ラブライブ! ~寡黙な男子高校生とµ’sの日常~ 作:孤独なcat
ずっと新作書いてました。
さて、今回はいよいよ解散の危機になります!
では、お楽しみください!
穂乃果 side
件名:なし
私、全然気づいてなかった・・・
私が夢中過ぎて
みんなの気持ちとか
全然見えなくて
だから
ことりちゃん ごめんね
私は家に帰った後、携帯でことりちゃんにメールで謝った。
けど・・・私の心は全然晴れなかった。寧ろ悪くなったかもしれない。
私のせいでこんな事になってラブライブを辞退して・・・ことりちゃんにも迷惑をかけた。
穂乃果「謝ったって・・・もう・・・」
暗い部屋の中でベットで縮こまりながらそう呟く。ただ唯一明るいのは私のパソコンである。パソコンにはA-RISEのライブが流れている。私はA-RISEのライブの映像を見て思った。
穂乃果「凄いなぁ〜、追いつけないよ・・・こんなの・・・」
A-RISEはすごい。すごすぎるがゆえに私はA-RISEみたいにたくさんのお客さんの前で歌ったり踊ったりする事は出来ないと私は思った。
穂乃果「私・・・何やってたんだろ・・・?」
私はそんな事を考えてしまった。
穂乃果 side out
達川side
教室に入って待っていたのはとても気まずそうな雰囲気であった。
穂乃果は机に突っ伏したまま。海未は、机を見ると筆記用具とかカバンが置いてあるのでおそらく来ているとは思われるが今はいない。そして・・・ことりはまだ来ていない。
絵里「穂乃果、達川君!」
朝っぱらから誰だよって思って廊下の方を見ると絵里がいた。手招きしてるあたり何か話があるのだろう。
達川「朝からどうしたんだ?」
絵里「ちょっと話があるの。屋上に来てくれないかしら?」
達川「分かった。行こうか、穂乃果」
穂乃果「うん・・・」
屋上に行くと、既にことりを除いたメンバーが全員集まっていた。
達川&穂乃果「「ライブ!?」」
オレと穂乃果は突然ライブをすると聞いて驚きのあまり声がかぶる。
絵里「そう。みんなで話したの。ことりが留学する前に全員でライブをやろうって」
希「ことりちゃんも来たら言うつもりよ」
凛「思いっきり賑やかのにして、門出を祝うんだにゃ!」
すると、突然にこが凛の頭をチョップした
にこ「はしゃぎ過ぎないの!」
凛「にこちゃん何するのー!?」
2人はギャーギャー叫ぶ。
達川「まあ、2人とも落ち着け・・・オレは賛成だ。ことりが留学する前にライブやって最後の思い出作りをするのも良いと思うぞ。」
オレもライブをやるっていう提案には賛成だ。
まさかみんながオレの知らないとこでこんな事を考えていたなんて・・・
しかし、みんなが乗り気の中、1人だけ不満そうな顔をしてる人がいた。
・・・穂乃果であった。
海未「まだ・・・気にしているのですか?」
絵里「明るく行きましょ!これが9人でやる最後のライブになるんだから!」
穂乃果は下に俯きながら喋った。
穂乃果「私がもっと周りを見ていれば…こんな事にはならなかった・・・」
花陽「そ…そんなに自分を責めなくても…」
穂乃果「自分が何もしなければ、こんな事にはならなかった!」
達川「おい」
穂乃果「ッ!」
達川「お前まだ気にしてんのか?1人で抱え込んでも碌な事ねえぞ。今回の件はみんなの責任だって言っただろ?何回も同じこと言わすな。」
穂乃果「でもッ・・・」
あれだけ言ったのに自分で抱え込もうとしてる姿を見ると見苦しいと思ったのでこの流れにメスを入れた。
絵里「その通りよ。それにそれをここで言って何になるの?何も始まらないし、誰もいい思いもしない」
オレに続いて絵里が穂乃果にそう言う。
真姫「ラブライブだって、次があるわよ」
にこ「そうよ!次こそ出場してやるんだから!落ち込んでる暇なんてないわよ」
穂乃果「出場してどうするの?」
にこ「えっ…?」
穂乃果「学校は存続された。だからもう出る必要もない。」
ほほう・・・
穂乃果「それに無理だよ・・・いくら練習したってA-RISEみたいになれっこない」
オレはそれらの言葉を正気で言ってるのか疑った。
オレを含めみんなは穂乃果の本気だったから穂乃果について行ったのだ
真姫、凛、花陽、にこ、絵里、希も・・・
そして最初の方からいた海未、ことり、オレも・・・
穂乃果が本気だったからついてきたのだ
だから・・・みんなは厳しい練習とか辛い試練を乗り切ってきたのだ
オレだってそういうみんなを精一杯サポートしてきたつもりだ
ラブライブ出場という共通の目標を掲げて
なのに・・・
いくら練習したってA-RISEには追いつけない・・・?
