いているのかもしれない」

ツバサ「?」

 

この際、宣告しておこう 

 

昌信「だが、しかし」

 

μ'sのマネージャーだと自覚する男は、堂々とラブライブの王者に言ってやった。

 

昌信「最後はμ'sが勝つ」

ツバサ「……へえ」

 

不敵な笑みはより深くなった。しかしどこかワクワクしているようにも見て取れた。

男の言葉を聞いて、王者は再び歩を進める。

 

 

 

 

 

 

ツバサ「当然、私達も負けないわ」

 

 

 

 

 

 

 

そう言い残して去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

~*~

 

 

 

自分たちのライブが終わったあとは西島のライブだ。

正直、ライブ終了後のメンバー全員がその話題に持ちっきりだ。

 

あの後、A-RISEのライブがあったが、みなさんどうもそれどころじゃなかったらしい。

そりゃそうだ。だってまだ西島のグループが分からないから。

いい加減イライラしてくるとついにLI〇Eが来た。

 

昌信「おい、西島からメール来たぞ」

 

オレの言葉に全員が寄ってくる。

 

穂乃果「何何?!」

にこ「早く教えなさいよ!」

花陽「何てグループですか!」

海未「教えてください!私たちもう待ちきれませんよ!」

 

やめろ。一気に近寄るな。逆にメールが読めない。

 

昌信「落ち着け…。えーっとグループ名は…………マジか。」

絵里「どうしたの?」

昌信「あいつのグループ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

BEL SPAZIOだ」

 

しばらくの間、沈黙が続いた。

そりゃそうだ。今まで一緒にバカやってきて編曲で頼りになったやつがあの超有名なバンドのメンバーなんだもん。

 

にこ「Oh…」

花陽「あとでサインもらっておきます?」

にこ「そうね。」

 

さすがアイドルガチ勢。そこらへんのことを既に考えているのか

 

昌信「ま、まあ…とりあえず席の方に移動しよっか。ライブ出場者は特等席で見れるからゆっくり行こうか」

 

そう言った瞬間、メンバー全員が猛ダッシュした。

オレだけが取り残されてしまった。

 

昌信「…………行くか。」

 

 

 

~*~

 

 

 

オレ以外のメンバー全員が猛ダッシュで移動し席についている中、オレはゆったりと移動した。その時観客の様子を見てみると、スクールアイドルの比にならなかった。あまりにも多すぎて観客が溢れかえっている。μ’sよりも、A-RISEよりも、どのグループよりも圧倒的な観客数だった。下手したらサマーソニックと同じくらいの規模じゃねえかって思うくらいだ。

 

穂乃果「ほぇ~。すごい規模だね~。」

にこ「当り前よ!なんせ伝説のバンドだから」

昌信「もうそろそろ始まるぜ」

 

 

 

 

『ドカンッ!』

 

 

 

爆発音と共に弾幕が落ちた。

 

 

 

そこにはBEL SPAZIOの面子が揃っていた。

 

 

 

ハル「みんな久しぶりだなぁぁぁぁーーーー!!!!!!」

『ウォォォォォーーーーー!!!!!』

ハル「てめえら元気だったかァァァ!!!!!」

『ウォォォォォーーーーー!!!!!』

ハル「久しぶりすぎてやっべぇから自己紹介するぜぇぇぇ!!!」

『ウォォォォォーーーーー!!!!!』

 

ハル「まずはギターのレイだぁぁぁ!!!」

 

自己紹介と共にギターソロを披露する。素人でも分かるくらいすごい。

 

ハル「同じくギターのユズハだぁぁぁ!!!」

 

ギターソロを披露した人とは対照的にちょこっとお辞儀する。

 

ハル「ベースのシュウヘイだぁぁぁ!!!」

 

ベースのスラップを披露して観客を沸かせる。

 

ハル「キーボードのリカだぁぁぁ!!!」

 

軽く手を振る。

 

ハル「ドラムのケンセイだぁぁぁ!!!」

 

ドラムを激しく叩く

 

ハル「そしてぇぇぇーーー、最後はボーカルのハルだぁぁぁ!!!よーーーし、そんじゃ早速3曲ばかりぶっ飛ばしていくぜぇぇぇ!!!」

 

『ウォォォォォーーーーー!!!!!』

 

自己紹介が終わると早速曲に入る。

曲が始まると観客のボルテージが一気に上がった。

 

 

 

数曲終わるころには観客はもはや1つの集合体として不思議なくらい纏まっていた。

これはどのグループにもなかった一体感だ。

 

ハル「よぉぉぉーーーし!そんじゃ、新曲行くぜぇぇぇ!!!」

『ウォォォォォーーーーー!!!!!』

 

懐かしいヒット曲を歌ってから何と新曲をぶっこんできた。

BEL SPAZIO特有の疾走感とキレが更に強調された素晴らしい曲であった。

 

 

 

~*~

 

 

 

BEL SPAZIOのライブが終わると、オレたちは許可を得て彼らのいる控室に入れてもらえた。

 

穂乃果「こ、こんにちは~。」

 

穂乃果が少し緊張しながら入ると、そこにはBEL SPAZIOのメンバー全員がいた。

 

陽翔「お!来た来た。ありがとな。見てくれて。」

昌信「まさかお前がベルスパのメンバーだったとは…。」

花陽「それにここでメンバー全員と会えるなんて感激です!」

 

??「そうだ!せっかくの機会だし合同で打ち上げをやらないかい?」

??「ふむ、面白そうだな。」

??「まあ、そうっすね。」

??「あら、いいんじゃない?」

??「そ、そうですね!」

陽翔「お、みんな乗り気だねー。どうだい?そっちは?」

 

ベルスパ側の急な提案に戸惑いが隠せない。

しかし、1人だけ答えた

 

穂乃果「やります!いいよね?昌信君!」

昌信「え、あ、ああ。良いんじゃね?」

陽翔「よーし、決まりだ!さて、場所はどうしようか…。」

真姫「場所なら…私の家を使う?」

陽翔「マジ!?助かるぜ!そんじゃ、オレはこっちのメンバーと一緒に行くからまた後でな!」

 

 

 

こうしてμ’s&BEL SPAZIOの合同打ち上げの開催が決まった。




次回、合同打ち上げ編します。
BEL SPAZIOのメンバーのプロフィールも次回載せます。

乞うご期待。


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