ラブライブ! ~寡黙な男子高校生とµ’sの日常~ 作:孤独なcat
更新のペースが大幅に遅れてる・・・
それでは・・・お楽しみください!
絵里「申し訳ありませんでした!」
達川「我々のせいで娘さんが倒れてしまったことは深く反省しています。申し訳ございませんでした!」
オレと絵里は深々と頭を下げる
穂乃果母「あなたたち・・・・・
何言ってるの♪」
達川「は、はい・・・?」
すぐに笑ってきたという予想外の反応に驚いてしまった。
穂乃果母「どーせあの子が、出来る出来るって全部背負い込んだんでしょ?昔っからそうなのよね。」
達川「とはいえオレたちにも責任が・・・」
穂乃果母「そんなに硬くならなくて大丈夫よ~。それよりも、退屈してるみたいだから上がってって。」
退屈って・・・一応穂乃果は病人なのだが。
絵里「そ、それは・・・」
穂乃果母「大丈夫よ。今朝はもうすっかり元気になったわよ」
達川「そうですか。それでは・・・お言葉に甘えて失礼します。」
絵里「大人数で入ると迷惑だから、1年生は外で待っててくれる?」
凛「分かったにゃー」
真姫「早く戻ってきてよね」
達川「分かった。」
ということで、オレ、海未、ことり、絵里、希、にこで穂乃果の部屋に入ることにした。
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海未「穂乃果。」
穂乃果「あっ!海未ちゃん、ことりちゃん、達川君」
ことり「良かった~、起きられるようになったんだ」
穂乃果「うん!風邪だからプリン3個食べてもいいって!」
達川「いやいや寝てろよ・・・。」
オレらが近づくと穂乃果はマスクをつける。やはり風邪が完治したわけではないようだ。
にこ「まったく、心配して損したわ。」
希「お母さんの言う通りやね。」
にこ「それで、足はどうなの?」
穂乃果「あ、うん・・・軽く挫いただけだから腫れが引いたら大丈夫だって。」
どうやら足の方は軽傷で済んだらしい。これからもアイドルとして踊るのには支障が無さそうだ。
穂乃果「本当に今回はゴメンね・・・せっかく最高のライブになりそうだったのに・・・」
そう言うと穂乃果は急にしゅんとしてしまった。たしかに穂乃果にも原因はあるが、勿論穂乃果だけが悪いのではない。
達川「いや・・・、これはお前だけが悪いってわけではない。」
絵里「そうよ。これはみんなの問題よ。それと・・・はい。」
絵里は穂乃果にCDを渡した。よく見ると英語で”For Honoka”と書かれていた。
絵里「真姫がピアノでリラックスできる曲を弾いてくれたわ。これ聴いてゆっくり休んで。」
すると穂乃果は急にベットから飛び出して、窓をガラッと開けた。
穂乃果「真姫ちゃーん!ありがとー!」
絵里「何やってるのよ!」
にこ「風邪引いてんのよ!」
穂乃果「うえぇぇ!?ゴホッゴホッ・・・」
達川「ちょい!オレに向かって咳するな!」
風邪引いてんのに大声出してどうすんの・・・。まあ、余程嬉しかったのだろう。
達川「全く・・・病み上がりなんだから無理すんなよ・・・。」
穂乃果「ありがとう。でも、明日には学校に行けると思うんだ。」
ことり「本当?」
穂乃果も風邪から復活するから何とかいつもの日常に戻りそうだと思った
のは束の間で、穂乃果が言った次の言葉でこの部屋にいる全員の表情が曇った。
穂乃果「だからね、短いのでいいからライブもう1回できないかなって。ほら、ラブライブ出場グループ決定までもう少しあるでしょ?なんていうか・・・埋め合わせっていうか・・・何かできないかなって。」
一同『・・・』
全員が黙ってしまった。オレは絵里の方を見た。すると頷いてきたのでオレからあのことを話すことにした。
達川「穂乃果・・・落ち着いて聞いてほしい。」
穂乃果「え?」
達川「ラブライブには・・・出場しない。」
今まで楽しそうにしてた穂乃果の顔が、一瞬にして絶望の顔へと変わった。
達川「昨日、絵里が理事長に言われたんだ。無理しすぎたんじゃないかって。こういう結果を招くためにアイドル活動をやってたのかって。それでみんなで相談して・・・エントリーを辞めたわけだ。だから・・・もうランキングにµ’sの名前は・・・
無い。」
穂乃果「そんなぁ・・・私が調子に乗ったから・・・」
達川「いいか?もう1回言うが、これは全員の責任だ。体調管理を怠って無理をした穂乃果も悪いし、それに気づかなかったオレたちも悪いし・・・・・・・・あんな悪天候でライブの決行を許したオレも悪い。」
絵里「達川君・・・」
絵里はオレを見つめる。
ふと穂乃果の方を見ると項垂れて涙を流していた。余程ショックを受けたのであろう。なんせオレたちでさえもそう決めた時は泣いたのだから穂乃果が泣かないわけがない。
穂乃果の家を出た後、色々あって絵里と2人になった。
絵里「ねえ、達川君」
達川「ん?」
絵里「もしかして・・・まだ気にしてるの?」
