ラブライブ! ~寡黙な男子高校生とµ’sの日常~ 作:孤独なcat
このSSを読んでくださっている皆様のおかげでここまで続けることができました。私はまだまだ未熟者ですが、今後とも宜しくお願い致します。
では・・・今年初投稿です!
どうぞ!
西島のおかげでµ’s復活を目指して動くことになった。
これからどうしようか・・・と思いながら廊下を歩いていたら海未と遭遇した。
達川&海未「「あっ・・・」」
最初の一言が被ってそのまま沈黙が続いた。しかし海未を見て少しひらめいたことがあるので思い切って話しかけることにした。
達川&海未「「あのっ・・・」」
また被った。
達川「・・・先に言ってくれ」
海未「あっ、はい・・・。このあと時間ありますか?」
達川「奇遇だな。オレもそう聞こうとしていたわ。」
海未「そうでしたか。では、公園に行きましょう。」
達川「分かった」
こうして公園に向かった。
公園のベンチに座ると、海未から話しかけてきた。
海未「何かあったのですか?傷が随所にありますが・・・」
達川「いや・・・これは・・・気にしないでくれ」
海未がオレの怪我を心配している。しかし、西島と喧嘩したなんて言えないし、今はそんな話をしたいのではない。
海未「分かりました。達川さんは・・・ことりがもう留学してしまいますが・・・これからどうすべきだと思いますか?」
達川「ことりの留学を食い止めてµ’sを復活させる。」
海未「そうですか・・・・・・ええっ!?」
海未は目を丸くして驚いていた。しかも時間差で
達川「そんなに驚くことか・・・?」
海未「いえ・・・だってあの時『もう知らない』って・・・」
達川「あれは・・・心から申し訳なかったと思っている。これからメンバー全員に謝るつもりだ。」
海未「達川さん・・・」
達川「・・・何だよ///」
潤んだ目でこちらを見ないでくれ。恥ずかしいから。
海未「とはいえ・・・どうやって復活させるのですか?」
達川「その前に1つ確認したいことがある。」
海未「はい、何でしょうか?」
達川「あのとき・・・穂乃果が『本気』であんなこと言ったと思ってるか?」
これは、オレが思ったことだ。いつもアホみたいに前向きな穂乃果があんなことをサラって言うだろうかと
アイドルが好きならばありえないはずだとオレは信じている。
海未「私には・・・そうは思えません。」
達川「だろうな・・・」
海未「穂乃果は・・・自分の気持ちにウソをついています。本当は穂乃果だってアイドルを続けたいって思っているはずなのです!なのに・・・なのに・・・」
達川「それであの時怒ったわけだ」
海未「はい・・・」
海未はオレとは少し異なった理由で怒っていたのか。
達川「何か・・・その・・・ありがとな。」
海未「いえいえ・・・それで、どうするのですか?」
達川「ああ、端的に言うと、穂乃果にことりの留学を阻止させるんだ。」
海未「ええっ!?・・・できるのですか?」
達川「まあ・・・ここはオレに任せてほしい。何としてでも2人をµ’sに戻す」
ちなみに何故穂乃果にことりの留学を阻止させるのか?
それはパーティーの時に「真っ先に穂乃果ちゃんに相談しようとした」と言っていたあたり、それぐらいことりにとって穂乃果はとても大きな存在なのである。だから穂乃果がことりの心を動かさせるしかないとオレは考えている。また、海未が理由を聞いてこなかったのは、このことを分かっていたからであろう。
海未に確認したところ、ことりが留学するのは明後日だとのこと。・・・時間が無い。
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翌日
昨日の喧嘩の影響のせいで体中痛いのを我慢しながら登校したオレはすぐ生徒会室へ向かった
達川「失礼します」
絵里「はい・・・って達川君!?」
希「どないしたん?こんな朝早くから・・・って酷い怪我やな。」
2人とも目を丸くしてオレを見つめる
特に希に関してはオレの体の状態を見て驚いていた。アザとか腫れは1日じゃ無くならないからな・・・
達川「あの時、もう知らないってµ’sを放置したことは深く反省している。・・・申し訳なかった。」
オレは深く頭を下げる
絵里「ちょ、ちょっと・・・そんな謝らなくても・・・」
希「そうや。いいから顔を上げてくれん?」
オレは渋々頭を挙げる
達川「許してくれるのか・・・?」
絵里「もちろんよ!達川君はそんな人じゃないって信じてたのよ!」
希「うちもや!いつもサポートしてくれてた達川君が急にコロッと見捨てるような人じゃないって分かったで!でも・・・何か企んでるんやろ?」
達川「まあ、そうだ。µ’sを復活させようとな」
絵里「できるの・・・?」
