ラブライブ! ~寡黙な男子高校生とµ’sの日常~ 作:孤独なcat
強いて言うなら今回は達川がキレます。
・・・以上!では、どーぞ
海未side
凛「もう嫌にゃ〜・・・これが毎日続くの〜?」
真姫「当たり前でしょ。」
穂乃果「.....ことりちゃん...」
ことり「なに?あと1問だよ!頑張って!」
穂乃果「おやすみなさい・・・」
ことり「ふぁっ!穂乃果ちゃん!穂乃果ちゃ〜〜ん!!」
希「じゃあにこっち、次の問題の答えは?」
にこ「え…えっと、に…にっこにっこにー…」
希「ふざけたらわしわしMAXって言ったやん?」
私は弓道部の方へ行かなくてはいけなかったので、途中で部室を後にしました。達川さんは・・・用事があるからって私よりも早く部室を出て行ってしまいました。頼みの要である達川さんがいなくなるとやはり不安です。
本当にこのままで大丈夫でしょうか・・・?
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弓道部の稽古が終わった後そのまま帰途に就きました。やはり定期テストが近いっていうこともあってほとんどの人がもう帰宅していました。なので学校は閑散としていました。
正門の奥の方から何か声が聞こえます・・・。それも・・・女子の声ですね。
正門の近くに隠れて様子を見てみますと・・・
??「ちょっとやめてください!」
不良A「そう言わずにオレたちが送ってやるから~」
不良B「そこで大声出してみろ・・・嫌な目に遭わせるからな・・・」
おそらく女子中学生でしょうか・・・?
こ・・・これは大変です!しかし・・・私一人ではどうしようもできません・・・!どうすれば・・・。
ビュンッ!
どうすればいいか考えていたら、後ろから人影が勢いよく通り過ぎ、不良のもとに誰かが向かっていきました。
その人は・・・・
達川さんでした
達川さんは女子中学生に触れている不良の手を掴みあげました。
達川「ええかげんにせーま・・・てめえら・・・」
不良ども「「ウッ・・・!」」
よほど強く握っていたのか不良はかなり苦しい表情をしていました。その時の達川さんは笑っていましたが目は憎悪に満ちたような感じでした。あんな表情見たこともありません。
達川「警察に世話になりたくなければとっとと失せろ・・・。」
不良たちは尻尾を巻いて逃げていきました。
海未「達川さん!」
達川「あ・・・見られたか。それよりも・・・そこの中学生、怪我は?」
??「あ・・はい!大丈夫です!ありがとうございました。」
達川「こんな時間に1人でいるんじゃねーぞ。気をつけな。」
??「は・・・はい。」
海未side out
達川side
普段だったら致命傷を負わせるけども学校の前だから下手なことできないと判断したので脅迫して不良どもを追い払った。まさかあの程度で逃げてくれるとは思わなかった。
すると園田が何かに気づく。
海未「あ・・・!この曲・・・」
達川「ん・・・?」
その女子中学生が流していた曲をよく聞いてみると、µ’sのファーストライブで歌った曲である『START:DASH』であった。まさかµ’sのファンか?
??「ああ!!µ’sの園田海未さんとマネージャーの達川昌信さんですね!」
海未「えええ!?」
達川「お・・・おう。そうだが・・・」
まさかフルネームで言われるとは思わなかった。人にフルネームで呼ばれたの初めてだ・・。
??「亜里沙ー」
亜里沙「あ!お姉ちゃんだ!」
お姉ちゃん・・・?なるほど、この人の姉が音ノ木坂の生徒で、その人を待ってたんか。
ん?てか、どっかで聞き覚えのある声・・・
オレと園田はその姉と思わしき人の方を見たが・・・
達川「マジか・・・」
絵里「・・・!」
海未「生徒会長・・・」
なんと生徒会長であった。
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園田と生徒会長は話がしたいということで公園のベンチに座った。会長の妹さんが自販機で飲み物を買ってきてくれた。気遣ってくれてありがたいけど・・・
海未「おでん・・・」
達川「カレー・・・」
こんなネタみたいなもの売っている自販機って存在したんだな・・・。
絵里「ごめんなさい、向こうの暮らしが長かったからまだ日本に慣れていないところがあって・・・」
達川「お構いなく。それよりも1つ確認したいことがあるんですけど。」
海未「??」
絵里「何?」
オレは一呼吸ついてから話す。
達川「オレたちのライブを撮影してネットにアップしたのは・・・生徒会長ですよね?」
海未「え!?」
絵里「!・・・何故?」
園田は驚いていた。しかし生徒会長は睨むようにしてオレを見つめる。