無理だ・・・?
穂乃果はみんなの思いを簡単に踏みにじった。
それ故に
オレは本気で怒鳴った
達川「おい・・・あんた本気で言ってんのか・・・?」
穂乃果「・・・」
穂乃果は黙ったままであった
達川「もう1回聞くぞ・・・本気で言ってんのか?!」
危ない予感を察知したのか、にこ、真姫、凛が3人がかりでオレを掴みに来る
真姫「ダメ!」
にこ「落ち着きなさい!」
凛「やめるにゃ!」
オレはそれをお構いなしに穂乃果の方へ近づく
達川「オレはな・・・ッ!最初の時からあんたが本気だと思ったからここまでついてきたんやぞ!オレだけじゃない!みんなそうだ!みんなあんたが本気だって思ったからついて来て、ラブライブ出場目指して頑張ってきたんだろうが!それをこんなことで諦めようっていうのか?!こんなことでやる気無くすのか?!オレたちをダラにしとんのか?!ふざけんじゃねぇぞ!」
絵里「達川君!落ち着いて!」
オレは絵里の言葉で我に返る。周りを見たら1年組、にこは泣いていた。
達川「すまん・・・取り乱した。」
絵里「いいのよ・・・。じゃあ、穂乃果はどうすればいいと思うの?どうしたいの?」
穂乃果「・・・」
達川「答えろ・・・穂乃果」
次の穂乃果の発言でみんなが凍り付いた。
穂乃果「やめます。」
はあ?
穂乃果「私、スクールアイドルやめます」
みんな穂乃果の答えに愕然としている。絵里や希でさえも開いた口が塞がらない状態だった。
オレはもう我慢の限界であった。
達川「あんたなッ・・・!」
オレは穂乃果の方へ再び近づこうとしたが、オレよりも早く穂乃果の方へ近づいた者がいた。
・・・海未であった。
海未は屋上を出て行こうとしている穂乃果の腕を掴み・・・
パチーン・・・・・・
穂乃果の頬を思いっきりビンタした。
海未「あなたがそんな人だとは思いませんでした・・・!最低です・・・あなたは・・・あなたは最低です!」
ふと海未を見ると涙を流していた。それほど悲痛な思いを抱えていたのかと思われる。
この時、もうオレはどうとでもなれと思ってしまった。
もちろん、投げやりになったといえば否定できないが・・・
もうどうなっても知らんと思ってしまった。
達川「もう・・・オレは・・・知らん。」
そう言い残してオレは屋上を出て行った。
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あれから2週間近く経った。もうあと2,3日でことりは留学する。
オレはあの件以降オレはµ’sに関してはノータッチである。ただ知っていることはµ’sの活動が休止したことと、真姫は音楽室でピアノを弾いてること、絵里と希は生徒会の仕事をしていること、にこと凛と花陽が3人でアイドル活動を始めたことくらいである。教室では相変わらずオレと海未と穂乃果は一切会話をしないし、クラスメイト全員が何があったのだろうかと気になる目でこちらを見ている。
放課後、やることが無く、勉強のやる気もあまりなかったので屋上で寝転がっていた。すると誰かが入ってきた。
・・・西島であった。
西島「よお、達川☆」
達川「なんだ西島かよ・・・」
西島「なんだって何だよ!?」
達川「すまんすまん・・・。んで、どうしたんだ?」
西島「いや、まあ・・・オレも屋上にいたい気分になったから来ただけだよ」
達川「ふーん・・・」
西島はオレの隣に寝転がってきた。
正直どうでもいい。西島が来ようとオレはただぼんやりとしているだけだし。
西島「それにしてもあの雰囲気どうにかしろよ・・・正直いづらいわ」
達川「オレに言うな・・・オレには関係ないし。」
西島「関係なくはねえだろ・・・µ’sのサポート役なんだし。」
達川「だからオレはもうµ’sのことは知らん。あの件以降オレはµ’sに関わらんって決めたし。」