絵里はオレをジッと見つめる
達川「ああ。2人だって、µ’sがそのまま解散になるのは嫌だろ?」
絵里「当たり前よ!私を変えてくれた場所よ!穂乃果や皆が差し伸べてくれた手に私は救われたと思っている。だから・・・解散になるのは嫌よ!」
希「うちもそう。μ'sっていう名前はうちがつけた名前やし、思い入れがある。だから・・・これからも9人で踊ったり歌ったりしたい!」
2人ともµ’sでやっていきたいと思っている。その思いはしっかりと受け止めたつもりである。
達川「だろ?オレだってそうだ。」
希「具体的には何をするん?」
達川「それはまた後で教える。他の人のとこにも行かなきゃいけないし。」
希「うん、分かった。」
そう言ってオレは生徒会室をあとにした。
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時が変わって放課後
オレは音楽室へ向かった。音楽室に近づくにつれてピアノの音が大きくなる。おそらく真姫が弾いているのだろう。演奏中に入るのは申し訳ないので音楽室の近くで耳を澄ませて聴くことにした。曲は・・・ショパンの『軍隊ポロネーズ』だったかな。なかなか華麗で良い曲だ。
達川「なかなか良かったじゃん・・・『軍隊ポロネーズ』」
真姫「そ、そう・・・ありがと・・・ってなんでここに来たのよ?!」
達川「いや、まあ・・・ちょっと伝えたいことがあって来たわけだ。」
真姫「で、その内容は何?」
真姫は鋭い目でこちらを見ている
何気に怖いのだが
達川「ああ、あの時のことだが・・・『もう知らない』って言ってµ’sを見放したことは反省している。申し訳ない。だからことりが留学する翌日までこんな状態になってしまったのだと思っている。」
真姫「今更反省しても・・・」
達川「それで穂乃果とことりをµ’sに戻すべく動いてるんだ。」
真姫「・・・できるの?」
達川「ああ。お前だってこのままµ’sが解散するのは嫌だろ?」
真姫「当たり前でしょ!私はもっとµ’sのみんなといたい!穂乃果もことりも・・・戻ってきてほしい」
さすがのツンデレの真姫もここは本心を言ってきた
達川「フッ・・・そう言うと信じてたよ」
真姫「当然でしょ!」
達川「ま、そうだな。そんじゃ、失敬するわ」
真姫「待って!」
オレが帰ろうとしたとき、真姫に呼び止められた
達川「ん?」
真姫「ここに入ってきた時から気になってたけど・・・その怪我どうしたのよ?」
達川「いや、まあ・・・ちょっと色々あってな。」
真姫「アザとか腫れの具合からして、喧嘩でもしてたのでしょ」
流石医者の娘だ。鋭すぎる。
もういいや。全部話そう。
達川「まあ・・・そうだ。昨日西島と喧嘩したんだよ」
真姫「ちょっと・・・何でよ?」
達川「明らかにオレに非があるけどな・・・」
オレが一昨日の喧嘩のことをすべて話した
真姫「ちょっと陽翔に何てことしてんのよ!!」
真姫の怒号が音楽室中に響いた。
それよりも・・・陽翔?
西島のこと名前で呼んだよな?
どんな繋がりがあるんだよ・・・
達川「いや、まあ・・・仲直りはしたぜ?」
真姫「そういうことじゃないの!」
達川「はい、ごめんなさい」
真姫「陽翔はµ’sの大切なファンだけど・・・・!陽翔は・・・」
オレはこの先のことを聴いた瞬間、あまりにも衝撃的過ぎて、大声をあげて驚いてしまった
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絵里からにこ、凛、花陽は神田明神で練習しているという情報を得て、神田明神へ向かった。
凛「あっ、達川君だにゃ!」
花陽「久しぶりだね」
達川「たしかに・・・久しぶりな気がする・・・」
にこ「ちょっとー!凛も花陽どうしたのよー?・・・って、達川じゃない。何の用?」
にこがオレを睨んでくる。まあ睨まれても仕方ないか・・・。
達川「ああ、単刀直入に聞くが、またµ’sでやりたいって気はないか?」
にこ「きゅ、急ね・・・。そもそもµ’sのことはもう知らないって言ってたのに今更何なの?」
達川「いや・・・あれは・・・申し訳なかったと思ってる。」
にこ「はあ!?謝って済むと思ってんの!?」
花陽「ちょっとにこちゃん!」
凛「落ち着くにゃ!」
にこがオレに怒鳴っている所を、花陽と凛はにこに落ち着くようなだめる
達川「まあ・・・だからこうやってµ’s復活に向けて動いてるわけだ。」
にこ「・・・」
達川「んで、どうなんだ?やりたいか?」
にこ「・・・当たり前じゃない。10人みんなで・・・夢を掴みたいし」
凛「凛も!みんなでわいわい踊って歌いたい!」
花陽「私も・・・みんなと一緒にいたい。あの時、穂乃果ちゃんをはじめみんなが手を差し伸べてくれたから今の私があるし・・・。」