達川「部活動紹介のとき、東條さんに確認したんだが、この学校でカメラを管理しているのは生徒会だそうで・・・てことは生徒会長か東條さんに絞られる。でも東條さんの場合、生徒会の本質をよく理解してらっしゃる方ですから勝手に撮影しないと思うわけですよ。」
海未「生徒会の仕事の本質?」
達川「そうだ・・・。生徒会の本質は、生徒の支えになってあげることだ。だから生徒の要望には応じて動くことはあっても生徒会側が勝手に動くことはあり得ない・・・。東條さんは部活動紹介にしろ矢澤さんの勉強の面倒にしろ、一度オレたちに『やろうか?』て聞いてから動いてただろ?」
海未「たしかに・・・」
達川「だろ?だから東條さんはシロだ。したがって・・・生徒会の本質を理解せず、私情でオレたちを潰そうとしている生徒会長がクロってことになる。どうでしょう?生徒会長」
まああくまで推理でしかないがあっている自信はある。
絵里「・・・私が悪者みたいな言い方になってないかしら?」
達川「いやいや、あんたがオレたちにそういう態度でいるからだろ。オレはあんたにそれ相応の態度でいるだけだが?」
絵里「あなたねっ・・・!」
海未「達川さん言い過ぎです!」
達川「・・・すまん。まあ・・・オレの推理は正解ってことでいいですね?」
けっこう前から園田から言われてはいるがオレはヒートアップすると敬語が使えなくなるらしい。まあ直さなきゃいけないのは分かってるけど・・・癖だからな・・・。直すのは難しいんだよな。
そして園田の方から本題に入った。
海未「あの動画がなければ私たちは今、こうしてなかったかもしれません。あれがあったから見てくれる人も多くなったので、だから…」
達川「しかし、それが生徒会長にとっては予想外な結果になりましたね・・・。」
絵里「!!」
海未「え?どういうことですか?」
オレは園田の話を中断させる。
ライブの撮影をしていた人が生徒会長だと分かってから、オレは何故生徒会長がネットにアップしたのかを必死で考え、1つの結論にたどり着いた。
達川「まず、ネットにあげるところで少し引っ掛かる部分がある。何故フリーの動画サイトではなくアイドル専門サイトなのかが。」
海未「それは・・・私たちがアイドルだからでは?」
達川「まあそうだな。でも最大の理由は歌・ダンスに関してド素人だったオレたちµ’sを、歌・ダンスが非常に上手な集団の中に放り込むところにある。」
海未「!」
園田も気づいたようだ。
達川「アイドル専門サイトに動画をアップして目の肥えた人たちから低評価を浴びさせることによって高坂たちのアイドルのやる気を無くならせようとしたのが生徒会長の狙いだったんだろう。まあ、上手くいかなかったが。」
海未「よくそこまで考えましたね・・・。」
まあ、生徒会長の狙いは180度ずれてすごく人気が出ちゃって巷でもそれなりに知られるようになった。生徒会長にとってはなんとも皮肉なことか。
達川「そうですよね・・・?生徒会長。」
絵里「・・・ええ、そうよ。」
生徒会長は続けて話す。
絵里「あなた達のダンスや歌がいかに人を惹きつけられないものか、活動を続けても意味が無いか知ってもらおうと思っただけ。だから今のこの状況は想定外。無くなるどころか人数が増えるなんて......でも、私は認めない」
ほほう・・・。
絵里「人に見せられる物になっているとは思えない。そんな状態で学校の名前を背負って活動して欲しくないの。」
プツンッ
オレの理性が感情を抑えきれなくなりそう・・・。いや、もう・・・無理・・・
ホント・・・はがやしい・・・
絵里「だからあなたたちの活動は無意味よ。廃校になるだけよ。話は終わりよ」
達川「終わってねぇよ・・・」
絵里「何?」
達川「人を引き付けられないだ?人に見せられないだ?黙って聞いてりゃ偉そうにしやがって・・・あんた何様のつもりだぁ!?」
海未「ちょっと達川さん!」
理性を無視して思ったことをそのまま吐き出していく。
達川「たしかにダンスはまだまだかもしれん。課題も多い。でもなあ、高坂たちは少しでも上手くなろうと日々努力してるだぞ!それに比べてあんたは何だ?ろくな努力もしないで机上で作業してるだけだろぉ!おまけに私的な感情で生徒会の権力使ってオレたちを潰そうとしてるよなぁ!?ホントわけわからんわ!滅茶苦茶だわ!」
絵里「!」
達川「それにな!あんたなんかより高坂たちの方がよっぽど輝いているしまともにやってるわ!」
絵里「どういうことよ!」
海未「達川さん!もうやめてください!」
達川「高坂たちはな、あんたとちがって自分らでやりたい事見つけてそれを達成しようと頑張ってんだよ!オレはそれをすごいとも思ってるし尊敬もしている!でも何にもしてねえあんたはそれを妨害しているんだぞぉ!?あいつらがやることにいちいちでかい面して口出すんじゃねえ!」
パチィィィーンッ!