すると、西島が今までに見たことのない真剣な形相でオレを見て話しかけてきた。
西島「おい・・・それ本気で言ってんのか?」
達川「だとしたらどうする?」
西島「お前はµ’sのサポート役であり精神的支柱だ。そんなお前が今の現状放置していいのか?」
達川「・・・お前には関係無いことだ。」
すると急に西島が立ちあがった
西島「関係ない!?ふざけんなっ!オレはµ’sの大ファンだぞ!µ’sがいたからこそオレだって今を生きていけたんだぞ!µ’sのライブがあったからこそ明日も頑張ろうって気になったんだぞ!オレ以外にもそういう人はたくさんいるんだぞ!?」
さらに西島は言葉を続ける。
西島「たしかに2週間前の出来事に関しては高坂さんに非はあるかもしれん。でもな・・・それをもう他人事として見捨てたお前にだって完全に非はあるぞ!こんな事態になったときこそサポート役が動かないで何になるんだ!ただ逃げてるだけだぞ!お前のそんな無責任な行動のせいでたくさんのファンの期待や希望を踏みにじってんだぞ!最低な野郎だ!」
『最低』か・・・海未が穂乃果にビンタして泣きながらそう言っていた時の様子が脳裏を過った。
西島の言ってることに言い返すことができなくて腹が立ってしまった。
それ故に・・・・・
西島を殴ってしまった。
ゴンッ・・・!
西島「いってぇ・・・」
達川「うるせぇ・・・何分かった気になってんだ・・・」
西島「はぁ?お前はただ核心突かれて悔しいだけだろうがッ!」
今度は西島が殴ってきた。オレは避けることも出来ずに受けてしまう。
達川「グフッ・・・てめぇ・・・やる気か?」
西島「上等だ!」
こうしてオレと西島の喧嘩が始まった。
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穂乃果side
今日はヒデコちゃん、フミコちゃん、ミカちゃんの3人と遊んでいた。
いつも通り帰ろうとしたら校門で3人に出会い、遊ぼうと誘われた。その時にヒデコから、廃校を阻止するためにアイドル始めて、目的が達成できたからやめたのだから気にすることは無いって言われた。確かにそうかもしれないけれども何故か心がモヤモヤしたままである。でもヒデコたちだけじゃなくて学校のみんなが私たちµ’sに感謝してるって知ったときはとても嬉しかった。
そして今に至る。クレープ食べたり、ゲーセンでプリクラ撮ったり、UFOキャッチャーとかシューティングゲームで遊んだり・・・今までだと放課後はµ’sの練習をしていたので、こうして遊んですごしたのはとても久々な気がした。
するとフミコちゃんがこんなことを言ってきた
フミコ「ねえねえ!あっちにダンスゲームがあるよ!やらない?」
ミカ「いいねぇ!やろう!」
ダンスか・・・µ’sの練習以来だ・・・
久しぶりだな・・・
ヒデコ「穂乃果もやるよね?」
穂乃果「えっ!?う・・・うん!」
最初はヒデコとミカが対戦した。2人とも以外にも上手で驚いてしまった。結果は・・・ヒデコが勝利した
ヒデコ「じゃあ、次は穂乃果ね!」
穂乃果「ほえ!?」
フミコ「負けないよー!私これ得意だから!」
穂乃果「よぉーし!」
こうして穂乃果vsフミコのダンス対決が始まった。フミコもやる気満々だし、勿論私もやる気満々である。
しかし、いざ、ダンスのステージに立ってみるとµ’sでダンスをしていた時の記憶が脳内に再生された。ダンスが始まったことにも気づかないくらいに再生された記憶に浸っていた。
ヒデコ「穂乃果!始まってるよ!」
穂乃果「うん!」
ヒデコの声によって踊り始めた。
画面から出てくるリズムに合わせて足を動かす。今のところExcellent連発してる。これはハイスコアが期待できるかも。
それと同時にダンスの楽しさも改めて分かった。やっぱり・・・私はダンスが好きなんだ。
踊り終えたころにはヒデコたちから歓声を浴びた。