一瞬何のことかと思ったが、すぐに絵里が何を言いたいのかが分かった。
達川「自分では気にしてないつもりではいるが・・・」
絵里「じゃあ何であの時、わざわざ『自分が』悪いって言ったの?」
達川「・・・」
その時オレは何も言えなかった。
オレは知らないうちにそんなことを言っていたようだ。あのライブの後、絵里が言った通り責任はみんなにあるってことになった。勿論オレはそれで納得しているつもりではあるものの、どうしてもオレの方が責任の比重が大きいはずだって考えてしまう。なんせオレはµ’sのサポート役ではあるがそれと同時にマネージャーでもあり、みんなのことをしっかりと見なければならないと自然に思うようになっていた。これがかえって責任を感じさせてしまったのであろうか。
絵里「達川君?」
達川「・・・すまん。すこしボーっとしてた。」
絵里「もし、まだ気にしてるようならジュースおごってもらうわよ。」
達川「え?いきなり何故・・・?」
絵里「フフッ」
絵里は少々不気味な笑いを見せる。てかジュースおごりって・・・。
絵里「これですこし気が軽くなったかしら?」
達川「あ、ああ・・・ありがとう。」
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5日後
穂乃果はとっくに回復し学校に通っている。オレもいつも通り登校し廊下を歩いていた。掲示板の方で何やら人集りができているが、もともと大勢いるところは苦手なのでいつもだったらスルーしていたのだが・・・
『来年度入学者受付のお知らせ』
この文字が目に入った気がしたのでもう1度よく見ていたら、やはり来年度の入学者受付についてのお知らせが書いてあった。
つまり・・・廃校が阻止されたのである
達川「マジか・・・」
少なくともµ’sの活躍が影響していることは間違えない。こうやって結果に結びついたのはとても喜ばしい。なんせµ’sの本当の目的は廃校阻止なんだから。
穂乃果「達川君!」
達川「おお、どうした?」
穂乃果「どうしたって、廃校阻止だよ!廃校阻止!とうとう私たちやったんだね!」
達川「お、おう・・・」
なんだこのハイテンションは。
復帰初日はラブライブのエントリーを辞めたこともあってかなり落ち込んでいたものの、今日はこのテンションである。余程嬉しかったのだろう。
おくから他のメンバーがやってきた。
達川「ハハッ、良かったな。廃校阻止が実現できて。」
絵里「ええ。これまで頑張った甲斐があったわ。」
真姫「さ、再来年はどうなるか知らないけどね。」
ここでまさかの真姫のツンデレが発動した
凛「凛たちに後輩ができる!」
花陽「うん!」
後輩がいない代っていうのもなかなか悲しいかもね。
達川「そうだな・・・。とりあえず廃校阻止祝いに今日の練習を無しにして盛大にパーティーでもやるか。」
穂乃果「いいね!やろうやろう!」
絵里「そうね。やりましょう!」
達川「よし、そんじゃ放課後に一旦部室に集まって役割分担して決行だ。」
9人「はーい!」
一旦解散したところで絵里がオレの方に来た。
絵里「ねえ、達川君」
達川「ん?」
絵里「ことりのことなんだけど・・・」
達川「ことり・・・ああ、なるほど。」
実はライブ前もそうだったが、ライブ後もことりの様子がおかしいのである。いつもニコニコしているのに最近寂しそうな表情を見せることが多い。
達川「うーむ・・・大したことじゃ無ければいいけどな・・・」
絵里「そうね・・・」
ことり・・・一体何を抱えてるんだ?
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時が過ぎて放課後
にこ「ではとりあえず、にっこにっこにー。みんなグラスは持ったかな?」
「「「「はーい!」」」」
「学校の存続が決まったという事で、部長のにこにーから一言挨拶させてもらいま〜す!」
「「「「いぇ〜い!」」」」
にこはそう言って何やら話し始めた。
にこ「思えば、μ'sが結成されて私が部長になってどれほどの月日が流れたのであろうか…」
だいたい3ヶ月くらいだな。うん。
たぶん、いや絶対これは話が長くなるな・・・。てことでオレはその話を切るように一声あげる。
達川「よし、かんぱーい!」
「「「「「「かんぱ〜い!」」」」」」
にこ「ちょっと待ちなさいよ!」
にこは突っ込んでくるけど、みんなスルーした。にこは話すのを諦めたようでもうそれからみんなとワイワイ楽しんだ。チラッと花陽の方を見ると何かと睨めっこしていた。何やってんだ・・・?
達川「花陽。それは・・・」
花陽「今大事なとこです!話しかけないでください!」
達川「え、あ、はい・・・」
花陽のような天使からそんなこと言われると結構ショックなんだが・・・。
『ピィーーーーーー』
何やら聞き慣れた音が鳴る。そして花陽はその機械の蓋を開けると・・・ご飯が入っていた。まさか・・・これ炊飯器だったのか!?