頬にちょっとした刺激が走る。どうやら生徒会長からビンタされたようだ。
絵里「うるさいわね・・・あなたに何が分かるっていうのよ!」
そう言って走り去って行った。
その時の生徒会長は泣いていたような・・・。
海未「た、達川さん?」
達川「・・・・・・・・・・・・・」
海未「達川さん!」
周りの音が何も入らない状態が少し続いたので園田の声に全く気付かなかった。
達川「!・・・すまん。どうした?」
海未「さっき言ったことは・・・本気ですか?」
達川「まあ・・・本心だったな。でも流石に言い過ぎた・・・か。」
海未「たしかに言い過ぎです。でも・・・嬉しかったです。」
達川「そ、そうか・・・///」
しかしまだ腑に落ちない部分があるといえばある。
海未「これからどうしますか?」
達川「神田明神に行く。」
海未「私も行ってもいいでしょうか?」
達川「ああ・・・。」
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神田明神で東條さんに会い、そこで先ほど起きたことを説明した。
希「なるほど、そんなことがあったんやな・・・。」
海未「はい・・・。達川さんが言い過ぎた部分もありますが。」
希「たぶん核心突かれて悔しかったんやと思うよ」
オレは本題を切り出す。
達川「それよりも東條さん、生徒会長は昔何かやってましたよね?」
希「なんでそう思うん?」
達川「まあ・・・さっきの会話でやたら態度がデカく感じたのですが、そうなる所以があるのではと思ったので・・・。」
希「なかなか鋭いね・・・。やっぱ達川君は頭キレる男子やわ~。」
達川「フッ・・・どうも。」
希「ほな、今から見せてあげる。」
東條さんが見せた映像。それはバレエだった。しかも踊っているのは・・・幼少時の生徒会長だ。素人の感想ではあるがとても華麗に踊っているように思えた。あれだけ綺麗に踊ってたらアイドルのダンスは素人に見えても仕方ないのかもしれない。
達川「なるほど・・・。バレエねえ・・・。」
希「それなりの賞は取ってたみたいやけど目指してたものには届かんかったみたいやで。」
達川「フッ・・・これでスッキリしましたわ。東條さん、ありがとうございました。」
希「おおきに♪」
海未「・・・」
生徒会長はバレエというダンスをやっていた。しかしあくまでそれは幼少時の時のこと。今のこと考えたら別に何とも思わない。園田の方を見たが・・・何か思い悩んでるようであった。おそらく生徒会長にあれだけ言われ、且つバレエというダンスも華麗だったから、けっこうなショックを受けているのかと思われる。
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翌日の放課後、オレたちはテスト勉強をしていた。しかし・・・あまり進捗は良いとは言えない。特に高坂と星空は勉強会開始以降進歩が見られない。それにオレ自身それを解決するための案は何も思いついていない。少々マズいぞ・・・。
おまけに・・・園田に関しては完全に暗い。やはり昨日のことを引きずっているのだろう。
希「今日のノルマはこれね」
ほのりんにこ「「「鬼…」」」
希「おや?まだわしわしが足りてない子がおるん?」
ほのりんにこ「「「まっさか〜!」」」
こうして勉強会が始まったものの・・・園田は集中できていないようだ。
海未「ことり、達川さん。穂乃果の勉強、お願いします。」
ことり「え・・・」
達川「・・・」
真姫「海未先輩、どうしたのですか?」
ことり「さあ・・・」
あいつ・・・まさか・・・。
希「達川君、行った方がええんやないの?」
達川「そうですね。それではしばし失礼します。」
東條さん・・・あんたはこうなるって分かってたのか・・・?