フミコ「練習してたの?」
穂乃果「いや・・・全然。」
ミカ「スタートでミスしてなかったらすごいスコアだったじゃない?」
ヒデコ「やっぱりずっとダンス練習してきただけあるね・・・」
私は画面の方を見る。画面には『AAA』と表示されていたが、それを見るとラブライブのホームページが思い出された。目標にしていたラブライブを辞退したこともあってあまり気持ちの良いものでは無かった。
ヒデコちゃんたちと別れた後、UTXの大スクリーンの前に行った。そこにはA-RISEが映っていた。スクリーンを見ると『Love Live Winner』と表示されていた。つまり、第1回ラブライブで優勝したのだろう。
穂乃果「きっとすごいアイドルになるんだろうな・・・」
単純にすごいと思ったので、気づかないうちにそう呟いてしまった。
文化祭の件でたくさんの人に迷惑をかけてしまった。
花陽ちゃん・・・
凛ちゃん・・・
真姫ちゃん・・・
絵里ちゃん・・・
希ちゃん・・・
にこちゃん・・・
海未ちゃん・・・
達川君・・・
そして・・・ことりちゃん
アイドル始めた時からライブの設営とか手伝ってくれて、応援してくれていたヒデコちゃん、フミコちゃん、ミカちゃん、西島君・・・
私が自分勝手に行動したから迷惑かけてしまった。
私のせいでこうなったのだ。
だから・・・
今度は誰も悲しませないことをやりたい。
自分勝手にならずに済んで・・・
でも楽しくて
たくさんの人を笑顔にするために頑張ることが出来て・・・
でも・・・・・
そんなもの、あるのかな・・・
そう思いながら家へ帰った。
穂乃果side out
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そのころ、屋上では・・・
達川「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」
西島「ゼェ・・・ゼェ・・・ゼェ・・・」
あれから30分くらい、オレは西島と喧嘩していた
オレも西島も吐血していたので、周囲は血で赤く染まっていた。西島が予想以上に強かったので体に相当大きなダメージを負ってしまった。しかしそれは西島も同じであった。お互いにボロボロになり地面に転がった。
西島「お、おい・・・お前は・・・このままでいいのか?」
達川「・・・はあ?」
西島「だ・・・か・・・ら・・・、お前は彼女たちをもう一度サポートしたいとは思わねえのか?!」
西島は残された体力を振り絞ってオレに質問する。
達川「・・・だろ」
西島「ああ?」
達川「このままで・・・いいわけねえだろ!」
西島はニヤッと笑った。
達川「オレはな・・・あいつらのお蔭で変わることが出来たんだ・・・!あいつらがいたから・・・今日まで楽しく過ごせたんだよ!なのに・・・なのに・・・こんな形で終わるなんて・・・絶対に嫌だ!オレはまだ・・・あいつらを支え続けたい!・・・µ’sのサポート役として!」
西島「フッ・・・そうか・・・だったらここで油売ってる暇はねえな。」
達川「そう・・・だな」
オレはスッと立ち上がり、口の中に残っている血を吐き捨てた。
達川「西島・・・ありがとな」
西島「おいおい・・・礼ならµ’sが復活してから言ってくれ☆」
達川「フッ・・・分かった。」
オレは出口へ走り出した。
オレが屋上から出る間際に「あいつのパンチ強すぎるわチクショー!」って聞こえた気がしが、気にしないことにした。いや、こっちだて西島の蹴りが強すぎて骨折れたと思ったからな?あいつの脚力相当強いのだろう・・・。
まあそんなことはどうだっていい。
今の目標
それは・・・
µ’sを復活させることだ
いかがでしたか?
ちなみに、金曜日から冬休みに入ったので投稿のペースが一気に上がりそうです。
では。