3人とも思いは一緒のようだ。
達川「オレも・・・同じだ。9人を精一杯サポートしたい」
花陽「でも・・・ホントにできるの?」
達川「ああ、絶対に復活させて見せる。だから・・・オレを信じて待っててほしい。」
花陽「うん・・・分かった。私は達川君を信じるよ。」
凛「凛も信じる!」
にこ「はあ・・・しょうがないわね・・・達川!絶対に復活させなさいよ!穂乃果とことりを戻しなさいよ!」
達川「ああ!」
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にこ、凛、花陽と別れた後、穂むらへ直行した。
達川「こんにちは・・・」
雪穂「いっらしゃいませー・・・って達川先輩!?」
達川「久しぶりだな。穂乃果はいるか?」
雪穂「は、はい。いますよ。」
達川「できれば少し話をしたいのだが・・・」
雪穂「分かりました。ちょっと待ってもらえますか?」
達川「おう。」
雪穂曰く穂乃果はあまり元気が無いみたいだ。まあそれも当然だ。でも、話したかったので無理を言って案内してもらった。
達川「お邪魔しまーす」
穂乃果「達川君・・・」
達川「気分の方は・・・どうだ?」
穂乃果「うん・・・あんまり・・・」
達川「そうか。本題に入る。その・・・あの時はすまなかった。気を取り乱してしまった。」
穂乃果「え、ええ!?なんで謝るの?悪いのは私だよ!アイドル辞めるとか言ったから怒ったんでしょ?」
穂乃果はオレが急に謝罪してきたことに驚き混乱する
オレがあの時怒った理由はそれもある。でもそれ以外にも他のメンバーの思いを踏みにじったこととか色々ある。
達川「まあ・・・それもある。でも、お前は・・・A-RISEになんて勝てないとかいくら練習しても無駄だとかって本気で言ったのか?」
穂乃果「それは・・・」
達川「お前にとってスクールアイドルµ’sは廃校のための道具としてしか思ってなかったのか?」
穂乃果「・・・」
達川「海未も言ってたけどな、お前があんなこと本気で言ったとは思えない。自分の気持ちにウソをついているんだ。」
穂乃果は黙ったままである。でも黙ったままということは、あの時は本気では無かったことを意味する。さらにオレは続ける。
達川「オレは・・・お前が羨ましい」
穂乃果「えっ・・・」
達川「スクールアイドルを結成するってのは音ノ木坂にとっては未知の領域。人間誰しも新しいことに挑戦するってのは相当の勇気がいる。スクールアイドル結成ってのもその例だ。でも、お前にはそれがある。失敗を恐れずに前に突き進んでいく。お前のおかげでメンバー全員はここまで来れたんだ。それに・・・オレはお前からその勇気ってやつを学んだ。」
穂乃果「達川君・・・」
オレは思っていたことを全部言葉にした。
穂乃果「私は・・・たい」
達川「もう少し声張って言ってくれ」
穂乃果「私は・・・まだまだみんなと歌って踊りたい!ことりちゃんも一緒に・・・みんなと一緒にいたい!みんなでスクールアイドル続けて・・・夢を掴みたい!」
達川「フフッ・・・よく言った」
穂乃果「明日、ことりちゃんのところへ行く!」
達川「いや、その前にやるべきことがあるだろ?」
穂乃果「えっ?あ・・・そうだね!できれば明日達川君も講堂に来てくれないかな?」
達川「オレもか?まあ構わんが・・・」
オレは海未と話をつけてからことりのもとへ行くべきだと思っていたのだが、穂乃果はそのことを分かっていたようだ。ただ・・・何故オレも?
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穂乃果の自宅を出た後、オレは海未に電話する
達川『もしもし、オレだ』
海未『どうしたのですか?』
達川『明日なんだが・・・
復活ライブやるぞ』
海未『ええ!?でも・・・それは穂乃果とことりが復活したらっていう前提ですよね?』
達川『ああ。でも・・・穂乃果ならやってくれる。』
海未『穂乃果が・・・?』
達川『そうだ。詳しいことはまた明日話す。』
海未『分かりました。』
おそらく穂乃果は海未に明日講堂に来るよう連絡するはずだ。その時に海未に詳細が分かるはず。
オレはそのまますぐに西島に電話する。
達川『よお、オレだ』
西島『おお、達川か。どうしたんだ?☆』
達川『明日、復活ライブをやる。』
西島『マジか!?』
達川『絶対に復活させるから・・・手を貸してくれ』
西島『任せろ☆絶対に復活させろよ!』
達川『ああ!』
まだ完全に復活したわけでは無い。でも、穂乃果ならやってくれるとオレは信じている
おそらく次回で西島と真姫の関係が明らかになるかもしれないです。
では、また次回