花陽「みんな!おいしいご飯が炊けたよ!」
凛「わーい!」
パーティーで炊飯器と睨めっこしてご飯炊く女子初めて見たのだが・・・
花陽「達川君も食べる?」
達川「お、おう・・・貰うよ。」
オレは花陽から受け取ったご飯を頬張る。おおっ・・・なかなかうまい!
パーティーの盛り上がりは時間が経つにつれてより一層増した。
そんの時に突然海未が話出してきた。
海未「ごめんなさい、みんなに少しお話があります。」
全員が、海未に注目する。
希「えりち、何か聞いてる?」
絵里「ううん、達川君は?」
達川「いや、何も。」
海未「突然ですが、
ことりが留学する事になりました
二週間後に日本を発ちます」
一同「………」
今・・・何て言った?
留学?
ことり「前から服飾の勉強がしたいと思ってて、そしたらお母さんの知り合いの学校の人から来てみないかって言われて…。もっと早く話そうって思っていたんだけど…」
達川「ライブとかがあって言えなかった、ていうことなのか?」
オレはそうことりに聞くとことりは素直にうなずいた。それは仕方ないといえば仕方ないかもしれない。なんせ穂乃果が倒れたりしてバタバタしてたし。
絵里「行ったきり、戻ってこないのね?」
ことり「高校を卒業するまでは・・・たぶん」
すると穂乃果が突然立ち上がってことりと海未の方へ近寄った
穂乃果「どうして・・・言ってくれなかったの?」
海未「だから、学園祭があったから——」
穂乃果「海未ちゃんは知ってたの?」
海未「ッ・・・それは・・・」
黙ったままということは、知ってたということなのだろう。
穂乃果「どうして言ってくれなかったの?ライブがあったっていうのも分かるよ。でも、私と海未ちゃんとことりちゃんはずっと一緒だったじゃん・・・」
穂乃果は幼馴染として言ったのだろう。しかし、幼馴染としてでも言えない事情がことりにはあったのだろう。
達川「おい穂乃果。少し落ち着け。ことりにだって訳があったんじゃ・・・」
穂乃果「落ち着けるわけないよ!だっていなくなっちゃうんだよ!?ずっと一緒だと思ってたのに…、離ればなれになっちゃうんだよ!?なのに・・・」
ことり「何度も言おうとしたよ・・・」
穂乃果の悲痛の訴えを遮る形でことりは話し始めた。
ことり「でも穂乃果ちゃん、ライブに夢中で、ラブライブに夢中で・・・だから、ライブが終わったらすぐに話そうと思ってた!相談に乗ってもらおうと思った!でもすぐに、穂乃果ちゃんがあんなことになって・・・時間が無くなって・・・聞いて欲しかったよ!穂乃果ちゃんには、一番に相談したかった!」
ことりの顔を見ると、彼女の目から涙が流れていた。
ことり「穂乃果ちゃんは初めてできた友達だよ!そんなの・・・当たり前だよ!」
それを最後に、ことりは部室を出て行った。
だが未だに信じられない・・・!ことりの悩み事がまさか留学のことだったとは・・・レベルが高すぎるがゆえにここまで話が大きくなるとは全く思っていなかった。
海未「・・・ずっと、行くかどうか迷っていたそうです。いえむしろ、行きたがってなかったようにも見えました。ずっと穂乃果の事を気にしてて、穂乃果に相談したら何て言われるかとそればかり。・・・黙っているつもりは無かったのです。ライブが終わった後に言うつもりだったんです。分かってあげてください」
その時、ことりがオレに話しかけたあの質問が脳裏を過った。
『もし夢が叶う機会がやって来たら、達川君なら自分の夢を追いかけますか?それとも、今いるその場所や友達を選びますか?』
そういうことだったのか・・・。あの時から留学の件がもう存在していて、ことりはオレに相談していたのか・・・!
オレがあの時真摯に向き合って応えてあげていればこんなことにならなかったのだ・・・。
達川「クソッ・・・」
絵里「どうしたの?」
達川「こうなってしまったのは・・・オレのせいかもしれない・・・」
海未「それは・・・どういうことですか?」
オレはあの時のことを話した。
海未「そうだったのですか・・・」
達川「本当に申し訳ない。」
海未「いえ、達川さんに非はありませんよ。」
達川「・・・ありがとな」
海未の言葉に少しだけ救われる。
ことりがいなくなってしまえば、9人の女神『μ's』ではなくなってしまう。ことりの留学を止めたいけれども、決めるのはことりでオレたちはそれを受け入れるしかなかった。
仕方ないけどこれが現実だ。
本当にどうなってしまうのだろうか・・・。
今年中に達川の家族編とかできたらな・・・って思ってます。
実はあともう少しで冬休みなんですよ。冬休みに入れば更新のペースが上がるかな・・・って思います。
では、またいつか。