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海未side
あの日から生徒会長のバレエの映像が今でも思い出されます。あの生徒会長が昔バレエをやっていたとは・・・だからあんなにも言えるんだと納得してしまいました。
だから私は・・・生徒会長に・・・・・
達川「やはり・・・そこにいたのか。」
海未「!!!・・・」
達川「はぁ・・・優先順位ってもんがあるだろ?」
見た感じでは、達川さんは私と違っていつも通りの表情でした。達川さんはあの日のことは何とも思っていないのでしょうか?
達川「どうせショック受けたんだろ?・・・生徒会長のバレエに。」
まさに図星でした。達川さんは人の心や先のことを読んでしまうあたり希先輩と似ているように思えます。
海未「自分たちが今までやってきたものは何だったのだろうって思いました。悔しいですけど生徒会長がああ言いたくなる気持ちもわかりました。」
達川「ほほう・・・。それで生徒会長からダンスを教わろうと?」
海未「何もかもお見通しでしたか・・・。はい、そうです。もし、今のみんなが先輩の半分でも踊れるようになったら本当の意味で人を惹きつけられるのにって!」
µ’sがこれから成長していくにはダンスを教わる必要があるとあの時思ったのです!そしたら・・・本当に人を惹きつけられるようになる・・・!
達川「その件なら・・・オレは賛成だ。」
海未「達川さん・・・!」
達川「まあ・・・その・・・実際、更なる成長を望むなら技術的課題を解決する必要がある。差出人の分からない『あの手紙』がそれを解決する材料にはなるが・・・それだけじゃ足りない。だからダンスが上手い人に直接教わる必要がある。そうしないと本当に解決できない。そこで生徒会長が出てくるわけだ。」
達川さんもそう考えていたのですね・・・。
達川「とはいえ・・・先に片づけるべき問題があるだろ。」
海未「!・・・そうですね。」
私は部室へ急いだ。
海未side out
達川side
園田が部室へ走っていったところをオレは見届けた。
そして・・・やはりあの人が近くでこのやり取りを聞いていたみたいだ。
達川「いつまで隠れてるつもりですか・・・?あと、こうなるって分かってたんですか?・・・東條さん」
希「やっぱり達川君は頭キレた存在やね~」
達川「その言葉、けっこう聞いてますが。」
希「まあ、そう言わんと。」
前々から東條さんは我々の行動や考えを先読みしてるようである。しかし、オレとしては東條さんの考えのもとで動いてるような気がしてどうも気に食わない。それ故に東條さんが予想だにしていないことをやって一泡吹かせてやりたい・・・。
園田に少し遅れて部室に着くと、高坂たちの目が死んでいた。
そして園田が突然こんなことを言った。
海未「今日から穂乃果の家に泊まり込みます!」
穂乃果「ええ!?」
海未「勉強です!」
穂乃果「お・・・鬼・・・」
泊まり込みか・・・。まあ、そのくらいしないと赤点回避は難しいから仕方ないのかもしれない・・・。
達川「まあ・・・高坂には最善の方法かもしれないな。」
海未「達川さん、他人事みたいにいわないでくださいよ?当然、達川さんも泊まっていただきます。」
・・・・・は?
達川「ちょっと待て!いくら何でも問題あるぞ。男子が女子の家で寝泊まりってのは流石にマズい。だから・・・勉強が終わるギリギリまでいるから泊まり込みだけは勘弁してくれ・・・!」
オレは園田の前で手を合わせて願う。
海未「ウウッ・・・分かりました。」
内心オレはホッとした。・・・ていうのは束の間で・・・
海未「絶対に約束は守ってくださいね!!!絶対にギリギリまでいてください!!!」
達川「は・・・はい」
その時の園田はめちゃくちゃ怖かった・・・。
こうして園田主催の高坂のための特別勉強強化合宿が開催され、オレはずっと付き合わされるのであった・・・。
もう少しでエリチカが加入しますね。しかし、達川とエリチカの関係はこれまでの言い争い的なこともあってかなりギクシャクしてます。そこら辺をどうしていくべきか・・・
あと、オリジナルストーリーをいつ投稿するか、またどういう内容にするか、色々考え中です。もしかしたら第3のオリキャラ投入するか・・・(半分冗談でーす)
まあこんな私ですが今後も読んでいただけたら嬉しいです。
あと、夏休みが終わり明日から学校が始まるので投稿のペースがかなり落ちると思われます。その点はご了承願います。